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<ゲバゲバ復活>「エコの銭ゲバ」パチャウリ博士、知らぬが仏の鳩山首相(総合情報誌[ザ・ファクタ]より)2010/03/25 06:02

<ゲバゲバ復活>「エコの銭ゲバ」パチャウリ博士、知らぬが仏の鳩山首相(総合情報誌[ザ・ファクタ]より)


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「エコの銭ゲバ」パチャウリ博士
http://facta.co.jp/

世界の環境派が青ざめた「ノーベル平和賞」IPCC議長の仮面。暴いた英紙記者が本誌に特別寄稿した。

2010年4月号 [ノーベル平和賞の汚点]
by リチャード・ノース博士

人はこう言うかもしれない。リコールの嵐に見舞われたトヨタさながら、世界の気候は「アクセルペダルが引っかかった状態」だと。過熱した地球は破滅へひた走っているからだ。でも、「世界をリードする気象学者」であるこの男は、そんな不穏な引き合いを口にするまい。なにしろ彼の事業には、太っ腹のトヨタ自動車がポンと数十万ドルを提供しているのだ。スポンサーのご機嫌を損ねるリスクを彼が冒すはずもない。

誰あろう、ラジェンドラ・パチャウリ博士――過去20年間、世界に地球温暖化の警鐘を鳴らして、誰よりも影響力を及ぼしてきた国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の議長である。つい3年前までこのインド人博士の名(友人はパッチーと呼んでいる)など、世界の大半の人が知らなかった。それが一夜にして有名になったのは、2007年に米国の元副大統領アル・ゴアと並んで、IPCC代表としてノーベル平和賞を受賞してからだ。


政府も企業も札束の山

世界中で引っ張りダコになった博士はここ数カ月、別の理由で耳目を集めている。昨年11月以来、IPCCと気候変動を支持する環境派のコミュニティーが、未曾有のスキャンダルに見舞われているからだ。

第一弾は「クライメートゲート」(気候疑惑)。気候変動研究では世界有数の拠点とされる「気候研究ユニット」(Climatic Research Unit)から大量の電子メールが漏洩。IPCC研究者のトップらがデータを故意に操作していただけでなく、隠蔽しようとしていたことを示すやりとりが明るみに出たのだ。

第二弾は、合意が得られなかったデンマーク・コペンハーゲンのCOP15(国連気候変動枠組み条約の第15回締約国会議)の後、IPCCそのものの信頼性を揺さぶることになる一連の事実が発覚したことだ。パチャウリのもとで発表されたIPCCの第4次報告書には、ヒマラヤの氷河が2035年までに消滅するなど、科学的根拠のない予測が盛られていたことが明らかになった。

そして別の理由で、パチャウリ博士個人も脚光を浴びている。博士がIPCCトップの地位を利用して、故郷のニューデリーを拠点に、世界を股にかけた何百万ドルものビジネス帝国を築き上げていたことが、最近になって暴露されたからだ。

パチャウリ博士はIPCCの議長職以外では、ニューデリーのファッショナブルな郊外に本部を置く「エネルギー資源研究所」(TERI)の所長を務めている。博士が世界で最も大きな影響力を持つ「気候の公僕」だというだけの理由で、トヨタばかりか、世界有数の企業や多数の政府がこぞってTERIと博士に気前よく札束を積んできたのだ。

パチャウリ博士はここ数年、地球温暖化を阻止する名目で日本を含む先進国に対し、経済成長を“リコール”し、温暖化のアクセルペダルから足を離して、途上国に何十億ドルもの賠償金を支払うよう、しきりと求めてきた。

しかし私と同僚のクリストファー・ブッカー記者は昨年12月、英日曜紙「ロンドン・サンデー・テレグラフ」の紙面で調査報道を行い、パチャウリ博士が近年、自分の財布を膨らますことに専ら意を注いできたという実態をスクープした。我々の取材によって、博士が高額報酬のコンサルタントや顧問を山のように引き受け、何千万ドルも受領していたことが分かったのである。トヨタも国際諮問委員会メンバーの報酬として8万ドルを支払っている。

驚くのはパチャウリ博士が関わった事業のスケールだ。中立公正の立場のはずの国連の公僕なのに、その事業ポートフォリオにはあいた口がふさがらない。02年4月にIPCC議長に就任して以来、彼の事業は世界を席巻している。

彼の肩書でもっともおいしいポストは、年50万ドル以上得られる米エール大学気候エネルギー研究所(YECI)の“ハーフタイム”所長職だろう。ほかに10億ドル規模のプライベートエクイティ(未公開株)ファンド「ペガサス・キャピタル・アドバイザーズ」の戦略顧問というポストもある。

