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日本型「失われた10年」にようこそ、世界が恐れる「日本化」シナリオ、ジャパナイゼーション(Japanisation)とジャパニフィケーション(Japanification)2011/08/20 07:54

日本型「失われた10年」にようこそ、世界が恐れる「日本化」シナリオ、ジャパナイゼーション(Japanisation)とジャパニフィケーション(Japanification)


<関連記事引用>

japanification 世界が恐れる「日本化」
http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/columnbuzz/20110816-OYT8T00460.htm?from=yoltop

 7月30日発売の英誌エコノミストは日本でちょっとした話題になりました。

 表紙を飾ったのはアメリカのオバマ大統領とドイツのメルケル首相の似顔絵。目を引くのは二人とも和服姿の点です。メルケルさんは日本髪まで結っていました。

 表紙のイラストには、以下のような見出しが付いていました。

 Turning Japanese --- Debt, default and the West's new politics of paralysis
 進む日本化--借金、デフォルト(債務不履行)、マヒし始めた欧米の政治

 読んでわかるように「日本化」はここでは悪い意味で使われています。この見出しを受けた巻頭の記事は、次のように手厳しい内容でした。

 「オバマ大統領もメルケル首相も財政赤字の削減やユーロ危機への対応で痛みを伴う決断を避け続けている」

 「こうした現象は初めてのことではない。日本では20年前にバブルがはじけて以来、指導者たちが問題をずるずると先延ばししてきた」

 「欧米諸国で同様のことが起きれば、その結果ははるかに深刻なものになる」

 「日本のように決断を先延ばしすれば、問題の解決は難しくなる。欧米の指導者はこうした前例を忘れてはならない」

 政治の指導力の不在という「日本化」が進めば、欧米の経済危機はさらに悪化し、日本の「失われた20年」のように大変な事態になるぞ、と警告しているわけです。

 英誌エコノミストは「日本化」を Turning Japanese(ここでの turn は become と同じ意味です)というフレーズで表現していますが、欧米のメディアでは昨年夏ごろから、「日本化」を意味する別の単語もよく見かけるようになりました。

 その一つが japanification(ジャパニフィケーション)です。

 例えば、米紙ニューヨーク・タイムズは昨年10月の記事で、アメリカの経済について「エコノミストの間では japanification(日本化)を警告する声が出ている」と報じました。

 japanification の意味については次のように説明しています。

 「消費者が消費を拒み、企業が投資を控え、銀行が現金を抱え込んで、日本と同じデフレのわなに陥ること」

 長いデフレで経済が活力を失うことを「日本化」と呼んでいるわけです。

 米紙クリスチャン・サイエンス・モニターのオンライン版も同じ頃、次のような見出しの記事を載せました。

 Would 'Japanification' be so terrible?

 「日本化」はそれほど恐ろしいことなのか?

 もう一つ、まったく同じ意味で、japanization(ジャパナイゼーション)という言葉もよく使われています。例えば、米経済誌フォーブスのオンライン版は7月、次のような見出しの記事を載せました。

 The US and the world economies cannot avoid Japanization

  米国と世界の経済は日本化を避けられない

 世界の新聞や雑誌のデータベースを調べてみると、japanification の方がjapanizationよりもやや使用例が多いようです。アメリカの著名な経済学者のポール・クルーグマン氏は前者の japanification の方を使っています。

 この二つの言葉は元々、かなり違った意味で使われてきました。

 japanization は欧米の辞書も古くから採用されている言葉で、例えば、第2次世界大戦中は、日本語の強制などを通じて日本の植民地の人々を日本人に同化させる「皇民化」の政策や教育を示す言葉として使われました。

 同じ「日本化」でも、japanification の方はまだ人々の間に広く定着した言葉にはなっておらず、主要な辞書にも載っていませんが、近年は日本の文化やアニメにからんで用いられることが多かったようです。2008年には次のようなタイトルの本も出版されています。

 The Japanification of Children's Popular Culture: From Godzilla to Miyazaki

  子供のポップカルチャーの日本化--ゴジラから宮崎駿まで

 こうしたケースでの japanification は、アニメなど日本が誇る現代の文化の魅力や影響力を反映して、ポジティブな意味が込められています。

 しかし、昨年の夏ごろから、メディアに登場する japanification はほとんどの場合、日本の低迷する経済にからんで使われています。残念なことですが、ネガティブな意味の方が勢いを増してきたことになります。

 言葉は生き物です。その意味は時代や状況を反映して変わっていきます。どんな言葉もこうした流れに逆らうことはできませんが、japanification が再び前向きで、肯定的な意味やイメージを強める日が来てほしいものです。


