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必読:ソブリンリスクと財政再建(上)慶応義塾大学教授櫻川昌哉氏(経済教室)2010/03/03 18:58

日経:ソブリンリスクと財政再建(上)慶応義塾大学教授櫻川昌哉氏(経済教室)


<関連記事引用(画像も引用)>

ソブリンリスクと財政再建(上)慶応義塾大学教授櫻川昌哉氏(経済教室)
2010/03/03日本経済新聞朝刊

日本も外国人の目意識を 放漫は金融不安招く 消費税率、最低15%が必要

ポイント

・日本では市場からの財政規律働きにくく

・金利上昇すれば、国債借り換えが困難に

・先物主導で国債暴落の可能性否定できず

 ソブリンリスクとは国家のリスクという意味で、端的には投資家が外国債を買った際のリスクをさす。最近、ギリシャやスペインなどで財政破綻の懸念が報じられ、ソブリンリスクが取りざたされているが、日本のソブリンリスクも現実味を帯びつつある。

 政府支出92兆円に対して税収37兆円、国債新規発行額44兆円という2010年度の政府予算案が確定したあたりから、日本の財政破綻の可能性を示唆する論調が増えつつある。政府債務残高は、10年度末には973兆円に達する見通しで、国内総生産(GDP)を約500兆円と見積もると、GDPに対する債務残高が大台の2を突破するのは間近である。7カ国(G7)の中で1を超えるのは他に約1・2のイタリアだけである。

 鳩山由紀夫政権は、6月までに中長期の財政再建計画を提示する方針である。子ども手当の満額支給や高速道路無料化の完全実施を既に決め、また社会保障費は毎年1兆円のペースで増加する見通しだ。他方、消費税率を4年間据え置くことを表明している鳩山政権は、実現性のある財政再建計画は描けるのか。

 ここで、政府の中長期の再建見通しを先取りするかたちで、今後の債務残高(GDP比)の推計をしてみよう。

 図の(1)は、14~18年度にかけて消費税を毎年1%ずつ引き上げ、最終的に税率を10%にするケースだ。債務残高は消費増税後も上昇を続け、財政リスクはどんどん高まる。25年後に、2・5を超える確率は38%に達する。参考までに、点線で描かれたグラフは、「骨太方針2009」における推計値である。麻生太郎政権末期の約10兆円の補正予算と民主党新政権の大型予算のせいで、財政状況は大幅に悪化した様子がみてとれる。

 (2)は、14~23年度にかけて消費税を毎年1%ずつ引き上げ、最終的に税率を15%にするケースである。債務残高は当初上昇するが、25年あたりから反転し、その後減少する。25年後に2・5を超える確率は9%にまで減少し、財政リスクは一応の収束を示す。

 このシミュレーションによれば、国民が10%の消費税率の上昇に合意すれば、何とか財政再建の道筋を描くことができるが、5%の上昇では不十分であるというかなり厳しいものである。ただし、この計算は、(1)社会保障関係費がそれほど増えない(2)日本経済の特殊性を考慮して金利が低位で安定し続ける(3)実質GDPは1・5%成長を続けると仮定した比較的甘めの見通しであり、消費税率を15%にしても予断は許されない。

 では、財政が破綻すると経済にどのくらいの損失が発生するのか少し敷衍(ふえん)してみよう。

 最近の例としては、01年12月のアルゼンチンのケースがある。財政悪化を契機に外国人の売りで国債価格が暴落。外貨建て国債の米国債との金利差が1カ月で約10%から65%程度に急上昇し、外国人が保有する国債の元利払いが滞るデフォルト(債務不履行)宣言に追い込まれた。金利上昇に伴う急激な信用収縮で、国内の貸出残高は半減し、GDPと消費は、1年間で約15%下落した。

 アルゼンチンの財政破綻の損失が大きかったのは、大量の外国債に依存していたからで(当時、政府債務の67%が外国債)、日本の国債はほとんど(約95%)を国内投資家が保有しているので、財政破綻してもその影響はそれほど大きくないという反論もあろう。この説はどの程度正しいのか。国債の大半が国内投資家に保有されているメリットとデメリットをみてみよう。

