Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

伊藤忠商事会長・小林栄三氏「空洞化は確実に日本の力を弱体化させる」発言の裏で蠢く中国2011/05/31 07:55

伊藤忠商事会長・小林栄三氏「空洞化は確実に日本の力を弱体化させる」発言の裏で蠢く中国


震災後、アメリカとロシアを訪問した伊藤忠商事会長の小林栄三氏。

「何人かの方から、震災やエネルギー不足といったリスク分散のため、日本企業の拠点をこちらへ移してはどうか、大歓迎する」と言われたそうだ。

「実際、アメリカやロシアに限らず、アジア諸国などにも、日本企業の移転を期待し、その受け入れ態勢を更に整えようという動きがある」とのこと。

アジア諸国と言いながら、中国に言及しないのはなぜか。ここで伊藤忠の中国戦略を語りたくない理由は何か。

震災からおよそ1ヵ月後の4月21日に伊藤忠が発表した『中国大手政府系コングロマリット「中国中信集団公司(CITIC)」との包括戦略提携』。その中に堂々と記載されている「日中間クロスボーダーM&A及び日本企業の中国進出サポートに関するアドバイザリー業務」。

中国からも「震災やエネルギー不足といったリスク分散のため、日本企業の拠点をこちらへ移してはどうか、大歓迎する」と言われたからではないのか。そして、伊藤忠の中国戦略拡大のチャンス到来とばかりに、CITICと包括戦略提携。

「懸念するのは、日本企業による海外へのシフトが増加し、日本の空洞化が更に進むことである。空洞化は確実に日本の力を弱体化させる。」と語る小林会長。その一方で岡藤正広社長はCITICとガッチリ握手。

これぞ商社の醍醐味。日本の空洞化を懸念するといいながら、中国政府系金融機関と組んで日本の空洞化を後押ししている。

本ブログは防衛大学校長の五百旗頭真氏が唱えた「日米同盟」プラス「日中協商」を支持。軸は「日米同盟」であり、「日中協商」はあくまでもプラス要因でしかない。よって、中国への深入りは禁物との立場。

伊藤忠さんよ。本当に中国でいいのか。今また伊藤忠ならではアジア主義という亡霊が蘇っているのではないか。戦前と同じ失敗を繰り返そうとしているかのように見える。


<関連記事引用>

■未来へ向かって――伊藤忠商事会長小林栄三氏(あすへの話題)
2011/05/30 日本経済新聞 夕刊

 震災後、アメリカとロシアを訪問した。現地でお会いした政府関係者、取引先など、みな日本の震災について大変心配してくれ、日本のためであればどんな協力も惜しまない、という温かいメッセージを頂いた。

 また、地震発生時、まだ揺れが続いているにもかかわらず、商店やオフィスの中で自分の職場を守ろうと、懸命に棚やパソコンを押さえている社員の姿や、震災後も略奪・暴動などをせず、むしろ冷静沈着に行動する市民の姿などにも感銘したとの話があった。

 こうした日本人として嬉(うれ)しいコメントを頂いた一方、ハッと考えさせられる話もあった。それは、何人かの方から、震災やエネルギー不足といったリスク分散のため、日本企業の拠点をこちらへ移してはどうか、大歓迎すると言われたことだ。実際、アメリカやロシアに限らず、アジア諸国などにも、日本企業の移転を期待し、その受け入れ態勢を更に整えようという動きがあるようだ。

 そういった動きを受け、懸念するのは、日本企業による海外へのシフトが増加し、日本の空洞化が更に進むことである。空洞化は確実に日本の力を弱体化させる。それを防ぐ為には、復旧、復興、創造に更なるスピード感をもって取り組む必要があると共に、このグローバル社会の中で、国内拠点が更に競争力をつけ、それを維持できるような政策の速やかな実行が求められる。

 この国家の大事な局面で、後手に回っては取り返しがつかないことになる。日本の産業を更に活性化させ、雇用を守り、若い世代の活力を生かす社会にするため、全国民が知恵を絞り具体策を実践する時にきている。