さらに、サンフランシスコのベンチャーキャピタル「シデリアン」のシニア顧問委員会のメンバーにもなっている。シデリアンはドイツのテンドリス・ホールディングスと電器大手フィリップスが保有、博士は「最大級の人脈、地位、産業PR」をもたらすことが期待されている。

08年6月、アイスランド第3位のグリトニル銀行が「環境支援のため」に40億ドル規模の新しい預金口座「サステイナブル・フューチャー・ファンド」を開くと、その取締役にも収まった(編集部注=同行はリーマン・ショック後に政府管理下に入り、海外の顧客は払い戻しを受けられなくなった)。同時に「インドシナ・サステイナブル・インフラ・ファンド」の会長にも就任した。このファンドは民間から最低1千億ドル(約9兆円)を集めようとしている。


排出権取引所にも布石

それに先立つ同年4月、博士がクレディ・スイスの研究所の役員になると、TERIに2万5千ドルが入り、ロックフェラー財団の顧問に指名されると、同じくTERIに20万ドルの寄付が転がりこんだ。

5月にはジュネーブの国際リスクガバナンス機構(IRGC)の役員にもなっているが、この機構は看板とは異なり、主にバイオエネルギーの振興が目的で、欧州電力大手の独エーオンと仏EDFが出資者だ。同月にアジア開発銀行(黒田東彦総裁)の諮問委員会委員長になったが、アジア開銀はTERIが手がけた複数のプロジェクトにも資金提供している。ドイツ銀行では気候変動諮問委員会に入り、TERIに10万ドルが支払われた。博士はTERI本部が運営するアジアエネルギー研究所の所長も務めている。

気候変動“アドバイザー”として目をむくような千手観音ぶりだが、実は博士は気象学の学位を持っていない。専門はもともと鉄道工学で、後からノースカロライナ州立大学で配電と経済学で博士号を取得したにすぎないのだ。いまでも鉄道というルーツには接点があり、07年以来、フランス国鉄SNCFの政策顧問委員会の一員となっている。

最も驚くべきは、折にふれて世界の化石燃料依存を厳しく責めてやまない博士が、これまで石油・ガス産業振興のお先棒をかついできたことである。博士は昨年までインド最大のエネルギー会社ONGCの役員だった。同社は老朽化した油田の生産性向上を目的としたバイオテク研究のために600万ドル以上をTERIに支払っている。研究成果を利用して博士は06年にテキサスでONGCとの合弁会社グローリオイルを設立、今もその顧問を務めている。

博士がONGCの取締役を降りる2カ月前、国連がスポンサーである30億ドル相当の事業の入札に同社は名乗りをあげた。イラクのサダム・フセインがもたらしたクウェートの油田汚染を浄化する事業である。ONGCはこの事業についてインドのメディアに対し「今後3、4年で21億ドルの収入が期待できる」と説明しているが、博士の利益相反には素知らぬ顔をしている。

この驚異的なポートフォリオでも、ユビキタスな博士はまだ足りないらしい。さらにシカゴ気候取引所(CCX)の外部顧問委員会にも加わっている。CCXは、08年に推定1260億ドルに達した排出権取引のリーダーである。08年には、CCXから派生する形でインド気候取引所が設立されたが、その設立発起人会の長を務めたのも、IPCC議長として排出権取引を推進する立場にあったパチャウリ博士なのだ。

ノーベル平和賞とIPCCの議長――その恩恵に浴した“バブル”は博士個人にとどまらない。TERIの資産も劇的に膨らんだ。インドに4カ所のオフィスを持つだけでなく、傘下の組織はヨーロッパ、北米、ブラジル、中東、マレーシア、そして日本にまたがっている。

TERIの海外組織は、インドの合弁事業と同じく、NPO(非営利組織)と称しているが、会計報告は透明性を欠いている。親組織のTERIの年次報告には、海外組織に関する詳細な経理報告はなく、おおざっぱな経費の数字があるだけだ。

ブッカーと私は、TERIの海外組織の一つであるロンドンのTERIヨーロッパを調査した。その結果、慈善組織として登録されてはいるものの、数年にわたり収入を大幅に過少申告し、慈善組織の厳正なルールに反していたことが判明した。TERIヨーロッパの役員は、経理が「変則的な部分」を含むことを認めざるを得なかった。慈善組織団体を監督する英国チャリティ委員会は現在、同社の本格調査を行っている。


トヨタもむしられていた

しかし会計が不透明でも、華々しいTERIの急成長の妨げにはなっていない。博士がIPCC議長に就任してから7年間で、TERIは総額5800万ユーロ以上の欧州連合(EU)研究プロジェクト19件に関わっている。明らかにTERIの専門外プロジェクトも多い。博士がIPCC議長に就く前は、EUから4件の小さな契約しか獲得できていなかったのとは対照的だ。

