Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

2009年10月27日は米国がトヨタ・ホンダ追撃の狼煙を上げた日として歴史に刻まれる2009/11/04 01:28

GTM・リサーチ:がスマート・グリッドのマーケット調査レポート(画像参照)


2009年10月27日は日本にとっても特別な日。米国がトヨタやホンダ追撃の狼煙を上げた日として歴史に刻まれることになるだろう。

オバマ大統領が次世代送電線網「スマート・グリッド」を促進するために34億ドル(約3100億円)を投資する計画を発表したのが10月27日。

バイデン副大統領がデラウェア州ウィルミントンにあるゼネラル・モーターズ(GM)の閉鎖工場をプラグインハイブリッド車(PHV)の工場として再稼働すると発表したのも10月27日。

奇しくも同じ日に米国正副大統領が揃って「グリーン・ニューディール」の柱となる新政策を発表。10月27日は環境分野における次世代技術構想の具現化記念日になった。

デラウェア州はバイデンの地元。しかも、GM創業にも大きく関わっている。そして、買収するのは環境対応自動車ベンチャーのフィスカー・オートモーティブ(Fisker Automotive)。

バイデンはこの買収劇を「米国再生の象徴」とアピールしつつ、グローバル・マーケットにおける米自動車産業のトップ・ポジション奪回を宣言。さらにオバマもバイデンも揃ってプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車がスマート・グリッド・インフラストラクチャーの重要部分になると語る。

スマート・グリッドが「V2G」(ビークル・ツー・グリッド、車から送電網へ)と一体となって動いていることを示す一日となった。そして、2015年に向けたPHV100万台普及計画が本格的に始動することになる。

再生に向けて動き始めた米国。スマート・グリッドが国家戦略として組み込まれたからには米国企業に特権が与えられる。外国企業締め出しの兆候はGTM・リサーチが発表したスマート・グリッドのマーケット調査レポート(画像参照)にも明確に表れている。(日本企業が1社も入っていない点に注目を!)

日本企業も随分前からスマート・グリッドに近い取り組みを続けてきた。日本の物まねに見えないこともない。

ここでクリントン政権時代の「情報スーパーハイウェイ構想」を思い出そう。あの時も日本のコンセプトの物まねとの見方が多かった。しかし、結果はこのありさま。スマート・グリッドがそうならないと言い切ることなどできないはず。

オバマ政権とギクシャクしている鳩山政権を尻目に「スマート・グリッドは魅力的、米国と組むアルヨ」と中国が接近中。日本の政治家は誰もこのことに気付いていない。


<10月27日のオバマとバイデン>



Remarks by the President on Recovery Act Funding for Smart Grid Technology
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/remarks-president-recovery-act-funding-smart-grid-technology



Vice President Biden Announces Reopening of Former GM Boxwood Plant
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/vice-president-biden-announces-reopening-former-gm-boxwood-plant


<画像引用>

The Smart Grid in 2010: Market Segments, Applications and Industry Players
http://www.gtmresearch.com/report/smart-grid-in-2010


<関連記事>

動き始めたスマート・グリーン・グリッド・イニシアティブ(SGGI)に注目を
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/10/28/4658895

コメント

_ とおる ― 2009/11/04 21:11

再び、甘い囁きに魅せられて、蟻地獄に嵌っていってるのでしょうか?
昔は軍事、今は民生技術。自信過剰になった頃が、一番危険です。
日本は、単品・部品を改善するのは得意ですが、システム・ブレークスルー・ルール・(多国間の)提携は不得意です。

_ 老荘バーク ― 2009/11/05 00:06

>オバマ政権とギクシャクしている鳩山政権を尻目に

上海ディズニーランドも決定しましたね。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091104/amr0911042051011-n1.htm

トヨタ・レクサスのリコール騒動も再燃して、ものすごいタイミングでオバマさんがやってきますね。
ブッシュさんは、始球式ができて嬉しそうでしたけどw

日本は「スマート・グリッド」を上から目線で見てるんですかね?
世界的な運用システムや枠組みの構築は米国に任せて、
日本はその中に技術屋として参加した方がよいと思うのですけどね。
「吉田ドクトリン」同様「対米従属」といわれてしまいそうですが。

_ _俄 雨 ― 2009/11/05 04:57

 スティーブン・スピルバーグの作品(「宇宙戦争」(?)であったと思いますが、ニューオリンズの洪水災害を予見されるような映画が上映されました。


 そういった格差や貧困によって二分化され共同生活を強いられる世界に、オバマ大統領と言う少数派の声を代弁してくれそうな大統領があらわれ私はおおいに期待しています。

 私はオバマ大統領に一休宗純のような機知に富み市民に温かみを感じさせるような姿をみます。貴重なフィルムありがとうございました。

_ ななし ― 2009/11/05 07:12

既に昨年からの円高でアメリカの日本企業潰しの意図は見え見えですね。
トヨタのリコール問題もやっぱりやって来たかと言う感想しか無いですね。
まあアメリカ市場に過剰に依存し過ぎてたのを修正する為には良いんじゃないですか?
内需と途上国の市場開拓に注力する方が賢明でしょう。
アメリカ自身がもう以前の過剰消費体制に戻る事は無いと言ってるんですから。
無理に米国市場で稼ごうとすれば90年代からこっちと同じ泥沼に嵌る事になりますしね。
あ、それからオバマ氏本人の意思はあまり関係ないでしょう。
所詮は傀儡だと思っております。

