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福澤諭吉『分権論』の夢再び--お江戸に学ぶ「小さな政府」と「道州制」2012/03/31 22:15

福澤諭吉『分権論』の夢再び--お江戸に学ぶ「小さな政府」と「道州制」


先日、高校時代からの親友と電話。
二人は揃って軽音楽部に所属し、彼もギター、私もギター。

プロを目指すか、商売人を目指すかで悩んだ彼。
選んだ道はちょうど真ん中。

大学時代からベンチャー企業を立ち上げ、当時(約30年前)では変人扱い。
現在も音楽業界を中心に活躍中で、彼の周りには超メジャーなアーティストがズラリ。

彼もまた政治好き。「経済人・大阪維新の会」では人気者とのこと。
「経済人・大阪維新の会」とはその名の通り「大阪維新の会」を応援する経済人の会。

彼は「中央は外交・安全保障を中心にやればええんじゃ」と。
「他を地方に委ねれば、消費税増税なんていらん!……かも」と。

その内容はまるで浅田均政調会長のよう。
スタンフォード大学大学院修士課程修了の浅田氏こそが維新の知恵袋。

実は随分前から浅田氏との接触を目論んでいた。
経済人ルートの人脈発見ではたして実現なるか。

なお、ツイッターを通じて一度だけ浅田氏にコメントしたことがある。
その中身は福沢諭吉の『分権論』に関わるもの(画像参照)。

「大阪維新の会」、安倍晋三グループ、石原都知事周辺、さらには民主党保守派。
彼らには共通する夢。その夢とは「小さな政府」と「道州制」。

それはまた福澤諭吉『分権論』の夢再びでもある。

福澤は『分権論』で、「政権」(=軍事、徴税、外交、貨幣発行など)と「治権」(=警察、道路、橋梁、堤防、学校、社寺、遊園、衛生など)を区別し、地方に出来ることは地方に委ねるべきであると説いた。

トクヴィルに触れながら江戸の自治を高く評価していたのも福澤。
「小さな政府」も「道州制」もお江戸に学べばいい。

お江戸に向けて バック・トゥ・ザ・フューチャー。
お江戸に向けて 今 ゆっくりと 歩いていこう。

お江戸、そこはリバタリアンも羨む「小さな政府」の故郷。
お江戸、そこは日本人の無限なる可能性が詰め込まれた宝箱である。


<関連情報>

デジタルで読む福澤諭吉 分権論 - 六十四~六十五頁 
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/fukuzawa_text.php?ID=84&PAGE=64&KEY=
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/fukuzawa_text.php?ID=84&PAGE=65&KEY=

局外の人をしてその処を得せしめ、間接に士族の働を変形するの手段を論ずる前に、先ず国権の区別を示すこと緊要なり。抑(そもそ)も国権に二様の別あり。一を政権と云う。西洋の語、これを「ガーウルメント」と称す。一を治権と云う。即(すなわ)ち西洋に所謂「アドミニストレーション」なるものなり。

政権に属するものは、一般の法律を定ること、徴兵令を行て海陸軍の権を執(と)ること、中央政府を支るが為(ため)に租税を収ること、外国交際を処置して和戦の議を決すること、貨幣を造てその品位名目を定る等の如き、全国一般に及ぼして恰も一様平面の如くならしむるの権力なり。

治権とは、国内各地の便宜に従い事物の順序を保護してその地方に住居する人民の幸福を謀(はか)ることなり。即ち警察の法を設け、道路、橋(きよう)梁、(りよう)堤防を営繕し、学校、社寺、遊園を作り、衛生の法を立て、区入費(くにゆうひ)を取立る等、是(これ)なり。

故に政権は全国に及ぼして一様なれども、治権は決して然(しか)らず。地方に貧富の差あり、人民に習慣の異あり、之(これ)を一様にせんとするも得べからざるなり。


デジタルで読む福澤諭吉 国會の前途・国會難局の由来・治安小言・地租論 - 四十三~四十四 頁
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/fukuzawa_text.php?ID=111&PAGE=43&KEY=%E5%8B%9D
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/fukuzawa_text.php?ID=111&PAGE=44&KEY=%E5%A4%96

