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「真珠の首飾り」 vs 「ダイヤのネックレス」 再び2012/11/26 06:06



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中印、海洋安保で駆け引き ASEAN取り込みが過熱
2012/11/26 0:31
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO48806020V21C12A1FF1000/

 【ハノイ=伊藤学】中国とインドが、海洋安全保障を巡って激しい駆け引きを展開している。中国がインド洋の港湾拠点整備を進める「真珠の首飾り」戦略に対抗し、インドはミャンマーなど東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化で対中包囲網「ダイヤのネックレス」の形成を急ぐ。両国はアジア広域自由貿易協定(FTA)交渉でもしのぎを削り、安保・経済の両面でASEANの取り込み合戦が過熱している。

 「インドとASEANは、海洋安保など共通の利益を有している」。インドのシン首相は19日、カンボジアの首都プノンペンで開いたASEANとの首脳会議で、協力を強める重要性を訴えた。特に、インドはASEANのうちでもミャンマーとの関係改善に力を注いでいる。

 5月末、シン首相はインドの首相として四半世紀ぶりにミャンマーを訪問。農業や灌漑(かんがい)施設の近代化などに5億ドル(約400億円)の信用供与枠を設けると表明。インド、ミャンマー、タイの3カ国を結ぶ高速道路建設にも合意した。今月14日には、シン首相が訪印したミャンマー最大野党・国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー氏と会い、民主化の進展を歓迎した。

 ミャンマーと関係の強化を急ぐ理由は、同国の港湾が中国との海洋安保を巡る「主戦場」になりつつあるからだ。インド洋は中国にとって最大のエネルギー調達先、中東ペルシャ湾岸に向かうシーレーン(海上交通路)の要衝だ。

 中国は「玄関口」を確保するため、ミャンマー西部チャオピュー港の整備を支援している。雲南省から同港に全長約800キロメートルのパイプライン2本を引き、中東・アフリカとの原油や天然ガスの輸送に利用する計画だ。他にバングラデシュやスリランカ、パキスタン、アフリカ東部にも「首飾り」型の港湾建設を着々と進める。

 9月中旬には序列ナンバー2(当時)の呉邦国・全国人民代表大会常務委員長(国会議長に相当)が、スリランカの商都コロンボを訪問。国有・招商局集団が建設を請け負う建設費5億ドルの港湾プロジェクトを視察した。今も戦略は「現在進行形」だ。

 一方のインドは、ミャンマー西部シットウェー港の開発を足がかりとする構え。軍事面では南シナ海からインド洋、アフリカまで各国との軍事協力を深める「ダイヤのネックレス」戦略で対抗する。インド海軍はインドネシアやシンガポール、南アフリカなどの海軍と共同訓練を実施。6月には日本の海上自衛隊とも初めて共同訓練に臨んだ。

 中印のつばぜり合いは、ASEANとの経済協力にも飛び火している。ASEAN10カ国と日中韓とインドなどを含めた16カ国は20日、広域FTA「地域包括的経済連携(RCEP)」の交渉開始を宣言した。15年末の妥結を目指す。

 景気の減速に苦しむ中印は、成長を維持するASEANとの貿易拡大を切望する。特にインドは中国に比べてASEANの足場作りが進んでいない。ASEANにとり輸出・輸入とも相手先トップは中国。中国との貿易総額は約3400億ドル(約27兆2千億円)に達するが、インドとは約730億ドルにとどまる。

 ASEAN成長取り込みの遅れを取り戻すことが、インドのRCEP交渉参加の最も大きな理由だ。ただ、それは中国と同じFTA網に入ることも意味する。

 インドの対中貿易赤字額は2011年、約270億ドルまで膨らんだ。RCEPの発効で、さらに中国から安価な製品が大量に流入することに警戒を強める。逆に中国はインドの巨大市場に輸出を拡大する機会をうかがう。

 RCEP交渉の関係筋は、今後の交渉について「進展するかは中国とインドの出方次第だ」と話す。海洋安全保障分野の主導権争いに加えて経済面の思惑も絡んで、中印両国がRCEP交渉で対立する事態も想定される。

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