今こそ、八百万の神々を世界に向かって解き放て! ― 2010/09/11 09:46

『隠された皇室人脈』の「あとがき」でこう書いた。
「堂々と日本の神道こそは最高のアニミズムであると誇りながら、地球環境問題が叫ばれる今こそ、八百万の神々を世界に向かって解き放つことが、われわれ日本人の使命であると信じたい。」
人為的地球温暖化説を疑っていた私は敢えて「地球環境問題」を選んだ。今ようやく私の主張が世界に届きつつある。
しかし、日本ではまだまだ八百万への理解が深まっていない。そのことが残念でならない。地球環境のみならず平和の使者にもなり得るはずなのに。
<関連記事引用>
金言:天皇家と環境保護=西川恵
http://mainichi.jp/select/opinion/nishikawa/news/20100910ddm003070020000c.html
ヘブライ大学名誉教授のベン=アミー・シロニーさんはイスラエルにおける日本研究の第一人者で、特に天皇制の研究で知られる。そのシロニーさんに国際交流基金賞(日本研究・知的交流部門)が授与されることになった。
日本に関する数多くの著作の一つに「母なる天皇-女性的君主制の過去・現在・未来」(講談社)がある。天皇のルーツからはじめ、歴史上の天皇の役割と時代的意味を、平成の今日まで丹念にたどった力作だ。実証的でバランスがとれ、日本人の私も教えられるところが多かった。
同書の一貫した問題意識は、世界最古のロイヤルファミリーの天皇家は、政治的に非力だったにもかかわらず、なぜその地位を追われることなく続いてきたかにある。
ちなみに20世紀初めの時点でも、ほとんどの国が世襲の君主制だった。しかし戦争や革命で廃絶に追い込まれ、現在、君主をいただくのは29カ国のみ。また天皇制より古い現存する政治・宗教システムはローマ法王庁(バチカン)だけだが、世襲ではない。
これについてシロニーさんは、戦前・戦中の例外的な一時期を除き、天皇には父性的・威圧的な性格がなく、ソフトな象徴的権威を振るう母性的性格であったことによるのではないかとみる。
数年前、友人の紹介でシロニーさんと食事を共にした。席上、戦後、多くの皇族が内外のキリスト教信者から個人教授を受け、宮中の枢要ポストにも多く信者がいるなど、皇室とキリスト教の深い関係が話題になった。
私は皇太子さまと雅子さまの極秘デートを実現させた東宮侍従長の故山下和夫氏の話をある雑誌に書いた時で、山下氏も敬虔(けいけん)なカトリック信者だったことを説明した。後日「その論文を送ってほしい」とのメールがきて、皇室研究への並々ならぬ情熱を感じた。
シロニーさんは今日、皇室が直面する危機は、戦争や反乱などでなく、失われていく存在意義だとみる。皇室に対する関心は依然高いが、20代に限ると「無関心」は55%に上る(99年調査)。これを踏まえ興味深い提案をする。
国民の統合に加え、天皇を環境の象徴的保護者にすることだ。元来、神道は自然を敬い、農業との結びつきが強い。毎年、お田植えの儀式や植樹祭も行われ、下地はある。環境保護は天皇を通して日本という国の新しい役割ともなり、この分野で日本は世界の尊敬を集め、指導力を握ることにもなる、と指摘する。
授賞式は10月25日。シロニーさんは他2人の受賞者と、天皇、皇后両陛下にお目通りする予定だ。(専門編集委員)毎日新聞 2010年9月10日 東京朝刊
天皇家とユダヤ・コーヘン一族-イスラエルの日本研究家が指摘する意外なつながり
http://on.wsj.com/9AFWmB
2010年度国際交流基金賞の受賞が決まったイスラエル・ヘブライ大学名誉教授のベン=アミー・シロニーさん(72)。同国を代表する日本文化、特に天皇研究の権威として知られる。著書の「日本:文化と歴史」(上下)はヘブライ語で最も読まれている日本文化関連の本だ。
イスラエル・ヘブライ大学のシロニー名誉教授国際交流基金賞は1973年に創設され、これまで、映画監督の黒澤明をはじめ、海外からもジェラルド・カーティス米コロンビア大学教授などが受賞している。シロニーさんは今回、日本研究・知的交流部門での受賞。「世界各国において、日本文化の理解促進と学術交流、そして日本研究の推進に大きく貢献した」(国際交流基金)と評価された。
