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東芝、スイスのスマートメーター大手・ランディス・ギア(LG)買収へ2011/05/17 08:17

東芝、スイスのスマートメーター大手・ランディス・ギア(LG)買収へ 


<関連記事引用>

東芝、スマートメーター大手を買収へ 買収額2千億円
2011年5月17日5時1分
http://www.asahi.com/business/update/0517/TKY201105160691.html

 東芝は16日、次世代送電網「スマートグリッド」に不可欠なスマートメーター(通信機能付き電力量計)製造大手のランディス・ギア(LG)を買収する方向で、LG株の大半を握る豪州のファンドと最終調整に入った。これまでの入札で、東芝が優先交渉権を得ており、早ければ週内にも大筋で合意する見通しだ。

 実現すると、買収総額は約2千億円になる見込み。東芝は過半を出資するとともに、官民ファンドの産業革新機構や他企業からも出資を募る意向だ。2度の入札の結果、東芝が優先交渉権を獲得し、現在、詰めの協議を続けている。

 スマートグリッドは、家庭や工場に設置したスマートメーターから電力消費に関する情報を通信回線を通じてリアルタイムに発電施設などに送信し、発電を効率的に調整する仕組み。温暖化対策として今後、太陽光や風力など再生可能だが不安定なエネルギーの普及が進むのに応じ、電力供給の安定化のためにスマートグリッドや、その核となるスマートメーターの普及が不可欠になる。

 東京電力福島第一原発事故の影響で成長の柱に据えた原子力事業の先行きが不透明になるなか、東芝は今回の買収をてこに、再生可能エネルギーを活用するスマートグリッド事業を世界規模で拡大したい考えだ。既存の電力メーターはいずれスマートメーターに置き換わるとみられており、LGを買収すれば欧米での販売網などが強みになる。

 LGはスイスに本社を置き、1896年に創業。2004年に豪州のファンドが株式の大半を取得したが、売却する方針を固め、入札を実施していた。電力メーター市場では世界シェア1割超を握る最大手。特に高機能のスマートメーターでは世界市場の約3分の1を握り、08年の売上高は約1100億円に上る。

 野村証券金融経済研究所の試算では、10年~30年のスマートメーター市場への累計投資額は日米欧で計390億ドル(約3兆2千億円)になる見込み。東日本大震災と福島原発事故の発生によってさらに加速するとみられている。東芝は昨年度に公表した経営計画で、スマートグリッド関連の売上高を15年度に1千億円にすることを目指していた。


次世代送電網関連、東芝、スイス社買収へ応札、GEも意欲、落札額2000億円前後
2011/05/10 日本経済新聞 朝刊 (画像引用)

基幹技術の取得狙う

 東芝はスイスのスマートグリッド(次世代送電網)関連企業、ランディス・ギアの売却を巡る入札に参加する。米ゼネラル・エレクトリック(GE)など欧米企業も買収に意欲を見せており、最終的な落札額は2000億円前後になる見通しだ。IT(情報技術)を活用して一般家庭などの電力を効率利用するスマートグリッドは、地球温暖化対策の切り札として世界の有力企業が事業化にしのぎを削る。電力計など基幹技術を握る企業の争奪戦も激化してきた。

 買収対象のランディス・ギアはスマートメーター(次世代電力計)の製造大手で、1896年の創業。世界30カ国以上に拠点を持ち、従業員数は5000人以上にのぼる。2008年の売上高は13億6000万ドル(約1100億円)。

 現在はオーストラリアのバヤード・キャピタルが大半の株式を保有しているが、このほど株式売却を決め、入札を実施した。関係者によると東芝、GEが応札したほか、米機械大手のハネウエル・インターナショナル、スイスのエンジニアリング会社であるABBなどが関心を示している。

 各社ともランディスが持つ世界的な販売網や、発電・送変電システムとつなぐ通信技術などを取り込み、事業拡大につなげたい考え。東芝は単独の応札だが、入札で競り勝った場合は官民ファンドの産業革新機構や欧米企業と連携することも検討する。

 東芝は原子力事業を経営の柱に据えてきたが、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、国内外で原発新設計画の凍結や修正が相次ぐ可能性がある。

 一方、太陽光発電や風力発電などを組み合わせて電力を効率よく使うスマートグリッドの関連市場は拡大が続いており、東芝は電力関連事業のすそ野を広げる必要がある。

 東芝は09年に、仏アレバの送変電事業を6000億円超で買収しようとしたが、仏重電のアルストムに競り負けた経緯がある。送変電システムや電力計はスマートグリッドの中核技術で、世界展開するには企業買収が有力な手段との見方は多い。

 ▼スマートメーター 双方向の通信機能を持つ電力計。家屋やビル、工場などの電力消費状況をリアルタイムで把握。データを電力会社が集計して、電力を効率的に供給するスマートグリッド(次世代送電網)の運用に役立てる。

 電力会社の検針業務を自動化できるほか、消費者も家庭内の電力消費が分かる。

 将来は家庭の太陽光発電などとつなげて発電所の運転を調整する機能などを備える可能性がある。

 調査会社のIDCジャパン(東京・千代田)によると、世界のスマートメーター市場は2010~15年に年平均で13%成長し、この間の総出荷台数は4億6090万台に達する見込み。


<関連サイト>

Landis+Gyr worldwide
http://www.landisgyr.com/en/pub/home.cfm