 メリットはまず、国際金融市場でデフォルトする可能性が低いことである。そもそも外国人投資家が少ないのだから、定義からして当たり前である。第二のメリットは、国内経済では一般に成長率と金利は連動して動くので、景気悪化で財政赤字が膨らむときに、金利低下の利益を享受できることだ。国際的に見て異常に高い債務残高(GDP比)を日本が維持できている大きな理由のひとつはそこにある。外国債への依存度が高い国は、世界市場の影響で金利が高騰すると、一気にソブリンリスクが高くなる。

 一方、デメリットとしてはまず、市場からの財政規律が働きにくいことがある。政府が放漫な財政運営を続けると、外国人投資家は敏感に反応して国債を売り始めるが、国内投資家は必ずしもそうではない。国債金利はなかなか上昇しないため、政治への支出増の圧力は止まらず、ずるずる財政赤字が増え続けることになる。

 次に、いざ破綻が起きたときの損失が必ずしも小さくないことである。外債なら、デフォルトで損失を海外に押し付けることができる。アルゼンチンではデフォルトした外債がGDPの37%に上った。日本の感覚でいえば、約180兆円の債権放棄をしてもらったに等しい。その代わり国際金融市場から締め出されるが、過去の経験では数年で国際金融市場に復帰できる。

 一方、国内投資家が国債を保有すれば、価格暴落で損失を被るのは国民になる。国債のほとんどを金融機関が保有している日本の場合、国債の不良債権化の影響は金融機関の債権者たる国民を直撃する。800兆円近い預金のうち約300兆円を国債で運用する銀行の損失は大きく、資金の借り手や預金者への影響は特に大きいだろう。

 バランスシートの悪化した銀行では貸し出しの収縮が生じ、資産の大半を国債で運用する銀行などは、国債暴落で、資産の裏付けを失った預金もまた価値を失う。政府はもはや預金者を救済する力はなく、取り付け騒ぎが起きれば即破綻に追い込まれるだろう。つまり、国債が国内で保有されている場合、国民のだれかが価値暴落の損失を引き受けることになるので、その損失は小さくないのである。

 政府は、過去20年間、運用能力が低く海外展開力に乏しい銀行を、国債の受け皿として利用してきた。銀行の国債大量保有というビジネスモデルのおかげで、国債金利は低位で安定してきたのは事実であるが、その副産物として、財政破綻が金融危機に直結するチャネルを作ってしまったといえる。

 日本で財政破綻が起きたときの損害が大きいのは認めたとしても、国債の大半が国内消化されている日本では、そもそも外国人投資家が国債を売り浴びせる確率は極めて低いのではないかとみる人は多いかもしれない。残念ながら、それでも国債が売られる可能性は必ずしも低くない。国債市場には、現物市場だけではなく先物市場がある。外国人投資家が国債の先物を大量に売れば先物価格が下落し、国内投資家も割高になった現物国債を売らざるを得ない。政府の財政運営のつたなさに付け込んで、ヘッジファンドが束になって売りを仕掛けてこないとも限らない。

 国債価格暴落で金利が跳ね上がれば、国債の借り換えで綱渡りの資金繰りが続く状態では、ほぼ一瞬にして財政破綻に追い込まれる事態が起こりえよう。日銀が国債を買い支えれば何とかなると思うかもしれないが、国債が価値を失うなか、同じ政府債務である貨幣が価値を保持すると考えるのは難しい。貨幣増発はインフレを引き起こし、事態を悪化させるだけである。

 ヘッジファンドの演出による市場アタックといえば、1997年のアジア通貨危機が記憶に新しい。当時、ヘッジファンドなどの機関投資家が、タイバーツを為替の先物市場で売り浴びせたのを皮切りに、東南アジア経済を崩壊寸前に陥れた。長期の見通しをもたないまま財政運営を続けていれば、いつ何どき日本の国債がヘッジファンドの餌食にならないとも限らない。日本の財政運営は、いまや国民の目だけでなく、外国人投資家の目をも意識しなければならない段階にきているのだが、はたして今の政府に対処できるだろうか。

