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「温州商人の夜逃げ」に見る中国の病巣、「民営企業の里」で金融危機、火消しに躍起の役人大国2011/10/13 01:18

「温州商人の夜逃げ」に見る中国の病巣、「民営企業の里」で金融危機、火消しに躍起の役人大国


<関連記事引用>

▼「温州商人の夜逃げ」に見る真の病巣
やはり歴史は繰り返されるのか
肖 敏捷
2011年10月13日(木)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20111011/223124/?bv_ru&rt=nocnt

 去る10月4日、国民の祝日である「国慶節」の連休中、温家宝総理が浙江省の温州市を訪れた。公式発表をみる限り、これは今年に入ってから2度目の訪問となるはずだ。しかし、土日や休日もないくらい、地方視察を精力的に行っている温総理にとって、この2回の温州訪問はいずれも不本意なものであったと言わざるをえない。

 前回の訪問は7月28日だった。7月23日、温州で高速鉄道の衝突事故が起きたのを受け、しばらく入院していた温総理は、医者の反対を押し切って駆けつけ、40人が亡くなった事故現場で記者会見を敢行。原因究明について国民に責任のある回答をするよう、関係者に厳命したのだった。

温家宝総理自らが火消しに躍起

 その記憶も新しいうちに、今度は温州の金融危機を沈静化させるための訪問である。

 中国の中小民営企業のメッカとして知られる温州では、今年4月あたりから、海外に脱出するなどで行方が分からなくなった経営者が増え始めた。さらに、最近になって飛び降り自殺者まで現れたことで、「夜逃げ」(中国語で跑路)問題が一気にクローズアップされるようになった。

 既に多くの識者たちが指摘している通り、今年に入ってから中央政府が引き締め政策を強化してきたことが引き金になったと言われている。

 金融機関から貸し渋りや貸し剥がしを受けた一部の民営企業は高利貸しに頼らざるを得ない。そして、「闇金融」の世界では連帯保証が常識であるため、1社が返済不能に陥ればドミノ倒しが起きやすい。雪だるま式に膨らむ借金、急騰する闇金利、厳しい取り立てなどを前に「三十六計逃げるに如かず」という伝統的な知恵が働いたのではないかとの想像もつく。

 温州を訪れた温家宝総理は、中国人民銀行総裁や財政部長などを引率し、民営企業家などとの座談会を開催し、融資強化や税制優遇などの対応策を打ち出した。地元政府や業界団体の呼びかけに応じ、アメリカに逃げた企業家も帰国すると伝えられている。

 温家宝総理自らが火消しに躍起となったこともあって、温州の民営企業家の「夜逃げ」問題はこれで下火になる可能性が高い。しかし、今回の「夜逃げ」を金融引き締めのせいにしてしまうと問題の抜本的な解決にはならない。なぜなら、大規模な「夜逃げ」は今回が決して初めてというわけではないからだ。

民営企業が最初に逃げたのは1949年前後

 民営企業の存在が再び合法的に認められた70年代末以降の推移を見てみると分かることがある。温州の民営企業家の「夜逃げ」が話題になることは、中国における民営企業の生存環境に異変が起きていることの兆しとなっている。逆を言えば、生存環境そのものを大きく変えなければ、このような事態が再発しない保証はないということだ。

 そもそも民営企業が大規模に中国本土から逃げたのは1949年前後が最初だった。

 中華人民共和国の成立に伴い、1952年に共産党政権は、農業、手工業、商業、工業などに対する社会主義改造を行う「移行期総路線」を打ち出した。上海を拠点とする一部の資本家は、共産党に財産を没収されるのを恐れて香港に逃れた。そして、「大躍進」が始まる1958年までに「資本主義の根絶」(毛沢東氏)を目指すこの社会主義改造がほぼ終了し、中国から私有制がほとんど消えることになった。

 しかし、毛沢東氏死去から3年後の1979年、雇用危機を乗り越えるため、鄧小平氏が個人経営を認める方針を打ち出した。これが、再び中国に民営企業が戻る端緒となった。ちなみに、この時、全国で第1号の個人経営免許を取得したのは、温州の章華妹という女性だった。

