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日本が京都を見捨てる日:カナダが京都議定書脱退か、カナダに続くはロシアと日本?2011/11/29 07:16

カナダが京都議定書脱退か、カナダに続くはロシアと日本?


<関連記事引用>

カナダ、京都議定書脱退か 地元テレビ報道
2011/11/29 7:35
http://s.nikkei.com/tEWQ1p

 【ワシントン=共同】カナダのCTVテレビは28日までに、カナダが12月にも京都議定書から脱退する見込みだと報じた。ハーパー政権がクリスマス前にも発表する予定という。カナダが脱退すれば、先進国に数値目標を設定し、温室効果ガスの削減を義務付けた京都議定書の枠組みに深刻な悪影響を及ぼす恐れがある。

 南アフリカのダーバンでは、気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が開幕。カナダのケント環境相はAP通信に対し、京都議定書の脱退について発表できるタイミングではないと語った。

 カナダは京都議定書の下で、2008~12年の温室効果ガス排出量の平均値を1990年に比べて6%減らす約束をしている。しかし実際の排出量は大幅に増えており、目標の達成は難しい状況になっている。


<関連記事>

カナダが京都議定書脱退か 
カナダが温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書から、12月にも脱退の見込みと地元TV報じる。
2011/11/29 06:47 【共同通信】
http://www.47news.jp/news/flashnews/

Canada to pull out of Kyoto Protocol next month (画像引用)
Canada will announce next month that it will formally withdraw from the Kyoto Protocol, CTV News has learned.
http://ottawa.ctv.ca/servlet/an/local/CTVNews/20111127/durban-south-africa-slimate-conference-setup-111127/20111127/?hub=OttawaHome

Canada to Pull Out of Kyoto Protocol Next Month, CTV News Says
http://www.bloomberg.com/news/2011-11-28/canada-to-pull-out-of-kyoto-protocol-next-month-ctv-news-says.html

COP17が開幕=ポスト京都は難航-温暖化対策を議論
日本やロシア、カナダは、議定書延長に反対
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2011112800720

バック・トゥ・ザ・フューチャー ~1930年代ブロック経済編~:「民主化」はためく露骨な中国包囲網、村八分を恐れて北朝鮮までミャンマー化?2011/10/22 15:38

バック・トゥ・ザ・フューチャー ~1930年代ブロック経済編~:「民主化」はためく露骨な中国包囲網、村八分を恐れて北朝鮮までミャンマー化?


米国主導・中国外しのTPPで台頭する中国をけん制。
村八分を恐れて動揺広がる中国チーム。

ミャンマーに続けと、まさかまさかの北朝鮮までロシアに接近中。
さらにはパキスタンにも動きあり。

「アラブの春」はいよいよ「アジアの春」へと向かうのか。
「民主化」はためく露骨な中国包囲網に身構える中国共産党。

中国とて黙って見ているわけがない。
そのブロック崩しのテクニックに注目したい。

TPPの先にあるのはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想。
それはまさにアジア太平洋連合。

ヨーロッパ連合に続けとユーラシア連合。
さらには大本命のアジア太平洋連合も動き出すことになるのか。

アジア太平洋連合が動き出せばどうなる。
「わしらもアジア太平洋国家だべ」とロシアが言い出す可能性大。

世はまさに1930年代へとバック・トゥ・ザ・フューチャー。
ならば「ブロック経済」の先にあるのは1940年代。

今度の主役は当然中国となるのだろうか。


<関連記事引用>

▼「世界は帝国主義的な体制に戻ろうとしている」 原口一博と佐藤優、TPPに警鐘
2011年10月21日(金)20時09分配信
http://news.nicovideo.jp/watch/nw133245

 作家で元外交官の佐藤優氏と民主党の原口一博元総務相は2011年10月20日、ニコニコ生放送「平和~子どもたちの澄んだ瞳を守るために」で対談し、例外品目を作らない自由貿易協定であるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)締結への動きに関して、両者とも「いま世界は帝国主義的な体制に戻ろうとしている」と語った。

 北朝鮮の金正日総書記は19日、ロシア国営通信であるイタル・タス通信のインタビューに応じた。佐藤氏によると、「日本との国交正常化に向けては、日本が過去に起こしてきた犯罪に対して完全な総括をすること。その総括に向けて日本が歩みを始め、北朝鮮に対する敵視政策をやめるならば、関係の正常化を行う」という"かつてないほどのゆるいメッセージ"だという。佐藤氏は、金総書記がこのようなメッセージを発した背景について「大きな与件が変化している」と語る。

「TPPの動きが始まった。TPPで日本とアメリカの提携が強化するということは、中国をにらんだ動きだと(北朝鮮は考えている)。そうすると北朝鮮は中国と一緒に包囲されたら困るということで、逃げ出す道(ロシアへの接近)を考えている」

 TPP締結の動きが、北朝鮮に焦燥感を生んでいるという。原口氏も、このTPP締結の動きは「よその国に対して恐怖感を生み出している」と話す。

「TPPはよく日本の中では自由経済・農業と工業の問題だと言われていますが、実はそうじゃない。ブロック化なんです。ブロックの中において、今すごく帝国主義的な動き。リーダーが変わる時はどちらかというとナショナリスティックに動く。そして自分の国さえ良ければいいという形になっていく。そこでアメリカと日本を中心としたブロックを作って、囲い込んでいこうと。よその国から見ると、自分たちの国がはじかれるという恐怖感をそこに生んでいる」

と、日本が太平洋戦争に突入するキッカケともされる、1929年の世界恐慌以降の欧米先進諸国による帝国主義・ブロック経済と同じような動きが現代にもあると述べた。

 佐藤氏も、「自由貿易ならばWTO(世界貿易機関)という体制を強化していけば良いのに、なぜ一種の関税同盟でありブロックであるTPPを結ぶのか」と疑問を呈し、EU(欧州連合)やロシアのプーチン首相がユーラシア同盟創設を提唱していることを挙げ、

「着実にいま世界はブロック経済化している。1930年代の帝国主義的な体制に戻ろうとしている」

と原口氏に同意した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]原口氏の「TPPはブロック化」から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv67857795?po=news&ref=news#06:03

(中村真里江)


▼中国式投資 途上国「NO」 ミャンマー、ダム開発中止を表明
2011.10.4 07:56 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111004/chn11100407580006-n1.htm

 ■ザンビア、リビア、スーダン…次々方向転換

 【北京=川越一】軍政から民政に移管したミャンマーのテイン・セイン大統領が9月末、北部カチン州で中国と共同建設している水力発電用大型ダム「ミッソンダム」の開発中止を表明した。多額の投資・援助で途上国を抱き込んできた中国だが、ミャンマーやリビア、ザンビアなどの政権交代に伴い、民主化や人権改善に背を向ける“北京コンセンサス”の限界が見え始めている。

 同ダムは、ミャンマーの軍事政権と中国政府の間で契約が結ばれた。中国国有企業による投資総額は36億ドル(約2760億円)にのぼる。軍政幹部が開発推進を強硬に主張したとされ、中国政府からの賄賂の存在がささやかれていた、いわく付きの事業だ。

 ミャンマーでは民政移管後、環境保護を訴える声が沸騰。テイン・セイン大統領は世論に応える形で「(ダムは)自然景観を破壊し、地域住民の暮らしを破壊する」などとして、軍政の決定を覆した。

 これに対し、中国外務省の洪磊報道官は今月1日、「中国企業には、その国の法律に厳格に従って、責任と義務を履行するよう求めており、関係諸国には中国企業の合法で正当な権益を保障するよう促している」との談話を発表した。

 こうした新たな体制側との“友好的協議”の訴えは、リビアでの石油利権を維持するため反カダフィ派に呼びかけたケースや、親中国のスーダンから独立した、石油権益が集中する南スーダンにおけるケースと重なる。

 経済発展を維持するために世界中で資源エネルギーをむさぼる中国は、積極的にアフリカ大陸に進出してきた。そこに介在する賄賂が政権幹部を堕落させ、人権を無視して地元労働者を酷使する中国企業への反感も暴発寸前だ。

 9月下旬、中国が鉱物資源を狙って20億ドル以上をつぎ込んできたアフリカ南部ザンビアで、反中国で知られる野党、愛国戦線のサタ党首が新大統領に就任した。前政権は中国の投資が2万人の雇用を生んだと称賛していたが、米メディアによると、その陰では労働争議に絡む中国人経営者による射殺事件が頻発。「中国の投資は一般市民のためではない」というザンビア人労働者の嘆きは、中国との癒着が政権批判を助長したことを物語っている。

 かつて、中国の体制内学者が、政府の支援を受けて海外で資源を獲得する中国企業の在り方を批判したことがある。「恩恵は国民に再分配しなければならない。そのために民主化と政治改革が求められる」。中国が“北京コンセンサス”を持ち込んだ途上国で、その指摘の正しさが証明されつつある。


▼ミャンマー 政治犯150人釈放
2011年10月13日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011101302000038.html?ref=rank

