ロックフェラー家の影響力(2) ― 2008/06/07 04:11
さてさてロックフェラー一族の持株リストを見れば一目瞭然ですが、
持株比率が激減していることがわかりますね。
私の手元には1923年と1926年の持株リストもあるのですが、
このときには30%を超えていたグループ企業もありました。
株式所有が分散すると、所有と支配の分離が起こり,
経営者支配が成立するというバーリとミーンズの主張が
ロックフェラー家にもあてはまることがわかります。
家族資本主義時代の終焉です。
このリストはパットマン報告(1968年)に続いて、
米国議会資料として公表されたメトカーフ報告(74~78年)をもとに
作成されたものです。
これによってそれまでの金融支配説等も見直しが始まり、
リビコフ報告(80年)によって取締役兼任制度にいっそう注目が集まる。
なんといっても衝撃的だったのはマイケル・ユシームの登場ですね。
ユシームは社会学的なアプローチから、
社外取締役制度の中核である米英の大企業トップとインタビューを実施、
その結果、84年に「インナー・サークル」が刊行されます。
実はインナー・サークルという言葉自体、
インタビューの際に彼らの口からポロッと出てきたそうですよ。
これにより政治的にも影響力をもつパワーエリートの存在が明らかになりました。
三百人委員会は通じないと思いますが 汗
少し減らして30人委員会にすれば、
そのほとんどは各国のインナー・サークルだと思いますよ。
残念なことは、
守秘義務の関係でインナー・サークルの名前が公表されなかった。
ロックフェラー家やロスチャイルド家に関わる人が、
含まれていたことは間違いないでしょう。
バーリ&ミーンズの経営者支配論などは
経営に直接関わっていたロックフェラー家からすれば、
避けられない現実としてすでに直面していたわけです。
莫大な資産を大学やシンクタンク、それに国際交流に注ぎ込んだのも、
優秀な人材を育成し、囲い込むための戦略ですね。
とはいえ、
あなたがロックフェラー大学を卒業し、
外交問題評議会(CFR)で研究を積み、
エクソンモービルの取締役になったとします。
そしたら、あなたはロックフェラー家の言いなりになります?
なりませんよね。
最高経営責任者と取締役会議長の分離問題の通りですね。
インナー・サークルとて一枚岩ではありません。
911からイラク戦争にかけて、
インナー・サークルが結束するかどうかを
ワクワクしてチェックしていたのですが、
最後まで割れたままでした。
戦争で儲かるところもあれば、損するところもありますからね。
というわけで、
ロックフェラー家の影響力は今なお大きいとしても、
このような見方はかなり無理があるわけです。
「ロックフェラーが米国を動かしている」
「いやいや、世界を動かしているのだ」
「ここにロスチャイルドの存在も見逃してはならない」
持株比率が激減していることがわかりますね。
私の手元には1923年と1926年の持株リストもあるのですが、
このときには30%を超えていたグループ企業もありました。
株式所有が分散すると、所有と支配の分離が起こり,
経営者支配が成立するというバーリとミーンズの主張が
ロックフェラー家にもあてはまることがわかります。
家族資本主義時代の終焉です。
このリストはパットマン報告(1968年)に続いて、
米国議会資料として公表されたメトカーフ報告(74~78年)をもとに
作成されたものです。
これによってそれまでの金融支配説等も見直しが始まり、
リビコフ報告(80年)によって取締役兼任制度にいっそう注目が集まる。
なんといっても衝撃的だったのはマイケル・ユシームの登場ですね。
ユシームは社会学的なアプローチから、
社外取締役制度の中核である米英の大企業トップとインタビューを実施、
その結果、84年に「インナー・サークル」が刊行されます。
実はインナー・サークルという言葉自体、
インタビューの際に彼らの口からポロッと出てきたそうですよ。
これにより政治的にも影響力をもつパワーエリートの存在が明らかになりました。
三百人委員会は通じないと思いますが 汗
少し減らして30人委員会にすれば、
そのほとんどは各国のインナー・サークルだと思いますよ。
残念なことは、
守秘義務の関係でインナー・サークルの名前が公表されなかった。
ロックフェラー家やロスチャイルド家に関わる人が、
含まれていたことは間違いないでしょう。
バーリ&ミーンズの経営者支配論などは
経営に直接関わっていたロックフェラー家からすれば、
避けられない現実としてすでに直面していたわけです。
莫大な資産を大学やシンクタンク、それに国際交流に注ぎ込んだのも、
優秀な人材を育成し、囲い込むための戦略ですね。
とはいえ、
あなたがロックフェラー大学を卒業し、
外交問題評議会(CFR)で研究を積み、
エクソンモービルの取締役になったとします。
そしたら、あなたはロックフェラー家の言いなりになります?
なりませんよね。
最高経営責任者と取締役会議長の分離問題の通りですね。
インナー・サークルとて一枚岩ではありません。
911からイラク戦争にかけて、
インナー・サークルが結束するかどうかを
ワクワクしてチェックしていたのですが、
最後まで割れたままでした。
戦争で儲かるところもあれば、損するところもありますからね。
というわけで、
ロックフェラー家の影響力は今なお大きいとしても、
このような見方はかなり無理があるわけです。
「ロックフェラーが米国を動かしている」
「いやいや、世界を動かしているのだ」
「ここにロスチャイルドの存在も見逃してはならない」
コメント
_ アルルの男・ヒロシ ― 2008/06/07 09:25
_ Y-SONODA ― 2008/06/08 01:15
アルルさん
こんばんはー
ロックフェラー家は一族経営の限界を早々に知って、
影響力を長期間維持できる戦略に切り替えるわけです。
反トラストの流れの中で、
切り替えざるを得なかったという見方もできます。
これが後にチェースへの接近につながります。
金融機関を通じた影響力の行使も実行したわけですね。
この戦略が効いているために、
今なおエクソンモービルに対して物が言える。
ただし、これからはきついだろうな。
一族の若手にいいのがいないもんねw
この戦略とはまったく異なる道を選んだ
ベクテルとかカーギルなんかと比較したら
おもしろい論文が書けるかもしれないなー。
トヨタさんなんか、助成金出してくれないかなーw
こんばんはー
ロックフェラー家は一族経営の限界を早々に知って、
影響力を長期間維持できる戦略に切り替えるわけです。
反トラストの流れの中で、
切り替えざるを得なかったという見方もできます。
これが後にチェースへの接近につながります。
金融機関を通じた影響力の行使も実行したわけですね。
この戦略が効いているために、
今なおエクソンモービルに対して物が言える。
ただし、これからはきついだろうな。
一族の若手にいいのがいないもんねw
この戦略とはまったく異なる道を選んだ
ベクテルとかカーギルなんかと比較したら
おもしろい論文が書けるかもしれないなー。
トヨタさんなんか、助成金出してくれないかなーw
_ アルルの男・ヒロシ ― 2008/06/08 14:39
ロス茶系は最初からビジネスに叩き込みますからね。
金融機関の研修制度はすごいわ。
金融機関の研修制度はすごいわ。
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/06/07/3565698/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
経営陣畑だけでやってきた生え抜き経営者がエクソンには多いですが、そうなると情報の共有ができないってことなんでしょうか。
聞くところでは欧米は、経営陣とボードの分離が進んでいて、アメリカはCEOとチェアマンの兼任が多いということですが・・・。
インナー・サークルを「経団連」と言い換えると分かりやすいかも知れないですね。温暖化問題では経団連は切り替えが早かったように思います。