 この門戸開放の直後、広東省や福建省、浙江省などの沿海地域では、空前の密輸ブームが起き、呉暁波氏の『激蕩三十年』によると、温州では衣類や家電からネジやライターまでを取り扱う大規模な密輸品取引市場が堂々と開かれていたという。やがて、密輸品のコピー商品の生産を手がける家族企業も雨後のたけのこのように出現した。これが後に温州が中国の民営企業のメッカとなる原点だった。

 農業に恵まれず、もともと出稼ぎにあまり抵抗のない温州人が、衣類や靴、折りたたみ傘、ボタンなどの日用品を製造し、全国で売り歩いた結果、温州の知名度は急上昇、ブランド力も向上し、全国の商人たちが買い付けのために続々と温州に集積するようになった。

四半世紀後のデジャブ

 一方、文化大革命で停滞していた経済を復興させるため、改革・開放の直後、各地でインフラ投資と設備投資ブームが起こり、原材料などの供給不足が深刻化、価格の高騰は日用品にも波及した。とりわけ1979年と1980年、財政収支が2年連続で赤字に陥ったことは、長年、均衡財政を社会主義の優位性として自負してきた中央政府に大きな衝撃を与えた。

 そこで、中央政府は、この投資ブームを抑制するため、財政支出や銀行融資の抑制などの引き締め政策を打ち出した。このほか、原材料やエネルギーなどの供給を国有企業に優先すべく、計画経済の束縛を受けない民営企業の締め出しに乗り出した。

 こうした中、温州市で「八大王事件」が起きる。「八大王」とは、温州市柳市鎮で部品や素材などを取り扱う零細企業のうち、最も成功している8人の経営者に地元の市民が与えた称号ならぬ愛称である。

 1982年、経済秩序を混乱させたという理由で、当局は「八大王」の取り締まりに乗り出した。異変を察知した「八大王」の何人かが逃げたが、全国に指名手配された結果、全員が脱税などの容疑で逮捕された。

 それから四半世紀近く後、2004年4月に、鉄鋼業界などの過剰投資を抑制する見せしめとして、江蘇省常州市にある民営鉄鋼会社の経営者が逮捕された、いわゆる「鉄本事件」が起きたことは記憶に新しい。つまり、引き締め政策が発動されるたび、民営企業が真っ先にそのとばっちりを受ける状況は、昔も今も変わっていないということだ。

いまだに「闇金融」というレッテル

 国有企業や外資系企業に比べて厳しい生存環境にあっても、勤勉で辛抱強い温州商人は自力で生き延びている。融資をしてくれない国有銀行の代わりに民間金融が発達しているからである。

 「闇金融」などとネガティブなこともいろいろ言われているが、「草の根金融」がなければ、「草の根経済」はここまで成長できなかった。例えば、革靴、使い捨てライター、ビニール傘などの製品分野で、温州の民営企業は今、グローバル市場を牛耳るほどの地位になっている。

 10数年前、国有銀行の不良債権問題を調査するため、北京在住のある高名なエコノミストを訪れた際、「非合法的な資金集めなどいろいろ問題点があるが、自己責任の徹底化という点では、市場原理に基づく温州モデルからは、中国の金融改革が学ぶべき点が少なくない」との指摘を聞いた。残念ながら、温州の民間金融はいまだに「闇金融」というレッテルを張られたままである。

 また、温州で起きている今回の信用危機は、株式制が導入されたものの、金融システムの市場化改革が大きく遅れている中国の現状の一端を示しているにすぎない。

それは制度が悪いのだ

 一方で、引き締め政策の強化によって不動産市場が下落したため、不動産投機に熱心だった温州の民営企業家たちが大損を食らったことが今回の信用危機の一因ではないかと指摘されている。確かに、温州の民営企業家が全国規模で不動産を買いあさっているのは有名な話のようだ。

 また、温州はBMWなどの高級外車が最も売れている都市の1つで、民営企業家たちの子供たち(富二代)の贅沢三昧も語り草となっている。中国ではとにかく民営企業家と言うとあまりいいイメージがない。

 最近、ニューヨーク株式市場に上場する中国民営企業の粉飾決算問題が再燃している。そこに降って沸いた今回の「夜逃げ」騒ぎ。「やっぱり民営企業はだめだ」という先入観に拍車がかかることは間違いなさそうだ。