 【バンコク=杉谷剛】ミャンマー政府は十二日、テイン・セイン大統領の恩赦による六千三百人余りの受刑者の釈放を始めた。注目された政治犯の釈放はこの日、約百五十人に上ったとみられる。改革姿勢を打ち出している現政権は、政治犯釈放により欧米などの経済制裁解除を引き出したい狙いとみられ、最終的な釈放規模が注目される。

 一九八八年から今年三月まで続いてきた軍事政権下では、民主化活動家や僧侶、ジャーナリスト、弁護士ら多数が政治犯として逮捕・拘束され、現在も約千人が服役中とされるが、百人規模の釈放は初めて。ロイター通信は、最終的に約三百人が釈放される見通しと報じた。

 現地からの情報によると、最大都市ヤンゴンのインセイン刑務所からはこの日、六百四十二人の受刑者が釈放された。88%の五百六十四人が男性だった。

 同国民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チーさんは「個人に自由を与えることはお金で買えないほどの価値がある。政治犯全員の釈放を求める」と、あらためて政府に要求。スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)の広報官は「これまで約百五十人の政治犯が釈放され、約百人はNLDのメンバー」と説明した。

 軍政を批判したとして懲役三十五年を言い渡され、長期服役してきた有名コメディアンのザガナー氏は同日、ミャンマー北部の刑務所で釈放された。同氏はヤンゴンの空港到着後、「私の十四人の友人(政治犯)は、まだ刑務所に残っており、釈放されてもうれしくない。政府はけちだ」と皮肉った。

 釈放された政治犯の名前は公表されず、現地で有名な学生活動家や少数民族のリーダーは釈放されていないとの情報もある。

 今年三月の民政移管後、テイン・セイン大統領は民主化活動家を含む恩赦を表明。海外に亡命した活動家の帰国も促した。また、スー・チーさんとの対話や中国が支援する大規模ダム開発の中止など、改革姿勢を相次ぎ打ち出している。


▼ミャンマーODA再開=外相会談で玄葉氏表明
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011102100804

 玄葉光一郎外相は21日夜、都内の外務省飯倉公館でミャンマーのワナ・マウン・ルウィン外相と会談、同国のテイン・セイン大統領による政治犯の釈放など民主化の取り組みを評価し、中断していた政府開発援助(ODA)を再開する方針を表明した。

 会談で玄葉氏は「さらなる政治犯の釈放をお願いしたい。このような動きが力強く前進することが重要だ」と指摘。ルウィン氏は「大統領は引き続き、憲法の規定に基づき恩赦を続ける意向だ」と応じた。 

 2003年にミャンマー軍事政権が民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんを自宅軟禁したことなどを受け、日本政府は制裁措置として同国へのODAを人道分野を除き中断。今年6月に、新規分を含めて再開する方針を決めた。スー・チーさんは10年11月に自宅軟禁を解除されている。

 今回再開するのは、03年に中断した水力発電所の補修工事と、07年の反政府デモ弾圧で中断した「人材開発センター」建設の2件。両外相はODA再開に向けた日本の調査団派遣で合意した。ミャンマー外相の日本訪問は1995年以来16年ぶり。(2011/10/21-22:54)


▼インドとパキスタン、両国間貿易を自由化へ 英紙報道
2011/10/18 10:31
http://s.nikkei.com/rhqRZ6

 分離独立して60年以上が経過するインドとパキスタンが2国間貿易を大幅に自由化する準備を進めている。18日付の英フィナンシャル・タイムズ紙が伝えた。両国の高官によると、パキスタンの政治家や軍高官は、インドとの貿易関係はカシミールの帰属問題の解決次第だという従来の態度を軟化させているという。

 1947年に英国による統治が終了してから中断してきた両国の貿易関係が復活する見通しだ。来月にデリーで開く会合で詳細について合意する予定という。

 中断してきた貿易関係の行き詰まりを打開するため、パキスタンのカル外相はインドに最恵国の地位を与える用意があると同紙に語った。同外相は長年紛争が続く地域では「どんな国でも一国だけでは経済、政治的に発展できない」と語り、インドとの関係修復を目指す考えを示した。

 インドとパキスタンを合わせると中国の人口を超えるにもかかわらず、2国間貿易は27億ドル(約2100億円)程度にとどまる。両国の通商相は今月、3年前に中断していた交渉を再開。2国間貿易を3年以内に60億ドルに引き上げるという目標で合意している。

Pakistan and India in historic trade push
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/6670de68-f8bb-11e0-ad8f-00144feab49a.html#axzz1bSQK6hJD


▼金正日氏 ロシアに感謝 協力を推進
20.10.2011, 14:08
http://japanese.ruvr.ru/2011/10/20/59045306.html

 朝鮮民主主義共和国の指導者である金正日氏は、北朝鮮の外交にとっては非常に珍しいことに、ロシアのマスコミに対するインタビューに応じた。これは金正日氏がロシアに対して特に感謝の気持ちを持っていることを示すものだ。

 金正日氏はインタビューのなかで、「私が忘れられないのは、モスクワから数千キロ離れたウランウデまでメドヴェージェフ大統領が我々を迎えにやってきてくれたことだ。」と述べている。

 またウランウデの会談中、普段は無表情な金正日氏が示した表情も、メドヴェージェフ大統領に対する誠意を示すものだった。メドヴェージェフ大統領は2001年、当時ロシア大統領府第一副長官として平壌を訪問しているが、両者はそれ以来10年ぶりとなる再会を果たしたことになる。

 金正日氏のロシア訪問は21世紀になってから3回にわたって行われており、プーチン氏との会談も幾度となく持っている。2001年にはモスクワ、ペテルブルグ訪問を含む24日間のロシア滞在を行った。その際、金正日氏とプーチン氏との会談が持たれ、モスクワ宣言という成果が生まれた。モスクワ宣言では、世界の安定の維持と2国間関係の強化がうたわれた。

 今回のインタビューのなかで、金正日氏はロシアとの協力において、北朝鮮を経由する朝鮮半島横断ガスパイプラインの敷設が特に重要だと指摘している。また両国の鉄道線路の連結も重要だと述べている。またそれらのプロジェクトが、地域の繁栄を促すという国際的な意味を持っていると評価している。

 ロシア科学アカデミー経済研究所朝鮮問題担当のゲオルギー・トロラヤ氏は次のように語っている。

―北朝鮮の指導者とのインタビューはいつでも大きな政治的事件です。それは金日成の時もそうでしたし、現在の正日氏の場合もそうです。というのも、その内容は古典的著作として、全集に含まれることになるからです。もちろん北朝鮮ではインタビューの内容は、前もって注意深く議論されて承認された文書です。それゆえに、10年ぶりにロシアのマスコミに対してインタビューに応じたというのは、ロシアとの友好関係を示すための政治的なジェスチャーだと言えるでしょう。またアメリカや韓国、日本といった敵対国との交渉に入る前に、中国だけでなく、ロシアからの支援もあるということを示す狙いもあったでしょう。それは朝鮮半島問題におけるロシアの役割を高めるもので、歓迎すべきことだといえます。

 金正日氏は、北朝鮮が核の保有に至った経緯について、アメリカ側からのあからさまな核の脅威から自らを守るためであったと述べており、またメドヴェージェフ大統領と合意したとおり、6カ国協議の早期再開を目指していることを明らかにした。

 アメリカとの関係については、アメリカ政府が敵対的な政策を放棄し、善意を見せるようなことがあれば、関係正常化も視野に含んでいることをほのめかしている。

 日本に対しては、歴史上、美しくない過去として残っている日本の朝鮮侵略の歴史を勇気をもって清算することを求め、それは関係正常化への道を開くことになると指摘した。しかし、韓国および中国との関係については、一切言及することはなかった。


▼北朝鮮海軍幹部が訪露 海軍合同演習などを協議
2011.10.21 19:18
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111021/kor11102119190002-n1.htm

 北朝鮮海軍の東海艦隊司令官が20日にロシア極東ウラジオストクを訪問しロシア太平洋艦隊の幹部と会談、来年にも行われる予定の救難捜索訓練などの合同軍事演習や、11月に予定されている北朝鮮艦艇のウラジオストク入港などについて協議した。太平洋艦隊当局者が21日、明らかにした。

 両艦隊はともに日本海を主要活動エリアとしているが、長らく交流は途絶えてきた。ソ連崩壊後に北朝鮮海軍幹部がロシア極東を訪れたのは初めてという。

 ロシアと北朝鮮は今年8月の首脳会談以降、外交、経済、軍事面での交流が活発化している。北朝鮮の東海艦隊司令官は、カムチャツカ地方も訪問する予定。(共同)


▼日米シンポジウム「TPP―アジア太平洋地域の成長の源泉」開催
-日本のTPP参加を日米の経済界が一致して強く支持
米倉会長=FTAAP構築に向けて、TPPに早期参加し、米国とともにグローバルなルールづくりを主導すべき
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2011/1020/04.html

経団連は7日、東京・大手町の経団連会館で、日米経済協議会、米日経済協議会との共催により、日米シンポジウム「TPP-アジア太平洋地域の成長の源泉」を開催した。当日は日本側、米国側から官民合わせて約200名が参加した。

