在日外国人参加の民主党代表選は外国人地方参政権への布石となるのか ― 2010/07/19 10:08
9月に行われる民主党代表選は8年ぶりに党員・サポーターが参加する本格的なもの。党員・サポーター登録は毎年5月末で締め切られ、朝日新聞によれば今年は約35万人が登録したとのこと。
約35万人の中に在日外国人がどれほどいるのかが大いに気になる。しかも、おそらく民主党でさえもその人数を把握できていないであろうという恐怖がある。
なぜなら、少なくとも民主党HP上の申し込みフォームの項目に在外邦人向けと思われる「居住国」はあっても「国籍」はなし。国籍を確認していないのだから、在日外国人であるかどうかは民主党もわからない。
民主党らしいのは党員、サポーターいずれも「在外邦人または在日外国人の方でもOK」と謳っていること。党員資格に国籍制限がないのは他に公明党と社民党など。それでも一応社民党は「日本に3年以上定住する外国人」としている。
民主、公明、社民とくれば、当然揃って旗振り役となっている外国人地方参政権の行方が気になる。民主党の推進派急先鋒の山岡賢次の「錦の御旗」発言で話題を集めた今年1月の在日本大韓民国民団(民団)中央本部の新年会も3党揃って出席していた。
ここでも鍵を握っているのは小沢一郎。9月の民主党代表選に備えるかのように党員・サポーター集めを徹底してきたのが小沢グループ。小沢もまた表向きは推進派として知られている。
そして、外国人地方参政権付与法案について「韓国政府サイド、在日の方々からも要求が非常に高まってきている」と述べ、法案推進の理由に韓国側の要請があることを認めたのも小沢。
韓国側の要請を受けた小沢グループが在日系の方々を対象に熱心な党員・サポーター集めをしていた可能性も排除できない。
在日外国人参加の民主党代表選は外国人地方参政権への布石となるのだろうか。しかし、この問題は小沢と公明党とのパイプを強化できても、自民党とのパイプをぶっ壊しかねない。
消費税増税問題と並んで外国人地方参政権問題でも自民との大連立をめぐる民主党内の駆け引きが行われそうだ。
その結果、民主党も右と左に大分裂。以前から指摘してきたようにガラガラポンの政界大再編につながる可能性が浮上。その時の小沢のポジショニングに注目したい。小沢とて若干右寄りに修正してくるだろう。
しかし、その前に小沢は孤独死するかもしれない。民主党内にも小沢の強制起訴ありと見ている人が多数との情報を入手。「強制起訴」という爆弾を抱えたままではどこにも引き取り手はいない。
<関連サイト>
民主党 web-site「民主党党員・サポーター募集」ページ
http://www.dpj.or.jp/sub_link/volunteer/index.html
党員、サポーターいずれも「在外邦人または在日外国人の方でもOKです。」
民主党:入党のお申込み
https://form.dpj.or.jp/touin/
民主党:サポーターのお申込み
https://form.dpj.or.jp/supporter/
公明党
http://www.komei.or.jp/faq/index.html#anc06
公明党の綱領及び規約を守り、政策および諸決議を実現するために党活動に参加しようとする18歳以上の人は、国籍を問わず党員になることができます。
社会民主党
http://www5.sdp.or.jp/central/03tousoku.html#02
本党の党員は、党員及び協力党員とし、本党の基本理念及び政策・党則に賛同する18歳以上で日本国籍を有する者及び18歳以上で、日本に3年以上定住する外国人で、入党手続きを経た者とする。
自由民主党
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/tousoku/tousoku-1.html
本党は、本党の目的に賛同する日本国民で、党則の定めるところにより忠実に義務を履行するとともに、国民大衆の奉仕者として積極的に党活動に参加するものをもって党員とする。
日本共産党
http://www.jcp.or.jp/jcp/Kiyaku/
十八歳以上の日本国民で、党の綱領と規約を認める人は党員となることができる。
みんなの党
http://www.your-party.jp/about/rule.html
本党の党員は、本党の基本理念および政策に賛同する18歳以上の個人(日本国籍を有するものに限る。)で、入党手続きを経た者とする。
国民新党=不明
<画像引用>
■小沢一郎ウェブサイト■「民主党党員・サポーター募集」ページ
https://www.ozawa-ichiro.jp/support/supporter/mail.cgi
<関連記事引用>
「決戦9月代表選」 小沢氏擁立論も 両院議員総会30日開催へ(画像も引用)
2010.7.15 06:40
