Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

郵政ハルマゲドン:ユダと巨大な鯨をめぐる確執2009/06/19 09:01

衆院総務委で答弁する日本郵政の西川善文社長


西川善文はユダ・イスカリオテ。
日本郵政社長就任が決まった時点でユダと呼ばれる宿命を受け入れたはず。
日本郵政叩きの背後には、西川を裏切り者と呼ぶ金融界も蠢く。
既得権益者たちは解き放たれた「巨大な鯨」に怯えているのだ。

どうしてこんなことになったのか。
民営化自体に問題はなかった。その方法に致命的な欠陥があった。
すべての混乱はここから始まったのだから、小泉純一郎と竹中平蔵は非を認めた方がよい。

「民業圧迫」に配慮して先に郵政事業を縮小、「普通の鯨」にしてから民営化を進めるべきだった。

これを強く主張していたのも全国銀行協会会長時代の西川。
西川は郵貯規模が大きいままでは民業を圧迫するとしながら、規模縮小の筋道が見えない政府方針を批判し、政府が出資している間は公正な競争のために貸出業務を禁止するなどの措置も必要だと主張していた。

皮肉にも西川こそが郵貯批判の急先鋒だった。
西川が社長になれば規模縮小を最優先させると金融界の誰もが期待した。

ところが、就任後の西川の口から飛び出してきたのは、拡大に向けた勇ましい言葉ばかり。
君子は豹変す。手の平を返したように民業との対決姿勢を鮮明にする。
この時から西川は金融界の裏切り者になった。

成功すれば民業圧迫と批判され、失敗すれば国民の財産に傷をつけたと非難される。
「最後のバンカー」と呼ばれた豪腕西川は成功への道を突き進むしかない。

西川は大幅な人員削減をともなう安楽死路線を選ばなかった。いや、選べなかった。
これが国内最大の単一労組である日本郵政グループ労働組合(JP労組)の西川続投支持につながる。

本来なら鳩山邦夫の辞任を受けて、西川も辞任すべきだった。
西川ほどの人物であれば本人が百も承知。
なぜこれができなかったか。

現場に立つ西川は頭の抜けた巨大な鯨の行方を知る。
巨体をもてあまして倒れ、金融界のみならず日本全体を混乱に陥れる危険性に気付いている。

「民主党が政権を獲得したときには、西川に辞めてもらうしかない」と明言した鳩山由紀夫。
「友愛」掲げてJP労組に擦り寄る鳩山に大幅な人員削減という選択肢はない。
結局、郵政民営化見直しに向けて舵を切ることになる。

一方、鳩山邦夫は西川続投を求める勢力を批判し、「振付師を麻生首相から遠ざけたい」と発言。

この際、麻生首相も辞任し、振付師が正正堂堂と表に出てきて、民主党と対決すべきだろう。