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ブラック・オクトーバーを追え!2008/09/19 11:41

米決算発表カレンダー(08年第3四半期)とMS&GS株価


ポールソン米財務長官が整理信託公社(RTC)のような不良債権処理機関設立を模索との報道を受け、18日の米国株は急反発。

こうした中でもウォール街で生き残っている「ビック2」ことモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスに激震が。

先に動いたのがモルガン・スタンレー。
米銀大手ワコビアとの合併交渉を進めつつ
中国の政府系ファンド(SWF)である中国投資有限責任公司(CIC)による出資拡大を模索している模様。
CICに対し、持ち株比率で最大49%の出資を要請との情報もあります(FT)。

まだゴールドマンの表立った動きはなし。

気になっているのは、米連邦準備理事会(FRB)が9月16日の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置いたこと。

この決定とグリーンスパン前FRB議長の「ほかにも大手金融機関が破たんに陥る可能性がある」発言が連動しているような気配。

というのもここに貼り付けた画像を見てもわかるように、
来月10月15日のJPモルガン・チェースより、
大手行を中心とした主要金融機関の第3四半期の決算発表が続きます。

FRBはこの10月にさらなる修羅場があると睨んでいるのではないかと。
「この時に備えて、利下げ含めた緊急対応策を温存しているのでは」と思えるのです。

さて、金融機関淘汰の連鎖はすでに欧州にも拡大。

9月18日には英銀大手のロイズTSBが英住宅金融大手のHBOSを122億ポンドで救済合併することを発表。HBOSの傘下には、経営難が噂されていた住宅金融最大手ハリファクスがあります。

経営破綻、あるいは政府管理下が噂されているのはスイスのUBS。
スイス銀行協会も対応に追われているようです。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)に深入りした金融機関がことごとく危機に陥っています。

邦銀のCDS取引残高(想定元本ベース)も5541億ドル(約57兆円)とこの1年間で倍増したとのこと。

今なおブラックボックスになっているCDS。
危険なギャンブルに手を出すと大ヤケドしますよ。

<関連記事>

Mスタンレーとワコビアの合併交渉進展、CICに出資打診
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33830820080918
Morgan Stanley in talks with CIC
http://www.ft.com/cms/s/0/f563019c-8595-11dd-a1ac-0000779fd18c.html
米モルガンが中国企業に出資要請 英紙報道
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008091901000170.html
膨張する「金融ギャンブル」=CDS、邦銀も57兆円の取引
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2008091800866
The boring is biting with a vengeance
http://www.ft.com/cms/s/0/4c612a58-8426-11dd-bf00-000077b07658.html

<追加記事>
AIG救済要因の信用デリバティブ、国内取引残高3年で10倍超
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080920AT2C1901H19092008.html

 茂木敏充金融担当相は19日の参院財政金融委員会で、米保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が公的に救済される要因となった、信用デリバティブの一種であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を巡り、日本国内の取引残高(想定元本ベース)が2007年6月末時点で8128億ドルと、3年前の10倍超に急増したことを明らかにした。

 企業の倒産リスクを「保険料率」の形で売買するCDSの残高は04年6月末で784億ドルだった。世界の取引残高はこの間、8兆4222億ドル(04年末)から62兆1732億ドル(07年末)に増加したとも説明した。(07:00)