地方自治は古来日本固有の制度にして国民の之に慣れたること久し王政維新の一挙万物を破壊して自治の旧制度も多少の余波を被りて一時人民の方向に迷ふ折柄、近来に至りて政府より地方制度なるものを発し其精神は専ら人民自治の基を固くするに在りと云ふ其趣を喩へて云へば西洋熱心の人が日本作りの家は因循なりとて之を破壊したれども去りとて純然たる西洋建築も住居に不自由なり又古風の日本流も勝手宜しからずとて和洋折衷の新宅を作りたるが如し徳川時代の自治制度は君主政治の下に適合したるものなれば今日の立憲政体に遭ふて其まゝ行はる可きに非ず多少の取捨ある可きは当然のことなれども旧制度も新制度も自治は即ち自治なり其新制度の円滑に行はれて正に立憲の新政体に適するは古来我民心に染込みたる自治の習慣こそ有力なる素因なれ人間世界、無より有を創造す可らず唯僅に形を変ず可きのみなれば今の当局者も地方自治制の発明者創造者を以て自から居ることなく新旧取捨の際に小心翼々謹慎に謹慎を加へんこと我輩の祈る所なり


デジタルで読む福澤諭吉 国會の前途・国會難局の由来・治安小言・地租論 - 七十五~七十六 頁
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/fukuzawa_text.php?ID=111&PAGE=75&KEY=%E6%96%87
http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/fukuzawa_text.php?ID=111&PAGE=76&KEY=%E6%96%87

日本国民は二百五十余年の間政権こそ窺ふことを得ざれども地方公共の事務に於ては十分に自治の事を行ひ政府の干渉を受けざること久し唯維新以来政府の政策恰も逆行して徒に人を労し銭を費したること多しと雖も近来は当局者も聊か自省する所あるか更に地方の自治を奨励するものゝ如し封建時代の自治と近世の自治とは自から趣を殊にする所もある可しと雖も其精神は即ち相同じ今後政府が果して前非を改め干渉を少なくして之に加ふるに封建時代の遺風なる官尊民卑の陋習を掃却することあらんには我国民の自治も更に面目を改めて立憲政体の要素たるに毫も愧る所なかる可し


<関連サイト>

福沢諭吉の「分権論」
http://www2u.biglobe.ne.jp/~shimin/fukuzawa.html

道州制(廃県置州)について
http://www2u.biglobe.ne.jp/~shimin/haikentishuu.html


<画像引用>

浅田 均 @asalogue

ここから導かれる結論は、①分権体制の確立は財政再建に寄与することができる。その前提として、②内政は地方政府に、外交、防衛等は中央政府に、とする事業の仕分けが必要である。③事業仕分けにしたがって財源の仕分けができたなら、地方交付税等は不要になる。
https://twitter.com/#!/asalogue/status/169125242218876929


園田義明 Y-SONODA

福沢諭吉の「分権論」における政権と治権に通じるものあり http://www.f.waseda.jp/katagi/jitimeigen.html#chapter3 @asalogue ②内政は地方政府に、外交、防衛等は中央政府に、とする事業の仕分けが必要である。
https://twitter.com/#!/YS_KARASU/status/169213683975716864

コメント

_ 奔放な旅人 ― 2012/04/01 09:18

中央が何でもかんでもやると言う時代はもう終わっているでしょう。
だから権限を地方へ移譲したところで、混乱も不具合も無いだろうし、逆に移譲した方が上手く行く事もある。
何でもかんでも中央でやろうとするから何事も中途半端になったり決まらなかったりする。
地方は地方によって事情が違うから、それを一律に中央でコントロールするにはもはや歪みが出て来ているでしょう。
国内事項の殆どは地方へ移譲し、中央は外交や防衛等に専念すべき。
その為に地方を道州制とし、地方政府で地方の事は決定する。
世の中分業時代なのだから、政治も分けた方が効率が良いでしょう。
そうすれば無駄な国会議員の数も減らせるし、無駄な中央省庁の出先機関も要らない。
強い日本を構築する為には、為さないとならない大改革。
甘い汁にどっぷり浸かった人達が本気でやろうとはしないだろう。
だから大阪維新の会への期待度が上がる。

_ Y-SONODA ― 2012/04/02 07:46

奔放な旅人さんへ

>大阪維新の会への期待度が上がる。

うーーん、現状のままでは期待外れに終わるのではないかと。
維新もまだまだ準備不足。橋下氏も教育しないと左右にぶれる癖がある。

成功させるにはかなり入念な仕掛けが必要。
仕掛けるタイミングも重要。5年先、10年先を睨まないと。

その間に内紛、分裂の可能性ありかと。
大阪人は我が強い。これが最大の問題になるかも。

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