菅首相の浜岡原発殺害事件、その動機を探る・・・「オバマ支持率急上昇、ビンラディン容疑者殺害受け」に影響を受けた衝動的犯行か ― 2011/05/07 08:34

本ブログはすべての原発を対象にしたストレステスト実施による原発仕分けを主張。ストレステストもフクシマの教訓を踏まえた厳格な新安全基準が前提。
当然浜岡原発停止も視野に入れたもの。東海地震とそれに伴うフクシマ再びという最悪の事態を想定した上で、浜岡原発停止という英断は必要との立場。
それでも浜岡のみ問題視では筋が通らない。国民の不安は解消できない。だからこそ、すべての原発を対象にしたストレステスト実施を主張。
しかし、原発仕分けの結果を受けた停止判断、特にその停止開始時期は慎重であるべき。東日本大震災で打撃を受けた生産復旧への影響を最大限に考慮すべき。
浜岡原発抱える中部電管内の電力需要の約7割は産業用。そこは、トヨタ、ホンダ、スズキ、ヤマハなどの生産拠点の一大集積地。
中部電管内の産業界の声をよく聞いた上で、浜岡原発の停止判断と夏場を避けるなどの適切な停止開始時期を“提案”することこそが政治家の役割ではないだろうか。
今回の菅直人首相の浜岡原発停止要請は唐突な印象否定できず。
海江田万里経済産業相は5月5日に浜岡原発を視察。今月半ばをめどに緊急対策が十分かどうかの判断を下すとしていた。
ところが菅首相の発表はその翌日の5月6日。時事通信からは『わずか一日の「熟慮」でこれに飛びついた可能性』と揶揄する声も。
さらに記者たちの間では5月4日から5日にマスコミ各社が一斉に報じた「オバマ支持率急上昇、ビンラディン容疑者殺害受け」に影響を受けたとする見方も浮上中。
「オバマ支持率急上昇、ビンラディン容疑者殺害受け」にあやかろうと思った菅首相。支持率急上昇を狙って浜岡原発殺害事件に至ったとの疑惑まで持たれている。
マスコミも手薄となるゴールデンウイーク中を狙った浜岡原発殺害事件。しかも、わずか一日の「熟慮」でこれに飛びついた衝動的犯行の可能性。
ゴールデンウイーク中のために経済界と入念な根回しを行なったとは考えにくい。それを裏付けるように経済界は猛反発。
日本経団連幹部は政府が根回しなしに方針を決めたことを批判しつつ、「これでは企業は生産を海外に移さざるを得なくなる」との悲鳴まで。
雇用、雇用と叫ぶのは得意だが、そのくせ経済界の声を聞こうとしない民主党。これでは産業空洞化加速は避けられない。
トヨタあたりはサプライチェーンごと海外へと脱出すればいいのだ。トヨタであれば誘致したい国はいくらでもある。すでに米国などからはおいしい条件も提示されているだろう。
タンポポ・ジャパンがすぐそこに。日本を支えてきた「モノづくり」が民主党リスクを嫌って世界中に飛び散ろうとしている。
<関連記事引用>
退陣論意識、指導力アピール-菅首相=民主内は賛否両論
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011050600961
菅直人首相は6日、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全原子炉停止を中部電に要請したことを発表した記者会見で、決定は自身の判断と強調した。東日本大震災の復旧・復興や福島第1原発事故への対応の不備を批判され、野党から退陣を迫られている菅首相だけに、指導力をアピールする狙いもあったようだ。
「首相として、浜岡原発の全原子炉の運転停止を中部電力に要請した」。会見の冒頭、こう発表した菅首相は、同原発の危険性を細かに説明すると「私自身、安全性について意見を聞き、熟慮を重ねた上で、首相として決定した」と、「首相として」を繰り返した。
実際、東海地震の震源域に立地する同原発の危険性はかねて指摘されており、万が一にも福島に続き同様の事故が起きれば、国の存亡にかかわりかねない。民主党幹部は菅政権の現状を念頭に「クリーンヒットを狙ったものだ」と解説した。
もっとも、菅首相の後に会見した海江田万里経済産業相が明かしたように、法制度に基づくものではなく、あくまで「要請」。国民の間で原発への不安が高まっていることを踏まえ、中部電側が受け入れざるを得ないと判断したことをうかがわせる。首相は「十分対応できる」と言うものの、電力供給量の低下が中部地域に与える影響は完全には見通せない。