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100715/stt1007150641002-n1.htm
菅首相、謝罪で追及回避
参院選大敗の民主党内に、奇妙な静けさが漂っている。党執行部は14日、参院選の敗北を総括する両院議員総会を臨時国会召集予定日の30日に開催する方針を固めた。そこには、総会までの2週間で党内のほとぼりを冷まし、責任論をかわす思惑がある。また、菅直人首相はひたすら低姿勢に徹して難局を乗り切ろうと懸命だ。これに対して、首相に批判的な小沢一郎前幹事長の周辺は、今、勝負をかけなくとも、9月の党代表選で勝てると自信を深めている。党内では、「本当の決戦は9月」が共通認識になりつつある。
執行部が臨時国会初日に総会を設定するのは、国会日程の都合で総会を時間切れに持ち込み、責任追及を抑える思惑があるとみられる。また、参院選から約20日間の日をおき、所属議員の不満が沈静化する可能性を狙ったふしもある。
そんな仕掛けの一方、首相は14日に支持団体・連合の古賀伸明会長に参院選敗北を謝罪するなど、頭を下げることで党内や関係団体を懐柔し、逆風をやり過ごそうとしているようだ。
「政権運営は大変難しくなっていくので、今後は慎重にしなくてはいけない。小沢さんとは連絡をとっているが、まだ会える日程が決まっていない」
首相は同日、小沢氏と親しい稲盛和夫内閣特別顧問を首相官邸に招き、大敗を陳謝した上で、こう伝えた。首相は同日夜、記者団に「今までお会いした代表経験者には、私の消費税に関する発言で大変重い選挙になったことをおわびした。小沢さんにお会いできれば同じような形で申し上げたい」と述べた。
首相が小沢氏との会談を要望しているのは、9月の代表選での再選に不安を感じているからだ。
だが、小沢氏周辺では「会う必要はない」(中堅)との意見が強い。
小沢氏周辺の強気の姿勢には、今回の代表選に党員・サポーターも参加することが関係している。代表の突然の辞任時などは両院議員総会での所属議員だけの投票で代表選が実施されることが多いが、任期満了に伴う今回は平成14年以来、8年ぶりに党員投票を含む正式な形で実施される。
選挙はポイント制。衆院の小選挙区ごとに1ポイントが配分され、党員・サポーター投票の結果、最多得票候補が、その選挙区の1ポイントを獲得する。地方議員は全体で100ポイントで、得票数に応じて各候補者に振り分けられる。党所属衆院議員306人(横路孝弘議長を含む)、参院議員106人(江田五月議長を含む)は1人2ポイントを持ち直接投票する。
党員・サポーターの対象は在日外国人を含む18歳以上。党員は6000円、サポーターは2000円を支払う。昨年5月末現在の登録人数は約26万1200人で、今年分は未集計だ。
小沢氏は、早々と布石を打っていた。党員・サポーターが代表選に参加するには、毎年5月末までの登録が必要だが、小沢グループは登録締め切りまで懸命にサポーター獲得に奔走。小沢氏支持議員は「おれたちのグループは党員・サポーター票は負けない」と自信を示している。
小沢氏に近い松木謙公国対筆頭副委員長は14日の民放BS番組収録で、露骨な小沢待望論をぶち上げた。
「小沢氏に出てもらいたい。政策を重んじる人なので、それを武器に首相になり、(政策を)実現してほしい」
菅代表、再選に高い壁…小沢氏出馬求める声も
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100718-OYT1T00389.htm?from=top
民主党は、9月の菅首相(党代表)の任期満了に伴う代表選に向け、準備を進めている。
党内には参院選大敗の責任論がくすぶっており、菅氏の代表再選のハードルは高い。
◆野党とのパイプ◆
「党内は、菅首相が『ねじれ』を解消できる器かどうかを見ている。もし『小沢(一郎前幹事長)氏の方が野党とパイプがある』と思われたら、代表選で負けますよ」
首相に近い閣僚は最近、首相にこんな助言をした。衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」を、野党との連携で乗り切る道筋を示せるかどうかが代表選でのカギになるという見方を示したものだ。首相は黙って聞いていたという。
こんな話が出るのも、首相側が小沢氏を代表選の対抗勢力として強く意識しているからだ。小沢氏は所属していた自民党はもちろん、公明党にも強いパイプを持っている。
首相自身は代表選への対応をまだ明らかにしていないが、参院選での大敗後も続投したことで、再選の意欲を疑う向きはない。首相を支持するグループの議員は、「再選後に内閣改造・党役員人事を行い、参院選で落選した千葉法相の後継などを決めて再出発する」という構想を描いている。
◆検察審◆
問題は、党内の4割近い150人前後とされる、小沢氏のグループの出方だ。
