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<次のギリシャに怯える世界>日本巻き込み競い合う財政再建策、公務員に受難迫る2010/06/23 08:38

日経:英、消費税20%に上げ 財政赤字GDP比1%に


次のギリシャに怯える世界。ヘッジファンドや核付け会社に狙われてなるものか。今や日本をも巻き込み財政再建策を競い合っている。

米欧主要メディアの論調を見ているとほぼ順番が決まっている模様。今年から来年にかけては欧州が主役。まもなくソブリン・リスクから銀行危機へと発展する可能性が高い。

欧州の次は英国、米国、日本。特に今明らかに狙われているのは英国。先月の総選挙で発足したキャメロン政権は緊急予算案を発表。消費税に相当する付加価値税の基本税率を2011年1月に2.5引き上げ20%。さらに銀行新税などの増税策と子供手当や福祉給付カットなどの歳出削減を組み合わせるとのこと。

英国の緊急予算案は日本に負けてなるものかという気合さえ感じさせる。

そして今日本で話題の「消費税引き上げの前にやることがあるだろう」も各国共通。公務員削減の嵐はギリシャを皮切りにフランス、ドイツ、ポルトガル、スペインへと飛び火し、英国の緊急予算案でも公務員給与の2年間昇給凍結が含まれる結果になった。

公務員受難の時代が到来。ギリシャがお手本を示したように労組の反発は必至。大規模ストが世界各地で連発し、当面混乱が続くものと思われる。

それでも日本には「ギリシャと違い日本の国債の95%を国内で保有しているから大丈夫。ギリシャと同じに扱うな。」と叫ぶ人が多い。

この95%神話の崩壊も時間の問題。その日は5年以内にやってくる。ヘッジファンドは日本国内の金融資産で国債を支えられなくなる日を楽しみに待っている。

とはいえヘッジファンドが面白みを感じていないことも事実。なぜなら国債の95%を国内で保有しているということは、危機に瀕した際の痛みもほぼすべて日本人に降りかかることがわかっているから。

おそらく自爆し焼け野原のなった後に黒船が大挙して日本に押し寄せてくるのだろう。それもまたあの時と同じ構図。


<関連記事引用>

日経:英、消費税20%に上げ 財政赤字GDP比1%に (画像引用)
11年に 銀行新税も導入 法人税は引き下げ
2010/6/22 22:48
http://goo.gl/2Eb5

英政府が発表した財政再建策の骨子
2015年度までに財政赤字のGDP比率を10.1%から1.1%に下げ
毎年300億ポンド(約4兆円)の歳出を削減
付加価値税を11年1月に17.5%から20%に引き上げ
銀行新税を11年1月から導入
法人税率を15年までに28%から24%に引き下げ

 【ロンドン=吉田ありさ】英国のキャメロン政権は22日、付加価値税(消費税に相当)の基本税率を2011年1月に2.5%上げ20%とすることを柱とする緊急予算案を発表した。銀行新税などの増税策と子供手当や福祉給付カットなどの歳出削減を組み合わせ、10年度に10%を超える財政赤字の国内総生産(GDP)比率を15年度までに1%に下げる。ギリシャのような信用不安の波及を防ぐため、先進国の中でも最も厳しい緊縮財政に取り組む。

 英議会で同日、予算案を発表したオズボーン財務相は「ユーロ圏の財政危機が赤字削減を急ぐ重要性を示した」と述べ、主要国で最も急ピッチで赤字を削減する必要性を改めて訴えた。歳出削減では子供手当の3年間停止や福祉給付の抑制、公務員の賃上げの2年凍結などにより、年300億ポンド(約4兆円)と、赤字削減の8割弱を捻出(ねんしゅつ)する。

 銀行新税は独仏と歩調を合わせ資産規模に連動する形で11年から導入する。景気への影響を和らげるため、法人税の基本税率を14年までに28%から24%に引き下げる。付加価値税引き上げで打撃を受ける中低所得者対策として、所得税の課税最低限を引き上げる一方、高所得者層を対象に資産譲渡益課税を引き上げる。


日経:英、緊縮財政へ舵 信用不安回避へ荒療治
消費税20%に
2010/6/22 23:08
http://goo.gl/PIbN

 【ロンドン=吉田ありさ】英国のキャメロン政権が22日、「戦後最大の赤字」削減付加価値税(消費税に相当)の20%への2.5%引き上げを含む緊急予算案を発表し、緊縮財政へと大きく舵(かじ)を切った。1980年代のサッチャー政権以来の大胆な財政再建により、2015年度までに20カ国・地域(G20)で最も悪化した財政を立て直し、新たな成長路線への復帰を目指す。ただ福祉カットなど国民の反発の強い措置も含み、道筋は容易ではない。