冒頭、米倉弘昌経団連会長・日米経済協議会会長があいさつし、国内の立地競争力強化のために最も重要な取り組みの一つが高いレベルの経済連携の推進であり、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)構築に向けて、9カ国が交渉を進めるTPP(環太平洋連携協定)に日本が早期に参加し、米国とともにグローバルなルールづくりを主導すべきと強調した。続いてあいさつしたジョン‐ルック・ブテル米日経済協議会会長は、日本のTPP参加を強く支援すると表明するとともに、農業分野で構造改革のための猶予期間など交渉の余地が与えられるとの見解を示した。

次に、日米政府代表による基調講演が行われた。北神圭朗経済産業大臣政務官は、空洞化が進行するなか、日本は包括的な経済連携を推進する必要があると述べたうえで、米国、豪州やアジアの主要国を含むTPPへの参加は、外交戦略上も最善の選択肢であるとした。米国側はロナルド・カーク米国通商代表部代表がビデオメッセージを寄せ、TPPに対する日本の関心を歓迎し、日本が国内の議論を進めるにあたって米国も協力する意向を表明した。また、米国大使館のジェームス・P・ズムワルト首席公使は、21世紀型の通商ルールの構築を目指すTPPは、地域経済統合の土台となるだけでなく、アジア太平洋地域の発展に向けた日米協力の場となると述べた。

続いて行われたパネル討議では、浦田秀次郎早稲田大学大学院教授をモデレーターに、日米の経済人がTPP参加のメリットや解決すべき課題等について討議した。まず、渡辺捷昭経団連副会長は、優れたものづくりの力を活かしてグローバル競争力を強化し、日本全体の成長につなげる必要があると指摘し、そのためにはTPPを通じた他国に劣らない事業環境の整備と、地域・世界のルールづくりへの関与が必要と述べた。また、農林漁業等の活性化に向けた経団連会員企業による224の取り組み事例を紹介し、日本の農業も、ものづくりの経験を活かして競争力を強化できるとした。坂根正弘経団連副会長は、被災地の復興のためには第一次産業が海外の成長市場に打って出る必要があり、成長のカギは、TPPが目指すFTAAP構築を通じたアジア太平洋地域との共存共栄であると述べた。

カール・ルカチ・デュポンイーストアジア地域統括兼デュポンKK会長は、TPPの最も重要な意義は、エネルギー、新素材、農業等、さまざまな分野で日米企業の協力が促進されることであると述べた。アリ・バハジ・キャタピラージャパン会長は、雇用創出、生活水準向上や、イノベーション促進といった自由貿易の恩恵をあらためて強調し、TPP交渉参加の日本の早期の決断を期待すると語った。ジョナサン・クシュナー在日米国商工会議所東北復興タスクフォース共同委員長・TPPタスクフォース副委員長は、被災地域の復興に向けて、特区の活用で農業やヘルスケア等のイノベーションを促進するよう提言し、TPPを契機とする全国規模での改革促進とそれによる日本経済活性化への期待を表明した。

最後は、モデレーターの浦田教授が、TPPに対する誤解を解くうえで、マスメディア等を通じた正確な情報の伝達が重要と締めくくった。


<画像引用>

APECの概要-APEC-経済産業省ホームページ
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/apec/overview/description.html

北極・南極で各国せめぎ合い 資源や航路に熱視線(日経より)2011/09/20 06:17

北極・南極で各国せめぎ合い 資源や航路に熱視線(日経より)


日米豪同盟でタナボタ・ジャパン。
日米豪加同盟なら両極ゲットでウハウハ・ジャパン。

暴れるパンダをうまく利用すれば、そんな未来も夢じゃない?


<関連記事引用>

▼北極・南極で各国せめぎ合い 資源や航路に熱視線
軍事面でもさや当て、紛争防止策が必要に
2011/9/19 23:12
http://s.nikkei.com/qxZO04

 北極・南極の2つの極地をめぐる関係国のせめぎ合いが顕著になってきた。ここ数年夏季の海氷の縮小が目立つ北極海では、商業航路としての利用や海底資源開発の動きが本格化し、権益防衛へ軍事面でのさや当ても始まった。南極大陸でも、現在は凍結されている資源開発が将来解禁される展開をにらむ各国の動きが相次いでいる。

 日本の商船会社、三光汽船の貨物船サンコーオデッセイがこのほど画期的な航海に成功した。約6万6000トンの鉄鉱石を積んだ同船は8月末にロシアのムルマンスクを出港。同国の原子力砕氷船の先導で約1週間かけ北極海「北東航路」を通過、太平洋に出た。「画期的」なのは、日本商船による初の北極航路利用であるのに加え、ここ数年、同航路を試行的に航行した各国ばら積み船の大きさの点でも過去最大だからだ。

 北極海では近年、8月から9月にかけてロシアやカナダの沿岸に氷で覆われない海域ができ、商船が航行できるようになってきた。欧州と日本を結ぶ場合、スエズ運河経由の南回り航路(約2万キロ)よりも、北極海航路(約1万3000キロ)の方が距離にして約4割も短くなる。

 ソマリア沖域や南シナ海で増加傾向にある海賊の脅威を避けられるのも商船会社には魅力だ。自国の商船がソマリア沖海域で海賊被害に遭った韓国は、主に北極海で運用する砕氷艦を就航させた。

 夏場の海氷が減れば、海底資源の探査も容易になる。米地質調査所の推定によると、地球上の未発見の原油の13%、天然ガスの30%が北極海に分布。2010年9月、ロシアとノルウェーが約40年続いた北極海での境界争いで歩み寄り海底資源の共同開発に乗り出すなどの動きもある。

 「ロシアは北極圏での存在感を高め、権益を断固として防衛する」。ロシアのプーチン首相が6月こう発言すると、7月にはセルジュコフ国防相も「北極圏に2個旅団を創設する計画を策定中だ」と表明。ロシアに対抗するように、デンマーク軍もグリーンランドなどを管轄する「北極軍司令部」を設立。米軍はこれまで不明瞭だった北極圏での軍事作戦の主担当を北米大陸担当の北方軍に指定した。

 そんな北極圏で徐々に存在感を示し始めている「新規参入者」がいる。中国だ。

 「中国はアイスランドを北極圏や北大西洋における自国の拠点にするつもりなのではないか」。9月、世界の安全保障関係者の間でこんな臆測が広がった。きっかけは、中国の不動産企業がリゾート開発を名目にアイスランドの土地を購入しようと動いているとの報道だった。土地の規模は同国の国土の0.3%に相当する約300平方キロメートル。中国は既にアイスランドに大規模な大使館を建設。通常動力型としては世界最大の砕氷艦「雪竜」(排水量2万1000トン)も保有している。

 一方、南極条約とその関連議定書で領有権の主張や地下資源開発が凍結されている南極大陸でも各国の動きが静かに始まっている。

 「この町を南極への玄関としていく。地域での存在感を高めたい」。チリのモレノ外相は4月、同国南部に位置する人口2000人ほどの小さな町プエルトウィリアムスで開いた「南極政策審議会」で、南極への関与に強い意欲を示した。審議会には財務相や国防相も参加した。同国は今年、外務省内に「南極局」を設けたほか、ピニェラ大統領も就任後初めて南極基地を訪問している。

 チリとアルゼンチンは、以前から南極大陸の一部の領有権を主張。両国で売られる地図や新聞の天気予報欄には、「南極領」も示されている。

 一方、中国は南極大陸で最も標高が高く、科学的に利用価値の高い地点に天文台を設置するなど、北極と同様に存在感を強めている。

 各国の南極への関心増大には理由がある。南極での資源開発を禁じている「環境保護のための南極条約議定書」は締約国が延長で合意しない限り2048年に失効し、各国が資源開発に一斉に動き出す可能性がある。南極大陸は太古はアフリカやオーストラリアと地続きで、豊富な資源の存在が確実視されている。

 「他国に比べわが国の南極政策は立ち遅れており、このままでは国益を守れない」――。南極大陸の42%の領有権を主張するオーストラリアでは、南極政策への国防当局の積極関与や、スキー板をつけた輸送機など南極用装備の充実を求める声が安全保障の専門家らから出始めた。

 各国の権益確保の動きが新たな地域紛争につながらないよう、北極では国連海洋法条約に基づく境界線の早期画定、南極では南極条約体制の延長などが求められそうだ。

 日本と北極・南極の接点は従来、科学調査だった。ただ、気候変動やエネルギー価格高騰といった環境下で、北極・南極情勢には海運や資源開発、安全保障など新たな側面が加わり、今後の世界を読むうえでも見過ごせない地域になってきた。

(編集委員 高坂哲郎、サンパウロ=檀上誠)


▼中国、「雪竜」に続く新たな極地調査船を建造へ
2011/06/2218:52
ソース: 人民網日本語版
http://www.insightchina.jp/newscns/2011/06/22/28873/

