Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

嗚呼無念、原発ストレステスト社説集2011/07/07 08:10

嗚呼無念、原発ストレステスト社説集


日経社説は「本来なら事故直後に始めるべきテストを、なぜ、この時期に実施すると発表したのか、理解に苦しむ」と書いている。的を射た指摘ではある。

しかし、日経は事故直後に原発ストレステストを始めるべきと主張したのか。少なくとも私にはその記憶がない。

その後も主張すべきチャンスは何度もあった。欧州連合(EU)原発ストレステスト実施に向けて動き始めたのは3月下旬。その詳細が伝わってきたのが5月上旬。

こうしたEUの動きを受けて、本ブログは5月5日に「日本も早急にストレステストで原発仕分けを!」との主張開始。同時に原発ストレステストを盛り込んだ提言書を作成し、各方面に対して説得に歩いた。

5月にストレステスト実施を決めていれば、今夏に間に合ったかもしれない。それを考えると無念でならない。この無念さは日本の危機にあっても提言活動を疎かにしている日経含めた新聞やテレビ、それに学者や評論家やジャーナリストにはわかるまい。

それでも来春以後のことを考えれば原発ストレステストは必要と信じる。早急な実施を求めたい。

問題の核心は無責任男。浜岡パフォーマンスに象徴されるように「脱原発」を延命の道具に使う菅直人という人物が許せない。「脱原発解散」カードをちらつかせることで、党内を恐怖政治で締め上げている菅直人という人物がどうしても許せない。

そんな人物を「脱原発の旗手」ともてはやす人が大勢いることが、どうにもこうにも理解できない。「人を見る目を養った方がいい」などと余計な提言もしたくなる。


<原発ストレステスト社説集>

混乱に輪かける唐突な原発テスト表明(社説)
2011/07/07 日本経済新聞 朝刊

 海江田万里経済産業相が6日、全国の原子力発電所でストレステスト(耐性調査)と呼ぶ追加的な安全検査を実施すると表明した。地震や津波に襲われたとき、原発の設備が安全基準で定めた水準に対し、どの程度の余裕があるか調べる検査だ。

 福島第1原発の事故を受け、ほかの原発で安全性を念入りに確かめること自体は妥当だ。しかし、定期検査で止まった原発の再稼働をめぐり地元が厳しい判断を迫られているなか、唐突な追加検査の実施表明は混乱に拍車を掛けている。

 経産相はこれまで地元自治体に再稼働の要請を続けてきた。一方で、原発事故の発生から4カ月近くたっていきなりテスト実施を持ち出した。本来なら事故直後に始めるべきテストを、なぜ、この時期に実施すると発表したのか、理解に苦しむ。

 定期検査で停止中の九州電力玄海原発2、3号機では地元が再開を容認する姿勢だった。だが佐賀県知事は「テストを待って判断するのが妥当」と、結論を先送りした。地元の自治体や住民は困惑し、かえって不信感を募らせている。

 このままでは54ある原発すべてが1年以内に止まり、電力不足が深刻化して経済全体に影響が及ぶ。経産相は危機回避へ全力を尽くすというが、それを乗り越えるための具体的な手立てを示さなければならない。

 菅直人首相はテスト実施の理由を自ら丁寧に説明すべきだ。首相は中部電力浜岡原発について政治判断で停止を指示し、これが発端になってほかの原発の運転再開が遅れている面がある。首相は佐賀県知事との面会も先送りしているが、これではあまりに無責任ではないか。

 福島第1原発の事故を受け、欧州連合(EU)は域内の原発で素早くストレステストに着手した。日本でも実施する以上、細目を早く示し、国民が信頼できる検査体制を整えることが欠かせない。国の原子力安全委員会が関与し、「ダブルチェック体制」を機能させる必要がある。

 原発の新設や運転再開では、まず原子力安全・保安院が安全性を審査し、それを安全委が重ねて点検する仕組みを取っている。班目春樹委員長はストレステストで大きな弱点が見つかれば「対策を実施するまで運転をすべきではない」と述べた。

