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「母屋ではおかゆを食べて節約しておるのに、離れではすき焼き食っておる」(塩川正十郎)--特会でのすき焼きの宴はそれでもまだ続くのか、「独法・特会改革」スカタン社説集2012/01/23 08:21

「母屋ではおかゆを食べて節約しておるのに、離れではすき焼き食っておる」(塩川正十郎)--特会でのすき焼きの宴はそれでもまだ続くのか、「独法・特会改革」スカタン社説集


<「独法・特会改革」社説&「すき焼き」記事>

朝日社説:独法・特会改革―組織いじりでは困る
http://www.asahi.com/paper/editorial20120121.html#Edit1

 野田政権が独立行政法人と特別会計の改革案をまとめた。

 国民に負担増を求める消費税増税の前に、行政のムダを大胆に削ることができるか。09年の政権交代後、「政治主導」を掲げて取り組んできた事業仕分けの集大成でもある。

 それなのに、がっかりするような中身だ。

 改革案では、独法を現在の102から65に減らす。7法人を廃止し、35の法人を12にまとめることが柱だ。業務の性格に沿って独法を分類し、きめ細かく管理していくという。

 17の特別会計では、公共事業を束ねる社会資本整備事業特会など四つを廃止し、一般会計に吸収する。農林水産省が所管する3特会を一つにまとめ、計11に減らす。

 しかし、これによって歳出をいくら削減するかという肝心な点が示されていない。

 102の独法は14万人近い常勤職員を抱え、国からの財政支出は計3兆円に達する。17特会の歳出総額は、各会計間の重複分を除いても約190兆円。一般会計の2倍を超える。

 その削減額がないと、ただの組織いじりに終わりかねない。事実、廃止後も別の形の法人に衣替えしたり、特会の中に新たに勘定を設けたりという例が盛り込まれている。統合も省庁をまたぐものは実質ゼロ。組織が肥大化する恐れすらある。

 様々な名目の資金が、独法を経由することで天下り官僚を養う原資になっていないか、という疑念も消えない。

 改革案作りの詰めの作業は、独法改革では民間人をメンバーとする会議が、特会では財務省が中心だった。独法や特会を所管する各省庁の抵抗を崩すのは容易ではない。

 「官」に目を光らせるのは、本来、政治の役割だ。公開の場で個別の事業をやり玉に挙げたり、政府の作業に注文をつけたりするだけでは不十分だ。

 民主党は昨年末、行政改革調査会を急ごしらえで立ち上げた。組織をあげて取り組んでもらわなければ困る。

 ところが、政治の側で行政改革に逆行する動きが目立つ。

 代表例が整備新幹線だろう。線路の建設とJRへの貸し付けを担当する独法が受け取っている貸付料を、未着工3区間の建設費に回すと、党と国土交通省が一体となって決めてしまった。特定財源を復活させるような発想である。

 岡田副総理・行革担当相は「やれることはやった」との認識を示した。とんでもない。やるべきことは山ほどある。


毎日社説:独立行政法人改革 「身を削った」とは言えぬ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20120121k0000m070099000c.html

 政府自ら、ギリギリまで身を削った改革案とは言えまい。政府・民主党は現在102ある独立行政法人(独法)を統廃合し65以下に約4割削減する基本方針を決めた。

 国から年間3兆円の支出を受け「ムダの温床」とも指摘される独法だが廃止・国への移管や民営化は14法人にとどまり、支出削減額も示さないのでは本気度が伝わらない。与野党協議などを通じ、中身をしっかり練り直すべきだ。

 独法は行政の効率化に向け、民間手法の導入を目指し制度化された。ところが所管省からの天下りで多くの役職が占められたり、ファミリー企業と随意契約で割高な契約をしているような弊害が指摘されてきた。このため、民主党はさきの衆院選公約で全廃を含めた抜本的見直しを掲げていた。

 野田内閣は消費増税に向け、行革に積極姿勢を示す必要に迫られている。岡田克也副総理兼行革担当相が就任しどこまで踏み込むかが注目されたが、期待外れだった。純粋な廃止は「日本万国博覧会記念機構」など4法人だけで、民営化なども7法人どまりである。

 法人数を減らした主体は統合によるもので、まとめる過程で逆に「焼け太り」するおそれすらある。岡田氏は「(金額などを)計るのは難しい」と説明するが、ムダ撲滅を掲げるのであれば組織そのものを削り、支出削減額の目安を示すべきだ。

 改革案は存続する法人について、一定の目標を持つ「成果目標達成法人」と行政の仕事を代行する「行政執行法人」に移行させる方針も示した。天下り規制も含め運営監視をきちんと制度化しないと、単なる衣がえに終わりかねない。規模の大きい「都市再生機構」などの結論も実質は先送りだ。「4割削減」という看板以上に問われるのは、どこまで官庁の抵抗を封じ、ゆがみをただせるかという改革の質のはずだ。

 特別会計についても、政府は17から11に減らす方針を固めた。特会の「埋蔵金」を財政難の救世主とすることはもはや幻想だ。とはいえ、ムダや非効率の温床を放置するわけにはいかない。公共事業が減少する中、「社会資本整備事業特別会計」の廃止方針は当然だろう。

 今回の改革案について政府側は「これだけでも大事業だ」と言いたいのかもしれない。だが、「ここまでやるか」というくらいの覚悟で切り込まないと、国民の共感を得ることはできない。

 政府は独法、特別会計改革の関連法案を通常国会に提出する予定だ。税と社会保障の一体改革と同様、行政改革も与野党協議の俎上(そじょう)に載せ、厳しく吟味すべき課題である。