 しかし、それは民営企業が悪いのではなく制度が悪いのだ。

 かつて鄧小平氏が「制度が良ければ、悪い人でも良い人になる。制度が悪ければ、良い人でも悪い人になってしまう」と語ったことがある。不動産投機に熱中するのは温州の民営企業家だけなのだろうか。はなはだ疑問である。なぜなら中国では、不動産と株式は、「カネの前ではみんな平等」だとして、自由に参入できる数少ない市場だからだ。

温州は生存環境改善のバロメーター

 現状では、民営企業の参入が認められているのは、小売り、飲食、修理、輸送など過剰感が強く、付加価値が低く、競争が激しい分野がほとんどである。言い換えると、国有企業の撤退あるいは縮小によって生じた隙間を民営企業が埋めているということだ。ネット企業では多くの名高い民営企業が誕生したのではないかと反論されるかもしれないが、それは、この業界では国有企業という既得権益がほとんどなかったためだ。

 2005年1月、民営企業の発展を加速する36項目にわたる国務院の通達が公表された。「三十六条」と呼ばれるこの意見書は、電力、水道などの公共事業やインフラ整備、金融、国防産業など、国有企業が独占している業種を民営企業に開放することを明記した。また、民営企業に対する財政・金融面からの支援強化も盛り込まれ、民営企業に国有企業や外資系企業と同様の「国民待遇」を与える画期的な開放措置として大きな話題となった。

 それから5年あまり経った2010年5月、国務院は民間投資を奨励する意見書を公表した。やはり、36項目の内容が盛り込まれていたため、同意見書は「新三十六条」と呼ばれているが、この5年間、民営企業への市場開放がほとんど進展していないことの裏返しでもある。

 2008年末のリーマンショックを発端とする世界同時不況による中国経済へのダメージを緩和するため、中国政府は大規模な景気対策を実施した。しかし、この景気対策で最も恩恵を受けたのは国有企業である。また、中国の大学生の間で最も就職人気が高いのは、意外かもしれないが、欧米企業でもなく日系企業でもなく、国有企業である。

 民営企業が夜逃げする一方、国有企業は絶好調である。果たしてこれは中国にとって本当にいいことなのだろうか。温家宝総理の温州訪問を契機に、中国の民営企業の生存環境が本当に改善するかどうか、温州はそのバロメーターであろう。


▼北京春秋 高利貸と役人の結託
2011.10.12 02:49
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111012/chn11101202500001-n1.htm

 「民営企業の里」と称された浙江省温州市を中心に高利貸事件が激増している。人件費高騰などで苦境に陥った企業経営者が高利貸から借金したり、自ら業界参入したりして破綻(はたん)。夜逃げや自殺に追い込まれる事件が頻発している。

 中国メディアは連日この問題を大きく報道しているが、中でも驚かされたのは「高利貸の最大スポンサーは地元の高級公務員」(21世紀経済報道紙など)との指摘だ。

 各紙報道によると、温州市の順吉集団という高利貸業者が2年前に集めた13億元(約160億円)の資金とともに先月末失踪、数日後に捕まった。

 ところが容疑者は巨額資金の行方について口を閉ざし、困ったことに出資者からの被害届もない。

 温州市の業界関係者によると「13億元の8割は地元の高級公務員が出資した」とみられている。被害届を出せば、「公僕が高利貸と結託して暴利をむさぼっていた」事実が明るみに出るから、だんまりを決め込んでいるわけだ。

 同様の事例はあまたあり、「官銀(役人の資金)」との通称さえある。不動産開発事業などの許認可権を握る役人と高利貸が結託すれば、年率100%を超える暴利も珍しくないそうだ。役人の腐敗はまさにとどまるところを知らない。(山本勲)


▼中国首相が人民銀総裁、財相らと“金融危機”の温州現地入り
2011/10/05(水) 16:10
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1005&f=politics_1005_012.shtml

  中国の温家宝首相が、中国人民銀行の周小川総裁、謝旭人財務大臣などを引き連れて、浙江省温州市を視察、現地の中小企業家と座談会を開催し、現地政府に対して、一切の方法を講じて、経済・金融情勢を安定させるよう指示した。中国メディアが報じた。