<関連記事>

▼Japanisation

West shows worrying signs of ‘Japanisation’ (画像引用)
Economies appear to be heading same way two decades later
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/c86470b2-ca7b-11e0-94d0-00144feabdc0.html#axzz1VVq6KSca


US stocks end week on a high note
“The big risk, we believe, is re-rating for limited growth and low rates,” he added, terming it “the ‘Japan-isation’ of US banks.”
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/1dbc20f4-c4ec-11e0-9c4d-00144feabdc0.html#axzz1VVq6KSca


US and Europe ‘could face Japan-style lost decade’
Period of slow growth in US and Europe draws parallels with Japan post 1990
http://www.investmentweek.co.uk/investment-week/news/2099867/europe-could-japan-style-lost-decade


"Japanisation" Is The Major Risk For US And Europe
http://www.wealthbriefing.com/html/article.php?title=_Japanisation__Is_The_Major_Risk_For_US_And_Europe&id=40196


Equity markets fall on "Japanisation" fears; on expectations Fed will boost credit markets
http://www.guardian.co.uk/business/marketforceslive/2010/aug/10/interest-rates-us1


▼Japanification

Markets lower on concerns of US Japanification
http://www.guardian.co.uk/business/marketforceslive/2010/aug/10/1


Would 'Japanification' be so terrible?
Japan's economy has deflated over 20 years, but consumer prices have held steady.


The ‘Japanification’ of Wall Street
http://ftalphaville.ft.com/blog/2008/09/12/15825/the-japanification-of-wall-street/


▼その他

Why the U.S. Is Not Japan
http://blogs.wsj.com/marketbeat/2011/08/19/why-the-u-s-is-not-japan/


Bond markets signal 'Japanese' slump for US and Europe
The global credit markets are braced for deflation and perhaps depression.
Ambrose Evans-Pritchard
http://www.telegraph.co.uk/finance/comment/ambroseevans_pritchard/8710022/Bond-markets-signal-Japanese-slump-for-US-and-Europe.html


From Ice Age to hyper-inflation with SocGen bear
Albert Edwards: "I think Japan will be the first to crack, really crack," he said. "Its demographics mean that big pension funds can no longer fund its huge deficit out of internal savings."
http://www.reuters.com/article/2011/08/18/us-edwards-socgen-idUSTRE77H31320110818


Is the U.S. turning Japanese with a ‘lost decade’?
http://blogs.marketwatch.com/thetell/2011/08/12/is-the-u-s-turning-japanese-with-a-lost-decade/


U.S. facing growing spectre of a lost decade
http://www.theglobeandmail.com/report-on-business/economy/us-facing-growing-spectre-of-a-lost-decade/article2125757/


The West’s lost decade has begun
http://www.leftfootforward.org/2011/08/the-wests-lost-decade-has-begun/


米国発「失われた10年」が全世界を飲み込む
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/11/09/3899254


「失われた10年」の日米比較研究
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/01/28/4084845


新「失われた10年」の日米比較
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/02/14/4120091


オバマが語った日本の「失われた10年」
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/02/11/4112167


二の舞ごめんが世界中の合言葉、注目集める日本の「失われた10年」
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/01/04/4794107


‘Japan-like Scenario’ に怯える米国 カーメン・ラインハート・ペーパーの衝撃
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/08/28/5311809


暴徒化する世界
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2009/03/01/4145921


アルバート・エドワーズの「日本型氷河期」理論、その先に待っているのは暴徒化する世界?
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/08/17/6050688