 国家海洋局の陳連増副局長は21日、中国が「第12次五カ年計画」期間中、極地科学調査船「雪竜」に続く新たな極地調査船(破氷船)を建造することを明らかにした。同調査船は2013年には使用を開始し、「雪竜」とともに極地科学調査船隊を形成する予定。京華時報が22日に伝えた。

 陳副局長によると、新たな調査船は、▽海氷域の海洋環境・資源調査▽海洋環境の3Dリアルタイムモニタリング▽データシステム統合▽遠隔伝送▽水中自律ロボット、大型水中探査装置の投入・回収▽海氷域における航路探査▽航空測量▽海氷域科学調査設備の投入–などが可能なほか、ヘリコプターを搭載している。

 中国の極地海洋科学調査船隊が形成されれば、2隻以上の極地調査船を使用し、南極・北極で同時に調査作業を行うことが可能となるだけでなく、年に200日間以上にわたる極地海洋調査を実施できる。


▼中国、新たに極地科学調査船を建造へ 「雪龍号」を上回る性能
2011-08-03 16:20:43
http://japanese.china.org.cn/culture/2011-08/03/content_23134164.htm

国家海洋局のウェブサイトが2日に発表したところによると、新たな極地科学調査用の砕氷船の建造プロジェクトがこのほど、国務院、国家発展改革委員会からの正式な承認を得た。新しく建造される極地砕氷船は、既存の「雪龍号」とともに極地科学調査の砕氷船船団を構成する。京華時報が3日に伝えた。

国家海洋局極地調査弁公室によると、新たな砕氷船はその調査性能、破氷性能において「雪龍号」を上回り、世界先進レベルの極地海洋環境総合調査能力を持つ。

極地砕氷船は、一般水域で作業する特殊船舶とは異なり、機能の総合性・複雑性・特殊性、船舶の設計・建造などにおいて、高い技術的要求を満たす必要がある。中国は未だ、このような船舶を建造したことがない。砕氷船の品質を保証するため、中国は極地調査用砕氷船の設計経験が豊富な国外の船舶設計会社と提携し、国内の設計会社と共同で設計を行い、更に国内の造船所で建造を行っていく。(編集SN)

「人民網日本語版」2011年8月3日


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カネの切れ目が縁の切れ目
番犬の米本土還りたい病を見越して、日米豪関係強化に動け
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/09/15/6103643


日米豪同盟でタナボタ・ジャパン、エネ安保にも寄与で脱原発も見えてくる?
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/09/17/6105252


日本に必要なのはオーストラリア目線
日米豪関係を強化しながら、マラッカ海峡と南シナ海を見守るように遠方沖合から中国と対峙
これぞまさにオフショア・バランシング
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/09/18/6106123

北極地政学に新たな動き、米エクソンモービルと露ロスネフチが北極海などの油田開発で提携合意、米中新冷戦時代幕開けを睨むプーチン2011/08/31 09:04

北極地政学に新たな動き、米エクソンモービルと露ロスネフチが北極海などの油田開発で提携合意、米中新冷戦時代幕開けを睨むプーチン


<関連記事引用>

▼ロシア石油最大手、米エクソンと提携 北極海などで油田開発
2011/8/31 1:14
http://s.nikkei.com/oAHDWm

 【モスクワ=金子夏樹】ロシアの国営石油最大手ロスネフチと米石油最大手エクソンモービルは30日、北極海大陸棚などでの油田探査・開発に関し業務提携することで合意した。ロスネフチは英石油大手BPとの提携交渉が白紙となり、新たな提携先を探していた。エクソンの技術提供を受け、大規模な深海油田の開発を本格化させる。エクソンは未開発の油田を多く抱えるロシアで、事業を拡大する。

 共同開発の対象はロシア北部の北極海と、ロシア南部の黒海にある深海油田。北極海の対象地区は12万6000平方キロメートルで、推定原油埋蔵量は5000万トンに達するとの見方もある。黒海の対象地区は約1万1200平方キロメートル。

 エクソンモービルによると、両地域での投資額は32億ドル(約2500億円)に達する見通し。両社は合弁企業を設立し、共同で油田のほかガス田の開発も進める。出資比率はロスネフチが66.7%、エクソンモービルが33.3%となる。

 ロシア西部サンクトペテルブルクに研究技術センターを設立し、エクソンがロスネフチに深海油田の開発技術や環境保護のノウハウなどを提供する計画。ロスネフチはエクソンが開発を進めるメキシコ湾の深海油田や、米テキサス州の油田などの一部権益を取得する権利も持つ。

 調印式に参加したロシアのプーチン首相は「提携は世界のエネルギー市場にとってプラスと受け止められるだろう」と指摘した。ロスネフチは1月に北極海の開発で英BPと資本業務提携で合意したが、5月にBPのロシア合弁企業の株主の反対で提携が白紙となっていた。


▼米エクソンと露ロスネフチ、北極圏での石油共同開発で合意
2011年 08月 31日 02:28 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22941120110830

 [ソチ(ロシア) 30日 ロイター] 米石油大手エクソンモービル(XOM.N: 株価, 企業情報, レポート)とロシアの同業ロスネフチ(ROSN.MM: 株価, 企業情報, レポート)は30日、ロシア北極圏での石油・ガス田の共同開発で合意した。

 同地域での開発計画は当初、英BP(BP.L: 株価, 企業情報, レポート)とロスネフチが提携することで合意していたが、その後BPのロシア合弁会社TNK―BP(TNBP.MM: 株価, 企業情報, レポート)をめぐる対立から、5月には両社が提携を破棄した経緯がある。

 調印式に立会ったプーチン首相は「新たな展望が開かれた」とし、両社の共同開発を歓迎する意向を示した。

 両社は今後、合意に基づき、カラ海にある東プリノボゼメルスク3鉱区、および黒海のトゥアプセ鉱区の開発に32億ドルを投資する。

 ロスネフチの広報担当者によると、投資の大半はエクソンが行う見通しで、計画の第1段階における同社の投資額は15億ドル強の見込み。カラ海でのボーリング探査開始は2015年とした。 

 エクソンは声明で「当該鉱区は最も有望であるとともに世界的に最も開発が遅れており、高い将来性がある」と述べた。

 ロスネフチにはエクソン側の複数の北米探査計画に絡む権益も与えられる。


▼米エクソンと露ロスネフチ、北極海などの油田開発で提携合意(1)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aV2lg5sRuhCA

8月30日(ブルームバーグ):ロシアの国営石油会社ロスネフチは、北極海の油田開発で英BPに代わるパートナーとして、米エクソンモービルと提携することで合意した。北極圏は世界で資源が未開発のままとなっている地域の一つ。

 合意によると、エクソンは数十億バレルに上る可能性がある北極海原油にアクセスできるのと引き換えに、米テキサス州のシェールガス田とメキシコ湾の深海プロジェクトの権益をロスネフチに付与する。

 エクソンとロスネフチは当初、ロシアの北極海沖合と黒海の探査に32億ドル(約2500億円)を投資する計画。両社が30日の発表資料で明らかにした。ロスネフチは、ロシアの石油大手として初めて米国の油層を開発し、深海やシェール油の事業の経験を得られる可能性がある。

 ロスネフチは当初、北極海の一部であるカラ海の3つの鉱区をBPと開発する計画だったが、BPのロシア合弁会社TNK-BPのロシア側株主がこれを阻止するため訴訟を起こし、提携は白紙となった。ロシアのソチで30日に行われた調印式に立ち会ったプーチン首相は、同国政府がエクソンとロスネフチの提携を「あらゆる面から」支援すると表明した。

 オッペンハイマーのアナリスト、ファデル・ガイト氏(ニューヨーク在勤)は、「石油会社にとって新しい資源へのアクセスは活力源だ」と指摘。「ロシアには開発可能な大規模資源がまだ残っている地域の1つで、エクソンは数カ月前までBPのガールフレンドだった女性と付き合っているような格好だ」と語った。


<関連記事>

Exxon and Rosneft sign Arctic deal (画像引用)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/ffa9d962-d319-11e0-9aae-00144feab49a.html#axzz1WY3W5Fdl


Exxon-Rosneft: Oil’s new Cold War
Commentary: Two energy titans take aim at the Arctic
http://www.marketwatch.com/story/exxon-rosneft-oils-new-cold-war-2011-08-30

「物流を制する者は中国市場を制する」=中国限定「地理経済学」に「自由と繁栄のWA」で挑む2011/07/19 08:02

「物流を制する者は中国市場を制する」=中国限定「地理経済学」に「自由と繁栄のWA」で挑む


産業空洞化を恐れるな。分散化こそリスクヘッジの基本。
タンポポ・ジャパンは「拡散・日本」の大戦略。

拡散先はあくまでも地政学重視。
北極に睨んだ拡大「自由と繁栄の弧」、即ち「自由と繁栄のWA」を提唱。

「自由と繁栄のWA」から外れる中国行きは自己責任で。
そこに経済産業省とジェトロ、それに丹羽宇一郎が絡むなら、
「最後まで面倒見ろよ」と釘を刺したくなる。

松本外相の中国対抗「海洋経済回廊」構想と大いに矛盾。
相変わらずのバラバラ政府に開いた口がふさがらない。


<関連記事引用>

▼ 中国の「地理経済学」、日産に追い風
-アジアBiz新潮流・広州支局 桑原健
2011/07/19 07:00 日本経済新聞電子版ニュース

 中国で日産自動車の快走が止まらない。1~6月の販売台数は前年同期比18%増と市場全体の3%増を大きく上回った。増産投資や商品戦略が奏功。乗用車の合弁相手が東風汽車集団(湖北省)だけで、1つの販売網で多彩な車を売れるのも強みだ。今後、注目を集めそうなのが工場立地の良さ。沿海部でも内陸の奥深くでもない「中部」で生産する優位性だ。