  温州市では、借金を返済できない民間企業のオーナー社長が逃亡し、そこから生まれた負のスパイラル、企業の閉鎖・倒産、従業員賃金の未払い、債権の焦げ付きなどが問題になっていた。新たに発表された数値によると、2011年4月以降今までで、90人にのぼる社長が逃亡、焦げ付きの可能性が高い債権総額は200億元(約2400億円)にのぼり、現地経済の根幹を揺るがす事態になっていた。

  事態の深刻さは中国現地でも連日報道されていたが、首相自らが現地に乗り込むのは異例。温首相は行動派として知られており、2008年5月に起きた四川大地震で発生後まもなく被災地を視察したのは有名。逆に、2011年7月にやはり温州市で起きた高速鉄道衝突事故では現地入りが「体調不良」を理由に遅れ、話題になった。しかし、天災以外での首相の現地視察はやはり珍しいと言える。

  しかも、今回、国際金融サミットにでも参加するかのような高級幹部を引き連れての現地入りに、中国現地でも注目が集まっている。このことは、温州市の経済危機を中央政府が極めて重大視していること、また、その危機が伝えられている以上に深刻である可能性を示しているともいえ、現地メディアでは、「中国特色ある地域的金融危機」と命名し、事態の推移を注視している。(編集担当:鈴木義純)


▼中国温州で金融危機が急速に拡大、資金ショート続発で連鎖倒産も
2011/10/11(火) 19:11
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1011&f=business_1011_218.shtml

  <中国証券報>浙江省温州市で民間貸出の資金ショートが続発している。企業の資金繰り悪化で社長の逃亡や自殺が相次ぎ、信用保証会社や銀行を巻き込んだ倒産の連鎖が深刻化している。10日付中国証券報が伝えた。

  現地政府の関係者によれば、9月21日に温州最大のメガネ生産メーカーである浙江信泰集団の胡福林董事長が、債務を逃れるため米国に逃亡したのをきっかけに、翌22日だけで会社経営者9人が失踪。9月27日には温州正得利鞋業公司の沈社長が、債務超過などを理由に飛び降り自殺をしている。
 
  今回資金ショートを起こした企業の多くは、不動産開発に手を出したり、むやみな事業拡大を進めていたようだ。2010年の同市の100強企業のうち、主に製造業に携わる40社以上が不動産開発にも進出していた。さらに賭け事などで高利貸しから借金を重ねる経営者が絶えなかったことも理由とみられる。

  温州中小企業促進会の周徳文会長は、「有名な大型企業の経営者だけでも90人以上が行方をくらましている」と話し、統計が取れない中小企業はもっと深刻な事態ではないかと懸念する。
 
  地元のインターネット掲示板「七零三」では、企業や経営者への批判や皮肉を込めた「逃亡成功者リスト」も発表されるほど。浙江信泰集団の負債は20億元超で、民間高利貸しから12億元、銀行から8億元を借りており、毎月利息だけで2500万元以上を返済する状況だったとのうわさもある。
 
  現状について担保会社の関係者は、「ある1社が債務超過で破産すれば、信用保証会社5社が巻き添えになり、それぞれの信用保証会社と取引する銀行5行までも影響を受ける。信用保証会社の資金繰りが悪化すれば、他の信用保証会社25社にも影響が出る状況だ」と説明し、「温州の金融危機は5の倍数で連鎖している」と声を落とす。 
 
  現状を重く見た同市政府は、浙江省政府を通じて中央銀行に対し600億元の融資を申請し、早急な金融の安定化を進めている。同時に同市信用保証業協会、同市民間資本投資サービスセンター、同市中小企業促進会なども基金を設立し、企業の再編や立て直しへの支援を始めたばかりだ。(編集担当:浅野和孝)


▼マネー・ゲームに消えた巨額資金、トラブルや事件相次ぐ―温州
2011/10/12(水) 11:49
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1012&f=business_1012_127.shtml

  <中国証券報>浙江省温州市の民間貸出が危機に陥り注目を集める中で、今まで高利貸しにつぎ込まれた資金がどこに消えてしまったのか話題になっている。莫大な資金の大半が不動産や金のマネーゲームに費やされ、温州を没落させたとの声もある。11日付中国証券報が伝えた。

  信用保証会社の関係者によれば、一般的な信用保証会社は個人や企業から月利2%で資金を調達し、中小企業などに4-8%で貸し出していた。しかし最近は貸出利率が8-10%にまで高騰しており、返済できずに夜逃げする企業経営者が続出。担保会社も資金が回収できずに連鎖倒産するため、多額の損失を被る市民が後を絶たない。

