Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

華麗なる薄瓜瓜、国民の怒りを買う「赤い貴族」と「太子党」2011/12/01 07:40

華麗なる薄瓜瓜、国民の怒りを買う「赤い貴族」と「太子党」


<関連記事引用>

太子党―中国共産党が抱える問題浮き彫りに
2011年 11月 30日 16:35 JST
http://jp.wsj.com/World/China/node_352757

 今年のある晩のこと、北京の米大使邸に赤いフェラーリが止まった。車から降りてきたのはタキシード姿の中国共産党高級幹部の子息、薄瓜瓜(バオ・グァグァ、23歳)氏だった。

 薄氏の訪問は意外ではなかった。彼には、当時の駐中国米大使ジョン・ハンツマン氏の娘とのディナーの約束があったのだ。

 驚くべきは、薄氏が運転する車フェラーリだった。薄氏の父親は、中国共産党政治局員の薄熙来氏。熙来氏は、古い革命歌の合唱で毛沢東精神を喚起する活動の真最中で、地方との絆を取り戻すために学生と役人に農作業を命じていた。一方、息子の薄氏は、平均世帯所得が約3300ドル(約25万8000円)のこの国で、何十万ドルもする国旗さながらの真っ赤な高級車を乗り回していた。

 このエピソードは、周辺の事情に詳しい複数の関係者が語ったものだが、社会の多様化と情報化が進み、国民の要求が強まるにもかかわらず一党独裁体制にこだわる中国共産党が抱える問題を象徴している。「太子党」と呼ばれる党指導者の子や孫たちは、汚職や職権乱用の報道が国民の怒りを買うなか、彼らのビジネスの拡大と高級品志向によってますます目立つ存在となっている。

 国営メディアは、中国の指導者層のモットーは共産党の厳しい価値観だと伝えている。しかし、高級幹部の子弟は、有利な立場をビジネスに利用する方法を考え出し、高級車や護衛など富の象徴を手離さない。彼らの派手な行動は、労働者と農民の運動を起源に持つ共産党にとっては厄介な問題だ。

 来年行われる10年に1度の中国指導部交代では、複数の太子党が党重要ポストに就任すると見込まれており、政財界からは、エリート一族の集団が次の10年、政治を支配することに懸念の声が上がっている。

 「(太子党の幹部就任の)傾向はかなり明確になった」とブルッキングス研究所の中国政治の専門家、チェン・リー氏は指摘。「太子党の評判が良かったことはない。彼らが政治的に強くなった今、『赤い貴族』の妥当性について深刻な懸念がある。太子党が政治と経済の両方を支配することに対して、中国の一般大衆の怒りは強まっている」と話す。

 現指導部にも太子党は含まれているが、胡錦濤国家主席や温家宝首相などのライバルによって勢力の均衡は保たれている。ただ、胡主席の後継は、革命の英雄の息子である習近平国家副主席とみられており、その場合、太子党が中国の最高指導者に就任する初のケースとなる。

 習近平氏は複数の太子党と非公式な協力関係を結んでいると言われ、そのひとりが冒頭の薄氏の父、薄熙来氏だ。友人の話によると、熙来氏は、習一族との親密な関係を話題にすることがよくある。習氏の娘は現在、ハーバード大学に在学中。熙来氏の息子は同大学のケネディスクールの院生だ。熙来氏は今、25人で構成される共産党政治局員だが、最高意思決定機関である常務委員会への昇進が最も有望視されている。

 ところが、中国のインターネット、特に当局の検閲が行き届かないマイクロブログ(微博、中国版ツイッター)上では、幹部子弟の品行の悪さが大きな話題となっている。たとえば9月、少年2人の乗ったBMWが北京で衝突事故を起こし、衝突された相手を殴打。「警察を呼ぶな」と見物人を脅かすという事件がニュースとなった。2人のうち片方は軍の将官の15歳の息子だった。

 その後、騒ぎが大きくなり、国有メディアによれば、将官の息子は現在、警察の矯正施設で1年を過ごしている。

 中国の指導層の給与は、閣僚で年間約14万元(約171万円)と低いが、それを補うために財産や事業を相続したりする行為はご法度となっている。親族は、政治的なコネを利用しないことを条件に事業を行うことが許されている。実際には高級幹部一族の富がどこからもたらされるのか、わからない場合も多い。