_ Y-SONODA ― 2009/11/05 07:47

★とおるさんへ

>日本は、単品・部品を改善するのは得意ですが、システム・ブレークスルー・ルール・(多国間の)提携は不得意です。

スマート・グリッド風企画の現場に長くいました。
その時も強く思ったこと。
日本人は木を一生懸命磨き上げるのは非常にうまい。まさに職人気質。
ところが木に集中しすぎて森が見えなくなることがある。
「木を見て森を見ず」ですね。


★老荘バークさんへ

>日本は「スマート・グリッド」を上から目線で見てるんですかね?

「俺たちがやっても無理だったのだから、米国も無理だろう」
こんな風に思ってみている人はいるはずですよ。
わたしも当初は「なんだ、日本の物まねかよ」と思っていました。
それ以前に日本の新聞やテレビがあまりスマートグリッドを取り上げてこなかったので、なんのこっちゃわからない日本人がほとんどかもしれませんね。

>世界的な運用システムや枠組みの構築は米国に任せて、 日本はその中に技術屋として参加した方がよい

私もそう思います。
得手不得手の意味から日米は補完関係にあるような気がします。
ジョン・ルース駐日大使起用の目的もここにあったのかもしれない。
その意図が日本側にうまく伝わっていない可能性がありますね。
絶好のチャンスを自ら潰そうとしているとしか思えない。


★俄 雨さんへ

>貴重なフィルムありがとうございました。

どういたしまして。これからもよろしくお願いします。


★ななしさんへ

私はやはり怖がりw。
米国という国がとっても怖いのです。
昭和2年生まれの両親が揃って言い続けた「米国だけは二度と敵に回すな」は我が家の家訓ですからねw
米国の後ろ盾なしに途上国の市場開拓などということがはたしてどこまでできるのか。
この点でも疑問を感じています。
うまく利用すればいいだけなのに・・・。

_ とおる ― 2009/11/05 12:31

次のようなのが有るのですね。
・光ファイバー芯の電線が電力危機を救う (2001年6月 5日)
 http://wiredvision.jp/archives/200106/2001060503.html

情報伝達に使われている光ファイバーと送電の合体は、IT企業には、おいしい話です。
米国は経済力が弱まっているとはいえ、依然、断トツの一位で、富を生み出す能力は凄まじいものがあります。
こんな国とは仲良くするに限ります。(軍事力も恐いし)

_ Y-SONODA ― 2009/11/06 08:06

とおるさんへ

今後光ファイバーは通信用途で自動車の内部にもどんどん入っていくと思いますよ。
米国が目指しているのは映画「マトリックス」の世界だと考えればわかりやすいかも。
本記事添付画像右下に注目。エシュロン社の名前があったりしますよ。
こんな国と喧嘩しない方がいいですよね~w

_ とおる ― 2009/11/06 20:54

園田様
たしかに、Echelon、入ってますね。
何がしたいのか想像できませんが、興味深々です。
映画「マトリックス」は、有名にも関わらず、見たことがありませんが、送電兵器でも考えているのでしょうか。

_ 老荘バーク ― 2009/11/06 21:06

日経Tech-On!のNEニュースでこんな記事が配信されてきました。

外務副大臣,「早急にスマートグリッドに財政支援する」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20091105/177320/?ref=ML
-----
米国を中心に盛り上がる次世代電力網「スマートグリッド」に関しても言及し,「日本でも早急に財政支援をしていきたい」と,政府が積極的に関与する考えを示した。
-----

その関連記事もありました。

米ニューメキシコ州のスマートグリッド計画「Green Grid」,日本が期待される理由
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090528/170937/?ref=RL2
-----
参加する日本側の期待も大きい。4月中旬に開催された日米共同ワークショップには,日本からNEDOや経済産業省の担当者のほか,東京電力や日本ガイシ,パナソニック,日立製作所,東芝などの担当者も参加した。「参加することで,スマートメーターなど米IT業界の取り組みを把握できる。また,蓄電技術などを米国に売り込むことができる。それが参加する狙い」(ある関係者)。
-----

「日本にスマートグリッドは不要」と言われる理由
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20091105/177320/?ref=ML
-----
「米国の電力網が日本に比べて劣っているからといって,見下してばかりはいられない。劣等生が急に優等生になることもある。米国の狙いをよく理解しなければならない」(資源エネルギー庁の担当者)と,日本政府も米国の取り組みを注視しています。
-----

