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株高という宴は終了間近2009/05/11 00:04

シティグループの資本不足額は当初350億ドル


IMFは前提条件にもよるものの2750-5000億ドルと推定。
ストレステストはギュギュッと746億ドルに圧縮。

本ブログの「ストレステストにストレスたまるIMF」でこう書きました。

米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこの圧縮の手口を暴露。

WSJによれば銀行側は連邦準備制度理事会(FRB)から譲歩を得ていた。
シティグループの資本不足額にいたっては当初350億ドル。
バンク・オブ・アメリカの339億ドルを上回っていたことになります。
これを6分の1に圧縮。そして、55億ドルで公表。

それでも国際通貨基金(IMF)は甘いと指摘するはず。


オバマ・マジック・ワールドでマネー・ゲームに酔いしれるプレーヤーたち。
今なお彼らはまったく懲りていない。
酒がまずくなるからとIMFもWSJも出入り禁止。
とはいえ逃げ出すタイミングを見計らっている。

彼らに待ち受けるのは、ようこそ日本の失われた10年。
米国とて甘い見通しで泥沼にはまっていった日本と同じ道を歩むことになる。

世界的な株高という宴はまもなく終了。
世界は再び奈落の底へと突き落とされる。


<関連記事>

Banks Won Concessions on Tests
http://online.wsj.com/article/SB124182311010302297.html

ストレステストにストレスたまるIMF
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/09/4295296

特別検査でFRBが譲歩=公表前に資本不足額を圧縮-米紙報道
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009050900254

 【ワシントン9日時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は9日、大手19金融機関に対する特別検査(ストレステスト)を行った連邦準備制度理事会(FRB)が7日の公表直前に資本不足額を大幅に圧縮していたと報じた。検査は厳格に行われたとするFRBの主張に疑いが生じかねず、今後論議を呼びそうだ。

 それによると、銀行の収益力などをめぐり、FRBと一部金融機関の見解が鋭く対立。2009年1-3月期の好決算をもとに銀行側がFRBを押し返し、少なくとも19行のうち半数が資本不足額を圧縮させたという。

 このうちシティグループの資本不足額は当初約350億ドル(約3兆5000億円)に達すると判断されていた。公表された55億ドル(約5500億円)の6倍以上で、最も多い不足額を指摘されたバンク・オブ・アメリカの339億ドルを上回っていたことになる。(2009/05/09-14:57)

米中G2構想と地球温暖化問題2009/05/11 09:22

英ガーディアン:Climate change: The carbon atlas


産経の古森さんが珍しく冷静に米中G2論を論評しています。
最近まで共和党政権への未練たっぷり。
オバマ批判を繰り返していたように見受けられましたが、
任期が4年という現実に気付いたのでしょうか。

本ブログでお馴染みのブレジンスキーやファーガソンも登場。
そして、最後にG2反対論の圧巻として紹介しているのは、
外交問題評議会(CFR)のエリザベス・エコノミーとアダム・シーガルの「G2幻想」。

本ブログで再三繰り返しているように私も米中G2構想に懐疑的。
当然CFRの「G2幻想」も読んでいたのですが、
それほどいい出来栄えだとは思わなかった。

その理由はこの論文が米中の対立点として気候変動を重視している点にあり。

石油などの資源囲い込みとそのための海軍力増強に邁進する中国。
地球温暖化問題を活用しながら、これをなんとか阻止したい米国の意図が見え隠れ。

米中は世界最大の二酸化炭素排出大国。
それにも関わらず、これまで両国は行動を起こさなかった。
その口実を双方が利用しあってきた。

公約通り、オバマ政権が積極的に地球温暖化問題に取り組むのであれば、
対中国で日本やEUと協調することもできる。

しかし、実際には米国世論は地球温暖化問題に無関心かつ懐疑的。
この先、アンチ・地球温暖化を旗印にG2が結束する可能性もあるわけです。

CFRが語り始めた中国を封じ込めるための地球温暖化活用戦略。
うまく機能するかどうかは米国次第。

米国の宗教が地球温暖化問題に深く関わっている以上、
米国内部に大きな落とし穴を抱えていると言わざるを得ません。

足元の問題を棚上げしているCFR。
米国の黄昏を象徴しているようにも見えます。


<関連記事>

【緯度経度】ワシントン・古森義久 米中2極G2論の適否
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090509/amr0905091119007-n1.htm

The G-2 Mirage
Elizabeth C. Economy and Adam Segal
http://www.foreignaffairs.com/articles/64946/elizabeth-c-economy-and-adam-segal/the-g-2-mirage
http://www.viet-studies.info/kinhte/g2_mirage.htm

「中国救世主論」を信じるな!(エリザベス・エコノミー)
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/01/02/

エヴァンゲリオンの地球温暖化問題殲滅計画
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/04/19/4255285
地球温暖化と宗教(white evangelicalsという存在)
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/07/08/3615708

<画像引用>

Climate change: The carbon atlas
http://www.guardian.co.uk/global/interactive/2008/dec/09/climatechange-carbonemissions

野村HDに学ぶ負債評価益~財務会計基準書第159号(FAS159)~2009/05/11 21:08

野村HDに学ぶ負債評価益~財務会計基準書第159号(FAS159)~


今週は3月期決算会社の6割超が集中する企業決算のヤマ場。
これが影響しているのか、昨日の日曜日は大手企業からのアクセスが殺到。

担当者の方々は休日返上で大忙し。
おそらく「負債評価益」及び「負債の評価益」に関する情報を集めているのでしょう。

アクセス殺到ということは、財務会計基準書第159号 「財務会計基準書第115号の改定を含む金融資産および金融負債のための公正価値オプション=基準書第159号=FAS159)を適用する日本企業が多いということでしょうか。

そこで、一歩先行く野村ホールディングスの105期第3四報告書の一部を画像化。

詳しくはこちらをご覧下さい。

アニュアルレポート-有価証券報告書 - 野村グループ 105期第3四報告書
http://www.nomuraholdings.com/jp/investor/library/ar/data/105_3q_jsec.pdf


<関連記事>

米ストレステスト公表直前情報:「負債評価益」ってなぁに?
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/04/4285259

「負債の評価益」と野村HDとトヨタ
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/05/07/4290985