 たとえば昨年、こんなことがあった。中国の元副首相の息子で、元紅軍(人民解放軍の前身)司令官の孫にあたる男性が、オーストラリアの港に面した邸宅を3240万ドルで購入した。ところが彼は築100年のこの邸宅の取り壊しを申請。跡地に滝でつながる2つプールのある別荘を建てるためだ。

多くの太子党は合法なビジネスに従事している。しかし、中国では、太子党が不当に優遇されているとの見方が一般的だ。中国は、都市や戦略的産業、銀行を国家が管理しており、巨大利権が政治関係者の懐に転がり込む。彼らは個人的なコネや一族の名声を利用して富を確保し、それを守るためにまた同じコネを使う。

 党機関紙の人民日報は昨年、この問題を認識していた。世論調査で「中国の富裕な家族はすべて政治的なコネクションを持っている」との意見が、回答者の91%を占めた。日本の会計検査院に相当する審計署のトップ、李金華氏は、ネット上のフォーラムで、政府関係者一族の富の蓄積は「民衆が最も不満に感じていること」だと述べている。

 しかし、紅軍の創設者を祖父に持つ32歳のファッションデザイナー、葉明子氏はこうした見方に反論する。彼女の電子メールには、「有名な政府幹部の一族という理由で、家賃が優遇されたり、銀行の特別融資を受けたり、政府契約を獲得することはない」とある。「事実、政府要人の一族は注目の的だ。大半の人が、不当な優遇と受け取られることにさえ細心の注意を払っている」という。

 1949年の毛沢東革命後、数十年は共産党幹部の子弟が表に姿を現すことはほとんどなかった。彼らは壁で囲まれた居住区で育ち、北京四中などのエリート校に通った。

 80年代と90年代、多くの太子党は大学卒業後に海外に留学した。帰国後は中国国有企業や政府機関、外資系投資銀行などに就職した。しかし、彼らは概して目立たなかった。

 今、中国指導層の家族は、米国や英国、スイスの名門私立学校などに幼い頃から子弟を留学させている。20代から40代の太子党は、商業、特に彼らの利潤を最大化し、内外のビジネスエリートとの関係を維持するプライベートエクイティ(PE)の世界でますます重要な地位を築きつつある。

 北京工人体育場近くの繁華街の一角では、若い太子党がモデルや俳優、有名スポーツ選手と集う姿がよく目撃される。彼らはそこでフェラーリやランボルギーニ、マセラティを得意げに披露する。紫禁城近くのマオタイクラブなど高級クラブでは、葉巻と中国古酒を片手にビジネス話に花が咲く。

また先日の午後、北京郊外のポロクラブでは、アルゼンチンの選手による会員募集のための公開試合が行われた。元副首相の孫が最近オープンしたクラブだ。

 あるスタッフは「我々は、ポロ競技の一般普及を目指しています」と言い、「正確に言えば『一般』ではありませんが」と付け加えた。このスタッフは「向こうのあの男性は陸軍大将のご子息です。あちらのお祖父様は北京市長でした」と教えてくれた。

 太子党は、海外でも存在感を増している。ファッションデザイナーの葉明子氏は最近、元副首相を祖父に持つ宝飾デザイナー、万宝宝氏とともに雑誌「ヴォーグ」の特集記事で取り上げられた。

 しかし何と言っても、若手太子党のきわめつけは薄瓜瓜氏だ。政治局員を父に持つ子弟で、彼ほど国内外で注目を集めた人物はこれまでいなかった。

 瓜瓜氏の祖父は、毛沢東軍の勝利に貢献した薄一波氏。その息子である薄熙来氏が党の期待の新星となった1987年、瓜瓜氏が生まれた。

 瓜瓜氏は超エリートの環境で育った――守衛のいる居住区内で生活し、運転手付きの車で移動、教育は家庭教師と名門校の北京景山学校だった。

 2000年、12歳の瓜瓜氏は、その頃大連市長だった父の意向で英国のプレップスクールに入学。同校のウェブサイトによると、現在の年間授業料は2万2425ポンド(約3万5000ドル)。

