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チェイニーとサザランドのアンブロゼッティ秘密会談2008/09/08 12:22

チェイニーとサザランドのアンブロゼッティ秘密会談


9月3日の「日米の原理主義暴走は油から始まる」をもう一度振り返りましょう。

・原理主義発祥の地は米国。
・選挙に勝つための宗教票依存が、ついには神憑りのブッシュを大統領に祭り上げる。これが911を誘発、そしてイラク戦争へ。
・原理主義の暴走は油から始まる。いや、正確にいえば、油に群がる人たちが素朴な原理主義者たちを利用し、暴走させる。

レーガン大統領も最初は神憑っていましたが、途中で目が覚めたといわれています。唯一最初から最後まで神憑りだったのはブッシュ大統領。ブッシュも素朴でいい人なのかもしれませんねw

このブッシュを利用し、米国を暴走させたのは誰かといえば、これはもうチェイニー副大統領とその側近。戦争に明け暮れたこの8年を主導したのはチェイニー政権だったと考えればわかりやすい。

このチェイニーはアゼルバイジャン、グルジア、ウクライナを経て、現在イタリアでナポリターノ大統領とベルルスコーニ首相に会っているのではないかと思われます。

チェイニーのイタリアでの動きを追いかけていたのですが、今のところ日本語になっているのはこの記事だけかな。

▼引用開始
米副大統領、イタリアでロシア軍のグルジア侵攻を非難
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200809070009.html

チェイニー米副大統領は6日、訪問先のイタリアで開かれた政財界指導者の会合で講演し、グルジア紛争におけるロシア軍の行動をグルジア侵攻だとして、厳しく非難した。

副大統領は、ロシアが民間人を殺害し、何千人ものグルジア人を難民化したうえ、欧州連合(EU)が調停した停戦合意に従っていないと述べ、「こうした一連の攻撃的な動きや外交の破棄は、ロシアのより大きな目的をめぐる多くの人々の懸念を強めた。隣国への野蛮な行為は、ロシア政府が続けている迷惑かつ無用な行動の最新事例に過ぎない」と明言した。

副大統領はまた、米国や多くの欧州各国が、ロシアの行動を「文明の基準に対する侮辱」であると明確に指摘していると発言。グルジア領内の南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の地位をめぐる異なる意見が、ロシアによる「突然の暴力的侵攻」を正当化することは不可能であると強調した。

チェイニー副大統領は今週グルジアの首都トビリシを訪問し、サアカシュビリ大統領と会談。副大統領はグルジアの北大西洋条約機構(NATO)への加盟支持を表明した。米国はまた、グルジア向けに10億ドル(約1080億円)の追加経済支援の実施を発表。ロシアは、米国がグルジアを同盟国として取り込むため支援している、と主張している。
▲引用終了

もうすぐチェイニー政権は終わりだというのに強気ですね。完全にロシアに喧嘩を売っています。すでに転職先が決まっているのでしょうかw。やはりエネルギー企業か防衛企業かなぁ。

この記事にある「イタリアで開かれた政財界指導者の会合」とはアンブロゼッティ・フォーラム(the Ambrosetti Forum)のこと(=アンブロゼッティ会議, the Ambrosetti Conference)。

このフォーラムはミニ・ダボス(mini-Davos)と呼ばれていますが、顔触れを見るとミニ・ビルダーバーグ(mini- bilderberg)の方が適切かもしれません。

チャイニーの講演は、隣に座っていたトム・リッジ初代国土安全保障省長官への挨拶から始まります。リッジはこのフォーラムのレギュラーメンバー、マケインの副大統領候補として名前があがっていました。

CNN記事では紹介されていませんが、チェイニーはロシアがイランとシリアに武器を売っていると指摘しながら、この一部がレバノンとイラクのテロリストに流れていると語っています。

今年も各界の超有名人が集まっていますが、イスラエルのシモン・ペレス大統領も出席していました。おそらくペレスを刺激したかったのでしょう。

注目すべきは、今年のフォーラムでBPとゴールドマン・サックス・インターナショナル(GSI)の会長を兼任し、ビルダーバーグ・グループの中心人物でもあるピーター・サザランド(Peter Sutherland)も講演を行っていること。

つまり、このフォーラムでチェイニーとサザランドは間違いなく会っていました。むしろ、2人が会うためにこのフォーラムを選んだとの見方もできます。

残念ながらチェイニーのスポークスウーマンであるミーガン・ミッチェルがコメントを拒否したので、2人の会談内容は明らかにされていません。

このブログを見ていただいている方はすでに予測できると思いますが、TNK-BPのこと、原油価格操作のこと、それにアラスカにおける新たな天然ガスパイプラインのことも当然話し合われたはず。

チェイニーはアゼルバイジャンでBPの幹部(William Schrader)とシェブロンの幹部(Robert Dastmalchi, San Ramon)と個人的に会っていましたからね。

BPが米アトランティック・リッチフィールド(ARCO, Atlantic Richfield Company)を買収したのは2000年4月。この買収の狙いはアラスカ州ノーススロープの油田開発事業の取り込みだったと言われています。

この買収によって、BPはそれまで持っていた権益を含めノーススロープ油田の日産120万バレルの3分の2にあたる80万バレルを占めることになります。さらに、州内に張り巡らされたトランス・アラスカ・パイプライン(trans-Alaska pipeline、1977年完成)の運用権の70%を握る。

現在BPはコノコフィリップスと組んでアラスカでの新たな天然ガスパイプラインの建設を目指しています。

マケインが副大統領候補に起用したアラスカ州知事のサラ・ペイリンの夫・トッドが働いていたのもBP。しかも、ペイリンが州知事に立候補した時にBPは5400ドルを献金しました。

BPが圧倒的有利と思われていましたが、ペイリンが先に選んだのはカナダのアルバータ州カルガリーに本社を構えるトランスカナダ(TransCanada)だった。

副大統領候補起用発表の2日前の8月27日、ペイリンはトランスカナダに対してアラスカ・ガスライン・誘致法(Alaska Gasline Inducement Act)に基づき、ライセンス付与承認の署名を行います。

なにやら“マーヴェリック(一匹狼)”マケインは、チェイニーやBPを相手に駆け引きをしているようです。

詳しい事情はアンブロゼッティ・フォーラムに出席している人に聞くのが一番。ここに張った画像をクリックすれば講演者名簿が出てきます。

私のコラムに頻繁に登場する日本人2人も含まれています。日本政財界の方々はもうすでにこの2人から報告を受けているかもしれませんね


<参考記事>
激突するチェイニーとプーチン
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/09/04/3742117

チェイニーのアンブロゼッティ・フォーラム講演全文はこちら
Remarks by Vice President Cheney at the Ambrosetti Forum
http://announce.ft.com/index.aspx?a=571766
http://www.marketwatch.com/news/story/remarks-vice-president-cheney-ambrosetti/story.aspx?guid=%7B3B6A2339-D47F-4157-A222-2657F7260E6C%7D&dist=hppr
http://www.earthtimes.org/articles/show/remarks-by-vice-president-cheney-at-the-ambrosetti-forum,529912.shtml#

Ambrosetti Home Page
http://www.ambrosetti.eu/english/index.php

Cheney Says Russia Runs Risk Confrontation With NATO (Update2)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=al6eT01fv.aM&refer=home
Cheney to Peres: Russia supplies terrorist arms
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1018591.html
Palin Power
http://www.forbes.com/business/2008/09/04/rnc-palin-speech-biz-beltway-cx_bw_0904palin.html