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尖閣ゲーム社説集:中台連携にくさびの一手、「日台漁業協定」に中国反発2013/04/11 07:07

尖閣ゲーム社説集:中台連携にくさびの一手、「日台漁業協定」に中国反発


「中国との関係改善も、こうした大人の知恵で乗り切りたい」で締め括った朝日社説。
中国に「大人の知恵」が通じると、今なお信じたいのか。


<関連記事>

日台、尖閣周辺に共同水域=台湾漁船操業を許可-領有権に触れず
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013041000670

 【台北時事】日本と台湾は10日午後、沖縄県・尖閣諸島周辺海域を対象とした漁業協定を締結した。尖閣周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に協定適用水域(共同水域)を設け、台湾漁船の操業を許可する。領有権には触れていないが、台湾漁船が日本の領海に入ることは引き続き認めない。協定締結は協議開始以来、17年ぶり。

 日本には協定締結で、尖閣領有問題をめぐり台湾に対日共闘を呼び掛ける中国をけん制し、良好な日台関係を強化したい思惑がある。

 中国外務省は同日、領土の一部と主張する台湾と、日本が協定を締結したことに「重大な懸念」を表明した。

 漁業協定の名称は「漁業秩序の構築に関する取り決め」。尖閣を中心とした北緯27度以南に共同水域を設定。この水域内のほとんどは「法令適用除外水域」とされ、台湾漁船は日本側の取り締まりを受けずに操業が可能となる。ただ、日本漁船の伝統的な漁場でもある一部は、法令適用除外水域と区別して「特別協力水域」とし、台湾漁船の操業も「最大限尊重」する一方、日本の当局が取り締まれる余地を残した。

 日台はまた、協定の目的を達成するため、漁業委員会を新たに設置し、年1回の定例会議を行うことも盛り込んだ。乱獲を防ぐためのルールづくりも検討される見通し。(2013/04/10-22:58)


尖閣めぐり中台連携にくさび 日台漁業協定調印
2013/4/11 1:09
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC1000I_Q3A410C1EA2000/

 【台北=山下和成】日本と台湾は10日、台北市で沖縄県の尖閣諸島(台湾名は釣魚台)周辺での漁業権をめぐる取り決め(協定)に調印した。日本の排他的経済水域(EEZ)内に日台双方が漁業の関連法令を相手側に適用しない水域を設け、台湾漁船の操業を認める。台湾も主張する尖閣の領有権問題には触れていない。安倍晋三政権は交渉の早期妥結を優先し、尖閣問題での中台連携にくさびを打ち込んだ。

 日台双方の漁船が操業できる法令適用除外水域は北緯27度以南。尖閣から12カイリの領海への台湾漁船の侵入は引き続き認めない。漁獲高や漁船数など詳細なルールは日台漁業委員会を設けて協議する。台湾側の窓口機関の亜東関係協会の廖了以会長は調印式で「これで台湾の漁民が安心して操業できる」と述べた。

 尖閣周辺は豊かな漁場。日台間に漁業ルールがなく、トラブルが長年続いていた。昨年9月の日本の尖閣国有化を受け、台湾の漁船群が巡視船とともに尖閣沖の日本領海に侵入すると中国は共闘を呼びかけた。危機感を強めた日本政府は1996年の開始後2009年を最後に中断していた日台漁業協議の再開を決断。安倍首相は就任直後に「しっかり進めろ」と指示した。交渉は難航したが、尖閣周辺の緊張の高まりを懸念する米政権が援護した。

 1月18日、当時のクリントン国務長官が岸田文雄外相との会談で中国の挑発行為を強く警告。24日に台湾の抗議船が再び尖閣周辺に侵入すると、今度は台湾に自制するよう強く求めたとされる。

 台湾の馬英九総統は中国寄りで、尖閣問題を長年研究してきた強硬派。ただ最近は中国一辺倒の経済成長の姿勢を修正しており、日米とも協調すべきだとの感覚が働いた。今月から漁期に入る台湾で抗議行動が再び高まる懸念があり、ぎりぎりのタイミングだった。

 中国外務省の洪磊副報道局長は記者会見で「(漁業協定に)とても強い関心を持っている。日本は慎重かつ適切に物事を進めてもらいたい」と日台の動きをけん制した。


日台漁業交渉合意 中国が懸念
4月10日 19時10分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130410/k10013822971000.html