  同市の内部告発サイト「703網」の掲示板には、大金を失ったショックの声があふれている。加工工場を経営していたある男性は、「会社の利益が減ってきたため、友人に誘われて2007年に300万元を元手に貸出を始めた。利子でどんどん儲かり、2年後には4000万元になった」と明かす。しかし09年4月に2億元を貸し付けていた不動産開発業者が蒸発し、結局1500万元を失ったという。友人に借りた金を民間貸出に預けて差益を稼いだり、自宅を担保に借りた金を個人的に貸出していた人がトラブルに遭う例も多い。
  
  温州金融弁の張震宇主任は、「銀行が貸付金の用途を管理できず、一部の資金は本来の目的とは違う貸出市場に流れたのではないか」との見方を示す。さらに債務に追われた企業が大量に倒産したことで、商業銀行の安全性にも影響が及ぶと警告する。
    
  同市中級人民法院の統計によれば、8月末までの民間貸出に関する訴訟件数は前年同期比25.73%増、被害金額は同71%増と悪化の一途をたどっており、被害金額の合計は50億元を超える。このうち8月の被害金額は10.7億元で、1月の2.69倍に達している。
 
  また同市公安部は、民間貸出に関連するヤミ組織の「地下銀行」の調査を強化しており、今年1-8月だけで違法な資金集め行為を17件摘発した。金額は同30.77%増の5.5億元で、貸出に起因する犯罪は同16.39%増の71件に上る。 (編集担当:浅野和孝)


▼温州市経済が壊滅の危機、4割近くの企業が年内倒産も=中国
2011/10/12(水) 13:01
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1012&f=national_1012_114.shtml

  浙江省温州市で発生している金融危機で、現在、市は省や国に対して救済策を求めているが、もしこれが得られない場合、同市企業の4割近くが年内にも生産停止・倒産する可能性があるという。中国メディアが報じた。中小企業の社長が相次いで失踪したことで注目された今回の地方的な金融危機は現在、より深刻な状態に陥っている。

  民間貸出の資金ショートが続発し、連鎖的に中小オーナーが失踪、自殺者まで出た。一部公務員が職権含めて得たグレーな資金が流れ込み、民間貸出規模が拡大したのも被害を大きくしたと考えられている。また、もともとの主力産業である製造・輸出業が、人民元高や賃金上昇などで低迷、産業が空洞化し、実業よりは手軽にもうけられる不動産など投機方面に多くの資金が流れたことも事態を複雑にしている。

  資金ショートが相次ぎ、同市ではすでに2割前後の企業が生産停止、半停止の状態との情報もある。もしすべての企業が順調に生産活動を行ったとしても、コスト上昇が激しい昨今、同市製造業の利益率はわずかに3%程度であって、これらを合算しても、同市企業の借入総額に対して、利息さえ返済できない計算になるという。「連鎖反応が起き、社長が夜逃げし、自殺者が出るのはある意味当然」(現地関係者)だという。(編集担当:鈴木義純)


▼社長の逃亡を阻止、地方で高額債務者の監視を強化へ=中国
2011/10/12(水) 15:02
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1012&f=national_1012_157.shtml

  内モンゴル自治区オルドス市は5000万元(約6億円)以上融資を受けている者に対する監視を行っていくという。浙江省温州市で借金を返済できずに逃走する社長が多くなり、資金ショートの末、連鎖的な金融危機に陥っていることに対して、同市でも警戒を強めた結果だという。

  民間貸出や非合法含めた高利貸に対する監視も合わせて強化する。中国現地で報道されているのはオルドス市だけだが、ほかの地域でも類似のリスクのある自治体では、同じような対応が取られる可能性がある。

  オルドス市は当初1000万元(約1億2000万円)以上の融資を受けている者としたが、あまりにも多人数に上り、監視ができないことから、金額を引き上げた。5000万元融資を受けている者で、それを実業に投下している者に対しては、追加支援含めて支えていくことも検討する。逆に、投機的な運用が発覚した者は、資産の凍結、清算の強制執行も視野に入れる。

