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‘Japan-like Scenario’ に怯える米国 カーメン・ラインハート・ペーパーの衝撃2010/08/28 14:18



今頃、米カンザスシティー連銀主催のシンポジウムに出席していた日銀の白川方明総裁もカーメン・ラインハート・ペーパーを手にして震えているだろう。

なおこのシンポジウムには欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁も出席。今後10年の欧米経済の課題は、日本の「失われた10年」を繰り返さないことだと語ったそうです。

なにやら一歩先行く日本に脚光。それでも米欧先進各国の「失われた10年」突入は避けられない。これは私が本ブログで再三繰り返してきたこと。今、ラインハート夫妻もそのように申しております。

実はもうすでに米欧先進各国は「失われた10年」に突入している。正直者の私はそう明言。それはまるで1930年代。そして恐怖の1940年代へと突き進むことになる。


<関連記事引用>

先進国、低成長と高失業の10年か-ラインハート氏が危機分析で予想
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aJ.iZIQ.uzfo

8月27日(ブルームバーグ):米国やドイツなど先進各国は、低成長と高失業率の10年間に直面する可能性がある。2007年の金融危機の余波期が、過去100年間に起きたほかの危機からの景気回復期と同様な道筋をたどるケースを想定し、米メリーランド大学のカーメン・ラインハート教授らが指摘した。

金融危機に関する2009年の共著がある同氏と、夫で米連邦準備制度理事会(FRB)の元金融政策局長、ビンセント・ラインハート氏は、第2次世界大戦以降で最悪の世界的な景気低迷の影響が長引くと予想。多くの国で与信と生産の減少が同時に起きていることが原因だと指摘した。両氏はカンザスシティー連銀がワイオミング州ジャクソンホールで主催するシンポジウムの討議資料で見解を示した。

両氏の見方はFRBが6月に示した見解と対照的だ。FRBは成長率と雇用が理想的な水準に回復するまでには「長くても5-6年」との見方を示した。資料は、1977年以降の米国外の15カ国の事例と1929年と73年、2007年の世界危機から得た実証例に基づいている。

その中で、「今回分析したような大規模な不安定をもたらす出来事は、危機に伴う混乱が収まったかなり後でも、主要マクロ経済指標の結果に長期的変動を明らかに生み出す」と説明。「激しいショックの後、非常に長期にわたり所得の伸びが減速し失業率の高止まりが続く傾向があるという分析結果からは、朗報はほとんど得られない」と述べた。

両氏は08-17年の10年間に低成長が見込まれる国として、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国などを挙げた。

両氏によると、過去5回の金融危機後の10年間に、経済成長率は約1ポイント(中央値)低下。失業率は約5ポイント(同)上昇した。新興国・地域を含む危機後の15件の事例では、10件で失業率は危機前の水準に回復しなかったという。


<関連サイト>

After the Fall
By Vincent R. Reinhart, Carmen M. Reinhart
Federal Reserve Bank of Kansas City Jackson Hole Symposium
(August 27, 2010)
http://www.aei.org/paper/100133
http://www.aei.org/docLib/Reinhart-After-the-Fall-August-17.pdf

ビデオ:Carmen Reinhart Sees Seven More Years of High Unemployment
http://www.bloomberg.com/video/62492974/

▼ Reinhart's Seven More Years of High Unemployment Hit Fed Today
http://www.bloomberg.com/news/2010-08-27/reinhart-s-outlook-of-seven-more-years-of-high-unemployment-hits-fed-today.html

‘Japan-like Scenario’

“Our recovery still leaves a great deal to be desired,” Carmen Reinhart said. “My concern is that because the U.S. is the world’s reserve currency, we can still borrow in bad times, and that a more Japan-like scenario lies in store. A lot of the forces are already in place.”

With the U.S. government’s gross debt rising to about 90 percent of gross domestic product as tax revenue declined during the recession, “we have to pay future attention to the debt.”


U.S., Other Nations May See Slow-Growth Decade, Reinharts Say
http://www.businessweek.com/news/2010-08-27/u-s-other-nations-may-see-slow-growth-decade-reinharts-say.html

After Crises, Slow Income Growth and High Unemployment
http://blogs.wsj.com/economics/2010/08/27/after-crises-slow-income-growth-and-high-unemployment/

Scholars: Lackluster recovery is par for the post-crisis course
http://voices.washingtonpost.com/political-economy/2010/08/scholars_lackluster_recovery_i.html

Jackson Hole Paper Warns: Persistent Weak Growth, High Unemp
http://imarketnews.com/?q=node/18398

Economists predict slow economic recovery
http://thehill.com/blogs/on-the-money/801-economy/116133-economists-predict-slow-economic-recovery-

コメント

_ Blondy ― 2010/08/30 14:46

まあ日本は、バブル崩壊後も、株選好度の低い個人セクターが超低金利の銀行預金に資産を積み上げて、金融資産をたくさん持っていたし、国としても基本的に経常収支が黒字基調だったから、バブル崩壊後のデフレ不況でも何とかシステムを持たせながら、失われた15年とか言ってずるずるとやってこれたようですが。。。

基軸通貨特権を持っていても、 個人がモーゲージ・ローンと株・401Kで相当痛んでいて、国は経常収支赤字で、戦争を2つもしている状況だと、Japan like senarioで行ければ御の字で、結局QEに頼るしかないのではないかという見方もありますね。

米国債の保有ランキングは今のところ一位 中国、2位日本、3位 FRBですが、第四コーナーを曲がると、FRBの追い上げ気配が濃厚になるのかもしれませんね。

昨日、Singaporeのリー・シェンロン首相が年次演説で、次の15年はいままでの15年とはまったく違うものになるから、気を引き締めて行こうと国民に呼びかけているニュースを見ましたが、変化を的確に読み、大局観を磨いたリーダーが、リーダー・シップを発揮できるところはやっぱり強いなあと感じました。

_ Blondy ― 2010/08/30 16:32

【ご参考】

America Wake Up: Deflation Is Here, We're Just Like Japan, Except We're Much Worse

http://www.businessinsider.com/america-wake-up-deflation-is-here-were-just-like-japan-except-were-much-worse-2010-7

Turning Japanese: The Risk of U.S. Deflation
http://www.pimco.com/Pages/TurningJapaneseTheRiskofUSDeflation.aspx

_ Y-SONODA ― 2010/08/31 07:35

Blondyさんへ

>昨日、Singaporeのリー・シェンロン首相が年次演説で、次の15年はいままでの15年とはまったく違うものになるから、気を引き締めて行こうと国民に呼びかけているニュースを見ましたが、変化を的確に読み、大局観を磨いたリーダーが、リーダー・シップを発揮できるところはやっぱり強いなあと感じました。

うわー、うらやましい話。
今必要なのは剛腕ではなく大局観を持った人ですよね。
求められているのは先を見通す力。世界を見通す力。冷静な判断力。
なんか日本人全体がおかしくなっているような気がします。
剛腕依存ってなんかやっぱり幼稚に見えてしまうのです。
それにしても「日本みたいになっちゃうの?、なりたくないよ~」分析がますます増えてきましたよね。

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