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消費税をめぐって奇奇怪怪の全国世論調査から見えてくるもの2010/07/14 09:01

消費税をめぐって奇奇怪怪の全国世論調査から見えてくるもの 朝日:菅首相辞任「必要ない」73% 朝日新聞世論調査より


参院選結果を受けて7月12~13日に実施された朝日、読売、共同の全国世論調査。まったく同じ日にいずれも電話を使って行われた調査。ところが、消費税をめぐる調査結果は奇奇怪怪。

朝日では消費税引き上げに賛成が35%。
読売では消費税率引き上げが「必要だ」と思う人は64%。
共同はなぜか賛成の数値を出していない。
賛成と必要では若干ニュアンスが異なるものの朝日と読売の差はなんと29ポイント。

一方で朝日では消費税引き上げに反対が54%。
読売では消費税率引き上げが「必要だ」とは思わない人は32%。
共同はこの中間で消費増税「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせて44・7%。
ここでも朝日と読売の差は22ポイント。

いずれも「全国世論調査」と称しているが、ここまで差が開くとかなり怪しい。そこに見えてくるのは朝日バイアスと読売バイアス。これでは「朝日読者層世論調査」であって、「読売読者層世論調査」ではないか。

きっとリベラルな朝日読者層に民主党支持者が多いのだろう。消費税増税をめぐって票が割れたことが「朝日読者層世論調査」からよくわかる。

逆に読売読者層には自民党支持者が大勢。消費税率10%を公約に明記した自民党が議席を伸ばした理由も「読売読者層世論調査」から伺える。

昔から左派系の人は消費税が嫌い。今なお頑固な反対派が多いと聞く。とはいえ普通の感性を持っているなら今の財政状況に不安を感じて当然。さすがに持続可能であるはずがないとも思っている。

消費税増税反対派が多い朝日読者層でも議論は進めた方がよいと思っている人が63%に上っているのはまさに不安の表れだろう。

しかし、今の民主党には「朝日読者層世論調査」の63%という数字が見えていない。すでに消費税に弱腰逃げ腰及び腰。

その結果どうなるか。日本最強の政治屋選挙屋ポピュリストである小沢一郎に歩み寄ることになる。「小沢様の言ったとおりだったわ。消費税率引き上げなどで党執行部批判を続けた小沢様が正しかったのよ。小沢様の公約修正批判も正しかった。子ども手当も満額支給よ。」などと今さら言い出すのか。

しかし、「読売読者層世論調査」では小沢が消費税率引き上げなどで党執行部批判を続けたことを「問題だ」と思う人は64%に上っている。小沢に接近すれば読売読者層の批判が高まるだけ。

また、朝日読者層にも古き良き自民の香り漂う小沢ファンが多いとは思えない。ガチガチの消費税増税反対派などはもうすでに社民や共産に流れているだろう。

消費税率10%を公約に明記した自民党が議席を伸ばしたにも関わらず、消費税が敗因につながったと勝手に思い込んでいるのが民主党。

しかし、消費税を敗因とする単純化した見方は大間違い。実際には消費税そのものではなく、菅首相の使途をめぐる迷走と説明不足が原因。

今ここで消費税をめぐる議論まで先送りしようとすれば、さらなる支持率低下を招くという警告を発しておきたい。


<関連記事引用>

菅首相辞任「必要ない」73% 朝日新聞世論調査 (画像引用)
2010年7月13日23時9分
http://www.asahi.com/politics/update/0713/TKY201007130539.html
http://www.asahi.com/politics/update/0713/TKY201007130546.html

 参院選の結果を受けて朝日新聞社が12、13日に実施した全国世論調査(電話)によると、民主党が44議席と敗北した結果を「よかった」とする意見が48%で、「よくなかった」の30%を上回った。一方で、消費増税の議論を「進めた方がよい」とする人は63%と「進めない方がよい」29%を大きく上回り、大勢は議論の必要性を認めていることがわかった。