 「工場に鉄道の線路を引き込まないか」。河南省鄭州市。日産と東風の合弁工場は市政府からこんな提案を受けた。鉄道輸送する完成車は現在、約10キロ離れた駅までトレーラーで運んで積み込む。線路が工場に入ればこの手間を省ける。

 日産の中国での乗用車輸送に占める鉄道利用の割合は18%。鄭州工場で現在、鉄道を使うのは四川、雲南両省向けだけだ。だが、今後は生産拡大に合わせ、低コストで大量輸送できる鉄道利用を増やす考え。市政府の提案を前向きに検討している。

 鄭州は河南省の省都。西に約100キロ行くと古都、洛陽市がある。かつて「中原(ちゅうげん)を制する者は天下を制する」と言われた政治や経済の中心がこのあたりだ。実は鄭州は今でも鉄道と道路交通の要衝だ。

 中国の南北の大動脈は首都の北京市と経済の発展した広東省の広州市周辺を結ぶ線だ。東西の大動脈の一つは山東省青島市や江蘇省連雲港市から陝西省西安市などへと連なる線。この2本の大動脈は鄭州で交差する。

 鄭州の鉄道貨物駅は小口貨物取扱量で全国一。食品などの卸売市場も集まる。市政府はこの「地の利」を製造業の発展にもつなげたい考え。日産への“親切”な提案の裏にそんな思惑がある。

 「部品も製品も1ミリも動かさなくて済むのが理想だ」。日産と東風の乗用車合弁、東風日産乗用車のサプライチェーン管理部。筒井勝課長らは「物流そのものは何の価値も生まない」と物流費の削減をストイックに追求する。その筒井課長が「日産の優位性が今後間違いなく増してくる」と明るい口調で語るのが工場立地の良さだ。

 日産は鄭州と湖北省襄陽市(旧襄樊市)、広州の3拠点で乗用車を合弁生産する。鄭州は多目的スポーツ車(SUV)、襄陽は中型セダン、広州は小型車と生産車種を分ける。車種や車台ごとに生産を集中した方が部品調達や組み立ての効率が高い。どの自動車大手も採用する戦略だ。

 日産がトヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)などの競争相手と異なるのは鄭州、襄陽と中国中央部の中部地域に工場を持つことだ。両工場は沿海部と内陸部双方への輸送に便利。残る広州工場も南北大動脈の南端に位置し、全土への輸送に有利だ。

 2008年の金融危機後は内陸部で域内総生産(GDP)の伸び率が高い。「中所得国」の目安の一つである1人当たりGDP3000ドル。内陸部の行政区(直轄市・省・自治区)で達成したのは05年にはゼロだったが、10年には8割の16行政区が超えた。外資系自動車メーカーの戦場は沿海部から全土に広がった。

 とはいえ、GDPの6割を占めるのは依然として沿海部だ。トヨタは四川省、GMは広西チワン族自治区とそれぞれ内陸部でも生産するが、全土へ輸送するには西に寄りすぎているようだ。

 中部は労働力や土地、電力も豊富。日本貿易振興機構(ジェトロ)の天野真也・武漢事務所長は「東風汽車や武漢鋼鉄のような大きなメーカーがあり、製造業の基盤もしっかりしている」と指摘する。

 「鄭州に出ないか」。日産は今後の増産をにらみ、部品会社に鄭州進出を盛んに求める。襄陽では現在生産するセダンと車台が同じSUVも生産する予定。中部に工場を構えるのは合弁相手の拠点があったことによる偶然だが、この強みを生かして攻勢をかける。

 国土が広く、高速道路料金も高い中国。中小の物流事業者も多く、物流費がかさむ。中国人民銀行(中央銀行)は6月、10年の中国の物流費が国内総生産(GDP)の18%に達し、先進国の9%を大きく上回ったと指摘した。物価上昇の元凶として物流費がヤリ玉に上がることも増えた。

 物流の重要性を理解しない企業はない。だが、中国では他の市場以上に効率的な拠点配置や輸送方法を考え抜く必要がありそうだ。「物流を制する者は中国市場を制する」。それぐらいの気持ちで中国の地理経済学(ゲオエコノミクス)に向き合ってみてもいい。


▼ 中国内陸部進出を支援、ジェトロ、武漢に事務所。
2011/07/18 日本経済新聞 朝刊

 【武漢=横田祐介】日本企業の中国内陸部への進出を促すため、日本貿易振興機構(ジェトロ)は17日に中国・武漢市に事務所を開設した。現地情報の収集や事業環境の整備などを通じて日本企業の進出を支援する。同日、現地を訪れた海江田万里経済産業相は「中国中西部の開発には武漢が何より重要な地域だ」と強調した。

 17日の開所式典には海江田経産相のほか、丹羽宇一郎駐中国大使や武漢市がある湖北省の王国生省長らが出席した。

 ジェトロと中国・湖北省人民政府は17日、環境や省エネルギー分野での協力文書を締結した。日本からの投資や貿易拡大、日本の中小企業の販路開拓で協力を進めることを確認した。

 武漢市やその周辺に拠点を置く日本企業は現在100社程度。ホンダや日産自動車が進出している。


▼ 日本の中小企業、中国内陸部への進出を加速
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110718-OYT1T00341.htm?from=tw

 【武漢(中国湖北省)=山下福太郎】日本の中小企業などが、中国内陸部への進出を加速させている。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は17日、内陸部の中心都市の一つである武漢で事務所の開所式を開き、日本企業への支援体制を広げた。日本企業の取り組みの背景には、中国国内の市場の成長に加え、東日本大震災で部品の供給網が寸断された経験から多極的な産業集積を目指す狙いもある。

 海江田経済産業相は17日、ジェトロ武漢事務所の開所式に出席し、「日本政府は、中国中西部の開発にあたって武漢が大変重要な地域だと認識している」と述べ、武漢を中心とした日本企業の内陸部進出に強い期待感を示した。ジェトロの中国拠点は7か所目だが、内陸部は初めてだ。

 武漢は人口約910万人(2009年)で、鉄鋼業が盛んな国内有数の商工業都市だ。上海など沿岸部に比べ、人件費や不動産賃料が半分以下と、生産コストが安いのが大きな魅力だ。国内主要都市に比較的近い点も恵まれている。


▼ ASEAN:松本外相、「海洋経済回廊」構想表明へ
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110715k0000e020087000c.html

 松本剛明外相が21~23日にインドネシアで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議で、域内の海上物流の連携を強める「海洋ASEAN経済回廊」構想を表明することが15日、分かった。日本政府はこれまでASEANに対し、インドシナ半島の陸上物流を支援してきた。今後は海も含めた全域を囲む「回廊」整備に力を入れ、南シナ海など「南進」を活発化する中国に対抗する考えだ。

 松本外相は21日の日ASEAN外相会議で海洋回廊構想を表明する。具体的にはインドネシアやフィリピンなどの港湾や空港のインフラ整備を支援。併せて、海上物流網の整備や効率化に協力する。

 外相会議では東日本大震災を受け、災害時の域内各国の協力強化を進める。日本政府は災害時の情報共有の拠点として、ジャカルタに「ASEAN防災人道支援調整センター」を早期に設立するため、スタッフや機材を提供。救助隊や救助犬の受け入れの迅速化、ASEAN地域フォーラム(ARF)の災害救援合同演習の定期化を確認する。

 松本外相は一連の会議を通じ、中国の南シナ海進出問題に対し、航行の自由などの重要性を強調してけん制する。【犬飼直幸】

次なる祭りはシェールガス? 日本で踊り始めたメリルリンチ証券2011/07/02 14:13

次なる祭りはシェールガス? 日本で踊り始めたメリルリンチ証券


菅直人含め太陽光信者はもう少し勉強してくれよ。メリルリンチ証券によると、日本の太陽光は気候的な制約から、稼働率は年平均11~12%で不安定。安定化用蓄電池込みで太陽光の発電コストは火力の約10倍にのぼるんだってさ。

昨夜、こんなことをツイッターで呟きながら、メリルリンチもついに来たかとニヤニヤ。

「原発抱えた地球温暖化祭」に続くは「天然ガス祭」。中でも話題はシェールガス。いよいよ日本を舞台にメリルリンチ証券主催の「シェールガス祭」開幕か。

脱原発はいいけれど、その先には何がある。不安定な太陽光や風力が主役になるなど考えられない。安定化には蓄電池(二次電池)が必要。「安定化用蓄電池込みで太陽光の発電コストは火力の約10倍」とのメリルリンチ証券の分析は的を射たもの。そうなると、やはり主役は天然ガス。