 さくらがわ・まさや 59年生まれ。早大政経卒、大阪大博士。専門は金融論、マクロ経済学

コメント

_ へなちょこエンジニア ― 2010/03/03 20:26

>外国人投資家が国債の先物を大量に売れば
門外漢なのデスが、教えてください。詳しい方。
通貨を売り浴びせた上で見掛け上増えた円で国債先物を売り浴びせるというのが一番ありえるシナリオというところですか?
ところで、紙屑の「国債」なら実家にあるぞ。

_ (未記入) ― 2010/03/04 00:53

去年、海外のヘッジファンドが日本国債売って一時、微妙に金利が上がったところを国内銀行が買い上げて、ヘッジファンドが損失出したことがあったと記憶してましたが記憶違いでしょうか?
何故金利がずっと底を這っているのかの考察がさっぱり無いので、ファンタジー以外の何者でもありません。
税のシミュレーションも前提条件がわからず、結果だけ出されても信憑性がありません。

_ ハスミ ― 2010/03/04 12:30

 今日の日経で、ゲーム理論を使った破綻可能性についての記事があります。

 上記コメントさんの疑問にもある程度答える内容になっています。

 ひとことで言うとナッシュ平衡ですか。

_ Y-SONODA ― 2010/03/04 19:14

★未記入さんへ

>税のシミュレーションも前提条件がわからず、結果だけ出されても信憑性がありません

何から何まで鵜呑みにしないことは大賛成。
しかし、何もしないでグチャグチャ言うのはどうかと思う。
疑問があれば直接聞いてみてはいがかでしょうか。

櫻川昌哉研究室
Masaya Sakuragawa's Page
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/masaya/

★ハスミさんへ

>今日の日経で、ゲーム理論を使った破綻可能性についての記事

一応シリーズものなのでこちらも表で紹介しておきますね。

_ Y-SONODA ― 2010/03/04 20:33

へなちょこエンジニアさんへ

>教えてください。詳しい方

このあたりは匿名金融マンさんあたりが詳しいのではないかと。
私の方はこちらのTwitterを覗いてみたり・・・。

http://twitter.com/ushikuma

_ 匿名金融マン ― 2010/03/04 23:06

>このあたりは匿名金融マンさんあたりが詳しいのではないかと。

私も門外漢デスのでとても偉そうなこといえる立場じゃないのですが、お言葉に甘えて、株式市場における先物と現物の関係から推測しますと・・・

①レバレッジが効き資金効率が良く、流動性も厚い先物使って海外投機筋が売り仕掛け=先物主導の下落アタック

②先物と現物との価格差が開く

③①とは別の投機筋(裁定業者)が割安になった先物ロング(買い)、割高になった現物債券をショート(カラ売り)する裁定取引が発生(あるいは過去の相場上昇局面で先物ショート&現物ロングのポジション作っていた裁定業者によるポジション解消すなわち先物買戻し&現物売りが発生)することで現物債も下落する。

④①の投機筋が更に売り仕掛け

⑤③と同じ

⑥以下スパイラル的に下落

といった感じでしょうか。ただし、①で先物使ってアタックする投機筋も③で裁定取引で現物を売る裁定業者も市場参加者の中では少数勢力でしょうから、膨大な現物債を抱える国内機関投資家が①~⑥の動きをみて、心理的にパニックになり、みずから現物債を投げ売るだけの強烈な悪材料、ストーリーは、やはり必要と思われます。
(過去数度先物主導でアタックがあったようですが、ことごとく退散させられたようです。ストーリー不足、時期尚早だった??)