コメント

_ ロッキーホラーショー ― 2011/08/21 11:20

この記事に関しては、こんなのも。
@Nouriel Nouriel Roubini
"Koo is exactly right @pkedrosky: Thoughtful Richard Koo letter on debt cycles & stimukus in new issue of the Economist "
リチャード・クーのこの記事に関するコメント
SIR – The title of your leader on the debt crisis was well chosen (“Turning Japanese”, July 30th), but you missed the point. The Japanese problem of the past 20 years, together with the American and European problems of today, boils down to one fact: the economics profession has never considered a recession that could be caused by the private sector minimising debt in order to repair balance sheets after a debt-financed bubble in asset prices. As a result, the profession has no clue as to what is the right thing to do.
In this rare type of recession, monetary policy is useless because people with negative equity will not borrow, no matter what the interest rate. Nor will there be many lenders when banks have such huge problems with their balance sheets.
In this environment, therefore, government must borrow and spend the savings generated by the deleveraging in the private sector in order to keep the economy from entering a deflationary spiral. But as John Maynard Keynes noted, it is almost impossible to maintain fiscal stimulus in a democracy during peacetime. It is this difficulty that prolongs this type of recession; it took Japan ten years to climb out of the policy mistake of premature fiscal consolidation in 1997.
The drama in Washington and other capitals is almost the exact replay of that confused policy debate in Japan. And the drama will continue until the public realises that this is a different disease requiring different treatment.
Richard Koo
Chief economist
Nomura Research Institute Tokyo  
さて、クーさん日本化専門家としてルービニ教授からお墨付というわけで、バランスシート不況説ひっさげて欧米経済紙にお呼びが増えるかも。
それにしても「民主主義国家では平時に財政刺激策を続けるのはほとんど不可能」というケインズのご宣託はなんとも不気味です。民主主義を守りたきゃ戦争しかなく、戦争を避けたきゃナチ化しかないと言ってるようなものですもん。
ナチ化で戦争を防げるというのは常識と逆ですが、あの当時、ナチスドイツはケインズも羨むほど経済政策がうまくいっており、経済的な理由で戦争する必要はあまりなかったようです。

_ Y-SONODA ― 2011/08/21 14:06

ロッキーホラーショーさんへ

>「民主主義国家では平時に財政刺激策を続けるのはほとんど不可能」というケインズのご宣託はなんとも不気味です。民主主義を守りたきゃ戦争しかなく、戦争を避けたきゃナチ化しかないと言ってるようなものですもん。

このあたりの議論そのものが1930年代化現象と言えるかも。
結局は「切れたら負けよ」の時代に再突入。
意外と民主主義国家の方が統制が効かない点で脆弱なのかも。

_ 「日本化」記事2本 ― 2011/08/22 06:30



<関連記事引用>

欧米諸国が示す「日本化」の兆候
投資家が恐れ始めたシナリオとは・・・
2011.08.22(月)
(2011年8月20/21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/19676

このところ、多くの投資家にとって大きな問題は、数年前ならとても考えられなかったものだ。つまり、欧米諸国は日本になりつつあるのか、という疑問である。

 この疑問に対する答えは、欧米諸国の経済の将来ばかりでなく、株価と債券の将来の方向性を左右することになる。

 現時点での暫定的な答えは、先進諸国は日本の方向に向かっているというものだ。国債のパフォーマンスが株式を大きく上回っているからだ。

 「今の状況は日本流のシナリオのように見える。この問題について、私はかつてないほど心配している」。イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)の元委員で、自身の名前を冠したヘッジファンドを創業したスシル・ワドワニ氏はこう話す。

国債利回りの動きを15年ずらすと、まるで日本?

 米国や英国、ドイツといった国の「日本化」を示す最も顕著な例が、各国の借り入れコスト(国債利回り)だ。10年物の米国債、英国債、ドイツ国債を過去に15年さかのぼらせる形で、2003~11年の欧米の利回りの動きを1988~96年の日本国債の利回りの推移と重ねてみると、驚くほどよく似ているのだ。

 次に何が起きるかが極めて重要だ。日本国債の利回りは、1996年に2%の大台を割り込んで以来、持続的に2%台を上回ったことが1度もないからだ。

 市場にとってまた荒々しい1週間となった8月第3週で最も特筆すべき動きは、米国債の利回りが18日に1950年以降初めて2%台を割り込んだことだった。

 だが、利回りはその後やや上昇し、19日午後には2.08%となっていた。だが、多くの投資家は米国債の利回りが一段と低下することを予想しており、中には1.75%まで低下すると見る向きもある。

 欧米が日本化しているという議論を信じる人々は、いくつかの類似点を指摘する。どちらのケースでも、大きな債務負担は、株式市場暴落後の鈍い経済成長を意味している。一方、こうした問題に対する政治の対応は混乱しており、痛みを和らげる効果がほとんどない。

 米資産運用会社ダブルラインのCEO(最高経営責任者)、ジェフリー・ガンドラック氏は「そうした比較の根拠が確かなのは、どう見ても明らかだ」と言い切る。

 「我々は過剰債務を抱えており、損失処理すれば支払い不能状態に陥るため不良債権を抱え続けている銀行が存在している。すぐに処理せず、長い年月をかけて徐々に片付けていこうとしているわけだ」

日本の衰退に貢献した8つの特徴

 エディンバラのスタンダード・ライフ・インベストメンツで世界戦略担当を務めるアンドリュー・ミリガン氏は、止められない日本の衰退に貢献したと思われる8つの特徴を挙げる。