その結果、従来どおり中東にペコペコ。冷凍ビームにビクビクしながらドイツと並んでロシアにペコペコ。当然、米国&カナダにもペコペコペコペコ。日本主役の「大ペコペコ祭」が同時開幕。

「天然ガスの買い方に工夫がない」とまで言ってもらったメリルリンチ証券さん。「いい買い方をアドバイスしてあげるよ」とアピールしたのだろうか。

そんなメリルリンチさんも本業を忘れずに。「気が付けばエンロンさん」にならないようにご用心。

踊り狂う祭りには怪しさがつきもの。すでに波紋広がるシェールガス。さらにその先には「原発抱えた地球温暖化祭」の大復活祭もありと見る。


<関連記事引用>

[シェールガス革命と原子力代替] (メリルリンチ証券)
2011年7月1日 9:43
http://www.nsjournal.jp/news/news_detail.php?id=262145

 メリルリンチ証券は6月29日に、エネルギー・環境問題研究所代表(JOGMEC特別顧問)の石井彰氏を招き、「シェールガス革命と原子力代替」のセミナーを行った。

 大型発電所の既存石炭火力の発電効率が38%なのに対して、天然ガス・コンバインドサイクル(CCGT)の発電効率は60%と高い。熱量当たりのCO2排出量は石炭を100とすると、石油は80、天然ガスは55と環境負荷が小さい。

 石炭火力を天然ガスCCGTでリプレースすれば、最小限のコストアップでCO2排出量を一挙に約3分の2削減できる。

 天然ガスの利用促進がコスト、スピード、ボリュームの観点で最適であり、コンバインドサイクル発電機では三菱重工(7011)など日本メーカーが世界最先端。

 太陽光発電などのバックアップに最適なコジェネ機器もJX(5020)グループなどの日本メーカーが世界最先端を行く。

 日本はエネルギー供給に占める天然ガスのシェアが主要国の中で最低で、天然ガスの買い方に工夫がない。天然ガスの輸入コストが欧米より割高になっており、輸入手法の多様化が必要。

 日本の太陽光は気候的な制約から、稼働率は年平均11~12%で不安定。安定化用蓄電池込みで太陽光の発電コストは火力の約10倍にのぼる。

 天然ガスの可採年数は300~600年分あり、世界に均等に分布し、日本周辺にも膨大に存在する。

 非在来型のシェールガスの可採資源量は、現在の天然ガス埋蔵量の6倍に達する。

 米国や中国がシェールガス開発に本腰を入れている。日本企業が開発に参画しているオーストラリアやインドネシアのシェールガスも有望と解説。(W)


期待のシェールガス 「割安」は神話か 米紙報道に波紋
2011/06/30 15:25 日本経済新聞電子版ニュース

 福島第1原子力発電所の事故以来、火力発電の需要が世界的に高まるなかで、期待を一身に集める新たな発電燃料が「シェールガス」だ。これまで開発困難だった硬い頁岩(けつがん=shale)の岩盤に含まれるガスで、近年の技術開発で大量生産が可能になった。30日には三井物産が新たな権益取得を発表するなど、日本企業の参入も相次ぐ。だが、開発ブームの原動力だった「シェールガス=割安」の“神話”に米有力紙が疑問を呈し、波紋が広がっている。

 三井物産は米テキサス州の鉱区権益を6億8000万ドル(約550億円)で米石油会社から取得するという。日本勢によるシェールガス・オイル関連投資では過去最大だ。

 シェールガスの新規開発は世界中で引きも切らない。日本企業では三井物のほか、三菱商事、住友商事など大手商社がそろって参入済み。中国は27日、同国南部のシェールガス4鉱区を対象に初の入札を実施し、国内開発・量産へ一歩前進した。先週は英石油大手BPのロシア合弁会社TNK-BPも、ウクライナのシェールガス田開発に18億ドルを投じる計画を明らかにしたばかり。米ではガスの供給拡大に伴うパイプライン需要逼迫(ひっぱく)の思惑から、パイプライン会社のM&A合戦が過熱するなどの余波も広がっている。

 ただ、ブームにあやうさはつきもの。シェールガスを巡ってはかねて、乱開発による環境への悪影響が指摘されてきた。金融危機を招いた米金融機関のずさんな経営を暴き、2年連続でピュリツァー賞を受賞した非営利組織(NPO)の「プロパブリカ」も、シェールガス開発による河川の汚染問題などを頻繁に取り上げている。

 今回、冷水を浴びせかけたのはニューヨーク・タイムズだ。27日付の1面記事でシェールガス開発の経済性に真っ向から疑問符を突きつけた。

 その根拠は、同紙にリークされた米政府エネルギー情報局(EIA)内の電子メール。一部のEIA職員はシェールガス開発の費用対効果に懐疑的で、ガス開発会社は「失敗のために設立されたようなもの」「その多くは破綻する可能性が高い」と書いた。ある高官は企業側の産出予測について、最も生産性の高いガス井をもとに算出した楽観的なもので「理性を失った誇張」と批判。同紙はこのほか、シェールガスの開発ブームに警鐘を鳴らす数多くのメールを紹介した。

 EIAは中立の立場から政府のエネルギー政策を支えるのが主な役割で、シェールガスについては推進の立場をとっている。賛否両論が渦巻いていたEIA内部の事情が明らかになり、エネルギー業界は蜂の巣をつついた騒ぎとなった。

 真っ先に反応したのは米ガス開発2位のチェサピーク・エナジー。27日の寄り付きで株価が急落したこともあり、マクレンドン最高経営責任者(CEO)は同日、報道を批判する声明を発表。米エクソンモービルやBPに混じって「ミツビシやミツイ」の名も挙げ「シェールガスの経済性について、合計で時価総額が2兆ドルにも上るエネルギー業界の優良企業が、ニューヨーク・タイムズの一記者や一握りの活動家よりも詳しくないことがあろうか」といささか挑発的に反論した。「伝説のオイルマン」と呼ばれる米有力投資家ブーン・ピケンズ氏も「業界よりニューヨーク・タイムズが詳しいわけがない」と同調した。

 一方、勢いづく勢力もある。ニューヨーク州選出のモーリス・ヒンチー下院議員(民主)は、報道は「ウエイクアップ・コール(目覚まし)」と述べ、米証券取引委員会(SEC)に対し、業界が「投資家や世間を欺いたかどうか」調べるよう要請した。

 ニューヨーク・タイムズは「複数の関係者がメールを提供した」と書いた。メールが寄せられた背景が義憤なのか、EIA内部の主導権争いなのかは判然としない。まだ議論百出といった状況で、本当の費用対効果はヤブのなかだ。ただ、シェールガスの将来に過度な期待は禁物ということなのかもしれない。30日の三井物の株価も小幅に上昇しては押し戻される展開が続いている。

〔日経QUICKニュース 長尾久嗣〕


<画像引用>

Insiders Sound an Alarm Amid a Natural Gas Rush
http://www.nytimes.com/2011/06/26/us/26gas.html?_r=1
http://www.nytimes.com/2011/06/26/us/26gas.html?_r=1&pagewanted=print

沸き立つ北極圏、ヤマル半島目指して三井・三菱連合艦隊いざ出陣!?2011/01/11 08:13

沸き立つ北極圏、ヤマル半島目指して三井・三菱連合艦隊いざ出陣!?


北方領土問題で強硬姿勢を鮮明にしたロシア。
一方で羅津港に力を注ぐ中国。

いずれも「北極海航路」が現実的になったことがその背景にある。
ヤマル半島目指して三井・三菱連合艦隊いざ出陣!?


<関連記事引用>

露最大のガス田開発 三井・三菱が参加検討 (画像引用)
2011/01/07 東京読売新聞 朝刊 1ページ
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110106-OYT1T01230.htm

 三井物産と三菱商事が、北極海に面するロシア・ヤマル半島でロシア政府が計画中の大規模ガス田開発事業への参加を検討していることが6日、明らかになった。ロシアのプーチン首相が両社に参加を要請したもので、ロシア最大のガス田開発事業となる見通しだ。ロシアは2011年中頃に事業化調査を終え、20年にも生産開始を見込んでいる。

 両社が検討しているのは、ロシア国営ガス会社ガスプロムが開発主体となるヤマル半島の液化天然ガス(LNG)事業だ。総事業費は10兆~20兆円規模に達すると見られ、北極圏にLNG基地を建設するには高度な技術が必要なことから、ロシア単独での開発は困難とされる。

 このためロシア側は、すでにサハリン沖の資源開発事業「サハリン2」に参加し、アジアや日本向けの販売力と資金力で高い評価を受けた両社に参加を求めた。日本勢の出資比率は数%~10%前後を想定している。