また①~⑥の下落過程でオプションのPUT売りをしていた投資家が権利行使価格あたりの損益分岐点をブレイクされたことで慌てて先物使ってデルタ分のヘッジ売りをすることが考えられます。これにより下落が加速することも十分考えられます。

なお通貨アタックの動きと債券先物使ったアタックとに直接の関係は無いと思われます。結果的に円、JGB、株のトリプル安にはなると思われますが。

以上、長文失礼&内容間違っていたらスミマセン。詳しい方指摘、補足お願いします。

あと、牛熊さんがタイムリーな新刊出されるようです。個人向けにJGB先物について書かれた本はほとんど無いと思いますので貴重だと思います。

http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=9784775990957

牛熊さんブログ
http://bullbear.exblog.jp/

_ (未記入) ― 2010/03/05 10:08

Y-SONODAさん

何もしないでぐちゃぐちゃとは随分な言いようですね。
あなたはネットの向こうを透視できる超能力者か何かでしょうか?迂闊すぎます。

ところで、そのサイトの資料を拝見しましたが、以前見たものでした。一言で言えば、以前と変わらず酷いの一言です。
日本の国債が国内通貨建ての債務ということをまるで考慮に入れていません。あのジンバブエですら財政破綻していません。というかできません。国民経済は破綻していますが、それは白人農園主を追い出したことにより、供給力が破壊されインフレに対応できなかったからで、財政自体は破綻はしていないのです。財政破綻とはもちろん債務不履行(デフォルト)のことです。ジンバブエは自国通貨を放棄したのでそれ以降は違いますが。
それに、日本国債は円建てですので、空売りするにしても円が必要になりますから、暴落するくらいの円を調達するにはどれだけ円高になるのでしょうか?円高になるほど相対的にコストがかさみ円の調達は難しくなります。果たして現実的なのでしょうか?ちなみに、外資の国債保有率は円建てで6%程度です。外資は主要プレーヤーではありません。ですから、売り込んでは国内金融機関に買い上げられ負け続けるのです。では何故国内金融機関が国債を買うかというと、貸出先がない運用難だからです。銀行では利子を払わないといけない預金は負債になります。バブル期に比べ増えている預金の一方で、儲けである貸出は減っているので逆ザヤになりかねない、預金という比較的長期の負債に相対するには、安定した長期の資産が必要で、それに該当するのが国債です。故に、国債は買われ続けるのです。

現実の数字では、増税すると景気は後退または抑制されます。不景気の時は消費分を奪いさらに不景気へ、好景気の時は加熱を抑制する機能があるからです。今まで使えた分のお金を税として徴収するのだから当然です。
プライマリーバランスの黒字化といっている時点で、他国と相対的に比較分析していないのがわかります。他国でも高福祉高負担国は別として、ほとんど長期的には赤字です。マイルドなインフレと経済成長により、名目値の負債を実質的に減らしていくことで相対的に負債を小さくしていく構造です。ですから、不景気、デフレの段階で増税したところで、負債は逆に増えていくのが今までの日本の現状で証明されてています。この現実の結果よりファンタジーを信じる要素がありません。
プライマリーバランスを黒字化するということは、民間を赤字化させるということです。景気がよいときは民間が負債を増やし投資し自ら赤字化していきますが、現在は不況でありデフレです。それと政府も民間も黒字ということは、海外を一方的に赤字化させることですし、小国はともかく、日本のような経済規模では現実的ではありません。下手すると戦争が起きます。
つまり、日本政府の財政だけを見るミクロ視点では無理があるわけです。

_ 未記入(未記入) ― 2010/03/05 10:52

>つまり、日本政府の財政だけを見るミクロ視点では無理があるわけです。
こんな正しいこと言っちゃだめですよ。
ここのブログはとにかく煽りたいんですからw

確信犯のブログ主が煽り、サルサルな一部の常連がそれにまんまと乗せられるのを見て楽しむのがここのブログの正しい鑑賞法ですw
私は園田さんの言葉を額面どおりには受け取りません^^

_ 匿名金融マン ― 2010/03/05 17:03

ショート戦略と為替への影響について整理・補足します。

①先物を使ったショートの場合

 先物ですから証拠金を円建てで用意すればokです。JGB先物の証拠金率の詳細は不明ですが、おそらく売買金額の10分の1もあれば十分でしょう。(おそらくもっと少なくて済むでしょう。)因みに日経平均先物であれば証拠金40ー50万円もあれば1000万円の取引が可能です。レバレッジ20-25倍です。要するに売買金額フル代金を用意する必要は無いわけです。現物債使ったショートより資金効率は優れています。