 安全委は原発事故へ対応が後手に回ったことで批判を浴び、政府は原子力安全を担う組織を再編する方針だ。しかし今の事態は急を要する。ここはひとまず安全委が「原子力安全の番人」たる役目を果たさなければ、その存在意義はない。


原発再テスト 運転再開へ安全確保を急げ(7月7日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110706-OYT1T01120.htm

 政府がいったん安全に「お墨付き」を出した原子力発電所を、改めて検査することになった。

 菅首相は6日の衆院予算委員会で、国内の原発について、地震や津波による過酷な事故にどこまで耐えられるかを調べる「ストレステスト(耐性検査)」を行う考えを示した。

 定期検査で停止した原発の運転再開に関する、新たな基準やルールを作成するとも述べた。

 原子力安全・保安院による従来の検査だけでは、運転再開に地元の自治体や住民の理解を得られにくいと判断したという。

 原発の安全に万全を期すことは重要だ。だが、首相の原発政策を巡る言動は、あまりに場当たり的で、原発の停止による深刻な電力不足に対する配慮も足りない。

 政府は、テストの具体的な手法やスケジュールを早急に詰めて実施に移し、原発の安全再確認を図るべきだ。

 このテストは、従来の安全基準を超える地震など、厳しい条件にさらされた場合の影響を模擬計算する。電源やポンプ、配管など設備の弱点を洗い出し、安全性の強化に役立てるとしている。

 福島第一原発の事故を受け、欧州では6月からストレステストを開始している。国際原子力機関(IAEA)も、加盟各国に導入を求める方針だ。テストは、原発の信頼性の補強材料となろう。

 懸念されるのは、九州電力玄海原発の運転再開が大幅に遅れかねないことだ。

 海江田経済産業相は6月中旬、国内の原発の安全対策が適切だとする「安全宣言」を出した。玄海原発の現地も訪れ、安全性に「国が責任を持つ」と確約した。佐賀県の古川康知事も再開に一定の理解を示していた。

 安全性に合格点をつけた政府が突然、“追試”を課すと言い出したことに、知事と地元町長が強い不信感を表明したのは当然だ。

 築かれつつあった地元との信頼関係は、大きく傷ついた。

 他の原発に広がりかけていた再稼働の機運に水を差し、電力不足が全国的に長期化することも懸念される。

 この日の国会審議では、菅首相と原子力安全委員会の班目春樹委員長がともに、経産相の「安全宣言」の内容を事前に知らなかった事実も判明した。政府内の意思疎通は極めてずさんである。

 原子力政策の司令塔が一体どこにあるのかも不明確だ。政府はしっかり連携し、原発の安全確保を急がなければならない。

(2011年7月7日01時30分 読売新聞)


原発のテスト―福島後の厳しさが要る
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1

 全国の原発で、新たに安全性評価(ストレステスト)をすることが決まった。いま、原発が安全かどうかを判定するには、福島第一原発の経験を踏まえた検証が必須だ。最初から、合格させるための手続きであってはならない。

 テストの実施は海江田万里経済産業相が発表した。テストを経て、真夏の電力需要がピークになる前に点検中の九州電力玄海原発2、3号機などを何とか再稼働したい思いのようだ。

 だが、福島の事故を受けて欧州連合(EU)が始めたテストは、地震や津波などの自然災害から、テロによる航空機衝突までを想定する厳しいものだ。そういうとき、原子炉を安全に冷却停止できるかを調べている。

 日本でも、客観的な安全性を高めるために導入するのならば賛成だ。むろん、本格的に取り組むには今夏に間に合わない。大事なのは信頼される安全の担保をどう得るかだ。

 テストはおもにコンピューターによる計算で進める。全体として想定の災害にどれくらい耐えられるか余裕度を測る。原発施設や地質構造をどう適切に数値化するか、与える衝撃の想定が妥当かといった条件が重要になる。テストする主体は電力会社だという。データの多くは電力会社が握っているからだ。