民主党内からは「勇気ある決断だ」(斎藤勁国対委員長代理)と評価する声がある一方で、「唐突だ。夏場に電力需要が増えるときに心配だ」(中堅)、「求心力を高めようとしているだけではないか」(ベテラン)と疑問の声も相次いだ。
海江田氏は会見で、今回の決定経緯について、5日に現地を視察した後、首相に進言したと説明した。首相がわずか一日の「熟慮」でこれに飛びついた可能性もあり、「首相の決断」は自らに跳ね返ってくる。(2011/05/06-22:34)
浜岡原発停止は丁寧な説明が要る
2011/5/7付
http://s.nikkei.com/jw6RVj
菅直人首相は中部電力に対し浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面的な運転停止を求めた。防潮堤の建設など津波対策の完成まで念のために止める考え方は理解できる。しかし突然の発表に国民はかえって不安を募らせたのではないか。夏場の電力不足への備えは大丈夫か。もっと丁寧に説明してもらいたい。
首相は定期点検中の浜岡3号機の再稼働を認めず、稼働中の4、5号機の停止を求めた。中部電力は要請を受け入れる見通し。廃炉予定の1、2号機はもともと運転をしておらず、防潮堤の完成まで少なくとも2年間、同原発は全面停止する。
同原発は東海地震の震源域の真上にある。東海地震は駿河湾の地下でほぼ100~150年おきに繰り返し発生してきたマグニチュード(M)8級の巨大地震で、30年以内に87%の確率で起きるとみられている。
地震や津波のため、浜岡原発が東京電力の福島第1原発のような深刻な損傷を受ければ、日本経済の大動脈である東海道の交通が断たれるなど影響は甚大なものになる。
だからこそ中部電力は老朽化した1、2号機を廃炉とし、残りの3基にM8級の地震に耐える補強工事を施してきた。東日本大震災後は、緊急の安全対策として非常用発電機を増やすほか、高さ12メートルの防潮堤の建設にもとりかかっていた。
海江田万里経済産業相は5日に、同原発を視察し、今月半ばをめどに緊急対策が十分かどうか判断を下すとしていた。その翌日の停止要請は唐突と言わざるを得ない。
これでは、浜岡原発を緊急に止めなくてはならない理由があり、政府が隠している印象を国民に与えかねない。首相は「浜岡は特別」としたが、他の原発とはより具体的にどこが違うのか議論になろう。首相の判断は重い。結果として同じ結論に至るにしても、科学的な事実を基礎にした議論を経ないと混乱を招く。
中部電力は今年度、点検中の3号機を再稼働させ、電力の24%を原子力で賄う計画だった。経産相は「計画停電にはならない」と言うが、夏の天候次第では電力需給は綱渡りになりかねない。中部電力は火力発電所を増強し関西電力から電気の融通を受けてしのぐ。西日本から東京電力への電気の支援は厳しくなる。
電力不足は震災から立ち直りを目指す産業界に厳しい制約を課す。東海地方は日本のモノづくりの中核的な地域だ。社会や産業への影響を最小限にとどめられるのか。政府は電力需給の実情を踏まえた上で、国民にきちんと説明する責任がある。
政府内で十分な検討の形跡なし…浜岡原発停止
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110506-OYT1T00866.htm?from=top
菅首相が6日、中部電力浜岡原子力発電所の全面停止要請という異例の措置に踏み切ったのは、国民の原発に対する不安感を軽減し、東日本大震災対応の不備で失墜した政権の信頼回復につなげる狙いがある。
ただ、政府内で十分に検討された形跡はなく、支持率低迷に苦しむ政権が反転攻勢のために繰り出した苦肉の策との見方も出ている。
首相の指示で原発事故対応にあたっている細野豪志首相補佐官は6日夜、首相官邸で記者団に「首相は4月の初めあたりから浜岡原発を非常に意識していた。難しい判断だったが、国民の安全をないがしろにできない。相当、悩んだ上での判断だった」と述べ、停止要請が首相自身の強い意思だったことを明らかにした。
首相は数週間前から、政府関係者を通じ、浜岡原発を止めた場合に世論がどう反応するかを含め、具体的な影響をひそかに探ってきた。
(2011年5月7日08時07分 読売新聞)
静岡・浜岡原発:全面停止へ 経済界、猛反発 生産混乱、拡大を懸念