②現物債をショートする場合

 ショート=カラ売りですからどこかから債券の現物を借りて来る必要があります。現在では無担保で貸してくれる処はおそらくないでしょうからレポ市場あたりで調達することになるでしょう。
レポとは現金担保金つき債券貸借取引のことです。円建て現金を担保に差出し、現物債を借りるわけです。

さて①でも②でも証拠金、担保金が円建てで必要になるわけですが、これらを融資で調達してしまえば、為替市場に対する影響はニュートラル(中立)です。そもそも投機筋のショート戦略は短期決戦ですから短期の円資金を借りて来るのは容易なことのはずです。ましてや現状の金融緩和ジャブジャブ状態においては。

ショート戦略が成功し、元本返済後に残った円資金=トレードによる利益を投機筋が本国へ送金する際にドル買い円売りの影響が為替市場にはじめて登場します。つまり円安ですね。

以上。

_ Y-SONODA ― 2010/03/06 00:36

★匿名金融マンさんへ

どうも説明ありがとうございます。
このあたりは私もど素人なので助かります。
匿名金融マンさんも牛熊さんのサイトを見ていたようですね。
私も牛熊さんの新刊買って勉強しますね。
などと言いつつやはり実践も必要かと思い証券会社にちょいと電話を。
国債先物に強いところがあればこっそり教えてくださいね(笑)

それにしても先物市場でヘッジファンドが束になって売りを仕掛ける。
これって現時点ではまだ現実的ではないような気がするのです。
リスクが大きすぎる。そのわりには見返りが少ないのではないかと。


★未記入さんへ

どうも失礼なことを言いまして申し訳ないです。
正直「未記入」恐怖症がありまして、今後はなんでもいいので名前を入れていただければ助かります。
(「未記入(未記入)」コメント参照。この人が恐怖症の原因。以前は名前付きでしたが、最近は未記入がお好み。カラス相手にいつもカリカリしている変な人です。IPで全部ばれてますよー。)

記事を引用紹介したからといって私自身がその記事を鵜呑みにしているわけではありません。今回の日経記事も多少煽りがあると感じています。
従って少し前も別の方に対して記事への反論は直接新聞社なり執筆者本人にお願いしますと書いたばかりです。この点も配慮お願いします。
今回のように反論ではなく記事をたたき台にした議論は大歓迎です。
それで一点だけ気になることが。

>日本国債は円建てですので、空売りするにしても円が必要になりますから、暴落するくらいの円を調達するにはどれだけ円高になるのでしょうか?

これは今一度日経さんの記事をお読みになった方がいいと思います。この部分です。

「国債の大半が国内消化されている日本では、そもそも外国人投資家が国債を売り浴びせる確率は極めて低いのではないかとみる人は多いかもしれない。残念ながら、それでも国債が売られる可能性は必ずしも低くない。国債市場には、現物市場だけではなく先物市場がある。外国人投資家が国債の先物を大量に売れば先物価格が下落し、国内投資家も割高になった現物国債を売らざるを得ない。政府の財政運営のつたなさに付け込んで、ヘッジファンドが束になって売りを仕掛けてこないとも限らない。」

先物と現物の違いなどは匿名金融マンさんの整理・補足をご覧ください。

_ isaacpapa ― 2010/03/06 18:18

>少し前も別の方に対して記事への反論は直接新聞社なり執筆者本人にお願いしますと
>書いたばかりです。

園田さんへ

別の方ですか? 別の方々ですか? どちらにしても私を指しているのでしょうがw

伊藤教授へはメール打っておきました.実名で.

それにしても,ソブリン問題に対して私が批判的にこのブログで書いたのには,二つの理由があります.別の方々の内のお一人は違う理由かららしいですが.

一つはクライメートゲート,小沢&民主の暴走,そしてソブリン問題と大きく流れて来た当ブログの潮目.その中で,今回のソブリン問題に対してだけは園田さんのトリックスター的な姿が見えなかったこと.ストレートに世界の流れを鵜呑みされておられるように感じられました.あまりにも直裁過ぎて.

