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激突するチェイニーとプーチン2008/09/04 13:19

チェイニーとナブコ・ガス・パイプライン


「ごらぁー。ロシアなんかを信用するからこんなことになるんじゃぃ。プーチンは敵なのだ。ロシアを通らないナブコ・ガス・パイプラインを早く進めろ!」

おそらくこんな感じでEUを説教してそうなのがチェイニー副大統領。9月3日にチャイニーが降り立ったのはアゼルバイジャンのバクー。なんとも露骨ですねぇw

このナブコ・ガス・パイプライン(Nabucco Gas Pipeline、「ナブッコ」表記もあり)にドイツのRWE(RWE AG)が参加を決めたのは今年の2月。ということは、ドイツもロシア依存がヤバイと思っていたってことですね。

The shareholders of Nabucco Gas Pipeline International GmbH

・OMG:OMV Gas & Power GmbH(オーストリア)
・MOL:MOL(ハンガリー)
・TG:The National Company for Natural Gas Transmission (“TRANSGAZ S.A.”)(ルーマニア)
・BG:Bulgargaz-Holding EAD(ブルガリア)
・BOTAS:BOTAŞ Petroleum Pipeline Corporation (“BOTAS”)(トルコ)
・RWE:RWE AG(ドイツ)

※Each shareholder holds an equal share of 16,67% in Nabucco Gas Pipeline International GmbH.

RWEはドイツ第2位のエネルギー会社。第1位のエーオン(E.ON AG)は、ゲアハルト・シュレーダー前首相がいるガスプロム系ノルド・ストリームに20%出資しています。

つまり、ドイツはロシア派と反ロシア派に割れているってこと。政治も相当絡んでいるのでしょう。

チェイニーに説教されたEU側(特にドイツとフランスとイタリア)もチェイニーに向かってボソボソ。

「あのぉー、ナブコ計画にイラク、それにイランも参加したいと・・・。イラクはともかくイランはどうするんですかぁ~?」などとツッコミを入れているかもしれません。

チェイニーがアゼルバイジャンに乗り込んだのは、EUのイラン接近を牽制する狙いもあるんでしょうね。

それともイラン戦争は回避されるのか? 今頃イスラエルはキィー?

なお、このナブコ計画にドイツ企業が参加する理由がよくわかる地図を探して貼り付けておきました。バクー、イラン、イラクとドイツ、フランス、イタリアの位置に注目してください。


<関連記事>
「プーチン❤シュレーダー」をしたたかに見守るロスチャイルド
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/08/20/3700731

米副大統領「米国はカフカス地方に深い関心」、ロシアをけん制
http://www.afpbb.com/article/politics/2513314/3286440
AZERBAIJAN: CHENEY SEEKS TO KEEP BAKU TILTED TOWARD THE WEST
http://www.eurasianet.org/departments/insight/articles/eav090308.shtml#
Cheney in Baku for pipeline talks
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=68377&sectionid=351020406
Analysis: Europe Hopes to Reduce Russian Energy Dependency
http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,3616128,00.html

Iran to launch gas pipeline construction under Nabucco project
http://eldib.wordpress.com/2008/06/06/iran-to-launch-gas-pipeline-construction-under-nabucco-project/

▼重要記事の引用開始
米副大統領:グルジア紛争「ロシアによる侵略」と非難
http://mainichi.jp/select/world/news/20080904k0000e030013000c.html
 【モスクワ杉尾直哉】米国のチェイニー副大統領は3日、アゼルバイジャンを訪問し、同国、グルジア、ウクライナの旧ソ連構成国3カ国への歴訪を開始した。米ホワイトハウスによると、副大統領はアゼルバイジャンのアリエフ大統領と会談し、グルジア南オセチア紛争について「ロシアによるグルジア侵略」と強く非難した。ロシア側は副大統領の歴訪に反発している。
 副大統領は「ブッシュ米大統領は、明瞭(めいりょう)かつ簡素なメッセージを託して私を派遣した。あなた方の安全保障確保に米国の深く、永続的な利益がある」と述べ、訪問先3カ国の安全保障に米国が深くかかわる決意を表明した。
 会談で副大統領は、アゼルバイジャンと協力し、「新たな資源輸送ルート」を開発する必要性に言及した。アゼルバイジャンは、カスピ海産の石油をロシアを回避して欧州側に送るBTCパイプラインの起点だが、中央アジア産の天然ガスをロシア回避で欧州に送るナブッコ・パイプライン計画の実現を想定した発言とみられる。
 ロシアのメドベージェフ大統領は8月31日、ロシアの主要テレビとの会見で、「ロシアが特権的利益を持つ地域の維持」を外交方針に掲げた。ロシア周辺の旧ソ連構成国を自国の勢力圏とし続ける理念であり、チェイニー副大統領のこうした諸国への外遊は、ロシア側の強い反発を呼びそうだ。
 ロシアのプーチン首相は、同28日の米CNNとの会見で、グルジア紛争開始の背景について「米大統領選に絡めた米国の陰謀」を強く示唆する発言をしていた。ペスコフ露首相報道官は2日、「副大統領の外遊もプーチン首相が語った疑惑と同じ狙いがある」と述べ、米大統領選の共和党内定候補ジョン・マケイン上院議員を有利にするパフォーマンスとの認識を示した。
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