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08年株価下落率から世界を眺める2009/01/04 00:54

2008年、世界の株価下落率


現在の金融危機が本当に「100年に1度か2度の出来事」だとしたら、
むしろこの時代を生きる我々はラッキーかもしれない。
なにせ滅多にないことを経験できるわけですからね。

ついでに最悪の事態も想定していれば、慌てふためくこともない。
というわけで、かなり怖いことを書きます。

ここに貼り付けた画像を見てくださいね。

まずは「世界主要市場の株価下落率」から。
これは12月31日の日経新聞朝刊に掲載されていたもの。

これを見ていただければ、
私が「多極化説」を疑っている理由がわかると思います。

結局、ふたを開けてみれば、
金融危機の震源地である米国より、
ロシア、中国、インドなどの新興国のダメージの方が大きかった。

そして今なお覇権を握る米国とその米国を陰で支える英国はいずれも軽症。
金の流れを牛耳っているのがこの2国ですから、当然の結果。
他の国に比べたら米国の方がまだ期待できると投資家は判断したということ。

次にロサンゼルス・タイムズの「after the fall(s)」の表。

世界的に見れば軽症とはいえ、
2008年の米国は未曾有の金融危機であったことも事実。
ダウ工業株30種平均の年間下落率は33.8%。
これは史上3番目の大幅安。

最悪だったのは1931年のマイナス52.7%
二番目は1907年のマイナス37.7%
三番目が1930年と2008年のマイナス33.8%。

注目すべきは翌年反発できるかどうか。
世界恐慌下の1931年と1930年は反発できなかった。

今年反発してプラスに転じなければ、
第2次大恐慌を覚悟した方がいいということですね。

世界を見渡すと、勝ち組と負け組がはっきり分かれてくるでしょう。

米英は比較的早く抜け出す。
残念ながら、米英中心の金融資本主義は終わらない。

一方で脱落組が必ず出てくる。長引く不況に喘ぐ国が出てくる。
外需依存度が高い国が最も危ない。

中国、そして日本も危ないということになります。

日中同時不況が第二局面の主役に躍り出る。
特に日本には100年に1度あるかないかの試練が待ち受けています。

日本人の物づくりへのこだわり。
このプライドもズタズタに引き裂かれる事態も覚悟する必要があります。
このあたりの認識がかなり甘いと思うのです。

米国人の恐るべし能天気と浪費癖が日本を救ってくれればいいのですが・・・。

日本は最悪の時期に最悪の選択をしてしまうことがあります。

今最も恐れているのは、この日本で実績のない民主党政権が誕生することかもしれない。


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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35655820081229