いよいよ動き出す「日本版スマートグリッド」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20090707/172655/?ref=RL2
-----
太陽光発電の大量導入に対応できる送電網のあり方などを検討する方針で,まずは基礎データの収集を開始する予定です。「米国で,IT企業などが推進している『スマートグリッド』とは少し違う,日本の送電網に適合したものを検討したい」(電事連の関係者)。


再生可能エネルギーと電力系統の連係に関しては,「せっかくやるなら離島だけでなく,もっと都市部でやったらどうか」(ある政府関係者)という意見も出ています。経済産業省の関係者によれば,首都圏近郊においてスマートグリッドの実証試験を行う計画もあるようです。「太陽光などの再生可能エネルギーを配置するだけでなく,負荷側もそれなりにある方が,よりリアリティのある議論ができる」(ある政府関係者)。


京都大学 大学院情報学研究科 教授の松山隆司氏らの研究グループは,宅内の設備系機器や家電機器などが利用する電力や熱エネルギーを「見える化」する仕組みを導入したり,家庭用蓄電池などのエネルギーの有効活用などを目指した取り組みを進めたりしています。「エネルギーの情報化」というコンセプトを掲げ,電力制御情報のやりとりに適した伝送プロトコルの開発なども行なっています。「米国のスマートグリッドをいかに導入するかではなく,日本オリジナルの形で,エネルギーの情報化を進める議論を深めていきたい」(松山氏)。
-----

日本は州単位のプロジェクトでは参加できていても、連邦政府単位のプロジェクトに参加できていないのがやはり気になりますね。
その結果、「我が道を行く」ということになったんですかね。

鳩山さんには「日本も仲間に入れて~~」とオバマさんにお願いしてほしいですね。

_ Blondy ― 2009/11/07 00:56

スマート・グリッドではIT技術を使って、送電効率を上げ、エネルギーソースの多元化をはかることができるようですが、同時に、インターネットが発明されたのと同じ理由で、電力インフラのチョークポイントを減らすことでサイバーウォー対策効果や戦時の継戦能力増強の効果が期待できるのではないでしょうか。

米軍はいつも真っ先に発電所を爆撃してるから、このへんの重要性は良く知っているし、それに次の戦争はサイバー空間と宇宙空間だっていうことも一番よく知っている。

当然、いまの送電網では大型発電所がサイバー攻撃でやられるとインターネット社会全体がダウンしてしまい大混乱になるから手を打つのは基本中の基本。

日本は戦後平和だった上にリベラルボケしているから、スマートグリッドの問題を民生問題の範囲だけでしか考えないのでピンと来てないのでしょう。

基本的に日本企業が外されているのもかなりの部分が国防技術だからと考えれば納得がいくはず。(勿論、EVでトヨタの牙城を崩す都合も。)

エネルギー効率面だけでなく、社会インフラ変換の基礎技術だし、国防技術の側面もあるから中国が最大の関心を寄せるのは当然。
アメリカも、ほんとは秘密にしたいけど、まあPCも中国製だし、レアメタルがなければEVも作れないし、米国債も買ってもらわなくちゃいけないから、中国とはそこそこお付き合いしつつ探り合いするという展開になるのかも。

スマート・グリーン・グリッド・イニシアティブ(SGGI)については、日本もまさに同様のことを政治主導、官邸主導で国防関係者も含めて早急に多面的に取り組むべきでしょうね。

この問題をバッチリ継続フォローしている園田さんのご見識、いやはや流石です。

_ Y-SONODA ― 2009/11/07 08:15

★とおるさんへ

「マトリックス」と「ミクロの決死圏」のごちゃまぜかなw
2次電池のセルにまでネットワークにつなげちゃう。
遠隔操作に管理も監視もなんでもありというやつですな。

★老荘バークさんへ

上から目線的な我が道路線に走りたい気持ちもよくわかるのですが、それだと今までと変わらない。
NTTグループやトヨタグループなどの教訓を生かして欲しいですね。
とはいえ、特に日本の2次電池技術がないと成立しないことは米国もわかっています。
パナソニックの三洋子会社化もそれを睨んだ動き。
焦った中国がこの買収にいちゃもんをつけていた。
わかっていないのは日本の政治家だけ。
経済界はしたたかに対応しているので大丈夫だと思いますが、森が見えている人がいるのかどうか。

★Blondyさんへ

米国のスマートグリッドは老朽化対策が基本。
あくまでも環境面は後からくっつけたもの。
よって、成果を出そうと思えば簡単なこと。
ここに国防まで絡めるあたりはさすがですね。
すでにリチウム争奪戦が始まっていますが、リチウム祭は素人発想。
2次電池にはそれぞれ得手不得手がある。
リチウム祭終焉時が本格スタートの目安になるかもしれませんね。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「カ○スの勝手でしょ」にようこそ♪ 質問:○に入るカタカナ一文字は?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/11/04/4674886/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。