 急きょ路線転換するのはユーロ圏の信用不安が波及する恐れが表面化したため。英国は国債消化を海外投資家に依存しており、市場の信認を失えば、たちまちギリシャ型の危機に陥るリスクと背中合わせだ。金融危機後の財政悪化に大手格付け会社は英国債の格下げの可能性を警告していた。

 連立与党が議会の過半数を握る英国では、財務相の一存で増税も即日実施できる。5月に政権交代したことで、増税など国民に痛みを伴う施策も「(前政権の)支出拡大の結果、避けられなくなった」として断行する。

 赤字削減策の8割弱は歳出削減で捻出(ねんしゅつ)。増税も付加価値税を柱とすることで景気への影響に配慮した。増税で打撃を受ける低所得層の不公平感を和らげるため、銀行新税や高所得者の資産譲渡益課税引き上げなど富裕層の負担増を盛り込んだ。

 10年度の支出総額は6970億ポンド(約93兆円)。このうち税収などの収入で賄えない1490億ポンドの赤字を15年度には200億ポンドに削減する。実質成長率は10年の1.2%から15年は2.7%に持ち直すと予測した。

 赤字削減幅は「毎年、国内総生産の約2%相当する」(キャピタル・エコノミクスのジョナサン・ロインズ氏)。市場では「対策は予想通り」(バークレイズ・キャピタル)との声が多いが、90年代のスウェーデンやカナダと比べても急ピッチな取り組みに「景気回復の芽を摘む恐れがある」(アンドリュー・スミスKPMG主任エコノミスト)と計画遂行を懸念する声もある。

 南欧各国に続きドイツ、英国と欧州主要国も財政再建に転じ、中間選挙を控え景気刺激策を維持する米国との距離感が広がる。オバマ米大統領はG20各国に「財政再建を急ぎ過ぎると景気が再び失速する懸念がある」との書簡を送っており、カナダでのG20首脳会議では世界景気の下支えへ各国に景気対策の継続を求める米国と日欧アジアとの調整が焦点となる。


欧州財政再建へ公務員大幅削減、ポルトガル7.3万人、仏は人件費10%。
2010/06/19 日本経済新聞 朝刊

労組の反発根強く

 【パリ=古谷茂久】財政赤字が膨らんでいる欧州諸国が公務員や公的部門の大幅人員削減に着手する。解雇は避けるが、退職者の補充を抑制して公務員の定員を減らすほか、公営企業の民営化を通じて公的部門を縮小する。公務員の人件費削減は各国の財政再建策の柱のひとつとなっているが、組合の反対も根強く実行には困難が伴っている。

 仏政府は公務員2人の退職に対し当面は1人しか採用しないことを決めた。計算では毎年約3万4千人の削減になる。公務員の人件費を2011~13年の間に10%減らす。10年の財政赤字は国内総生産(GDP)比で約8%に達する見込みで、財政不安が広がるスペインやポルトガルの水準に近い。仏政府はこの比率を13年までに欧州連合(EU)が求める3%に圧縮する目標を掲げている。公務員の人件費削減は歳出削減の2~3割を占めるとみられ、財政再建の柱となっている。

 ドイツ政府は14年までに800億ユーロ(約8兆8000億円)の歳出減を打ち出した。28万人いる連邦政府の職員のうち1万5000人を削減する。これに加えて防衛部門で約4万人削減する。

 ポルトガルは当面、公務員2人の退職に対し補充を1人に抑える。公立学校の閉鎖・統合で教員も減らす。11年から4年間で公務員の約1割にあたる7万3000人の削減になる。このほか電力、航空、製紙など公営企業の民営化も進めて公的部門の人員を減らす。

 スペインは退職者10人に対し1人しか採用せず定数を減らすほか、給与を平均で5%減額。英国は公務員の採用を11年3月まで凍結する。

 欧州は米国や日本に比べて経済全体に占める公的部門の割合が高い。仏では公的部門で働く人は全就労者の約2割を占める。民間部門に比べ非効率と指摘されており、各国政府は公営企業の民営化も進め、経済効率の向上をはかる狙いもある。

 ただ公務員の削減には関連する労働組合が反対しており、スペイン、ポルトガルでは大規模なストが実施された。仏労組も24日のストを呼びかけている。公務員改革が頓挫すれば財政再建の手がゆるんだと見なされて市場の不安を再燃させる恐れがある。

【表】欧州各国の公務員削減計画   

フランス   採用減などで毎年3万4000人削減
ドイツ    連邦職員を1万5000人削減。公務員のクリスマス手当など削減
ポルトガル  採用減で7万3000人削減。給与増凍結、幹部の給与は5%減
スペイン   約230万人の公務員の給与5%減
ギリシャ   公務員の給与増凍結。賞与削減