Google
WWW を検索 「園田義明めも。」を検索

ガスプロムに気をつけろ!2008/08/18 07:42

こわ~ぃガスプロム・タンク
今年4月の産経新聞に続いて、昨日の日経新聞でも広田弘毅の名前が登場していました。いずれも大変興味深い内容ですが、肝心な点に触れていないのが気になります。

「東方拡大」戦略を鮮明に打ち出しているのは、ロシア政府系天然ガス企業のガスプロムであり、なんといってもドミトリー・メドベージェフ大統領はガスプロムの会長だった。このガスプロムがサハリンプロジェクトの中核として強引に割り込んできている。

よって、領土問題とともに注意すべきはサハリンプロジェクトとその背後にいるガスプロムの存在だということです。

北樺太石油会社からサハリンプロジェクトに至る歴史を振り返ることも必要。そうすれば広田に代わって松岡洋右の名前が浮上するはず。松岡はヒトラーだけではなくスターリンに「買収でもされたのではないかと思はれる」(昭和天皇独白録)ところもあった。

その上でズバリ、ロシアが囁く甘い言葉に絶対乗ってはいけない!

▼日経&産経読み比べ・引用開始

巣鴨プリズンからの遺言(風見鶏)
2008/08/17, 日本経済新聞 朝刊
 戦時中に外相、首相を歴任し、文官としてただひとり、東京裁判で絞首刑の判決を受けた広田弘毅氏。公判では自己弁護に走ることなく、多くを語らないまま死についた。だが、教戒師に促され、処刑直前に残した言葉がある。
 「ロシアの動きの真相を見ていたら、あるいは第二次世界大戦は避け得たかも知れない」。彼はこう話したうえで、さらに続けた。「将来はロシアを中心として世界の変動がどうなっていくかということが、いちばん大きな問題だろう」
 「落日燃ゆ」(城山三郎著、新潮社)に登場する場面である。青天のへきれきだった一九三九年の独ソ不可侵条約、日ソ中立条約を一方的に破棄しての対日参戦。彼の脳裏にはソ連に翻弄(ほんろう)され続けた日本への無念さが刻印されていたのだろう。
 広田氏の死から約六十年。ソ連は地上から姿を消し、日本を取り巻く情勢は一変した。だが、ロシアの出方が日本の国益を左右するという現実は今も同じだ。とりわけ、ロシアとグルジアの紛争が火を噴き、日本にも大きな影響を及ぼしかねない情勢に直面するにつれ、そんな思いが募る。
 ロシアは近年、米国や北大西洋条約機構(NATO)の勢力圏が東欧・旧ソ連諸国に忍び寄っていることに神経をとがらせてきた。親米政権のグルジアへの介入も、その延長線上にある。米国が人道支援目的で米軍をグルジアに送るに至り、米ロはミニ冷戦に入り込む様相すら見せている。
 それは日本にどう跳ね返ってくるのか。「ロシアは東欧や旧ソ連圏で守勢に立たされている分、アジア方面で勢力を押し返そうとする」。政府の複数の安全保障当局者はロシアの出方をこう分析する。
 クレムリンは当然、欧州・アジア方面を両にらみにしながら戦略を組み立てている。米国に対抗して自らの勢力圏を立て直すために、アジアへの戦略的な関与を深めるのではないかというわけだ。
 その兆候はある。七月八日に開かれた福田康夫首相とメドベージェフ・ロシア大統領の会談。メドベージェフ氏はあるお土産を携えてきた。今年後半、四人のロシア要人が立て続けに来日する日程である。
 プーチン首相、イワノフ副首相、ラブロフ外相、そしてフリステンコ産業貿易相。日ロ関係筋によると、これだけのロシア要人が半年以内に来日するのも珍しければ、こんなに早くからその日程を確約するのも異例という。「クレムリンがアジア戦略を重視し始めた表れ」(同関係筋)ともいえる。
 ロシアが対日関係を強めようとすること自体は、北方領土問題を動かすうえでも悪い話ではない。メドベージェフ氏は福田氏に「領土問題が解決されれば、関係を最高水準に引き上げられる」と呼びかけた。「ロシア側に譲歩の兆しがあるわけではないが、少し前向きなシグナルを出してみようという雰囲気はある」(政府関係者)
 日本にとって大事なことはその意図を読み切ったうえで、対応することだろう。ロシアがシベリア開発での経済協力を期待しているのは間違いないが、米ロ冷戦が現実になれば、日米同盟のタガを緩めることに力を注ぐかもしれない。
 ロシア高官は日本側との接触で「中央アジアに民主主義のイデオロギーを持ち込むべきではない」と語り、米国に追随しないようけん制している。
 日露戦争から米ソ冷戦に至るまで、明治維新後の日本の進路にとってロシアはいつも大きな変数だった。広田氏の「遺言」を改めて肝に銘じるときである。(編集委員 秋田浩之)