 消費税引き上げに賛成の人の中では91%が議論を「進めた方がよい」と答える。反対の人でも「進めた方がよい」が44%おり、「進めない方がよい」48%と伯仲している。

 選挙で敗北した菅首相の責任については、首相を「辞めるべきだ」は17%にとどまり、「その必要はない」が73%を占めた。

 勝った自民党について、政権を「任せてもよい政党だ」は17%で、「そうは思わない」64%が圧倒した。

 菅内閣の支持率は37%(前回3、4日調査は39%)と微減、不支持率は46%(同40%)と増えた。

〈調査方法〉 12日夕から13日夜にかけて、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した。世帯用と判明した番号は1843件、有効回答は1088人。回答率59%。


内閣支持急落38%、不支持52%…読売調査
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100713-OYT1T00900.htm?from=navr

 読売新聞社が12~13日に実施した参院選結果に関する緊急全国世論調査(電話方式)で、菅内閣の支持率は38%となり、前回調査(2~4日実施)の45%から急落した。

 不支持率は52%(前回39%)に達し、支持率を上回った。支持率は内閣発足直後(6月8~9日実施の調査)の64%から、1か月余りで26ポイントも低下し、参院選での「民主大敗」を受けた菅首相の政権運営は厳しさを増しそうだ。

 2000年以降の内閣支持率をみると、これまで発足後の調査から約1か月の下落幅が最も大きかったのは森内閣の14ポイントだったが、菅内閣の落差はこれを大きく超えた。発足約1か月で、不支持率が支持率を逆転し、50%を上回ったのも森内閣以来だ。

 政党支持率は、民主は28%(前回34%)に下がり、自民は24%(同18%)に上がった。みんなの党は12%(同5%)で初めて10%を超えた。支持政党のない無党派は23%(同33%)となった。

 参院選の結果、民主と国民新の与党が、過半数の議席を維持できなかったことを「良かった」と思う人は54%で、「良くなかった」29%を大きく上回った。

 民主が議席を大きく減らした理由を聞いたところ、「菅首相の消費税発言への批判」37%がトップで、「民主党の公約への不満」31%、「民主党政権の実績への不満」20%などが続いた。自民の議席増の理由では、「民主党政権への批判」が71%を占めた。みんなの党の躍進については、「民主党と自民党への不満」45%が最も多かった。

 民主の小沢一郎前幹事長が消費税率引き上げなどで、党執行部批判を続けたことを「問題だ」と思う人は64%に上った。

 菅首相の続投には「賛成」が62%、「反対」は28%だった。ただ、首相が政策ごとに野党との連携を模索する考えを示していることに関しては、「実現できる」は26%にとどまり、「実現できない」が62%に達した。民主が連立政権を組む最も望ましい政党については、みんなの党35%が最も多く、自民14%、公明7%、国民新7%などだった。

 菅内閣に優先的に取り組んでほしい課題は、「景気や雇用」32%、「年金など社会保障」26%、「消費税など財政再建」15%などの順。財政再建や社会保障制度を維持するために、消費税率引き上げが「必要だ」と思う人は64%(前回65%)、「そうは思わない」は32%(同30%)だった。


内閣支持36%、不支持52%に 共同通信世論調査
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010071301000566.html

 共同通信社が参院選を受け12、13両日に実施した全国緊急電話世論調査で、菅内閣の支持率は36・3%と発足直後の前回6月調査61・5%から急落した。25・2%だった不支持率は52・2%に倍増した。「首相を辞めるべきだ」は15・2%にとどまり「辞めなくてよい」が52・8%。財政再建や社会保障のための消費税率引き上げに「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせた回答は52・5%と過半数だった。

 今月7、8両日に実施した全国電話調査での内閣支持率は43・4%で、低落に歯止めがかかっていない。

 与党が過半数割れした参院選の結果に関しては「よかった」が29・4%で「よくなかった」の19・8%を上回った。「どちらともいえない」は49・2%。

 民主党の支持率は31・7%で、前回調査43・8%から12・1ポイント下落。自民党は7・6ポイント増の27・6%に伸びた。みんなの党は8・9ポイント増え16・3%。