もう一つは,その「世界」の流れを作ろうとしている連中(マスコミや評論家,学識経験者)の,この問題に対する理論的な根拠(日本の国債発行残高をGDP比で論じようとする姿勢)そのものに対する疑問.なぜ,GDPなのか? 外債保有残高や外貨保有残高,国内預貯金残高の比で数値を求めた場合,全く違うグラフが出来上がります.その点を誰も論じようとしないところです.

日本政府の国債発行の行き過ぎには,私も憂いを感じております.しかしこの流れを止めるには,多くの方々が同時に傷みを感じなければなりませんし,大手の企業もその成長を諦めねばならぬ結果を伴います.今の体制でそれが実現可能なのか?と問うた場合,私は無理ではないかなと感じるとともに,その前に欧米が持たないように感じる次第です.

園田さんへの姿勢を問う書き方と感じられた仕方の無いことですが,どーか,未記入さんとやらの書き込みと比較しないで頂きたいですw そんなにスレてませんからw

それと「20年」は,東アジアの地政学的観点からの予測です.バブル崩壊があろうとも,支那共産党崩壊を伴う大陸の内乱までには,その位は掛かるということです.

_ レレレのラ ― 2010/03/06 18:22

>感じられた仕方の無いこと

「ら」が抜けてますよ.

_ とおる ― 2010/03/07 11:33

> なぜ,GDPなのか? 外債保有残高や外貨保有残高,国内預貯金残高の比で数値を求めた場合,全く違うグラフが出来上がります.その点を誰も論じようとしないところです.

藤巻健史氏の本(http://www.fujimaki-japan.com/takeshi/2010/02/post-44.html)に参考となることが書いてありますので、お近くの書店でご確認下さい。
・日本には資産がたくさんあるから大丈夫?(46ページ)
 に、米国債・ドル建て外貨預金について述べてあります。
・個人金融資産があるから問題なし?!(48ページ)
 に、1440兆円の多くが間接的に国債購入に使われていることが書いてあります。
・公的機関の借金は、借金にあらず?!(50ページ)
 に、既に多くの国債を購入していることが書いてあります。

「なぜ,GDPなのか?」については、指標の一つとして、また、他国との比較がし易いので使用しているのではないでしょうか。
国内の資金の移動量の大きさ(≒GDP、財布の中身の大きさ)で、借金が返済しやすいかどうかの目安なのだと思います。

_ Y-SONODA ― 2010/03/07 13:55

★isaacpapaさんへ

私自身はこれぞトリックスター技と思っているのですが(笑)
その証拠にこの関係の本が続々と登場するでしょう。
それにこの私がストレートに世界の流れを鵜呑みにするはずがない。

純債権国だから大丈夫。貯蓄が豊富だから大丈夫。国債の95%を国内投資家が保有してから大丈夫。
今まで何度となく繰り返されてきた日本大丈夫論。

しかし、ソブリン・リスク・ブームに乗ってこの日本でも「大丈夫はホンマかいな」の議論が出てきた。
その中身を検証してみると確かになるほどと思わせるものもある。
1箇所でもなるほどと思わせるものが含まれている記事を紹介してきたわけです。

その結果見えてきたもの。
それは大丈夫どころかマイナス要因になることだってあるかもしれないということ。
このことを今まで論じようとしてこなかったことの方がより問題ではないでしょうか。

確かにギリシャと日本は違う。
とはいえギリシャにだって言い分はある。それでもギリシャは狙われた。
「どうしてギリシャが?」と考えれば、次に日本が狙われる可能性は排除できない。
それでもまだ狙わないと思う。放置プレイで十分だから(笑)

外債保有残高に外貨保有残高。いざとなったらバカスカ売れるのでしょうか。それこそ自殺行為。
しかもこれがあるからデフォルトもできない(ジョーク)
逆にこれがあるからこそ狙われる可能性があることを誰も論じようとしない。

地球温暖化もソブリン・リスクも単なる仕掛け。
しかもその仕掛け人は同じ人たち。誰もこのことに気付いていない。
彼らは最終的にどこを狙っているのか。それは米国。それはドル。
よって当然英日も浮上してきます。そして本当に浮上してきた。