 このほか、国際石油資本のロイヤル・ダッチ・シェルや米エクソン・モービルなどにも参加を求めている。

 同事業は、周辺の「ユジノタンベイ」などのガス田鉱区からガスをパイプラインで運び、工場でLNG化して日本や欧州向けに海上輸送で輸出する計画だ。

 ヤマル半島には複数のガス田が存在し、推定埋蔵量は38兆立方メートルを超えると見られ、「サハリン2」の5000億立方メートルをはるかに上回り、日本企業として最大のガス田開発事業となる。

 ロシア政府は、10年10月に、税制上の優遇措置を発表し、外資が投資しやすい環境を整備している。

 両社はサハリン2の事業会社の株式を当初は計45%保有していたが、ロシア政府の圧力で計22・5%に半減してガスプロムに譲り渡した経緯がある。このため、ロシア側の事業化調査の結果を踏まえて、採算性や政治リスクなどを総合的に判断し、参加するか最終判断する。〈参加の背景とリスク9面〉


北極圏資源 優位狙う 三井・三菱が参加検討 LNG需要増が背景 
2011/01/07 東京読売新聞 朝刊 9ページ

 三井物産と三菱商事が、ロシア・ヤマル半島の大規模ガス田開発事業への参加を検討しているのは、世界規模で激化しているエネルギー争奪戦で、優位を確保する狙いがある。北極圏には世界の未発掘天然ガスの3割が眠るとされ、開発事業に参加する意味は大きい。厳しい自然環境や政治リスクなどの懸念材料もあるが、プーチン首相が力を入れる同事業に参加すれば、資源大国であるロシアとの関係強化を図れるとの思惑もある。(愛敬珠樹、渡辺達也、本文記事1面)

 ◆最大規模 

 ヤマル半島のガス田開発はロシアでも最大のエネルギー開発事業となり、日本企業がこれまでロシアで参画したサハリン1やサハリン2を大きくしのぐ。さらにロシア北極海側の中央部に位置するヤマル半島は、欧州と極東地域の両方に輸出が可能など、地理的条件にも恵まれている。日本へは船で20日前後の距離で、原油の輸入先の中東とほぼ同じ日数で輸送可能だ。

 北極海航路は凍結のため冬季の運航はできないが、地球温暖化で凍結部分が減少していることや、砕氷船の進化で運航可能期間の拡大が期待される。中東地域に比べると、マラッカ海峡のように海賊が出没するリスクも少ない。

 世界の液化天然ガス(LNG)需要は、中国やインドなどの新興国を中心に急増している。2008年の1・7億トンから20年には3億トンにまで伸びると見込まれ、両社は事業参加の効果は大きいと判断した。

 ◆リスク 

 プロジェクトの総事業費は20兆円に達する見込みだ。両社の出資額は最大で計10%とみられ、1社あたり数千億円規模の資金が必要とされる。さらに、メドベージェフ大統領の北方領土訪問による日露関係の緊張という政治的な不安定要因も抱えている。

 一方、岩盤から天然ガスを採取するシェールガス技術の普及で、最近の天然ガス価格は下落傾向にあるのも懸念材料だ。

 両社首脳は「ロシアはすでに国際的なビジネスルールに組み込まれている」として、ロシアとの関係強化は今後も進める方針だ。

 ただ、サハリン2で出資比率の引き下げを求められたケースもあることから、LNG需要の推移に加え、日露関係の動向も注意深く見守りながら、参加の是非を判断する。

 ◆中東に対抗

 ロシアの天然ガス輸出は、これまではパイプライン経由が主力だったが、輸送先が限定されるなどの問題があった。一方で、中東のカタールなどはLNGを船に積んで輸送する方法を主流にし、輸出攻勢をかけている。

 ロシアでも、三井物産と三菱商事が参画し、2009年に稼働したサハリン2は、LNGによる輸出で成功している。今回、ロシアがヤマル半島のLNG化に動いたのは、ロシアからのパイプラインによるガス供給に依存していた欧州各国が、LNGの受け入れ基地の整備を進めていることに加え、中東諸国の攻勢に対抗して、輸出地域の拡大を図る狙いがある。


三井、三菱の権益 ロシア取得交渉か*サハリン2
2010/11/24 北海道新聞朝刊全道

 【モスクワ時事】ロシア紙RBKデーリーは23日、同国国営天然ガス独占企業ガスプロムがサハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で三井物産、三菱商事が保有している権益を取得するため、両社と交渉を進めていると報じた。

 ガスプロムは2007年、サハリン2の運営会社サハリンエナジーの株式の50%を取得し、経営権を握った。しかし、同紙によると、戦略的な経営判断をめぐり、英・オランダ系メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルや日本勢が拒否権を行使できることをロシア政府が懸念している。

 同紙によると、ロシア政府当局者は「三井、三菱はサハリン2に固執しておらず、代替権益を提供すれば、保有権益をガスプロムに譲るだろう」と指摘した。代替資産としてはロシア北西部ヤマル半島での液化天然ガス(LNG)事業などが検討されているという。


【クレムリン経済学】「北極海航路」復興に本腰 最短ルート、温暖化で海氷減少
2010/10/26 産経新聞 東京朝刊

 ロシアが、自国沿岸の北極海を横断する「北極海航路」の運用に本腰を入れ始めた。地球温暖化で北極海の海氷が減少する中、夏季に欧州とアジアを結ぶ最短ルートとして国内外の関心を集めている。ロシアはこの航路を北極圏からアジア・太平洋諸国に石油・天然ガスを輸送する動脈としたい考えで、北極海大陸棚の領有権獲得もにらみながら航路の整備を急ぐ。

 この夏、ロシアの海運最大手ソフコムフロートの大型タンカー(11万7千トン)が初めて北極海を横断した。ロシアの北極圏ではヤマル半島などで大規模な資源開発が見込まれており、北極海航路による大量輸送の可能性を実証するのが目的だ。

 タンカーは天然ガス副産物である軽質原油コンデンセート約7万トンを積載。航路の一部では砕氷船の先導を受け、ベーリング海を経由して24日間で中国浙江省寧波に到着した。最も一般的なスエズ運河経由に比べて航行日数は約11日間の短縮となり、荷主の天然ガス企業ノバテクによれば費用も約15%安い。

 今年はこの後もノルウェー企業の耐氷貨物船が北極海航路を通じて中国へ鉄鉱石を輸送。やはり同航路での輸出に乗り出した露非鉄金属最大手のノリリスク・ニッケルの場合、シベリアのエニセイ湾から上海までの航行日数が欧州・スエズ運河経由の3分の1になった。

 ノバテクは来年も北極海航路での6~8回のタンカー輸送を計画。外国企業の関心も高く、原子力砕氷船の独占運航企業アトムフロートには来年の運航に関する問い合わせがきているという。

 北極海航路はソ連時代に軍事目的で開拓され、ソ連崩壊期には外国船舶にも開放された。しかし、運輸を民間企業が担うようになると航路は衰退し、年間輸送量はピークだった1987年の660万トンから98年の約100万トンまで急減。近年も同航路を運航する商船は年間100隻、輸送量は200万トン程度にとどまっていた。

 それがここにきて再び脚光を浴びているのは、地球温暖化で北極海の海氷が減少し、夏季の航行が比較的容易になったからにほかならない。米国立氷雪データセンター(NSIDC)は今夏の北極の海氷面積が79年の観測開始以来、2007年と08年に次いで3番目に少ない460万平方キロだったと発表、30年には夏の北極海の氷がなくなる可能性もあるとしている。

 もっとも、地球温暖化を別にしても、北極海航路にはまだ課題が多い。事実上、夏季の2~4カ月しか運航できず、砕氷船などの利用でコストが高くなることがその一例だ。沿岸都市の港湾は資金不足で衰退しているほか、安全面でも問題が多い。海運業界関係者は露誌アガニョークに「航路自体が荒廃している。気象測候所はかつてのほぼ半分になり、航路標識も壊れている。水理や海氷に関する探査状況も悪い」と指摘している。

 北極には地球上の炭化水素資源の4分の1が眠るとされており、ロシアは北極を「戦略的意義をもつ地域」と位置づけている。メドベージェフ大統領は08年9月の国家安全保障会議で「北極を21世紀のロシアの資源基地にすることが第一の根本的課題だ」と言明し、北極海航路の整備を進めるよう指示した。

 ロシアは北極海中央部のロモノソフ海嶺とその周辺の120万平方キロがロシアの大陸棚であると主張しており、その開発権を得ようと国連大陸棚限界委員会(CLCS)に14年までに提出する海底調査データの収集を急いでいる。

 一方、政府は「2020年までの北極の発展と開発戦略」と題する国家計画を策定中で、将来の資源輸送ルートとなりえる北極海航路の復興と発展、沿岸都市のインフラ整備や生活環境の向上も重要な柱として盛り込まれる見通しだ。運輸省は来年にも北極海航路に関する新法案を提出する方針で、航路の整備や運用を一元管理する新たな国家機関の創設も検討されている。(モスクワ 遠藤良介)


北方領土問題、ロシアの姿勢転換の裏に「北極海航路」?
http://www.yomiuri.co.jp/column/kenkyu/20101222-OYT8T00243.htm