小沢氏の側近議員の多くは、「選挙で大敗したのに、首相が責任をとらないのは認められない」と対抗馬擁立に意欲を示している。「小沢氏に出てもらいたい」(松木謙公国会対策筆頭副委員長)という声も少なくない。同グループには、小沢氏に次ぐ明確な「ナンバー2」が不在で、菅首相が勝った6月の代表選でも、対抗馬選びで混乱した経緯がある。小沢氏自身の出馬が最も自然で、勝つ可能性も高いというわけだ。
ただ、小沢氏本人は、政治生命にかかわりかねない懸案を抱えている。資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件に関する東京第5検察審査会の2度目の議決だ。議決は代表選後になるという見方が強まっているが、仮に「強制起訴」という結果になれば厳しい世論の批判を招くのは確実であるだけに、小沢氏は自ら出馬するかどうか、難しい判断になる。
両陣営の間では、すでに「前哨戦」が始まっている。首相を支持する前原国土交通相のグループ(約60人)の議員十数人は14日夜、都内で会談した。同グループに所属する枝野幹事長に出席者の一人が、「当選回数別に議員と懇談したらどうか」と提案し、枝野氏も「それはいい」と応じたという。首相に近い枝野氏が各議員と親しくなることで、首相への支持を拡大する狙いがあるようだ。一方、小沢グループの中堅議員の有志数人も同夜、都内の料理店に集まり、代表選の準備を進めることを確認した。
◆河野氏と安倍氏◆
ただ、現実には、国政選挙で敗れた与党の党首がその地位を維持するのは容易ではない。
村山政権下の1995年7月の参院選で、与党の自民党は新進党の躍進を許したが、河野洋平総裁は9月の総裁選に出馬の意欲を示した。しかし、党内の責任論を払拭(ふっしょく)できず、出馬断念に追い込まれた。2007年7月の参院選で大敗した安倍首相も続投を表明し、内閣改造も行って政権浮揚を狙ったが、党内の批判に耐えきれず、体調不良もあって同年9月に退陣した。
みんなの党の江田幹事長は13日の記者会見で、河野氏や安倍氏の例を引いたうえで、「参院選で民意が示されたにもかかわらず続投を表明するといった、民意を無視した政権の末路がどうなるかは、歴史が教えている」と菅首相を批判した。
首相周辺には「小沢氏に協力を求め、代表選を回避したらどうか」という声もあるが、小沢氏のグループは主戦論に傾いており、実現は難しそうだ。(政治部 杉田義文、向井ゆう子)
民主代表選8年ぶり党員参加、首相続投「組織票」カギ、小沢氏周辺、対抗馬も。
2010/07/19 日本経済新聞 朝刊
9月の民主党代表選は、8年ぶりに党員・サポーターが参加する本格的な形になる。03年の自由党との合併後は初めて。菅直人首相(党代表)は再選をめざしているが、小沢一郎前幹事長を支持するグループ内では対抗馬を擁立しようという機運が高まっている。全体の約4分の1の重みを持つ党員・サポーター票が勝敗のカギを握る可能性がある。
鳩山由紀夫前首相の辞任に伴う6月の代表選は両院議員総会で国会議員だけが投票した。通常国会の会期末で、参院選も迫っていたためだ。9月は地方議員票と党員・サポーター票が加わる。参院選で「敗軍の将」となった首相の再選は簡単ではない。
攻める側の小沢グループはかねて、党員・サポーター集めを徹底し、小沢氏に批判的な前原誠司国土交通相の地元の京都も含めて勧誘活動に精を出してきた。小沢氏が1995年の新進党党首選で羽田孜氏を破ったのは、一般参加者の票の差だった。計300ポイントの党員・サポーターは1人2ポイントを持つ国会議員150人分と同じ重みがあることを意識している。
鳩山、菅、横路孝弘、野田佳彦の4氏が争った8年前の民主党代表選の勝敗を分けたのも党員・サポーター票で、民間労組の組織票が鳩山氏再選の原動力になった。昨年の政権交代後は業界団体から党員・サポーターに入る例もあるとみられ、今回も「組織票」がものをいう可能性が高い。
ただ、組織の規律は従来より緩んでおり、一枚岩ではない可能性もある。01年の自民党総裁選の予備選は最大派閥が擁立した橋本龍太郎氏が有利とみられたが、地方の支持を集めた小泉純一郎氏が圧勝した。
小沢氏に反発する渡部恒三元衆院副議長は「小沢君は堂々と立候補したらいい」と、首相との直接対決を促している。
日程巡り綱引き
すでに、代表選の日程を巡って綱引きが始まっている。首相周辺が党に提示しているのは9月5日投票案。再選後、内閣改造と党役員人事を断行して、同13日に臨時国会を召集する構想だが、小沢氏に近い勢力からは「対抗馬擁立の時間を与えないためではないか」と勘繰る声も出ている。
8月の月遅れ盆までに有権者名簿を確定させるのは難しいとして、9月12日投票とする案もある。その場合、首相の米国訪問などの外交日程が絡むため、臨時国会召集は下旬以降にずれ込み、法案処理が窮屈になるおそれがある。
7月20日の党常任幹事会で、代表選日程を協議する。日程確定の遅れ自体が執行部の求心力低下の表れとの見方もある。
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