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米国主導のエジプト民主化実験成功なるか、最大の敵は米国国内にあり2011/02/07 08:39

米国主導のエジプト民主化実験成功なるか、最大の敵は米国国内にあり


ドイツ・ミュンヘンでの安全保障会議に出席したクリントン米国務長官。

5日には「スレイマン氏主導の政権移行プロセスを支持することが重要」と指摘。さらに政権移行は「慎重で包括的、透明性のある」方法で進める必要があり、「ある程度、時間がかかる」との認識も示した。

そして、6日。ムスリム同胞団がスレイマン副大統領との対話に応じたことについて「少なくとも今は、米国が働き掛ける対話の輪に加わっている」と歓迎表明。

この間に穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団を含む野党勢力がスレイマン副大統領と会談。憲法改正準備委員会の1カ月以内の設置、報道の自由の確保、1981年以来継続する非常事態宣言の解除などで合意したと伝えられている。

この会談を受けてクリントン国務長官が再び登場。ラジオ局の取材に対し、「ムスリム同胞団と政府側との対話は我々が求めていたものだ」との重大発言。

この一連の流れからスレイマン副大統領主導の政権移行プロセスは米国主導。さらにスレイマン副大統領とムスリム同胞団を含む野党勢力との会談をお膳立てしたのも米国との見方が浮上する。

ムバラク体制の限界に気付いていたのか、秘密裏にムスリム同胞団と接触してきたオバマ政権。当然エジプト軍部との人脈は太い。

うがった見方をすれば米国によるエジプト民主化実験のようにも見える。はたしてエジプトの民主化は成功するのか。

ここでエドワード・ウォーカー元駐エジプト・イスラエル米国大使の発言に注目。ウォーカーは「民主主義が抗議者たちの問題を解決できるのか?」と疑問を呈しながら、「仕事を創出するわけでもない。食料価格が下がるわけでもない。貧富の差がなくなるわけでもない」との警告を発している。

サウジアラビアのような世界的な産油国ではないエジプト。石油の富に恵まれていないエジプト。そのエジプトができることには限界がある。

熱狂が失望へと変わる時が一番恐ろしい。イスラム原理主義の台頭を招くこともあれば、外に敵を作り出すこともある。反米、反イスラエルに傾くことだってある。

オバマ政権の足元もフラフラ状態。オバマ最大の敵は米国国内にあり。万が一、スエズ運河閉鎖や9・11のようなテロでも起これば一斉にオバマ批判が吹き荒れることになる。オバマ再選阻止のためにそうした工作がうまい具合に仕掛けられる可能性もあるのだ。

すでに米国では右派が、ネオコンが、キリスト教右派がオバマに警告を発している。チェイニー前副大統領が、セイウチ・ボルトンにクラウトハマーが、そしてキリスト教右派にも通じるテレビ・ラジオ人気司会者のグレン・ベックがトンデモ解釈で煽り始めている。

中でもあれだけ熱心に民主化を唱えていたネオコンの動きが実に興味深い。仲良しのイスラエルが困ったとあればイスラエル・ロビーも当然分裂。民主化なんてどこへやら。

それにしてもウォーカーの警告は日本人にも鋭く突き刺さる。政権交代でいったい何が変わったと言うのだ。地域の安定を無視した「さよなら米国」の甘さを実感できた程度。

ハッピーエンドがいかに難しいかは今の日本人が一番良く知っているはずだ。


<関連記事引用>

エジプト副大統領が野党と権力移行で会談-米国務長官支持(Update1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aNQlGvJoaj7s

  2月6日(ブルームバーグ):エジプトのスレイマン副大統領は、9月の選挙前のムバラク大統領からの権力移行を協議するため野党指導者と協議した。権力移行のプロセスは米政府や同盟国も支持を表明している。

  スレイマン副大統領は5日、カイロで新ワフド党などの指導者と会談。与党国民民主党(NDP)では、ムバラク大統領の次男ガマル氏が政策委員長を辞任した。

  同副大統領は6日に憲法修正の準備を目的とした25人で構成する委員会のメンバーを指名する、とエジプト国営のアル・アハラム紙は報じた。同国野党は大統領選への立候補を困難にしている憲法上の制約を緩和するよう求めている。

  米政府もこうした動きを支持するとともに、同国に圧力を掛け続けている。クリントン米国務長官はミュンヘンでの会合で、「現在事実上スレイマン副大統領がトップであるエジプト政府が公表した権力移行のプロセスを支持することが重要だ」との見解を表明した。

