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フクシマを「研究畑」に! 世界の知恵結集目指して積極的に誘致せよ2012/02/13 07:54

フクシマを「研究畑」に! 世界の知恵結集目指して積極的に誘致せよ


昨年5月、衆議院第一議員会館の一室。
私がカバンから取り出したA4一枚の提言書にはこんなことが書かれていた。


福島第一原発周辺に「太陽光」畑と「風力」畑
その周辺に放射線&自然エネルギー&自然再生の「研究」畑
世界中の大学、研究機関、民間企業に対するフクシマ誘致作戦
世界中の民力結集の地「フクシマ」から日本再生を目指す


今まさにフクシマに集い始めた研究者たち。
待っているだけでは能がない。ここは積極的に誘致せよ。

「研究」畑の先に人口問題解決の糸口も見えてくるだろう。


<関連記事>

除染が本格化 旧ソ連からフクシマに集う研究者たち
2012/2/12 7:00
http://s.nikkei.com/wFB9tB

 日本列島を異例の寒波が覆い尽くした2月上旬、大陸から外国人が続々と東京に集結した。ロシアやウクライナ、ベラルーシの政府要人や研究者らだ。3月から本格化する除染で福島第1原発の事故処理が新たな段階に入るのを機に、1986年のチェルノブイリ原発事故で得た経験を伝えに来たという。福島県を中心とする除染や、廃炉の作業は、技術と予算を総動員した巨大プロジェクトになる。旧ソ連の一行のアドバイスは、これから日本に待ち受ける長く険しい道のりと、コストの重さを改めて連想させる。

 2月3日、都内で開かれた「除染・環境修復技術」に関する国際シンポジウムは、さながら旧ソ連各国の除染や廃炉技術のショーケースとなった。壇上には放射線化学や環境修復、原子力安全工学などの一線の研究者が次々に登壇。チェルノブイリから得た除染や廃炉の知識をまとめてプレゼンした。

 数百人を収容するスペースは立ち見も出るほどの盛況ぶり。日立製作所や東芝、清水建設など大企業の関係者もかけつけた。

 「チェルノブイリの経験を、フクシマで生かしてほしい。協力させてほしい」。登壇者は、異口同音にとなえた。

 チェルノブイリの災禍と引き換えに、この四半世紀で原発事故処理に関する様々なノウハウを蓄えた旧ソ連勢。しかし、2011年3月に福島原発が事故を起こした直後の段階では、出番は少なかった。チェルノブイリ原発は黒鉛減速炉で、福島原発を含め西側の標準となっている軽水炉と構造が全く異なるためだった。

 存在感を示したのは米国や、フランスを軸とする西欧の専門家や企業。放射性物質の放出は回避できなかったものの、日本がてこずった原子炉への注水や汚染水の浄化を助け、11年末にはなんとか「冷温停止状態」を達成した。

 原子炉内部の状態が落ち着いたことで、状況は変わった。どうやって原発の外にまき散らされた放射性物質を減らし、壊れた原子炉そのものを処理するか――。チェルノブイリの「遺産」を活用する余地が出てくると、ロシア人らは日本に向かった。

 これから本格化する除染は、一大プロジェクトだ。日本政府は昨年夏、国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告などを踏まえて、追加の被ばく線量が年間20ミリシーベルト以上の地域の「段階的かつ迅速な縮小を目指す」との基本方針を打ち出した。年間20ミリシーベルト以下の地域では、追加の被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に抑える目標を掲げた。

 年明けには国が担う福島原発周辺の除染工程表を発表。たとえば、年間放射線量が50ミリシーベルト以下の地域(174平方キロメートル、森林除く)は2年後の2014年3月末までに除染を終えるとしている。ただ、一定の汚染が見られる地域は福島県を中心に100を超える市町村にのぼり、除染の完了時期や費用の全容は判然としない。除染に関連する経費は2012年度予算だけで4513億円を計上した。

 最近は、比較的低い放射線量での発がんリスクなどの増大を証明するのは難しいとして、現行の基準を緩和方向で見直すべきだと指摘する学者も増えている。しかし、いったん示した基準を引っ込めるのは、政治的に困難だ。