産経主張:独法・特会改革 数合わせで終わらせるな
2012.1.22 03:02
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120122/plc12012203030001-n1.htm

 政府が独立行政法人と特別会計の改革案をまとめた。現在102ある独法を65に再編し、特会も17から11に削減する。消費税増税に対する国民の理解を得るため、政府として「身を削る」姿勢を示すものだという。

 だが、改革の根本である官民の役割分担など、肝心の事業内容の見直しには踏み込んでいない。この再編と削減で、どれほどの歳出を減らせるか具体額を示せなかったのもこのためだ。野田佳彦政権は、独法・特会改革を単なる数合わせに終わらせてはならない。

 独法改革案では統廃合や民営化などで再編するとしたが、複数の独法を単純に合併する統合が中心で、国への業務移管なども進める。明確に廃止の方向が打ち出されたのは、大阪万博会場跡地の公園管理などを行う万博記念機構など3法人にとどまる。

 民業圧迫などの観点から、業務の縮小を求める声が強く上がっている都市再生機構(UR)と住宅金融支援機構については、結論自体が先送りされた。

 独法改革が数の削減のみに目が向くと、研究開発型の法人は致命的な弊害を生じやすい。文部科学省が所管する理化学研究所や海洋研究開発機構、物質・材料研究機構など5法人の統合案が、そうした危惧の一例だ。

 そもそも研究開発型の独法には機械的な統合はなじまない。各研究機関には独自の創造文化があり、それが研究の厚みを増してきたからである。ひとまとめに束ねるだけの統合では、研究の多様性が失われる。機関同士の競争も消えかねない。

 特定の事業や資金運用のため一般会計とは別に管理する特会の見直しも、中途半端と言わざるを得ない。目的を終えた特会は一般会計に組み入れる方向は正しいが、単純な統合では本当の歳出効率化にはつながらないからだ。

 一部を除き廃止が決まった社会資本整備特会についても、公共事業自体の効率化なしには、一般会計に入れても、新たな財源の捻出効果は乏しい。

 民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で、「独法や特会の見直しで約6・1兆円の財源を捻出できる」としていたが、その後の事業仕分けでは1兆円あまりを捻出したにとどまった。

 アリバイづくりのような小手先の改革はもう許されない。


[時代の証言者]自民党・塩川正十郎(26)引退!!燃え尽きて 
2008/12/09 東京読売新聞 朝刊

 財務相になって、「塩爺(しおじい)」とか「癒やし系」とか言われて、不思議でしたね。すぐカッとなるので、「瞬間湯沸かし器」って言われてましたから。落選して丸くなったんですかね。でも、「三位一体改革」では、片山虎之助総務相と、どなりあいの激論をやりましたよ。

 《国庫補助金の削減、地方交付税の見直し、地方への税源移譲の「三位一体改革」は2002年(平成14年)8月から経済財政諮問会議で本格論議され、塩川・片山論争と呼ばれた》

 僕は片山さんに地方交付税を見直せと迫った。片山さんは国税から地方に税金を移せと。片山さんは財務省が移譲すると思ってないので、「できない話をするな」と。僕は「やってもいいんだ」と。財務省は反対でしたよ。ある幹部は「大化の改新以来、国の税を削って地方に回した歴史はない」と大げさなことを言いよった。僕は「政治が決める」と、やらせました。

 怒り心頭に発したのは無駄遣いの温床、特別会計ですよ。僕は財務相の時、主計局に予算執行調査係(現在は予算執行調査室)を作って各省の予算執行を事後チェックさせたんです。担当者が「特別会計はノーマークです」と言うんです。

 調べたら、一般会計と違って、いいかげんに使ってるし、チェックはずさんだし。驚いた。だから「母屋ではおかゆを食べて節約しておるのに、離れではすき焼き食っておる」と言ったんですわ。この発言をきっかけに特別会計改革が進みました。官僚と道路族議員の聖域だった道路特定財源の一般財源化もそうですよ。

 《塩川氏は03年9月に財務相を退任、11月の衆院選に立候補せずに引退した》

 もうすぐ82歳だし、体が持たなかった。9月初めに胆石の手術をしたんです。それで、内閣改造前に小泉に辞めさせてくれと言って、記者会見で退任を言っちゃった。やはり、外遊がきつかったね。財務相2年半で、国際会議が24回ですよ。

 やるだけのことはやった。私は引退表明の時に「(引退後の)ロスタイムを大事に使いたい」と言ったんですが、今も楽しんでます。ただ、家内の鈴子が02年に亡くなって、ゆっくりと旅行に連れて行けなかったことが残念でなりません。

 《小泉首相は05年の郵政解散・総選挙で圧勝し、郵政民営化を実現。06年9月、5年半に及ぶ戦後3位の長期政権に幕を下ろした》

 僕は小泉政権が誕生して最初の参院選(01年7月)の直前に、小泉にこう言ったんです。「総理、参院選は勝つよ。勝ったら次の衆院選も勝つ。そうすれば政権は5年はいけるよ」と。小泉は「5年で燃え尽きたいな」と言うておった。

 小泉も燃え尽きたが、改革はまだ終わっていない。派閥政治は壊れたけども、官僚主導の政治は残っとる。これを変えなきゃいかんね。(敬称略、おわり)



<画像引用>

塩川正十郎
「母屋でおかゆをすすっているときに、離れですき焼きを食べている」
(一般会計が赤字を削っているのに特別会計で浪費していることを揶揄した表現)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E5%B7%9D%E6%AD%A3%E5%8D%81%E9%83%8E

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