シロニーさんは、エルサレムのヘブライ大学で約38年間、日本文化史の教鞭を取ってきた。既に約1万人以上が同教授の門下を巣立っており、同大学の日本文化学科の学生からは、「穏やかな日本の和尚さんのような先生」と慕われているという。
シロニーさんは、ポーランド生まれ。第二次世界大戦でソ連に一時疎開した後、1948年に、建国間もないイスラエルへ家族と共に移住した。東欧ユダヤ人の言語の一つであるイディッシュ語をはじめ、ポーランド語、ヘブライ語を話す少年時代を送る。初めて日本にかかわるきっかけになったのは、1964年、歴史学科の修士論文のテーマに「日本の広島への原子爆弾投下と第二次世界大戦の終了」を選んだことだ。当時27歳。新聞記者として働きながら大学で学んでいた。
なぜ、広島の原爆をテーマに選んだのか。ドイツのナチス政権下で約600万人のユダヤ人が虐殺されたホロコーストと、一瞬にして約10万人の命が奪われた原爆の「無差別殺りく」が重なったからだとシロニーさんは振り返る。
天皇制に強い関心を持つ背景には、シロニーさんが、古代イスラエル12部族の一つ、レビ族に属すコーヘン一族の末裔(まつえい)だということがあるという。コーヘン一族は、紀元70年にローマ軍によってエルサレムの神殿が破壊されるまで、神殿の祭司として働いていた。古代イスラエルで神職をつかさどったコーヘン一族と天皇家との間に類似点があることをシロニーさんは指摘する。
「コーヘンも天皇家と同じ男系継承で、天皇と同じく、血筋の関係がない限り、外の人間が家系を受け継ぐことができない」。また、コーヘンは墓地に行く事ができず、天皇は葬儀に出席しない慣例などの共通項もあるという。
シロニーさんは、近年、若い世代の皇室に関する関心が薄れていることに懸念を示す。
「もし、このまま関心がなくなったら天皇は消滅してしまう。天皇を継続させるためにも新しい役割が必要」とシロニーさんは強調する。一つのアイデアとして、天皇を環境運動の象徴にすることを提案している。
そのために通常は非公開にされている穀物の収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)など、天皇が行う宗教的儀式をメディアに開放するべきだと説く。シロニーさんいわく、神道はあらゆる宗教の中で、「最も自然を崇拝している宗教」で、自然との関係を重視しているからだ。
「環境問題は世界中の問題。環境保護運動の象徴の役割を日本の天皇は果たすことができる。このような国際的な役割は天皇制を活性化することになる」
天皇制を長く研究してきたシロニーさんだが、10月25日の国際交流基金賞授賞式に伴い、皇居で天皇・皇后両陛下と生まれて初めて接見する予定だ。
<関連記事>
カーメン・ブラッカー追悼:「神道と自然の聖なる次元」
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/07/25/4457113
コメント
_ 大河 ― 2010/09/12 00:44
日ユダヤ同祖説のトンデモ学者さんかな?と思ったのですが、ちょっとだけグーぐってみたのですが、わりと真面目な学者さんなのですね。
_ Y-SONODA ― 2010/09/13 08:58
大河さんへ
>わりと真面目な学者さんなのですね。
コーヘン一族などと言われると確かに疑ってしまいますが、
結構昔からこの方は日本でも知られていましたよ。
翻訳書も出ているので、興味があればぜひ読んでみて下さい。
>わりと真面目な学者さんなのですね。
コーヘン一族などと言われると確かに疑ってしまいますが、
結構昔からこの方は日本でも知られていましたよ。
翻訳書も出ているので、興味があればぜひ読んでみて下さい。
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