 掛け値無しで「年1ミリシーベルト」などの目標を達成しようとすると、予算が兆円単位で膨らみ、瀬戸際にある日本の財政状況を圧迫しかねないとの懸念も出ている。

 来日した旧ソ連勢は、日本の復興への貢献を目指すと同時に、したたかに事業機会をうかがっている。「事故処理には高度な技術が必要だ。日本とビジネスもできればうれしい」(ベラルーシのセルゲイ・ラフマノフ大使)。

 一行が携えてきた多岐にわたる技術案件の一部を紹介しよう。

 ロシアの環境化学研究生産協会のアレクセイ・コノプレフ氏らは、日本の除染でも大きな課題となる農地の除染や土地改良技術について説明した。淡水湖の湖底に堆積(たいせき)する有機物質や産業廃棄物を有効活用する方法だ。

 窒素を多く含む湖底堆積物を土に混ぜると、土壌が放射性物質を吸着し、作物への移行を大幅に抑えられることを実験で確認したという。また、リン酸肥料の生産で生じる廃棄物のリン酸石こうも、汚染土壌の改良に高い効果を持つとしている。コノプレフ氏は「セシウムを吸着し、肥料も兼ねる」と胸を張った。

 参加者の一人が質問した。「日本の水田でも有効ですか」。コノプレフ氏は「もちろんです。まだ我が国でも大規模な使用に至っていないが、日本と共同研究や生産ができたらいい」と答えた。

 モスクワにあるボチバール全ロシア無機材料研究所は、米ロッキード・マーチンなどと組んで開発した電気化学式の除染技術などを紹介した。主に、福島第1原発の構内の除染に役立つとみている。

 具体的には、ステンレス鋼などの表面に付いた放射性物質を手軽な作業で、効果的に除去できるという。ペンキを塗るのに使うローラーのような筒の表面に電極を内蔵。汚染された金属表面に除去溶液を塗ったうえでローラーを転がすと、電気化学分解とイオン交換で放射性核種を吸着する。

 チェルノブイリの事故処理を前提に二酸化ウランなどが付着したステンレスで実験したところ、高い効果を確かめたという。「フクシマで使っていただけるよう、仕様を変えて商業化したい」と担当者は話した。

 「放射性物質の飛散を防ぐため、フクシマに建屋カバーを設置したのは評価できる。でも、課題はまだある」と切り出したのは、ウクライナ科学アカデミーの原子力発電所安全問題研究所で原子力・放射線安全部門のトップを務めるビクトル・クラスノフ氏。

 チェルノブイリ原発ではひとまず巨大な「石棺」で放射性物質を封じ込めたが、コンクリートの老朽化で外部に再び漏れ出す懸念との格闘が続いている。

 問題になるのは、古いコンクリートから生じる粉じん。クラスノフ氏は汚染された粉じんが飛び散らないよう、石棺の広範囲に特殊なスプレーを噴霧する装置を敷設した経緯を動画も交えて話した。スプレーで粉じんを包み込み、飛散を防ぐ仕組みだ。「チェルノブイリとフクシマでは異なる点もあるが、我々の知恵は生かせる」と力説した。

 なお、チェルノブイリ原発では石棺全体を覆う「新シェルター」が2015年に完成する予定で、「作業は順調に進んでいる」(クラスノフ氏)。耐用年数が100年以上とされるシェルターの建設には米欧や国際機関がおよそ650億円を拠出する。

 旧ソ連勢が示した一連の技術について「日本の実情に合わないのでは」といった疑問も複数の来場者から投げかけられた。たとえば、原子炉で核反応が起こっている最中に大破したチェルノブイリの事故では環境に放出されたプルトニウムなど重い放射性元素の除去を重視している。これに対し、福島原発の除染で焦点はセシウムが中心だ。しかも、彼らが説明した技術には、実験段階にとどまるものも含まれており、フクシマの事故処理を機に実戦投入や商業化を図る意図も垣間見える。