 福島事故の後、原子力安全・保安院は国内全原発に緊急対策を指示した。だが、それぞれの原発ごとに古さや立地条件の差があるのに、どれも早々に「安全」としたことが、むしろ周辺の住民の不信をつのらせた。

 新しいテストは結論だけでなく、使った仮定や経過もすべて公開して外部の目にさらす必要がある。さらに「安全」とみなす余裕度の最低水準をどう線引きするか。水準に達しないと判定された原発をどうするか。合理的な根拠と併せて説明しなければならない。

 「どうしたら信頼されるか」を政府は真剣に考えなければならない。そのためには「誰が監督するか」が大事になる。原発を進めてきた経産省にある保安院ではなく、独立性と専門性があり、安全に徹する規制監督の主体を急ぎ、作る必要がある。

 EUのテストは、最終段階で他国の専門家集団の検証も受ける。身内に甘い結果にならないようにするためだという。

 電力不足による社会の混乱を防ぐために、安全とみなせる原発を当面再稼働することが必要になってくる。そのために、住民からも、日本の対応に注目している国際社会からも信頼されるテストにする必要がある。


<注目関連記事引用>

原発、今夏の再稼働困難 首相「安全宣言」翻す
電力需給の先行きに不透明感 (画像引用)
2011/7/7 1:31
http://s.nikkei.com/qNMrVU

 定期検査で停止中の原子力発電所の今夏の運転再開が難しくなってきた。政府が6日、全原発を対象に事故・災害への耐久性を調べるストレステスト(耐性調査)を実施する方針を打ち出したのに対し、佐賀県など原発立地自治体が態度を硬化させている。中部電力浜岡原発以外の原発の安全性を確認したとしていた従来方針を菅直人首相が翻したためで、電力需給の先行きに不透明感が強まる。

 菅首相は6日の衆院予算委員会で、運転停止中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働について「国民が納得できるルールの下で検証していくことが必要だ」と発言。ストレステストの実施を細野豪志原発事故担当相、海江田万里経済産業相に指示したことを明らかにした。

 だが、海江田氏は6月29日に佐賀県の古川康知事を訪ね、「再稼働して構わない。国が責任を持つ。首相にもご理解いただいている」と要請していた。再稼働についての新ルールを求める首相の指示は経産相の行動を否定するものだ。

 経産相が全国原発の「安全宣言」をした翌日の6月19日、首相は官邸で開いた自然エネルギーに関する「オープン対話」の席上で、原発再稼働を巡って海江田氏と「同じ思いだ」と述べていた。

 首相の翻意を受け、玄海原発の再開容認に動いていた佐賀県は態度を硬化させた。古川知事は6日、これまで7月中旬としてきた再開の是非の判断時期が「全く飛んだ」と発言。7日に首相官邸に枝野幸男官房長官を訪ね、首相の真意を確認する考え。停止中の原発を抱える他の自治体の判断にも影響を与えそうだ。

 ストレステストの内容はまだ固まっていない上、実施に何カ月もかかる可能性もある。

 全国の原発の稼働が遅れれば、夏の電力供給は厳しさを増す。九州電力は火力発電の稼働率を上げる一方、顧客への節電要請を迫られる見通し。玄海原発が再稼働しない場合、ピーク需要に対する供給余力は1.6%と安定供給の目安とされる8%を大きく下回る。

 昨年のような猛暑になれば、電力制限令を発動した東京電力と東北電力に加え、関西電力など合計5社が同様の状況になる。余力が8%を上回るのは北海道電力と中国電力だけだ。

 原発は全電力の供給量の約3割を占める。原発が再稼働せず、新たに定期検査で停止する原発だけが増えると、暖房需要が増す冬の需給は一段と厳しくなる。現在稼働中の原発の出力は合計で、1758万キロワットに上る。