 株式市場および不動産市場の崩壊、ゾンビ銀行、デフレ、ゼロ金利、政治の停滞、芳しくない人口動態、そして高い対国内総生産(GDP)債務比率だ。

 「非常にぶしつけな言い方をすれば、欧米諸国はこうした要素をすべて持っていると言える」とミリガン氏。

 だが、個々の国を細かく検証すると、類似点はそれほど明白ではなくなる。例えば米国。米国は双子の市場暴落と政治の停滞、ゼロ金利については当てはまるかもしれないが、デフレには陥っていないし、人口は減少していない。

 一方で、より根本的な違いを指摘する向きもある。

 ドイツ銀行のストラテジスト、ジム・リード氏は、日本が困難に陥った時は、1990年代後半の急成長する世界における孤立した例だったと指摘する。それが今では、大半の西側諸国が同じ船に乗っている。

類似点より相違点の方が怖い?

 このことは、悪い知らせと読むこともできる。世界経済の成長の障害が大きいことを意味するからだ。「これは問題だ。日本には力強い世界経済という背景があった」と、英国の資産運用会社シュローダーズのチーフエコノミスト、ケネス・ウェイド氏は言う。

 だが、これは、物議を醸すかもしれないが、あり得る解決策を与えてくれる可能性もある。先進国は単に、一斉に紙幣を増刷することもできるのだ。量的緩和などの措置については有効性に大きな懸念が残るものの、多くの投資家は、欧米の当局は日本の当局と比べると、政策面で先手を打つと考えている。

 ワドワニ氏は、米連邦準備理事会(FRB)が今後打ち出す刺激策に対する株式市場の反応が極めて重要だと見ている。「反騰がどれくらい続くかは、経済統計が上向くかどうかにかかっている。もし上向かなければ、それは日本のような状況であり、非常に弱気なシグナルとなる」と言う。

 既に、投資家は今年に入って、国債が株式をアウトパフォームするという、過去20年間日本が経験してきたあべこべの世界がどんなものか味わってきた。

国債が株式をアウトパフォームする世界

 20年間に及ぶ日本の低成長とデフレ、超低金利は、投資家の資産配分に際立った変化をもたらし、日本国債の格付けがトリプルAから格下げされても、国債が好まれる状況を生んだ。

 長期投資を手がける多くの投資家は株式に見切りをつけて国債を買った結果、国債の国内保有量が欧米よりはるかに高い状況につながった。日経平均株価はいまだに1989年の最高値を75%も下回っている一方、日本の10年債の利回りは現在、0.99%だ。

 みずほ総合研究所のチーフエコノミスト、高田創氏は、欧州と米国の銀行と保険会社に対する新たな自己資本規制が日本と同じような資産配分の変化をもたらすと指摘。「こうした新たな規制は日本化を増幅させるだろう」と話している。

By Richard Milne


【世界経済危機】米ウォール街で異変! 長期金利が歴史的低水準
2011.8.21 21:40
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110821/fnc11082121430004-n1.htm

 【ニューヨーク=松浦肇】米ウォール街では格下げを受けた米国債にマネーが集まり、長期金利が歴史的水準に低下する異変が起きている。背景には欧州発の金融不安と米景気の二番底リスクが重なり、デフレ懸念が強まった事情がある。これにより商品、株式が売られ、欧州各国の国債も格下げリスクにさらされており、「消去法」で米国債が選ばれているのだ。

 先週19日、ニューヨークに隣接するニュージャージー州で講演したニューヨーク連銀のダドリー総裁は、聴衆の地元ビジネスマンから、「欧州銀行の経営は大丈夫か」との質問を受けた。英HSBCやスイスのUBSなどは米国内で個人向けビジネスも展開しており、米国では欧州銀の信用不安が米景気に飛び火するリスクが恐れられている。

 実際、ウォール街でも欧州銀株は全滅に近い。年初来高値からの下落幅は、仏ソシエテ・ジェネラルが60%、独ドイツ銀で42%、スペインのサンタンデルでも31%。イタリアなど新たに財政危機に陥った欧州諸国への与信を抱えた欧州銀の一角には、経営危機説も出ている。ユーロ圏25行の時価総額を合計しても、米アップル社の時価総額程度にすぎない。

 リスク資産を減らすため、欧州銀はウォール街での株式、商品売買などの事業を縮小し、手元流動性を増やしている。資金は流動性の高い米国債で運用され、結果として米国の金利市場は記録ラッシュだ。