 その1年後、瓜瓜氏は、英名門パブリックスクール、ハロー校に入学した最初の中国人(本土)となった。同校の年間授業料は現在、3万0930ポンド。

 2006年、瓜瓜氏は、哲学、政治、経済を学ぶため、オックスフォード大学に進んだ。同大学の現在の年間授業料は約2万6000ポンド。今、在学中のハーバードのケネディスクールの授業料は年間約7万ドルだ。

 問題は、この超エリートの海外教育にかかった費用(現在の価格でほぼ60万ドル)がどうやって支払われたかだ。瓜瓜氏の友人は知らないと答えたが、友人の1人は、母親が法律のキャリアで支払ったのではないかと言った。彼女の法律事務所はコメントを拒否している。

 瓜瓜氏が中国メディアに話したところによると、彼は16歳以降、全額給付の奨学金を受け取っていた。ハロー、オックスフォード、ケネディスクールいずれも学生個人についてコメントできないとしている。

 教育費は中国の中間層の大きな関心事だ。彼らの多くは中国の学校の質に不満を感じているものの、子女を海外に留学させることができるのは比較的富裕な層に限られる。

 瓜瓜氏の自由奔放な生活も議論を呼んでいる。オックスフォードの社交イベントでの彼の写真――上半身裸あり、タキシードあり――はネット上によく流出している。

 2008年、瓜瓜氏は「シルクロード・ボール」というイベントの準備に関わり、中国の少林寺の武術僧によるパフォーマンスなどを主催した。彼は、カンフー映画スターのジャッキー・チェン氏もオックスフォードでの講演に招待、ステージで一緒に歌ったりした。

翌年は、英国華僑若者連合と呼ばれるグループから「傑出した若い世代の中国人10人」の1人として表彰されるなどした。

 そして今年ネットを賑わしたのが、中国開発銀行のトップの父親と有名な革命家の祖父を持つ太子党の女性、陳暁丹氏と瓜瓜氏がチベットで休暇を過ごしている写真だ。これによりゴシップが広がっただけでなく、2人が警官の護衛付きで旅行していたことにも批判が集まった。

 友人によると、瓜瓜氏は最近、考えた末、「グァグァ・ドットコム」というインターネットの新興企業に取り組むためにハーバードを離れない決断をした。このドメインは北京のアドレスに登録されている。同社のスタッフは、事業内容について明らかにすることを拒否。入口で応対した若い男性は、「秘密です」と言った。

 友人らは、瓜瓜氏が卒業後に何をするのかは不明で、父親が昇進した後も彼が派手な行動を続けられるかどうかはわからないと話している。中国紙「南方週末」によれば、瓜瓜氏は09年の北京大学での講演で、文化や教育面で「人々に奉仕したい」と話していた。

 同紙によると、彼は、政治の世界に進む可能性は否定したが、父親のカリスマ性が感じられるという。瓜瓜氏は、オックスフォードでの乱痴気騒ぎの写真について聞かれると、「真面目な面と楽しい面の両方が必要」との毛沢東の言葉を引き合いに出し、中国の新たな貴族のひとつとは何を意味するのかについて話を続けた。

 彼は言った。「英国貴族が尊大でないことはわかっている。本当の貴族は、スポーツカーの運転などせず、控え目だ」


<関連記事>

Children of the Revolution
China's 'princelings,' the offspring of the communist party elite, are embracing the trappings of wealth and privilege—raising uncomfortable questions for their elders..
http://online.wsj.com/article/SB10001424053111904491704576572552793150470.html

Meet the Red Princesses and Princes: The Chinese Elite's Globe-Trotting Kids (画像引用)
http://www.theatlantic.com/international/archive/2011/11/meet-the-red-princesses-and-princes-the-chinese-elites-globe-trotting-kids/249087/

Photos leaked online fuel rumours of romance between China's 'red royals'
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/china/8337847/Photos-leaked-online-fuel-rumours-of-romance-between-Chinas-red-royals.html

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「カ○スの勝手でしょ」にようこそ♪ 質問:○に入るカタカナ一文字は?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/12/01/6225818/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。