  「銀行以外から借り入れているものは、多かれ少なかれ投機に流れているはず。もともとは実業への投下を考えたとしても、生産コストの高まりから実業が割に合わず、うまみの大きい不動産売買などに転じることはよくある。今回の措置は、実質的に非銀行経由の高額債務者に対する監視強化、そうした社長の逃亡阻止と言える」(業界関係者)という。

  中国メディアによれば、オルドス市現地では、まだまだ楽観的な向きも多いという。しかし、温州市のケースでも発覚後半月で、温家宝首相自ら現地視察するほどの重大事に発展しており、オルドス市に限らず、中国各地予断を許さない状況になっている可能性もある。

  銀行関係者は、「民間貸出や非合法含めた高利貸の融資規模は、銀行による貸し付けと比べれば非常に小さい。民間貸出市場は3兆元(約36兆円)程度の規模とされており、銀行の20分の1程度。また、民間貸出が盛んな地域も限定的。すぐに中国経済の全体的はハード・ランディングを引き起こすような事態にはならない」としている。なお、やはり問題化している地方政府による短期債務は10兆元(約120兆円)とされている。(編集担当:鈴木義純)


<関連記事>

Fears surface over Chinese debt amid lending practices
With its deep pockets and buoyant growth, China has been touted as a white knight for the world economy.
http://www.bbc.co.uk/news/business-15194663


“White Knight” of World Economy Faces Growing Credit Woes
http://chinadigitaltimes.net/2011/10/white-knight-of-world-economy-faces-growing-credit-woes/


China Facing Subprime Crisis?
http://the-diplomat.com/china-power/2011/10/10/china-facing-subprime-crisis/


Suicides in Wenzhou link to Chinese defaults
http://www.theaustralian.com.au/news/world/suicides-link-to-chinese-defaults/story-e6frg6so-1226158429512


Wenzhou Debt Crisis Is under Control
http://english.cri.cn/6909/2011/10/12/2743s662333.htm

「経済カード」光線を吐きながら、ゴジラに挑む中国龍2011/10/13 20:22

「経済カード」光線を吐きながら、ゴジラに挑む中国龍


<関連記事引用>

▼日本が南シナ海問題に介入、中国は経済カード切れ…香港紙
2011/10/13(木) 15:43
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1013&f=politics_1013_007.shtml

  香港紙・東方日報は12日付で、中国と一部東南アジア諸国で対立が続く南シナ海の領有問題で、日本が手を伸ばしつつあると主張し、対抗のために中国は「経済カード」を切るべきだとする論説を発表した。

  東方日報は香港の中国語新聞で発行部数が最大。3月19日には「中国が釣魚島(尖閣諸島の中国語通称)を奪回するには、日本が東日本大震災で混乱している今が絶好のチャンスだ」と主張する記事を掲載した。

  12日付の記事は、野田首相とフィリピンのアキノ首相が9月27日、南シナ海問題を巡る両国の協力強化を強調した共同声明を発表し、日本の海上保安庁がフィリピンの沿岸警備隊の訓練に協力することを決めたことを取り上げ、「日本は南海(南シナ海の中国側呼称)問題に多少絡むだけでは満足できなくなり、事態をシステム化、常態化、軍事化の方向に発展させ、米国やインドとともに南シナ海をかきまわし、龍(中国)を封印することを企図している」と主張した。

  日本が東南アジアと連携して中国に対抗しようとしている理由は、中国の力を東シナ海と南シナ海に分散して、尖閣諸島の問題でも有利な状況を作り出すことと分析。さらに、東南アジアと中国の間に「くさび」を打ち込んで、東南アジアを自らの勢力範囲に組み込もうとしているとの考えを示した。

  日本が南シナ海の問題に手を伸ばそうとした場合、中国に「直接の反撃能力はない。口からつばきを飛ばして(批判して)もむだだ」と指摘。ただし、東シナ海でガス・油田の開発を加速したり、巡視艇を尖閣諸島から12海里以内に接近させるなどの反撃はすべきであり、南千島群島(北方四島を指す)問題でロシアを支持することもできるとの見方を示した。

  さらに、中国にとって有効な反撃は経済カードを切ることと論じた。日本経済の中国への依存度は、中国経済の日本に対する依存度よりもはるかに大きく、貿易戦争になっても「日本は絶対に中国に勝てない」と主張。中国は希土類(レアアース)の輸出制限をさらに強化する、日本への観光旅行を制限する、日本からの輸入を引き締めるなどすれば「日本に思いあがった行為をする度胸はない」と論じた。(編集担当:如月隼人)