 18日に10年物の国債利回りが取引時間中に1・97%まで低下(価格は上昇)し、1950年以来となる2%割れを演じた。翌19日は30年物国債の利回りが急低下して、1週間での低下幅は金融危機のあった2008年以来となる0・34%を記録した。このため、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)による住宅ローン金利(30年)は4・15%と71年以来の歴史的低水準となっている。

 短期金利が政策的に低位安定する一方で長期金利が低下する現象は、「金利曲線の平坦化(フラットニング)」と呼ばれ、典型的なデフレ経済の金融現象だ。最近はモルガン・スタンレーなどのエコノミストが相次いで米経済見通しを下方修正しており、更なる金利低下を予見して「金融機関のトレーダーが国債の売り惜しみを始めた」(仏ナティシス銀行)という。

 格下げお構いなしの国債人気にフラットニング。90年代半ば以降の日本経済とうり二つである。

_ ロッキーホラーショー ― 2011/08/24 18:36

こんなのも。HSBCのエコノミストStephen Kingさん、今や斯界のホラー語り部
http://www.investmentexecutive.com/client/en/News/DetailNews.asp?Id=59326&IdSection=148&cat=148
West is increasingly looking like a bad version of Japan, HSBC economist says

今や、「意伝子」に組み込まれてしまった「アメリカは日本」
@jmackin2 James Mackintosh
Interesting that today's meme is US=Japan. Big HSBC note from Stephen King arguing it, Morgan St's Stephen Roach on CNBC too.

_ Y-SONODA ― 2011/08/25 08:38

ロッキーホラーショーさんへ

>HSBCのエコノミストStephen Kingさん、今や斯界のホラー語り部

ほうほう、なにやら1930年代にも言及しておりますなぁ。

そう言えば日経さんがまた追いかけてきました。
今朝の日経にはドカンと「日本化(ジャパナイゼーション)」。
その記事を貼り付けておきますね。


<関連記事引用>

米国で広がる「日本化」懸念 格下げや内政停滞で
2011/8/24 22:06
http://s.nikkei.com/qhgziI

 米国で経済の「日本化(ジャパナイゼーション)」を危惧する声が強まっている。バブル崩壊後の格下げとバランスシート調整、さらに内政停滞という幾重もの苦境が、超低金利・低成長に陥った1990年代半ば以降の日本の姿とダブるためだ。人口の安定的な増加やデフレ懸念後退など、日本との相違点も多いが、米の自信喪失ぶりが色濃く表れている。

 「恐らく米は日本と同じ」。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は最近、98年秋のトリプルA喪失後の日本の「失われた10年」を引き合いに米経済の先行きの暗さを分析した。フォーブスなど米有力誌も相次ぎ「日本化」特集を組み、懸念の広がりを浮き立たせている。

 債務上限問題を巡る深刻な党派対立でオバマ政権の支持率は急落。危機時に求められる政治指導力の欠如は日米共通の課題だ。国内総生産(GDP)比でみた米の借金は12年に100%を突破する見込みで、財政の制約も強まる一方だ。

 バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は6月下旬の会見で、「(家計の)バランスシートの弱さは思った以上だ」と発言。日本と同様、消費の重荷となるバブル後の過剰債務解消を背景に、米景気停滞が長びく恐れを示唆した。

 さらにFRBが2013年半ばまでの実質ゼロ金利政策継続を打ち出したことで、米当局者らは長期量的緩和に突き進んだ日本の「いつか来た道」を意識せざるを得なくなっている。実際、追加緩和観測と米国債への資産逃避で米長期金利は急低下しており、底ばい状態が続く日本にさや寄せしつつある。

 ニューヨーク連銀が最近まとめた論文によると、特に国債市場では国際的な金融政策や市場の動きが相互に及ぼす影響が強まっている。米の拡張的な金融政策や債務危機の結果、日米欧の超低金利の均衡が長引く可能性もある。

 一方で、日本との相違点も多い。移民などをテコに米国の総人口は約年1%という先進国では驚異的なペースで伸びている。この10年で東京都2つ分もの人口が増えた計算だ。急速な人口減と高齢化に見舞われる日本に比べ、米の成長潜在力は格段に大きい。FRBの量的緩和効果もあってデフレ懸念も遠のいている。

 90年代半ばに1ドル=80円を超える円の急騰や深刻な不良債権問題、株・土地をはじめ1200兆円超に上る資産価格の下落を経験した日本と比べ、なお多くの強みを持つ米経済が日本と同じ道を進むとは一概には言えない。それでも期待成長率の低下を背景に新規投資の低迷などが続けば、将来をけん引する産業が育たない恐れはある。

(ワシントン=矢沢俊樹)

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