調査研究本部主任研究員 布施裕之

北方領土の2島返還を明記した1956年の日ソ共同宣言を無視しようとする動きがロシア側で強まっている。自称・日本専門家らが、相次いで共同宣言は「無効」と唱えているのだ。クレムリンとのつながりは今のところ不明だが、93年の東京宣言が日露交渉の中心議題からはずされた過程でも、まずは報道などを通じて世論作りが行われた。クレムリンの情報攻勢は、巧妙かつ執拗だ。

 有力紙「独立新聞」に11月末、掲載された極東諸民族歴史研究所主任研究員、ボリス・トカチェンコ氏の論文は、日露双方の専門家に衝撃を与えた。共同宣言を「無効」としただけでなく、「領土交渉はやめよ」とも主張していたからだ。

 トカチェンコ氏は、この論文で、北方領土問題の原因は1956年の共同宣言にあるとし、(1)平和条約締結後に歯舞、色丹を日本に引き渡すとソ連政府が決定したのは間違いだった(2)しかし同政府は(日米安保条約改定が行われた)1960年、宣言を事実上、無効と宣言した(3)日本は国後、択捉を追加して要求し続け、宣言の無効状態を継続させた――などから、「宣言遂行の諸条件が消滅」しているとした。

 その上で、「日本の主たる目的が領土要求にある」以上、「平和条約交渉を続けることは無意味だ」とし、要求に応えることは、(1)北方領土の巨大資源を失う(2)ロシアの軍事的立場を弱める(3)ヤルタ・ポツダム体制崩壊につながり、周辺諸国の領土要求を活発にする(4)ロシア国民に屈辱感を与える――などの理由を列挙している。

 これに先立つ10月末には、週刊紙「論拠と事実」に「日本とロシア」などの著作で知られるアナトリー・コーシキン氏の「共同宣言無効」論が載った。同氏の論拠は、1977年の経済的排他水域設定などによって条件が変わったからというもので、国連文書の規定に基づき2島返還は「履行しなくともいい」と言い切っている。

 これらの共同宣言無効論が、宣言を「有効」と認めたプーチン大統領(現首相)の立場から、さらに後退しているのは明らかだ。敢えて主張する背景には、国後島を訪問したばかりのメドベージェフ露大統領に「敬意」を表した面は確かにあろう。

 だが、一方では経済的な理由があるとの見方も強い。地球温暖化などで「北極海航路」が現実的になった結果、北方領土の資源的な価値が高まり、ロシアの領土に対する執着がいや増しているというのだ。事実、前述のトカチェンコ氏は、北方領土の価値を「土地代を除いても、2兆5000億ドル以上」と根拠不明な数字をあげて見つもり、「今後さらに高まるだろう」と推定している。

 だとすれば、ロシアが北方領土を手放すなど到底考えにくい。日露の公式の外交交渉では、56年の共同宣言も東京宣言も生きているとされるが、今後、クレムリンがなし崩しに「1島も返還しない姿勢」に傾く可能性は大きい。(2010年12月22日 読売新聞)


中国、羅津港の運用開始 北朝鮮と経済協力拡大
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011001000603.html

 【北京共同】中国吉林省琿春市は10日、北朝鮮北東部の経済特区、羅先市にある羅津港の1号埠頭を利用し、琿春市で産出した石炭約2万トンを近く上海に向け輸送することを明らかにした。中国側が10年間の使用権を持つとされる同埠頭の本格的な運用は初めてで、中朝間の地域的な経済協力が動き始めた。

 吉林省には港がなく、食料などの積み出しは遠く離れた遼寧省の大連港を利用してきた。琿春市から羅津港までは約50キロで、新たな輸送路が確保できることになる。中国側は、日本や韓国向けの日本海航路の開設にも期待を寄せるが、北朝鮮による韓国・延坪島砲撃などの国際情勢を考慮し、当面は国内向け輸送を中心に行うとみられる。


<関連記事>

2010年12月17日 (金)
アジアを読む 「北極海の新航路開発 変わる世界の物流」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/600/68106.html

中国、羅先特区に20億ドル投資 対北朝鮮で最大規模
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011010701000327.html

ANALYSIS / Trading giants seek edge in energy / Mitsubishi, Mitsui consider participation in Russian LNG project timely opportunity
http://www.yomiuri.co.jp/dy/business/T110109002577.htm

As Arctic melts, U.S. ill-positioned to tap resources
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/01/09/AR2011010903400.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2011/01/09/AR2011010903400_pf.html

北極目線の地政学で完全復活目指すロシア2010/09/16 08:39

北極目線の地政学で完全復活を目指すロシア 英BBC:Russia and Norway sign maritime border agreement より


北極を舞台にしたオイル・ラッシュに沸き立つ世界。連日のように北極絡みのニュースが飛び込んでくる。その報道もヒートアップ中。

「そこのけそこのけロシアが通る」とばかりにノルウェーと境界画定条約に調印したロシア。北極圏に眠る豊富な資源を沿岸国で囲い込もうと邁進中。

北極目線の地政学で完全復活を目指すロシア。ここに中国が参加しようものなら、さあ大変。北極抱える新たな極の誕生か。押し寄せるパンダを恐れてホッキョクグマもお引越し準備中。ホッキョクグマのクライシス・コールに応えるかのようにグリーンピースなどの環境保護団体はすでに大忙し。

さすがにそろそろカナダを軸に英国と米国が連携して対抗してもいい頃。日本は目立たぬように連携をお膳立てしつつ、そのおこぼれを頂戴するという戦法もあり。しかし、北極に絡む米国の動きは鈍い。従来の地政学に縛られているようにも見える。

米国の民主党も日本の民主党も内政混乱で北極にまで目が届かない。知らぬ間に日米両国は揃って籠の中。鶴と亀が滑るポールシフトを黙って見ている。そんな背筋が凍り付きそうな戦慄シナリオまで浮上。

しかし、このまま氷が解けていくとは限らない。突如として寒冷化という事態に直面することも有り得る。結局は地球任せ。「地球の凄み」を思い知ることになるだろう。


<関連記事引用>

北極海資源にらみ境界画定 ロとノルウェーが文書調印
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010091501001132.html

 【モスクワ共同】ロシアのラブロフ外相とノルウェーのストーレ外相は15日、ロシア北部ムルマンスクで、バレンツ海の大陸棚の境界を画定する合意文書に調印した。旧ソ連時代から40年間にわたって交渉してきた係争の解決を通じ、北極圏の海底に眠る豊富な資源を沿岸国で囲い込み、開発の主導権を握る狙いとみられる。

 調印式にはロシアのメドベージェフ大統領とノルウェーのストルテンベルグ首相も出席。合意文書では、4月の首脳間の基本合意に沿って、日本の国土の半分に相当する広さの係争海域をほぼ等分する形で境界を設定。境界をまたがって周辺海域に広がる有望な天然ガス・油田の開発や漁業での協力も盛り込んだ。

 ロシアは北極をめぐる紛争に関しては「北極圏の国々だけの交渉で解決しなければならない」との立場。同国大統領府は今回の合意により、この原則が確認されたと強調、北極圏の権益を沿岸国だけで独占していく考えをにじませた。


ロシアとノルウェー、北極圏など境界画定条約に調印
2010/9/15 23:55
http://s.nikkei.com/aljBRC

 【モスクワ=石川陽平】ロシアとノルウェーは15日、ロシア北部のムルマンスクでバレンツ海と北極海の大陸棚海域の境界を画定する条約に調印した。40年にわたり係争が続いていた約17万5000平方キロメートルの海域は、両国間でほぼ等分される。条約にはこの海域周辺に埋蔵される豊富な天然資源の開発に向けた協力も盛り込まれた。

 ロシアとノルウェーの境界線画定は、メドベージェフ大統領が4月末にオスロを訪問した際に基本合意していた。15日の調印式には同大統領とノルウェーのストルテンベルグ首相が参列した。条約は両国議会による批准を受け、発効する。

 条約には境界海域周辺での資源開発に加え、漁業や環境保護分野での協力も盛り込まれた。ロシア大統領府は条約調印に先立ち「北極圏の大陸棚の石油ガス資源開発のために好ましい法的条件をつくる」と指摘した。


<関連記事>

BBC News - Norway and Russia 'open up for business' in the Barents sea
http://www.bbc.co.uk/news/business-11299024

Russia and Norway sign maritime border agreement (画像引用)
http://www.bbc.co.uk/news/business-11316430

Russia, Norway sign border deal for Arctic energy
http://www.reuters.com/article/idUSLDE68E04S20100915

Russia, Norway Sign Border Pact, Paving Way for Oil, Gas Deals in Arctic
http://www.bloomberg.com/news/2010-09-15/russia-norway-sign-border-pact-paving-way-for-oil-gas-deals-in-arctic.html

Russia, Norway sign border deal after 40 years of talks
http://en.rian.ru/russia/20100915/160600591.html

Russia and Norway Agree on Boundary
http://www.nytimes.com/2010/09/16/world/europe/16russia.html?partner=rss&emc=rss

The Arctic oil rush
http://www.guardian.co.uk/world/2010/sep/13/greenland-oil-environment-arctic-global-warming