 消費増税では「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせ44・7%。菅直人首相が呼び掛ける消費増税に関する超党派協議を「評価する」が44・9%、「評価しない」は48・0%と拮抗した。

コメント

_ とおる ― 2010/07/14 10:35

園田さま
> 賛成と必要では若干ニュアンスが異なるものの朝日と読売の差はなんと29ポイント。

福田首相の頃だったと思いますが、世論調査の数値が、約20ポイントの差がありました。
今回のは、それ以上の数値に、大笑いです。(差が29ポイントあるならば、真実は、いったい、どこからどこまでの幅の間にあるのやら)
各々の新聞社は、多分、真面目にしていると思いますが(微調整を何度も入れて、誤差が大きくなっているかも)、こんなにも違うと、新聞発表の信頼性に疑問を持つ人が増えて、売り上げにも影響が出そうです。

民主党政権の方には、マスコミ報道に不満があるようなので、たまには、政治家・政党が集まって、世論調査の数値などを議題に、新聞社・テレビ局に記者会見・討論会をやっている風景も見てみたい感じです。

なお、どうでもいいことですが、選挙翌日にNHKで、野党党首と民主党の討論番組の中で、谷垣総裁が、「わや」(滅茶苦茶、出鱈目、グチャクチャというような意味)という言葉を使っていました。標準語だったのでしょうか?

_ ロッキーホラーショー ― 2010/07/14 13:34

購読者層の違いはそのとおりだと思いますが、聞き方次第で数字は操作できちゃうんでしょうね。 「賛成」には「必要かつ好ましい」という含意があるのに対し、「必要」と答えた中には、「嫌だけど引きあげるしかない」という不承不承賛成派も大勢いそうで。

_ めだま ― 2010/07/15 05:42

まあ、マスコミや世論調査について、次が真実かと...

TBS 『みのもんたの朝ズバッ!』
コメンテーター鈴木琢磨氏 (毎日新聞) のコメント
「実際、メディアにも朝鮮学校卒業生がたくさんいるんですよ」
http://www.youtube.com/watch?v=IDfEUKhCXps


「マスメディアに情報操作されやすい日本人」 消費行動に大きな影響
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1279125761/

_ Y-SONODA ― 2010/07/15 08:07

★とおるさんへ

もう最近本当に「わや」ですな(標準語なんだろうか・・・?)
消費税嫌いが多そうな朝日にIMFが真っ先に接近したようです。
このあたりの背景もなかなか面白そう。
そろそろ黒船が一斉に動き出しそうですね。

★ロッキーホラーショーさんへ

>必要」と答えた中には、「嫌だけど引きあげるしかない」という不承不承賛成派も大勢

ここまできたら「もうしゃーないやろ」派ですね。
どちらかといえば私もそっち。
とはいえ引き上げ時期を間違えないようにと祈っています。
裏ではみんなの党の「小さな政府」路線も応援していたのですが、さすがに日銀法改正案にはガックリ。
本当に悩ましい問題ですね。

★めだまさんへ

今回の調査が行われたのは12日と13日。つまりは平日。
おそらく電話も従来同様固定電話のみ。
朝日は12日夕から13日夜としていますが、他はどうだか。
本来なら性別、世代別のデータぐらいは出してほしいところ。
結局世論調査もあてにできませんね~。
しかも、ついにこのブログにも在日の方が・・・。恐ろしい。

_ ks ― 2010/07/15 13:39

ところでしばらく小沢塾市議にフォローされてたんですが何がスイッチだったんだろう。「中国が米に南シナ海宣言」連打した直後からだったんですが

_ Y-SONODA ― 2010/07/17 23:50

ksさんへ

>しばらく小沢塾市議にフォロー

まさに中国とか南シナ海宣言に反応したのかもしれませんねー。

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