沖縄県の尖閣諸島の周辺海域を対象とする日本と台湾の漁業交渉が合意に達したことについて、中国外務省の洪磊報道官は10日の記者会見で、「重大な懸念を表明するとともに、日本が台湾問題における約束を厳守し、慎重かつ適切に事を進めるよう望む」と述べました。

台湾問題の約束とは、1972年の日中共同声明に、台湾が中国の領土の不可分の一部だとする中国政府の立場を日本が十分理解し尊重すると明記されていることを指します。

今回、日本と台湾は「民間取り決め」という形をとっていますが、中国外務省としては、日本が事実上、台湾を中国と同列に扱ったとみなし、「重大な懸念」を表明しておく必要があると判断したものとみられます。

また、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の范麗青報道官は10日の記者会見で、「島は中国固有の領土だ」と改めて主張したうえで、「中国と台湾の漁業者の伝統的な漁場における権益を維持する責任は中台双方にある」と述べ、日本と台湾の取り決めが中国抜きで結ばれたことに不快感を示しました。 


<社説集>

日台漁業協定 戦略的外交で「尖閣」を守れ(4月11日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130410-OYT1T01473.htm

 沖縄県の尖閣諸島における日本の主権を守る上で大きな意味を持つ。

 中国の周辺国・地域との戦略的関係を強化し、中国を牽制けんせいする安倍外交の方向性を示したと言える。

 日本と台湾が、4年ぶりに尖閣諸島周辺の漁業を巡って本交渉を再開して「日台民間漁業取り決め」で合意し、調印した。

 日本の領海の外に設定された排他的経済水域(EEZ)の一部に「法令適用除外水域」などを設け、台湾漁船の操業を認めることが柱だ。日本領海への台湾漁船の立ち入りは、認めていない。

 尖閣諸島を巡っては、中国だけでなく台湾も領有権を主張している。昨年9月には、台湾の漁船が大挙して尖閣諸島周辺の日本領海に侵入した。中国は、台湾に共闘を呼びかけてもいた。

 今回の合意は、こうした中台の連携にくさびを打ち込む狙いがある。中国側がさっそく「重大な懸念」を表明したのは、日台連携への不快感にほかならない。

 日台間では1996年から漁業交渉が断続的に行われたが、操業水域やルールなどで主張が対立し、折り合えなかった。

 日本政府が台湾に交渉再開を持ちかけたのは昨年秋、尖閣諸島を国有化した直後のことである。

 日本の戦略が根底にある。首相官邸主導で、漁業権では譲歩し、尖閣諸島を守ることを優先した。台湾にとっても漁業水域が広がり、実利がとれる。双方にメリットのある内容だと言える。

 問題は、合意の内容が、漁業の現場で円滑に運用されるかどうかである。沖縄県の仲井真弘多知事は、「大幅な譲歩は極めて遺憾だ。漁業競合の激化や好漁場の縮小が余儀なくされる」と日本政府に抗議の意を表明している。

 春は漁業が活発化する。尖閣諸島周辺は、クロマグロやハマダイがとれる豊かな漁場だ。出漁する漁船数や漁獲量を調整し、乱獲を防がねばならない。

 日台双方は、漁業委員会を設けて詰めの交渉に入る。

 沿岸国の共通の財産である漁業資源を適切に管理することを前提に、双方ともに大局的見地に立って協議を進める必要がある。

 台湾はもともと親日的だ。東日本大震災の際には、巨額の義援金を提供した。安倍首相は先月11日の大震災2周年追悼式で、台湾代表の席を各国代表団と同じ場所にするなど、日台間の関係改善に配慮している。

 今回の漁業合意は、日台関係全体の強化にもつながろう。(2013年4月11日01時30分 読売新聞)


産経【主張】日台漁業取り決め 現実的な判断を歓迎する
2013.4.11 03:06
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130411/plc13041103060004-n1.htm

 沖縄県・尖閣諸島の周辺海域での漁業をめぐる日本と台湾の間の18年越しの懸案が解決した。日台で漁業資源保護の協力水域の設定などを柱とする取り決めが締結されたことを歓迎したい。

 尖閣について、台湾は中国と同様に領有権を主張しているが、交渉では日台双方とも主権にはふれず、トラブルが絶えない漁業問題の解決を優先して合意にこぎつけた。双方の現実的な判断と評価できる。