  エジプトの穏健派イスラム原理主義組織、ムスリム同胞団は同国の権力移行に関するスレイマン副大統領との協議に参加すると述べた、とカタールの衛星テレビ局アルジャジーラが伝えた。ウェブサイトでカイロ特派員の引用している。ムスリム同胞団はこれまで、ムバラク大統領が辞任しない中で、同国政府とのいかなる交渉も拒否していた。

  エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場では、反政府勢力が雨の中をテントで夜を過ごし、6日で13日目となるデモの準備を行った。

  過去2日間のデモは整然と行われた。エジプト政府の公式発表によると、今月2、3両日のムバラク大統領支持派と反対派の衝突では、11人が死亡した。
更新日時: 2011/02/06 16:03 JST


米国務長官:歓迎の姿勢示す 同胞団が副大統領と対話
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110207k0000m030036000c.html

 【ワシントン草野和彦】AFP通信によると、ドイツ・ミュンヘンでの安全保障会議に出席したクリントン米国務長官は6日、ムスリム同胞団がスレイマン副大統領との対話に応じたことについて「少なくとも今は、米国が働き掛ける対話の輪に加わっている」と歓迎する一方で、今後の同胞団の出方を注視する方針を示した。

 長官はこれに先立つ5日、「スレイマン氏主導の(政権)移行プロセスを支持することが重要」と指摘し、米国が「緩やかな改革」を志向し始めたことを示唆した。長官は政権移行期には「どの社会にも(移行)プロセスを邪魔したり、自身の目的ために乗っ取ろうとする勢力がいる」と述べ、急激な社会変化の混乱に乗じたイスラム過激派の影響力拡大に懸念を表明。同胞団にも暴力の停止やエジプトとイスラエルの国交維持などの意思を再確認するとみられる。

 一方でバイデン副大統領は5日、スレイマン氏との電話協議で、改革への明確なスケジュールの必要性などを強調した。


改憲委員会設置で合意=ムスリム同胞団と政権が対話-エジプト
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011020600121

 【カイロ時事】エジプトで反政府デモを主導する勢力の一つであるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団を含む野党勢力は6日、ムバラク政権側からの対話への招きに応じ、スレイマン副大統領との会談を行った。衛星テレビ局アルアラビアなどによると、双方は会談で、憲法改正準備委員会を1カ月以内に設置することで合意した。

 同胞団が政権と対話したのは初めて。ムバラク大統領が辞任するまで対話を拒否すると主張していた同胞団の参加は、大きな方針転換であり、事態収拾に向けた動きが始まる可能性がある。

 会談には、合法野党のワフド党や国民進歩統一党なども参加した。会談ではこのほか、報道の自由の確保や1981年以来継続する非常事態宣言の解除の方針でも合意した。(2011/02/06-22:34)


米国務長官、エジプトの対話開始を歓迎
http://www.mbs.jp/news/jnn_4644044_zen.shtml

 アメリカのクリントン国務長官は6日、ムスリム同胞団がエジプト政府側との対話に参加したことについて歓迎する姿勢を示しました。

 クリントン国務長官は6日、訪問先のドイツ・ミュンヘンでラジオ局の取材に対し、「ムスリム同胞団と政府側との対話は我々が求めていたものだ」と述べ、歓迎する姿勢を示しました。その上で、「対話の開始を支持する。これからどのような進展があるのか注意深く見守りたい」と強調しています。

 クリントン長官はこれに先立つ5日、「政権移行はスレイマン副大統領が主導することが重要」との認識を明らかにしており、今回の発言は対話による早期の事態収拾に期待したものといえます。(07日05:42)


<関連記事>

U.S. Interests in Peril as Youth Rebel, Leaders Quit in Mideast
http://www.bloomberg.com/news/2011-02-02/mubarak-s-exit-to-upend-decades-of-predictable-u-s-policy-in-arab-world.html

Dick Cheney Warns Obama, Says Mubarak Has “Been A Good Friend”
http://www.newstime.co.za/WorldNews/Dick_Cheney_Warns_Obama_Says_Mubarak_Has_%E2%80%9CBeen_A_Good_Friend%E2%80%9D/20198/

Cheney: Remember that Mubarak has been 'a good man, a good friend and ally'
http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/142333-cheney-mubarak-has-been-a-good-man-a-good-friend-and-ally

BBC : Neocon conundrum - US right-wingers split over Egypt protests(画像引用)
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-12363255

Egypt's dangerous road ahead: The Muslim Brotherhood's a force, ElBaradei's a useful idiot
By Charles Krauthammer
http://www.nydailynews.com/opinions/2011/02/04/2011-02-04_egypts_dangerous_road_ahead.html?print=1&page=all

Glenn Beck on al-Qaida links to Muslim Brotherhood
http://www.politifact.com/truth-o-meter/statements/2011/feb/04/glenn-beck/glenn-beck-al-qaeda-links-muslim-brotherhood/