日露首脳会談 「領土」置き去りか サミット前、顔合わせ力点
2008/04/27, 産経新聞 東京朝刊
 【モスクワ=高木桂一】26日の首脳会談を受け日露が「アジア太平洋地域での協力強化」に踏み出すことになった。同地域で不気味な膨張を続ける中国の存在が日露の接着剤となっているが、日本側の視線の先には、連携の流れを北方領土交渉にスライドさせることがある。しかしロシア側は日本側の足元を見透かしており、「領土」が置き去りにされる危険性は消えない。
 福田康夫首相の訪露は、5月の退任後、首相として実権を握るプーチン氏、メドベージェフ次期大統領との顔合わせに力点が置かれた。プーチン氏も会談場所をクレムリンから大統領公邸に変更し、「信頼関係」を演出してみせた。
 領土問題についてプーチン氏は「解決しなければならない」と意欲を示したが、額面通りには受け取れない。7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)は、ロシア首脳が初めて北方四島の属する北海道に降り立つ外交舞台だが、「この時期に首相を招いて領土問題を議論し、サミットで『領土』を封印する意図が透けてみえる」と日露関係筋はいう。
 ロシアをアジア太平洋共同体に組み込むことで地域の繁栄や平和、安定への責任をもたせ、領土問題決着につなげる-。この対露アプローチはここ20年間の「急がば回れ」路線の変形だが、首相同行筋は「領土をめぐる『交渉ごっこ』は終わった」と交渉進展に自信をのぞかせる。
 だがロシアの「食い逃げ」に終止符が打たれる保証はない。「領土」をダシに日本の歓心を引いてきたプーチン氏と、その糟粕(そうはく)をなめるメドベージェフ氏の対日戦略は一枚岩だ。中露専門家は「北方領土への中国の投資が近年急激に増えている。中露が対日包囲網を敷いている」とも指摘する。
 「ソ連をもっと知るべきだった」。大戦後の極東軍事裁判でA級戦犯として文民で唯一死刑判決を受けた広田弘毅元首相はこう言い残し、絞首台に立った。スターリンは不可侵条約を結ぶ西方のドイツの寝返りを恐れ日ソ中立条約を締結したが、一方的に破棄し北方領土を不法にせしめた。今、西からの北大西洋条約機構(NATO)拡大にひるみ、東方で日本への接近を図るロシアと重ならなくもない。クレムリンの本質を見誤れば、日本は「第2の敗北」という代償を払うことになる。中国、北朝鮮も福田政権の対露外交の手綱さばきを注視している。

▲引用終了

<関連サイト>
拙稿「薩長因縁の昭和平成史(3)」
http://www.yorozubp.com/0610/061001.htm

サハリンプロジェクト
http://www.eia.doe.gov/emeu/cabs/Sakhalin/Full.html
http://www.sakhalin1.com/en/
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/skk/russia/russia/r-spro/project/outline/index.htm

<キーワード>
Sakhalin Japan Russia China Korea Gazprom Exxon ExxonMobil Shell Mitsubishi Mitsui Sinopec BP TNK-BP Medvedev Putin oil natural gas LNG