▼日本が東シナ海、南シナ海からわが国を包囲へ(1)=中国
2011/10/13(木) 12:37
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1013&f=politics_1013_005.shtml

  最近日本が南シナ海に介入する動きが高まっている。先月野田佳彦首相とフィリピンのアキノ大統領は9月27日、南シナ海問題をめぐる両国の協力強化を柱とする共同声明を発表したことについて、中国メディアの中国網日本語版(チャイナネット)は、「日本が東シナ海、南シナ海からわが国を包囲と報じた。以下は同記事より。

  同声明は中国に直接触れていないものの、日本メディアなど海外メディアは、中国をけん制するねらいは明らかだと指摘している。日本とフィリピンは南シナ海を題材に、中国けん制に向け協力強化をしようとしているが、フィリピンに比べて日本は南シナ海問題、さらには日比双方を超越する「非限定性」、多様性を念頭に置いている。

  まず日本は東南アジアの関連国を抱き込んで中国に対抗しようと、東シナ海、南シナ海の両側で連携を図り、東シナ海、尖閣諸島(中国名:釣魚島)問題におけるカードを増やすことで圧力の分散を試みている。日本の戦略碁盤では、南シナ海問題と東シナ海問題は密接に関係していると同時に、日本は東南アジア諸国との距離を縮め、地域における影響力を巻き返そうとしている。

  日本は本土および海外の安全と利益を守るため、自主防衛力の増強、日米同盟の強化、地域協力の強化といった3つの基本手段を講じている。日比声明は両国の「海上通路の安全など共同の戦略的利益の確保」のほか、「自由、民主、基本的人権、法治など基本的価値観を共同で保有するとともに、自由で活発な市場経済国として共同発展していく」ことを掲げた。つまり「価値観の優位性」を利用して東南アジア関連国との共通点を強調するのがねらいだ。(つづく 編集担当:米原裕子)


▼日本が東シナ海、南シナ海からわが国を包囲へ(2)=中国
2011/10/13(木) 13:44
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1013&f=politics_1013_006.shtml

  最近日本が南シナ海に介入する動きが高まっている。先月野田佳彦首相とフィリピンのアキノ大統領は9月27日、南シナ海問題をめぐる両国の協力強化を柱とする共同声明を発表したことについて、中国メディアの中国網日本語版(チャイナネット)は、「日本が東シナ海、南シナ海からわが国を包囲と報じた。以下は同記事より。

  日本は米国の地域戦略における重要な地位を示そうとしている。2010年7月、クリントン米国務長官は東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議で、南シナ海問題に対する「関心と興味を示した」。その後すぐに日本の主流メディアは社説で、「国際協力を通じて中国の南シナ海への進出を阻止」しなければならないと主張。日本は、「失われた20年」、そして東日本大震災による打撃を受けたばかりだが、米国の地域戦略調整に協力する固い信念と十分な能力があることを米国に証明したいところだ。特に日米間では普天間基地移転問題、TPP問題などの解決が長引いており、大統領選を控えたオバマ政権は日本に対してすでに根気を失っている。一方、野田内閣は特に米国との良好な関係ををなんとかして示す必要がある。

  日比声明は、両国が地域および多国間会議の機会を利用して頻繁にハイレベル対話を行うと強調。特に11月に開かれる東アジア首脳会議で「緊密に協力」する予定だ。日本が国際的な場面でベトナム、フィリピンの立場を支持し、多国間協議による南シナ海問題の解決を推し進めるかどうかが野田内閣の対中政策を推し量る風向計となる。

  ただ、震災復興、経済振興、赤字削減、エネルギー戦略改善といった問題を前に、野田内閣の最大の圧力は国内にある。東京の戦略派政治家らは、「日本が不景気から抜け出し、経済社会問題を解決するのに中国の手助けが必要だ。野田内閣は現実的な利益を顧みないわけにはいかない」と指摘する。そのため日本の南シナ海への介入、米国との協力、中国けん制、ASEAN抱き込みが望み通りになるか疑問が残る。(おわり 編集担当:米原裕子)


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