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ジェームズ・ベーカーのゾンビ退治論2009/03/02 09:07

James Baker


共和党の中道派重鎮、ジェームズ・ベーカーまでもが、
日本の「失われた10年」と「ゾンビバンク」に言及。

オバマ政権の銀行危機への対応について、
「単なるバンドエイド・アプローチでいいの?」との疑問を投げかけながら、
「90年代、日本に対してゾンビバンクを殺せと迫ったのは米政府当局。
その我々が我々自身のアドバイスに留意しないとすれば、無責任でしょうに」と語っています。

90年代といえばクリントン民主党政権。
共和党による民主党へのチクチク攻撃の効き目はいかほど?


<関連記事>

How Washington can prevent ‘zombie banks’
By James Baker
http://www.ft.com/cms/s/0/b3f299a6-0697-11de-ab0f-000077b07658.html


<追加:日経さんの記事引用>

ベーカー元米財務長官「日本の失敗を繰り返すな」 英紙に寄稿
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090302AT2M0201R02032009.html

 ジェームズ・ベーカー元米財務長官は2日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に掲載された寄稿文で「破綻処理の不可能な『ゾンビ銀行』を延命させて失われた10年を経験した日本の失敗を、米国は繰り返そうとしている」と警鐘を鳴らした。

 1990年代に米国が日本に金融機関の破綻処理など不良債権処理を迫ったことを示し、「米国は自身の助言に耳を傾ける必要がある」と強調。破綻不可避な金融機関を処理する一方、「再生可能な銀行に必要であれば政府による資本注入も避けるべきではない」と指摘した。

 さらに経営陣の交代や株主責任を求めるだけでなく、銀行取り付けを防ぐために預金を全額保護すべきだと主張した。一方で「政府は銀行を立て直すのに必要以上に株式を保有すべきではない」ともくぎを刺した。(19:45)


<続報>

ちなみにFTサイトのトップはこのようにタイトルを変更しています。

James Baker
We must kill the US zombie banks

コメント

_ ino ― 2009/03/02 21:32

初めましてinoと申します。

比喩的に言えば、今のアメリカは癌患者みたいなもので
さっさとゾンビ企業を潰すのは「人が死ねば癌も死ぬ」的
な治療だと思います。

患者の体力を見計らいながら、少しづつ癌を取り除いて
いくしか方法がないでしょう。
ただサブプライム->金融->実体経済と癌が全身に転移して
しまったのはまずかったと思います。

後知恵ですがベアー・スターンズが潰れた時、ファニーメイ
フレディマックのMBSを全て政府保証して2000億ドルもぶち
込んでおけば、ここまで酷くならなかったかもしれない(確信
はありませんが)

ああ~、今の状況が1年半前にわかっていれば、あの時
ああしていれば。

_ Y-SONODA ― 2009/03/03 01:15

inoさんへ

どうもはじめまして。

実はベーカーもtriageを使っています。
治療の優先順位を考えて、三つのグループに分けるべきだと主張しているのです。

その上で、ゾンビになるような銀行は処理してしまえと。
要するに癌が全身に転移し、再生する見込みのない患者を助けても仕方がないと。

かつて米国からゾンビといわれた日本の金融機関の現状を踏まえて発言しているのでしょう。

このあたりの議論に耳を傾けるべきは日本です。
日本でまた同じことが起きる可能性があります。

_ まる ― 2009/03/03 11:42

日本の金融機関、野村や三菱も米金融機関に投資してる場合じゃあ無かったと言う事ですね~w
案の定巨額の損失を出しちゃったようですし。
つうかトリアージするとしてどこで線引きするんだろうね?
それから今荒療治やったら恐慌突入って事にならんだろうか?
日本の金融機関がゾンビ化したのも元はと言えば、宮沢内閣が早々に公的資金による救済策を打ち出したのにマスコミの大反対キャンペーンでその後6年も棚上げになったからじゃあ無かったですか?
もうその時には手遅れの末期癌にまで進行してたような。
日本が反省すべきはそこなんじゃ無いでしょうか?
それに日本の場合は自らバブル崩壊を強硬しちゃいましたからね。
総量規制と土地税制の改悪と金融引き締めで。
この辺が欧米のバブル崩壊とは少し違ってます。

_ ino ― 2009/03/04 07:42

「流動性」と「支払能力」

 お返事有難うございます。
 翻訳機等を使って記事を読んでみました。
 英語はダメな私ですが、優れた人の文章は明瞭ですね。
 間違っているかもしれないですが


 ・主張:政府に対して流動性対策よりも支払能力対策をきちんとしなければ
     日本の犯した過ちを繰り返す

 ・理由:損失を確定させない限り(これ以上損が拡大しないこと)流動性をいく
     ら供給しても効果は無い
 (※損失が確定しない限り債権者は突然のリスクにさらされるので手が出せない。
  ※だから納税者と言う文句を言えない債権者の登場していただくのか?)

 ・対策:資産査定とストレステストきちんと行なう
     健全、絶望、まずい(貧乏?)の3つに分ける
     健全はそのまま、絶望はすぐに閉鎖、まずいは再編、ないし資本の見直し
     まずいは取付騒ぎにならない様に、預金は全額政府保障も検討


 感想は主張、理由はまったくその通りです。対策は確かに日本には当てはまります
 がアメリカには当てはまらないと思います。

  ・理由(勘違い、まとハズレがあったら申し訳有りません)

    1.資産査定が出来る人材が少なすぎる、クオンツと呼ばれる金融工学者が足りない
    2.時間が無い、アメリカは日本に比べて対応が早いとの賞賛する向きもありますが
     対応が早いのはリーマンブラザース危機以降、1週間待てない2、3日も待てな
     い明日までに対応しなければ破滅する、それが現在進行形でづづいている。
    3.契約の事務手続きに不備があり債権者と債務者を一対一にできない物がある
     ※汝殺す事無かれ、汝... しかし私は汝が誰だかわからない(契約と言えるのか?)
    4.銀行自身が持っている以外は証券化商品を大量に販売したが、銀行はそれを売っ
     た相手に渡しておらず、売った相手と財産信託契約を結んで証券化商品を管理し
     ているが、その分はどうするのか(特に海外の客は?上記の「3」とからむと)?
     銀行は他人の財産を管理しているだけなので勝手に資産査定するのは財産権の侵害
     ではないか?
    5.銀行自身が自己の保有する資産(債権)にどのくらいCDSをかけているのか
     査定した結果、不良債権となり尚且つCDSが掛けてあった場合にCDSを精算しなけ
     ればならないのでは?

_ Y-SONODA ― 2009/03/05 02:32

inoさんへ

やはり(1)の資産査定に集約されるのではないでしょうか。

先週より金融安定化策にそって、先月25日からストレステストが開始されています。
4月末までに完了したい考えを示しているようですが、
はたしてこれが本当にできるのかどうか。

阻害要因として(3~5)があげられるのではないかと。
特に私が注視しているのはやはりCDS。
そうなるとAIGの動向が最も気になります。

先延ばしすると日本のように新たな不良債権を生んでしまう可能性があるため、
国内外からクオンツ含めた専門家を集めて必死で行うのではないでしょうか。

結果が出たところでオバマ政権の決断が試されます。
このとき日米の差が出るかもしれません。

バーナンキも迅速さと積極性の点で日本との違いを力説したようですが、
そもそも悪化スピードの点で大きく異なるような気がしますね。

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