EU諸国の多くはTERIと直接契約も結んでいる。英国政府だけでもTERIインドとすでに100万ポンド以上の契約を結んでいるが、昨年はインドの貧困を軽減する方法の研究のために新たに1千万ポンドを支払うことを約束した。

米国、カナダ、オーストラリア、ノルウェー、ドイツ、スウェーデン、デンマークとスペインを含むその他の政府も、TERIに資金を投入している。TERIは50万ドル相当かそれ以上の契約を世界銀行と国連本体、コカ・コーラ、ペプシコ、ヒューレット・パッカード、デルなど多国籍企業と結んでいるのだ。

TERIへの多額の資金提供企業のなかには、英石油資本BPも含まれる。BPはトヨタとともにTERIのバイオ燃料プロジェクト(940万ドル相当)のスポンサーなのだ。トヨタはほかにも直接間接にTERIのプロジェクトに資金提供している。TERI関連組織がインドでパートナーを務めている「持続可能な発展のための世界経済人会議」(WBCSD)もそのひとつである。

1974年にインドのコングロマリット、タタから60万ドルの助成金を受けて設立されたTERIが、今や推定6千万ドル(54億円)の資産を持つインド最大の地場NPOに成長したのも不思議でなくなる。

パチャウリ博士は、自分の懐には一切入っていないと主張する。TERIのフルタイム職員としての給与以外に収入はないと言うのだ。我々の記事を受けて博士の事業に国際的な監視の目が向けられると、博士は自身の09年分インド税務申告書を開示した。収入欄にはわずか4万9千ドルの給与と、主にインドの銀行口座の利子からなる1万6千ドルしか記載されていなかった。

にもかかわらず、博士はニューデリーの最高級住宅地に住んでいる。そこは四方を塀で囲まれ、24時間の監視カメラと警察官が巡回する「ゴルフ・リンクス」という住宅棟の中の800万ドルの豪邸なのだ。

パチャウリ家には自家用車が5台あり、運転手つきのトヨタカローラ(1800cc)も含まれる。博士は自宅からニューデリーの高級コンベンションセンター「ハビタット・センター」のオフィスまで通勤する際、個人使用のために提供された電気自動車ではなく、カローラを使ったと非難されているのだ。

博士はまたニューデリーの最高級レストランの常連客になるのを好み、一着1千ドルもするスーツを着ているとの批判も受けている(博士自身は否定、最近では公称30ドルのスーツを誇示)。

博士は東奔西走、ジェット機で世界を飛び回る億万長者のライフスタイルであることは確かだ。他人には「持続可能な」ライフスタイルになるよう説教しながら、TERIの事業を広げるために飛び回った飛行距離は、1年半で50万マイル(80万キロ)近い。博士一人で世界にまき散らしたCO2の排出量はいかばかりか。


IPCC4次報告にも疑念

博士はまた宗教的理由ではなく個人的な理由で菜食主義を選択している。CO2を減らすために肉を食べるな、と熱心に呼びかけるこの「気候変動の伝道師」の偽善に、反感を持つ人は多い。より深刻なのはノーベル賞を受賞したIPCCの第4次報告書が、信憑性を疑われていることだ。ヒマラヤ氷河の「2035年消滅説」に、インドのある学者が異議を唱えた時、パチャウリ博士は「ニセ科学」の主張だと片付けている。後にこの予測は環境キャンペーン団体、世界自然保護基金(WWF)が作成した科学的根拠のない報告書からのパクリだったことが明らかになったが、謝罪もしない。

それ以上に驚くべきことがある。この根拠なき予測を出した別のインド人学者が、パチャウリ博士が率いるTERIの職員となり、氷河溶解の影響を研究する助成金をTERIが受け取るのに貢献していたのだ。

パチャウリ博士は「ヒマラヤ氷河」のくだりは「孤立した誤り」だと一蹴している。だが、IPCC報告書で氷河部分を担当した筆者は、問題の予測が報告書に記載されたのは「(単なる)間違いではない」と意図的だったことを匂わしている。IPCCによる「誤り」が次々と発覚したのを受けて、国連もIPCCの運営について独立した調査を行うよう要請した(編集部注=2月27日、IPCCは「批判に応える必要性を認識している」と発表、3月10日に第三者機関インターアカデミー・カウンシル(IAC)に検証を依頼した)。

しかし、パチャウリ博士は悔悟する様子をみせていない。博士は良心に恥じることはしていないと世界に言い切っている。

されど、疑惑は消えていない。


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