 北陸電力では現在停止中の原発が再稼働しないと、冬場に20%程度電力供給が不足する可能性がある。四国電力では約15%の供給不足が起きる見込み。各地域で今夏の東電管内を上回る大規模な節電が必要になる。来年夏も東電や関電など6社で電力不足が10%を超える見通しだ。

 関西電力の幹部は6日、国による電力の使用制限令について「供給不足が広がればあり得る」と述べた。計画停電についても「一つの可能性として考えたい」と語った。


政府の原発再稼働対応チグハグ 背景に首相の思惑 
国民生活や原発立地県に配慮ゼロ
2011.7.7 01:38
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110707/plc11070701410005-n1.htm

 深刻な電力不足が懸念される夏を迎えたが、政府の原発再稼働に対する方針が定まらない。九州電力玄海原発(佐賀県)の再稼働に向けた働きかけをしたにもかかわらず、今度は突然、安全検査「ストレステスト」の実施を発表した。中部電力浜岡原発(静岡県)の運転停止では主導権を発揮した菅直人首相は佐賀県の古川康知事との会談を拒否するなど、再稼働に後ろ向きの姿勢を示している。

 「立地自治体は政府の誰の言葉を信用していいかまったくわからない状況になってきた」

 ストレステスト導入について古川知事は6日夜のNHK番組で、困惑を隠さなかった。唐突な発表に驚いたのは古川知事だけではなかった。ある経産官僚は「中身や経緯については知らない」とこぼしており、事務方の大半は寝耳に水だったようだ。

 閣内ではストレステストの実施は必要との認識で一致していたものの、玄海原発でも実施することに強くこだわったのは首相だった。運転再開を目指していた海江田万里経済産業相は慎重だったが、首相が押し切った。

 首相はインターネット中継した6月19日の国民対話の時は、定期検査で停止中の原発の再稼働について、「安全性が確認されたら順次再稼働していくと海江田氏が言ったが、私もまったく同じだ」と語っていた。

 ところが、その後「脱原発派」に傾斜していった首相は、原発の再稼働要請をめぐり、海江田氏から、電力の安定供給に関するメッセージを発するよう要請されても「自分は言いたくない。言うべきではない」と拒否した。

 海江田氏は首相に古川知事と会談するよう要請したが消極姿勢を貫き、結局、枝野幸男官房長官が代役を務めることになった。

 5月に浜岡原発の停止を要請したときには、海江田氏の記者会見の予定を取りやめさせ、自身が記者会見で発表して“手柄”としたのとは対照的だ。

 背景には、玄海原発再開に手を貸すと「脱原発の旗手」としての地位を失い、ひいては延命をかけた「脱原発解散」カードも手放すことになりかねないという首相の思惑と計算がありそうだ。だが、首相の自己都合に基づく短兵急で場当たり的な安全対策が、原発再開にいったんは理解を示した地元の反発を招いた。

 「首相は国家戦略担当相時代には、再生可能エネルギーなんてまったく関心を示さなかった」

 元政府高官はこう指摘する。各種世論調査で浜岡原発の停止要請が評価されると、再生エネルギー特別措置法案の成立に俄(が)然(ぜん)意欲を示すようになったという。そこには国民生活や原発立地県への配慮はまったく見えない。(小田博士)

コメント

_ とおる ― 2011/07/07 10:10

只今、管直人による民主党議員・日本国民に対する「"首相居座り"ストレステスト」実行中。

_ Y-SONODA ― 2011/07/08 07:21

とおるさんへ

>只今、管直人による民主党議員・日本国民に対する「"首相居座り"ストレステスト」実行中。

あはは。実は昨日もいろんな方からお電話。
中には原発ストレステストの前にやるべきことがあるだろうとのご意見も(笑)
その内容をアップしておきました。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「カ○スの勝手でしょ」にようこそ♪ 質問:○に入るカタカナ一文字は?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/07/07/5946035/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。