「財政再建の道筋を明らかに示し、それを適切なタイミングで着実に実行することが重要」野田忠男日銀審議委員 ― 2010/03/04 21:11
「財政バランスの悪化が、長期金利を上昇させ、金融政策の効果を減衰させるリスクにも市場の意識が高まっています。所謂ソブリン・リスクもこの延長線上にあります。事実、ユーロ圏加盟国の中で最も深刻な財政問題を抱えるギリシャでは、長期金利が急上昇しました。財政の持続可能性への信認がひと度失われると、市場の評価が急落するリスクというものを如実に示しているといえます。財政規律の確保、すなわち財政再建の道筋を明らかに示し、それを適切なタイミングで着実に実行することが重要と考えます。」
「日本は、先進国で突出して高い債務残高を有しているにもかかわらず、長期金利は低位で安定しています。その要因として、日本は貯蓄超過国であり、国内に潤沢な資金余剰が存在し、国債発行のほとんどが国内居住者による需要によって賄われていること、等の日本の国債市場の特徴が指摘されています。しかし、今後の高齢化などの財政負担を考えれば、先行きもそれを賄うだけの貯蓄超過を国内だけで確保し続けていくことができるか不確実性があること(家計の資金余剰は趨勢的に細っており、企業の資金余剰も企業行動の変化などから今後も継続するかどうか不確実)、に留意する必要があります。」
日本銀行政策委員会審議委員 野田 忠男
http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/data/ko1003a.pdf
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