■「インフラ」「中国」重点投資、伊藤忠商事、岡藤社長「思いっきりやる」2年目に。
2011/05/01 日経ヴェリタス (画像引用)

 昨年春の就任時、伊藤忠商事の岡藤正広社長は「1年間しっかり勉強して、来年度からは思いきってやっていきたい」と話していた。2012年3月期は「思いっきりやる」年度にあたる。

 すでに岡藤社長はオリエントコーポレーション(8585)株の減損処理や吉野家ホールディングス(9861)株の売却、事業の統廃合などでリーダーシップを発揮して大ナタを振るってきた。これらは負の遺産を整理するリストラが中心だった。財務体質の改善が進んだことから、今期は一気に投資にアクセルを踏み込む見通しだ。

 近く発表される予定の中期経営計画には、重点投資の柱の1つにインフラ分野が盛り込まれる見通しだ。すでに他社が先行しているが、新興国の電力事業を積み上げて追い上げを図る。

 足元の業績は好調。伊藤忠は繊維や食料のイメージが強いが、鉄鉱石をはじめとした資源分野も三菱商事や三井物産に次いで大きい。資源高の恩恵は十分に受けられ、利益では住友商事に迫る可能性もある。前期にオリコや吉野家HDなどの損失処理があるため、今期の増益幅は大きくなりそうだ。

 市場関係者の注目を集めているのは中国市場戦略。総合商社の中で大きく中国に投資しているのは意外にも伊藤忠だけだ。食品大手の頂新ホールディングスや繊維大手の杉杉集団などに大株主として経営に参画している。先日も中国政府系金融機関の中国中信集団(CITIC)と包括提携し傘下の投資会社への出資も決めた。

 中国への投資残高は16年3月期に10年3月期末比79%増の2200億円に達する見通し。中国事業の純利益の目標は同3.2倍の500億円に据えている。

 中国市場は競争も激しく、中国消費そのものをどこまで取り込めるかは不透明な部分も残る。ここでも岡藤社長の一挙手一投足が注目される。

【図・写真】中国金融大手CITICと提携するなど岡藤社長(前列右)の中国市場戦略も注目される


■アジアマネー、日本買い止まらず、観光・自動車部品・不動産…震災後も強気。
2011/05/22 日経ヴェリタス

 アジアマネーは日本にも熱いまなざしを送る。最前線を追った。

 アジアの投資家がこぞって投資する地域が日本にある。アジア有数のスキーリゾートといわれる北海道のニセコ地区だ。

 香港の著名投資家、李嘉誠氏の次男、李沢楷(リチャード・リー)氏(44)が率いるパシフィック・センチュリー・グループは同地区に2012年から1000億円超を投じて、ホテルや別荘を備えた大規模リゾート開発に乗り出す。マレーシアのフランシス・ヨウ氏(56)が率いる大手財閥、YTLグループも昨年、60億円でニセコのホテルを買収。500億円規模をかけ、商業施設や別荘を建設、アジアの富裕層を呼び込む狙いだ。

 中国の自動車部品メーカー、大連日東塑料加工(大連市)を率いる李秀鵬氏(43)は3月22日、日本企業の買収に動いた。傘下の日本法人を通じて、東証2部上場で同業のイクヨの発行済み株式の3割を取得したのだ。李氏は中国でここ数年、急速に台頭してきた民間の新興起業家の1人だ。

 3月11日に発生した東日本大震災で「海外マネーが日本から流出するのでは」との見方もあったが実情は異なる。

 東京証券取引所の集計によると、3月のアジア投資家の日本株買越額は5500億円弱と金融危機以降で過去最大を記録した。買越額は北米勢(9286億円)に次ぐ2位だが、東証の統計は売買に使う口座がある場所を基準に地域を判別しており、大連日東のように日本の法人や信託銀行を経由した売買はアジアに含まれない。「投資の意思決定者がどこにいるかという実質的な基準で分類すると、アジア投資家が最大の買い手だった」とUBS証券のトレボー・ヒル株式本部副部長は指摘する。

