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石破茂のシークレット・ガーデン♪2008/09/06 14:53

ユー・レイズ・ミー・アップとダニー・ボーイ

重度のランキング依存からずっと抜け出せないのが音楽業界。

長く歌い継がれるいいものを素朴に追いかければいいのに、今なおランキング上位にパッと花咲く「打ち上げ花火ソング」ばかりを追いかけています。

すでに音楽自体が消耗品化している日本にあって、ロングヒットとなった洋楽がありました。

ケルティック・ウーマン(Celtic Woman)のユー・レイズ・ミー・アップ(You Raise Me Up)ですね。

2006年トリノオリンピックのフィギュアスケートで金メダルを受賞した荒川静香がエキシビションで採用したことで日本でも人気急上昇、つい最近までパナソニックのCMにも使われていました。

この曲はノルウェー出身の作曲家ラルフ・ラヴランドとアイルランド出身のヴァイオリニストのフィンヌーラ・シェリーとのユニットであるシークレット・ガーデン(Secret Garden)の楽曲です(作曲がラヴランド)。

▼それでは原曲を聴いてみましょう。
You Raise Me Up - Secret Garden
http://jp.youtube.com/watch?v=I6PX2umTYRg&feature=related

ケルティック・ウーマンも聞きたいですかぁ?
▼じゃー、これを
Danny Boy - Celtic Woman
http://jp.youtube.com/watch?v=EaPFCvzzcFM

この二つの曲はケルティック・ウーマンの同じアルバムの中に入っているので、気付いた方も多いのではないかと・・・。

実は私、ユー・レイズ・ミー・アップを最初に聞いた時にこれはもう「ダニー・ボーイそのままですがな」と気付きました。リズムといいサビのメロディーといいそっくりでしょ。

シークレット・ガーデンもダニー・ボーイをベースに作曲したことを認めています。しかし、古くからあるダニー・ボーイもアイルランド民謡の「ロンドンデリーの歌」(Londonderry Air)をもとに歌詞をつけたと言われています。民謡なので著作権も消滅しているために問題にはなりません。

このダニー・ボーイという曲はさまざまなジャンルの人が取り上げてきました。

ケルト民謡コレクターの私が持っているだけですでに100種類を超えています。エルヴィス・プレスリーにオスカー・ピーターソンにジョニー・キャッシュ、日本では森進一に小野リサに、最近では手嶌葵が「願いごと」というタイトルで出しています。

日本人でもきっとどこかでダニー・ボーイを聴いたことがあるはず。そのフレーズが耳に残っているのでユー・レイズ・ミー・アップが違和感なく入ってきた。『刷り込み』という表現も使ってもいいのかなぁ。


なぜこの話が石破茂と関係あるのかって?

「故郷」  うさぎ追いしかの山・・・
「朧月夜」  菜の花ばたけに入日うすれ・・・
「春が来た」  春がきた春がきた・・・
「春の小川」 春の小川はさらさら・・・
「もみじ」 秋の夕日に照る山紅葉・・・

皆さんもご存知の日本の唱歌です。いずれも作詞は高野辰之、作曲は岡野貞一とされています。

これぞ日本が誇るいい歌だと思っている方も多いのではないかと思いますが、いずれも賛美歌の影響を受けています。

実は作曲者の岡野貞一はプロテスタントでした。滝廉太郎も山田耕筰もクリスチャン。日本の西洋音楽受容に日本人クリスチャンが深くかかわっていました。

「岡野貞一Wikipedia」を見ると、岡野作曲説を学問的に疑わしいと書いています。私もそう思う。それでも賛美歌の影響は間違いなくある。むしろ賛美歌だったことを隠そうとしてアレンジを施しています。

私は唱歌集刊行のために来日していたルーサー・ホワイティング・メーソン(Luther Whiting Mason)が選曲からアレンジまで行ったのではないかと見ています。

ちなみにメーソン来日に関与していたのは伊沢修二、そして日本におけるクリスチャン人脈の創始者の一人、森有礼です。

岡野はメーソンが選曲&アレンジしたものを日本人が歌いやすいようにアレンジを加えたのではないでしょうか。

そろそろ日本におけるシークレット・ガーデンの扉を開けますね。

岡野貞一が洗礼を受けたのは日本キリスト教団鳥取教会(監督派)です。

この日本キリスト教団鳥取教会は、拙著『隠された皇室人脈』でも取り上げました。しかも、NHK紅白歌合戦で「故郷」を二度も披露した安田祥子&由紀さおり姉妹の名前も一緒に登場しますよw

石破茂もこの日本キリスト教団鳥取教会に所属しています。石破茂が熱唱する「故郷」を聞いてみたいなぁ。