 尖閣問題での対日共闘のシグナルを送ってくる中国に対し、台湾の馬英九総統は「連携しない」との立場を表明している。日台の友好関係を背景にした取り決めが、尖閣を力ずくで奪取する構えを見せる中国への牽制(けんせい)となる効果も期待したい。

 取り決めの締結は、尖閣を固有の領土とする日本の立場の変更を意味しない。取り決めは台湾漁船の日本領海侵入も認めていない。菅義偉官房長官は会見で漁業交渉にふれ、「妥結した、しないにかかわらず、わが国の立場は変わらない」と述べた。さらに明確なメッセージの発信が必要だ。

 尖閣諸島や八重山諸島周辺の海域はクロマグロなどの好漁場で、日本、台湾、中国の漁船が操業するが、それぞれが主張する排他的経済水域(EEZ)が重なり合う問題を抱えている。とくに尖閣周辺を「伝統的漁場」とする台湾漁民は、日台間に漁業協定がないことから海上保安庁の巡視船に摘発される事例が多発している。

 今回の取り決めは、日本のEEZの一部で台湾漁船の操業を認めた点で、台湾側により譲歩した線引きとなっているとする指摘もある。沖縄県漁民の権益が守られるよう台湾側にルール順守を強く求めたい。

 台湾側は、日本政府による尖閣国有化に反発して昨年9月、漁船約40隻と海岸巡防署の巡視船12隻とともに一時領海侵犯する騒ぎを起こした。中国がこれを「正当な行為」と支援する構えを見せたことから、問題の複雑化が懸念されていた。

 日台の取り決め締結に中国国務院台湾事務弁公室報道官は「両岸(中台)漁民の漁業権益の維持は、両岸双方に責任がある」と、中国抜きの交渉妥結に反発を示した。軍事力を背景に自己に都合のいいルールを押しつける傲慢さも見え隠れしている。


朝日社説:日台漁業協定―尖閣避けた大人の知恵
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2

 日本と台湾がきのう、沖縄県・尖閣諸島周辺での漁業協定に署名した。

 台湾が求める周辺海域での漁船の操業を認める一方、尖閣を含む日本領海への立ち入りは認めない――。

 対立する尖閣問題を回避しつつ、双方の顔を立てた「大人の知恵」といえよう。

 協定は、八重山諸島や尖閣周辺の海域に台湾の漁船も入れることとし、乱獲対策などを話し合う漁業委員会をつくる。

 日本側は、尖閣から12カイリの領海に台湾漁船が入ることは認めないものの、協定ではこの点を必ずしも明確にせず、「領海」という言葉遣いを避けている。うまい工夫だ。

 これにより、日台のトラブルが解消され、尖閣周辺での不測の事態を避けることにつながることを期待する。

 日本は、ロシア、中国、韓国とはすでに漁業協定を結んでいる。一方、台湾との間では96年から16回も交渉したが、合意に至らなかった。

 72年に日本が台湾と断交して中国と国交を結んだ歴史的な経緯に加え、台湾に漁業権を認めるメリットを日本側が見いだせなかったという事情がある。

 それが、昨年9月に日本政府が尖閣を国有化したことで変わった。

 中国同様、かねて尖閣の領有権を主張していた台湾も国有化に猛反発したが、逆に、これをきっかけに中断していた漁業協定交渉が動き出した。

 尖閣問題で中台双方と対立することを避けたいという日本側の思惑だけではない。

 台湾にとっても、中国の動きは気がかりだった。

 中国は、「漁民の権益を守るのは両岸(中台)双方の責任」として、台湾側に連携を呼びかけている。

 もとより台湾には、中国と手を組む考えはない。だが、もし尖閣周辺の台湾漁船を中国の公船が守り、日本の巡視船と対抗したら苦しい対応を強いられる。実際、1月に台湾の活動家の船が尖閣周辺海域に出た際は、中国の海洋監視船も接近してきた。

 こうした事情も、双方の背中を押したようだ。

 もともと、日台は良好な関係にある。台湾の最大の輸入元は日本であり、全体の2割近くを占める。東日本大震災の際は、台湾からの義援金が約200億円に達した。

 今回の協定を機に、さらに交流が活発になることを望む。

 中国との関係改善も、こうした大人の知恵で乗り切りたい。

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