 日台間のM&Aを仲介するアジア・フィナンシャル・グループ(東京・港)を立ち上げた台湾人の謝育道社長(43)は「LED(発光ダイオード)や太陽光パネルを製造する複数の台湾企業から、日本企業と資本提携したいという打診が来ている」と明かす。アジア富裕層に日本向け不動産投資ローンを提供するHSBCは「震災後に日本の建物の耐震性の高さを再確認し、いい物件を割安に変える好機とみる投資家は多い」(大橋雅英プライベートバンキング本部長)。

 「我々は日本から逃げない。長期投資家として日本の復興にも貢献したい」。シンガポールの政府系不動産ファンド、メープルツリーの日本代表、テレンス・ヘン氏(39)は震災後も強気の投資姿勢を崩さない。津波で仙台の物流施設が一部被害を受けたが、日本の運用資産全体(約700億円)に与える影響は「限定的」と判断。3月27日には広島の物流施設を70億円で取得した。9月には本社オフィスやデータセンターに投資する700億円規模のファンドを新たに立ち上げる方針だ。

 ヘン氏は大阪大学に留学後、シンガポール外務省に入省。駐日シンガポール大使館で1等書記官を務めた「外交のプロ」。不動産ビジネスはメープルツリーの提携先の伊藤忠商事(8001)に2年間出向し学んだ。伊藤忠の真木正寿中国建設・不動産グループ長は「世界中からお金を集める彼らの資金調達力はすごい」と評価する。


<伊藤忠商事株式会社 ニュースリリース 2011年4月21日>

中国大手政府系コングロマリット「中国中信集団公司(CITIC)」との包括戦略提携
-提携第一号案件として同グループ傘下の金融事業会社に対する出資参画に合意-
2011年4月21日
http://www.itochu.co.jp/ja/news/2011/110421.html

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、中国大手政府系コングロマリットである中国中信集団公司(本社:中国北京市、董事長:常振明、以下「CITIC」)と、幅広い事業分野での提携検討を目的とする「包括戦略提携協議書」を締結するとともに、本戦略提携の第一号案件として、CITICグループ傘下の金融事業会社であるCITIC International Assets Management(本社:香港、CEO:Lo Wing Yat Kelvin、以下「CIAM」)に対して出資参画することに合意致しました。

1. 包括戦略提携協議書の件CITICは、1979年、鄧小平氏提唱の下、中国の対外的な窓口としての役割を担い中国政府100%出資にて設立された国有企業であり、設立来30数年を経て、中国最大級の政府系コングロマリットへと拡大・発展しております。
現在のCITICグループの事業内容は、金融事業、不動産及びインフラ事業、建設関連事業(設計及び建築工事)、資源及びエネルギー関連事業、製造業、情報産業事業、トレード事業、サービス業と多岐に亘っております。

2009年度末のCITICグループ連結総資産は2兆1,538億人民元、連結純資産1,352億人民元、連結純利益は、189億人民元に達しております。

CITICは、金融事業においては、傘下に中信銀行(上海証券取引所及び香港証券取引所に上場する中国有数の商業銀行)、中信証券(2010年度中国株式及び債券引受金額及び受託資産規模第1位)、中信信託(2010年度管理資産金額第1位)といった影響力の高い金融機関を有し、加えて、保険、投資信託、資産管理、先物取引等多岐に渡る金融事業を展開することにより、CITICのブランド力を活かした高度な総合金融サービスの提供を行なっております。

伊藤忠商事は、アジアの中でもとりわけ中国を最重要市場と捉え、トレーディングの拡大や、現地有力企業との提携による現地事業への投資など、積極的な展開を行って参りました。

両社はともに、多岐に亘る分野で幅広い事業を展開する企業グループでありますが、CITICが強みを持つ中信銀行を中心とした「金融」からのアプローチと、当社が強みを持つ産業知見に基づいた「商品」からのアプローチを融合させることにより、高いシナジーを実現し、より競争力の高いサービスを提供することが可能と判断し、包括戦略提携を行うものであります。

