参院予算委員会:原子力委員会の青山繁晴専門委員=「全てではないが多くのものが人災だ」 ― 2011/05/14 08:43
<関連記事引用>
福島原発事故「多くが人災」=原子力専門委員が指摘
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011051301056
原子力委員会の青山繁晴専門委員は13日の参院予算委員会に参考人として出席し、東京電力福島第1原発事故について「津波の直撃を受けた段階では、原子炉建屋はまだしっかりとしていたが、その後の判断ミス、対応の遅れによって水素爆発が起き、放射性物質が漏えいした。全てではないが多くのものが人災だ」との見解を示した。自民党の衛藤晟一氏への答弁。
青山氏は4月下旬に福島第1原発を視察し、吉田昌郎所長らから聞き取り調査を行った。<菅直人首相が東日本大震災発生翌日の3月12日に原発を視察したことに関し、青山氏は格納容器から気体を放出するベントの指示の9分前に首相視察に関する指示が東電本社から現場にあったと説明。「(ベント)作業に加えて首相を迎える準備が必要だったことは間違いない」と述べた。(2011/05/13-20:16)
参院予算委の質疑
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2011051301112
13日の参院予算委員会での質疑要旨は次の通り。
【浜岡原発停止要請】
山本順三氏(自民=愛媛) 中部電力浜岡原発への停止要請は法的根拠がない。
菅直人首相 私の政治判断、(海江田万里)経済産業相を含めた政治判断であり、評価は歴史の中で判断してほしい。
山本氏 首相の決定は、他の原発立地地域にも大きな影響を及ぼしている。
首相 東京電力福島原発の事故の調査を通して、(他の原発の安全対策も)これまでの基準がそのままでいいということにはならない。(浜岡原発は)地震の可能性が突出して高いところに立地し、緊迫した状況にある。国民の安心、安全にとって必要と考えた。
【福島原発事故】
今野東氏(民主=比例) 福島原発1号機は(圧力容器に穴が開いているとみられ)予想以上に深刻だ。
経産相 原子炉の100度以下への冷却を目指しているが、今は105~110度の状況だ。正確な情報を収集し、さらなる安定化に努力する。
今野氏 原発設置時の国の安全審査指針はどうなっているのか。
班目春樹原子力安全委員長 (指針に)問題があったことは確かで、早急に見直したい。
衛藤晟一氏(自民=比例) 福島原発事故はどこまで人災か。
青山繁晴原子力委員会専門委員 津波の直撃を受けた段階では、原子炉建屋はまだしっかりとしていたが、その後の判断ミス、対応の遅れによって水素爆発が起き、放射能が漏えいした。全てではないが多くのものが人災だと考えるべきだ。
今野氏 政府のエネルギー基本計画は白紙に戻して議論するのか。
首相 今回の事故の調査委員会の徹底的な検証を踏まえて白紙から見直す必要がある。今回の事故を大きな教訓として世界で最も自然エネルギーと省エネが進んだ国(になる)という方向性を示すことが必要だ。
中西健治氏(みんな=神奈川) 東電で年金削減の検討は行っているか。
清水正孝東電社長 現時点では考えていない。
中西氏 清水社長の答弁でいいのか。
首相 国民の納得が得られるか、東電自身できちっと判断していただきたい。
【二重ローン救済策】
大門実紀史氏(共産=比例) 被災地の中小企業の二重債務解消のため、債権を買い取る新機構をつくってはどうか。
首相 しっかりと検討したい。(2011/05/13-21:24)
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