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「夷を以て夷を制す」に学ぶ2009/06/07 01:59

魏源『海国図志』



「夷を以て夷を制す」

《「後漢書」鄧禹伝から》
外国を利用して他の国を抑え、自国は戦わずに利益を収め、安全を図る。
夷を以て夷を攻(せ)む。以夷制夷(いいせいい)。
大辞泉

後漢書(鄧訓伝)
異民族を利用して異民族をおさえる。敵国をおさえるのに、他国の力を利用する。
以夷制夷(いいせいい)。
大辞林


<アヘン戦争後>

「夷の長技を師とし以て夷を制す」 魏源 

「夷の術を以て夷を制す」 佐久間象山


『聖武記』、『海国図志』で知られる魏源は当時の中国国内では評価されず。
むしろ、その思想は佐久間象山や吉田松陰を通じて日本上陸。

明治維新を経て、「夷の術(軍備)を以て夷に敗れ」、今や「夷の術(経済)を以て夷と踊る」。

意味からすれば魏源、佐久間のいずれ言葉も「夷を以て夷を制す」とは似て非なるもの。

アヘン戦争が基本を忘れさせたのか。


あの時は、英国、中国、ロシア、そしてドイツでさえも米国を利用して日本をおさえようとした。
彼らは裏で手を握りながら、日本を刺激して米国にぶつけようと謀り、見事成功。

最近ではイスラエルは米国を利用してイラクをおさえ、次にイランを狙っている。
もはやイスラエルは「夷を以て夷を制す」のプロフェッショナルといってもいい存在。

そして今、米国は中国を利用して北朝鮮をおさえようとしている。
その先、米国は中国をおさえようとする。
この時、どこが利用されるのかを今から考えておくべし。

日本もまた米国を最大限に利用することができる。
これぞ憲法九条究極のトリック。
強敵が現れた時はイスラエルに学べ。
米国内の協力者を操りながら、「米国がやらなければ自分でやるぞ」と脅せばよい。

自ら切れて戦いに進み出るのは単なるお馬鹿さん。
もう二度と同じ過ちを繰り返してはならない。

「戦うべき時は戦わねばならない」(6月7日麻生首相街頭演説)ではなく、
戦うべき時こそ自らは戦わず、敵同士を戦わせるべし。

今こそ「夷を以て夷を制す」を見直そう。


<関連記事>

アヘン戦争 どう伝わったか
http://www.asahi.com/international/history/chapter01/01.html

佐久間象山と魏源
http://eprints.lib.okayama-u.ac.jp/12843/1/6_069_081.pdf

「師夷制夷」と「独立自尊」に関する比較研究
http://www1.tcue.ac.jp/home1/c-gakkai/kikanshi/ronbun9-4/su.pdf