 ただし、旧ソ連各国が資金面などの制約があるなかで、汚染地域全体の除染を見送った経過は示唆を含む。

 ウクライナ生命・環境科学国立大学・農業放射線学研究所のバシル・ヨスチェンコ氏は、放射性物質の拡散を抑えるため、日本でも特に森林火災に注意すべきだと訴えた。山火事などが起こると、樹木に付着した放射性物質があぶり出されて飛び散るからだ。

 チェルノブイリとフクシマの共通点は「森林が多く国土の約3分の2を占める」ことだという。同氏は「森林を短期間で除染するのは難しい。チェルノブイリ原発周辺の広大な自然保護区では、放射性物質をそのままにした」と説明。旧ソ連が膨大なコストがかかる森林の完全な除染を見送り、放射性物質の拡散を抑える次善の策として、火災の防止など森林管理に力を入れた経緯を話した。

 被災地近辺から来たとみられる会場の参加者からは「日本で森林の除染を急ぐべきではないか」との切実な質問も出た。ヨスチェンコ氏は「本当に除染するなら、一刻も早くやるべきだ」と答えた。

 チェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質の80%が降下し、甚大な被害を被ったベラルーシ。非常事態省副大臣でチェルノブイリ原発事故委員会委員長のウラジミール・チェルニコフ氏は2日、日本経済新聞に対し「年間1ミリシーベルトを目標とする除染活動を1990年で打ち切った」と語った。

 「学校や道路などを優先した。人がいないところはやっても効果が薄い」と説明。かかった予算はおよそ「194億ドルだった」という。

 国土が広い旧ソ連邦がとった除染手法を、日本にそのまま当てはめるわけにはいかない。しかし、今後、費用を切り詰めざるを得なくなった場合に備え、住民の健康を守りつつ、除染の費用対効果をあげる方策は検討しておく必要がありそうだ。

 除染が終われば、回収した廃棄物を貯蔵・処理する費用も上乗せされる。さらに、廃炉のコストも待ち受ける。

 旧ソ連の一行は東京でのシンポの翌日、福島で開かれた同様のイベントにも参加し、被災地の関係者に直接働きかけた。出席した細野豪志環境・原発事故担当相は「除染は最優先課題。海外から学んで日本のスタイルを確立したい」と強調した。

 日本の実情に合った技術開発で一翼を担う日本原子力研究開発機構。福島環境安全センターの中山真一副センター長は、試行錯誤の日々を過ごしている。たとえば、日本の家屋では「瓦の除染が難物」だという。水を強く吹き付ければ瓦が割れ、弱ければ洗浄効果が上がらないからだ。

 旧ソ連から拝借できる知恵も織り交ぜながら、短期集中で除染効果を上げる工夫が試されている。


福島の放射性物質 米大学が調査
2月4日 7時37分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120204/t10015775161000.html

東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質が、周辺に生息する生物にどのような影響を与えているのかについて調べるため、アメリカの大学の研究チームが、ことし5月から、福島県などで本格的な調査を始めることになりました。

調査に当たるのは、アメリカ南部にあるサウスカロライナ大学のティモシー・ムソー教授の研究チームです。

ムソー教授の研究チームは、チェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質が、周辺地域に生息する鳥や虫、それに植物などの生物に、どのような影響を与えているのかを13年以上にわたり継続的に調べています。その結果、毎時1マイクロシーベルトから3マイクロシーベルトといった低い線量の地域でも、鳥や虫などの生物に個体数の減少や異常が見られたとしています。

こうしたことから、研究チームは、福島第一原発の事故でも、鳥や虫などの生物を長期に渡って調査することで、低い線量の放射線の影響が分かるのではないかとみており、日本の研究者などの協力を得ながら、長期的に調査したいとしています。

研究チームを率いるムソー教授は、調査に向けた準備のため、今月中旬から福島を訪れる予定で、「鳥などの生物は、世代交代のペースがヒトと比べて早く、放射線が遺伝に与える影響も調べることができる。ヒトへの影響を調べるうえでの手がかりになる」と話しています。