本戦略提携に基づき、CITIC傘下の広範な事業会社群、幅広い顧客網、中国におけるブランド力と、当社が今日まで中国で培ってきたビジネスノウハウ、ネットワーク等を組み合わせることにより、互いの既存事業のより一層の拡大、及び新規ビジネスの創出を目指す方針であります。

協業可能性は、中国国内や金融事業分野に限定せず、全ての地域及び幅広い分野において実施する予定でありますが、現時点において、以下のような取組検討を想定しております。

- 中国における中間所得者層拡大を見据えたリーテイル金融分野における共同取り組み 

- 日中間クロスボーダーM&A及び日本企業の中国進出サポートに関するアドバイザリー業務

- 住宅、オフィスビル、商業施設、物流施設等の不動産共同開発・運営・ファンド事業

- 新車販売事業等自動車関連事業における共同取り組み

- 海外における資源開発及びニューエナジー分野における共同取り組み

- 中国における消費市場拡大を見据えた生活消費関連分野での共同取り組み

2. CIAMに対する出資参画の件CITICグループとの包括的戦略提携の第一号案件として、CITICグループ傘下の香港の金融事業会社であるCIAMに対して出資参画することに合意し、本日、出資参画にかかわる契約を締結致しました。

当社は、香港の金融事業子会社であるITOCHU Finance(Asia) Ltd.及び現地法人である伊藤忠香港会社にて特別目的会社(SPV)を設立、SPVを通じてCIAMの新規発行株式の引き受け等を行い、CIAMの25%株式、総額約1億米ドルの出資参画を行う予定であります。これにより当社は、CIAMの筆頭株主であるCITICグループの香港金融持株会社CITIC International Financial Holdings Limited(CIFH)に次ぐ単独第2位株主となり、CIAMを当社の持分法適用関連会社とし、伊藤忠商事よりDeputy CEOを派遣する予定であります。

CIAMは、2002年に香港に設立されたCITICグループ傘下の金融事業会社であり、自己資金を活用した中国の成長企業・事業に対する投融資事業及び第三者資金を受託する資産運用事業を展開しております。CIAMは、CITICグループの経営資源を活用し、中国の国際金融窓口である香港に設立された戦略的金融事業会社として、CITIC董事長である常振明氏がChairmanに、CITIC常務董事、副総経理である竇建中氏がDirectorに就任しております。

当社は、CIAMが保有する中国国内における金融事業ノウハウ、人材、ネットワークを活用し、今後より一層の拡大が期待される中国金融市場における収益の拡大を図る方針であります。

尚、CIAMに対する出資参画の取組に関しては、当社が組成するSPVに対して、みずほコーポレート銀行が、出資参画(SPVに対する出資比率6%)することを予定しております。


CITIC概要
会社名 中国中信集団公司
代表者 董事長 常振明
総経理 田国立
本社所在地 中国北京市
設立年月日 1979年10月
資本金 553 億人民元 (2009年12月31日時点)
従業員数 79,591名 (2009年12月31日時点)
URL http://www.citic.com./wps/portal/

CIAM概要
会社名 CITIC International Assets Management Limited
代表者 Chairman 常振明
CEO Lo Wing Yat Kelvin
他株主 CITIC International Financial Holdings Limited 40%
Ithmaar Bank B.S.C  20%
いちごグループホールディングス株式会社 15%
本社所在地 23/F, Bank of America Tower, 12 Harcourt Road Central, Hong Kong
設立年月日 2002 年11月
資本金 2,217百万香港ドル(2010年12月31日時点)
従業員数 62名 (2010年12月31日時点)
URL http://www.citiciam.com/


<関連記事>

引き裂かれる民力、「タンポポ・ジャパン」に群がる火事場泥棒
伊藤忠、中国政府系金融と提携 日中M&Aを仲介
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/04/21/5818833

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「カ○スの勝手でしょ」にようこそ♪ 質問:○に入るカタカナ一文字は?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/05/31/5890775/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。