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110507ddm003040066000c.html
中部電力の浜岡原発が政府の要請を受けて全面停止する見通しになったことに対し、経済界からは「東日本大震災で生じた生産の混乱が長期化・拡大する可能性がある」と反発の声が上がっている。夏場に電力が不足する東京電力管内に生産拠点を持つ企業は、中部電を含む他電力エリアへの生産移管を計画していたケースも多いとみられるが、中部電の需給も逼迫(ひっぱく)する見込みになり、「これでは企業は生産を海外に移さざるを得なくなる」(日本経団連幹部)との悲鳴も上がる。
中部電が策定した11年度の供給計画によると、同社の供給力は最大約3000万キロワットで、ピーク時の最大電力量を約2560万キロワットと想定。差し引いた予備電力は約440万キロワットだった。
浜岡原発の供給電力量は、定期検査中の3号機と4、5号機の合計で約360万キロワット。浜岡原発を全面停止した場合の予備電力量は約80万キロワットに落ち込み、予備電力率は3%程度に低下する。
中部電の水野明久社長は5日、浜岡原発を視察した海江田万里経済産業相との会談後、記者団に「三つの原子炉が止まる状況になれば、電力不足になりかねない」と懸念を表明。海江田経産相は「計画停電をする事態にはならない」とするが、同社幹部は「計画停電などをお願いする可能性もある。東電に融通している電力供給にも影響が出る恐れがある」と話す。
海江田経産相は関西電力に対し、電力が不足する際は中部電に電力を融通するよう支援要請したが、関電もどれほどの余裕が残るのか定かでない。
中部電管内は、トヨタ自動車、ホンダ、スズキなどメーカーの生産拠点が集積する。東電管内の電力不足を受け、ホンダが3月に発売予定だった小型車「フィットシャトル」の生産を埼玉県の生産拠点から鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に移すなど、中部電管内に生産の一部移管を進めるメーカーもあった。それだけに、政府が突然、浜岡原発の全面停止を求めたことに、「中部まで計画停電になるのでは困る」(大手自動車幹部)と反発や戸惑いが広がる。
夏の電力不足に備えて自主的な節電計画づくりを企業に促してきた経団連幹部も「何の調整もなく唐突すぎる」と、政府が根回しなしに方針を決めたことを批判する。【工藤昭久、宮崎泰宏、米川直己】
<関連記事>
海江田氏、原発緊急策、近く評価「5月上旬に結論」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110505/dst11050522240025-n1.htm
【浜岡原発停止】「なぜ今」「海外に誤ったメッセージ」原発放棄、信頼は失墜
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110507/plc11050701240003-n1.htm
「事前連絡なく寝耳に水」「国策なら全原発止めるべきだ」波紋広がる地元自治体
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110507/trd11050700260000-n1.htm
全国的な電力不安も ドミノ式に需給逼迫
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110507/trd11050701140003-n1.htm
【浜岡原発停止】訴訟恐れた首相の保身 反首相勢力には「クセ球」…
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110507/plc11050701110001-n1.htm
<画像引用>
《経済》 「節電の夏」が間近に 浜岡3号機休止だと気温次第ではピンチ
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110503/CK2011050302000140.html
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