Many of the 9/11 conspirators came from the Muslim Brotherhood, including Osama bin Laden, Ayman Zawahiri and Khalid Sheikh Mohammed.
Glenn Beck on Monday, January 31st, 2011 in his radio program

朝日単独会見:エジプト野党勢力の大統領候補として有力視されるアムル・ムーサ元外相(アラブ連盟事務局長) ムバラク即時退陣求めず「挙国一致を」  「エジプトは自国だけでなく、地域の安定に大きな責任がある。これまでの路線を堅持すべきだ」
http://www.asahi.com/international/update/0205/TKY201102050351.html

わざわざマードック系のFOXを選んでムスリム同胞団の「反米思想」を認めたオバマ2011/02/07 18:57





<関連記事引用>

エジプトが過去の状態に戻ることはない=米大統領
2011年 02月 7日 07:55 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19414620110206

 [ワシントン 6日 ロイター] オバマ米大統領は6日、FOXニュースとのインタビューに応じ、エジプトが過去の状態に戻ることはなく、今は変革の時だとの認識を示した。

 オバマ大統領は、エジプトのムバラク大統領が連日のデモに対してどのような行動に出るのかは同大統領しか知らないが、エジプト国民が自由で公正な選挙を求めているのは明らかだと指摘。

 最大野党のイスラム原理主義組織、ムスリム同胞団については、エジプト国内の一派に過ぎず、国内で過半数の支持を得ていないが、しっかりと組織されており、イデオロギーに反米的な部分があるとの認識を示した。


「イスラム政権の可能性低い」米大統領 ムバラク退陣後について
2011年2月7日 10時55分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011020790105544.html

 【ワシントン=嶋田昭浩】オバマ米大統領は6日、米FOXニュースとのインタビューで、エジプトの事実上の最大野党であるイスラム組織「ムスリム同胞団」について「1つの党派にすぎず、エジプト国民の多数派の支持は得ていない」と述べ、ムバラク大統領退陣後の次期政権が反米的なイスラム勢力に支配される可能性は低いとの見方を示した。

 オバマ大統領は、次期議会選挙などでのムスリム同胞団の勢力拡大が予想される中で、「彼らが、しっかりした組織と反米思想の傾向を持つのは疑いようがない」と警戒感を表明。同時に「エジプトには世俗的な人々も大勢おり、同胞団主体のイスラム政権か、従来の世俗的な抑圧体制かの二者択一が迫られているわけではない」と強調した。

 オバマ大統領は、ムバラク大統領の退任時期については「彼だけが知っている。米国が押し付けることはできないが、今が変革を始める時だ」と指摘。「秩序ある移行」を早期に進めるようあらためて促した。

 AP通信によると、クリントン米国務長官は6日、安全保障国際会議に出席したドイツ・ミュンヘンからワシントンへ戻る機内で、ムバラク大統領に早期退任を無理強いすることは事態のいっそうの混乱を招くとの認識を示した。


ムスリム同胞団は「反米思想」米大統領が見解
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110207-OYT1T00447.htm

 【ワシントン=山口香子】オバマ米大統領は6日、FOXニュースとのインタビューで、エジプトの最大野党勢力、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」について、「一勢力に過ぎず、過半数の(国民の)支持を得ているわけではない」と指摘、さらに、「よく組織されており、反米思想の傾向がみられる」と述べた。大統領が同胞団について見解を示すのは初めて。

 この上で、オバマ大統領は、エジプトには政治参加を望む世俗派や市民も多く、「同胞団を選ぶか、エジプト国民が抑圧される状況を選ぶかといった二者択一ではない」と強調しながら、「秩序ある移行が進めば、米国のパートナーとなる政府が誕生すると確信している」と述べた。

 また、エジプト野党勢力から即時辞任を突きつけられているムバラク大統領がいつ政権の座から降りるかを尋ねられると、オバマ大統領は、「どうするかは彼のみが知っている」「米国が(辞任の時期を)押しつけることはできない」と述べた。


米大統領:エジプトは後戻りできない-政府は直ちに権力移行開始を
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aGQ2oxI0ooZk

  2月5日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は、エジプトは後戻りできず、ムバラク政権は直ちに権力の移行を開始しなければならないとの見解を明らかにした。

  オバマ大統領は米ニューズ・コープ傘下のフォックス・ネットワークとのインタビューで、「エジプトは後戻りすることはないだろう」と発言。ムバラク大統領はイスラエルとの和平関係やテロ対策の面で米国の「良きパートナー」だったが、「今」は新政府を樹立すべき時だと語った。

  オバマ大統領はまた、同政権が昨年推進し成立した医療保険制度改革法への支持を撤回する考えはないと述べた。