イラク戦争を振り返ってみてください。実際にはどことどこが戦っていたのか。
英米と欧が戦っている以上、「欧米が持たない」ということはまずありえない。
米欧の亀裂を刺激して両者を戦わせる。安易に目論んで処刑されたのがフセインです。

それでも最後の最後に勝つのはおそらく米国だと思う。
亀井はようやくそのことに気付いたのでしょう。だからこそ米国債購入に言及のではないでしょうか。


★とおるさんへ

>藤巻健史氏の本

本の紹介ありがとうございます。確か、つい最近新聞広告に出ていたような。
この関係の本がいっぱい出てきそうです。周期的なブーム到来。
まぁ、中には煽り系のものもあるでしょうから、このあたりはお互い気をつけましょう。

_ とおる ― 2010/03/07 14:51

園田さま
> まぁ、中には煽り系のものもあるでしょうから、このあたりはお互い気をつけましょう。

「火の無いところに、煙は立たない」では無く、「火が立ちそうなところに、煙を立たせて、火をつける(?)」みたいなのもありますね。
それでも、「火が立ちそうなところ」を狙っている投資家・投機家には要注意です。

_ isaacpapa ― 2010/03/07 14:56

>藤巻健史氏の本

立ち読みでもしてきますが,何か根拠に欠けておるように思います.

>指標の一つ
>国内の資金の移動量の大きさ(≒GDP、財布の中身の大きさ)

欧米のアナリスト達は机上の計算だけでなく,必ず現場に赴きます.只,解を得てからの現場出張ですから,大体は旅行気分.この欧米アナリスト達のネットワークに,最初から戦略的な思惑が存在していたらどうでしょうか? 依頼をする投資家もまた彼等のレポートを読んで行動する.しかし,最初から御上から次の思惑(ベクトル)を落とされていたとしたら,彼等もそれで飯喰っている訳ですから自ずとその構想から外れないように,誰もが納得がいく無難な指標を使ってレポートを纏め上げていく.

なぜGDP比なのか? 日本のアナリストの方々で気付いておられる方も多くおられるように感じます.

_ 匿名金融マン ― 2010/03/07 15:02

>国債先物に強いところがあればこっそり・・・

ウーン、国債先物は個人投資家がほとんど参加していない市場ですので、やらせてくれる証券会社みつけるのは難儀だと思いますが、個人向け入門書が登場するご時勢ですから、近々ネット証券も取扱い始める可能性はあるかも。

>現時点ではまだ現実的ではないような・・・

同感です。短期的には大丈夫だと思います。中長期的に臨界点がいつ来るかは分かりませんが。

_ isaacpapa ― 2010/03/07 15:03

>今まで何度となく繰り返されてきた日本大丈夫論。

はぁ〜,そっちの方へのトリックスターでっか.深読みせな付いて行けまへんなw

_ Y-SONODA ― 2010/03/08 08:57

★とおるさんへ

>「火が立ちそうなところ」を狙っている投資家・投機家には要注意

もう彼らには火が立ちそうな日がわかっているような気配。
こうした動きを察知してぼちぼち日本から逃げ出す企業も出てくるかもしれませんね。


★isaacpapaさんへ

>そっちの方へのトリックスターでっか.深読みせな付いて行けまへんなw

気付いていないのはチーム・isaacpapaだけかもしれまへん。
何度も何度も同じ事を繰り返してますがな。
しかも論点を人口問題、中でも団塊世代の動向に絞り込んでいます。
これって従来の日本大丈夫論ではそれほど深く議論してこなかったと思うのですが、いかがでしょうか。
GDP比云々とか格付け会社云々なんて適当に流せばいいもの。
私の方は今まで特に問題視していませんよ。


★匿名金融マンさんへ

>国債先物は個人投資家がほとんど参加していない市場ですので、やらせてくれる証券会社みつけるのは難儀

そのようですね。
某證券会社に問い合わせたところまずは5千万積めと言われました。
すごい世界ですなー(笑)

>中長期的に臨界点がいつ来るかは分かりません

やはり2012年あたりに第一波が来そうですね。

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