西室泰三に学ぶグローバル人脈の作り方 ― 2008/08/01 00:10

東京証券取引所グループ取締役会長兼代表執行役の西室泰三氏が米IBMの取締役に選任されました。三菱商事相談役の槙原稔氏、日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏に続く日本企業から3人目の社外取締役就任となります。
西室氏は東芝の取締役社長、取締役会長などを歴任した人物。
角川書店取締役や三井不動産アドバイザリー・コミッティ、カーライル・グループのカーライル・ジャパン・アドバイザリー・ボードのメンバーなども務めてきました。
東芝国際アドバイザー会議を設置したのもおそらく西室氏。
この会議は年2回の頻度で開催され、そのメンバーは世界的に著名なジョン・エイカーズ(元IBM会長)、ジレン・ハンマー(元ボルボ会長)、サミュエル・H・アーマコスト(バンク・オブ・アメリカ元会長)などがいました。この時からすでにIBMとの人脈的接点があったわけです。
サミュエル・H・アーマコストはマイケル・H・アーマコスト元駐日米国大使の実弟。兄弟揃って超エリートが集うボヘミアン・グローブの常連です。
マイケル・H・アーマコストは保険大手のアフラックや穀物メジャーのカーギルなどの取締役を歴任。秋山直紀の日米平和・文化交流協会の理事も務めていますね。
西室氏はアーマコスト兄弟とかなり親しいのではないでしょうか。
東京証券取引所グループの取締役会メンバーはここ。
すでに登場した奥田碩氏含め錚々たる方々が集まっています。
http://www.tse.or.jp/about/tse/governance/houkokusho.pdf
西室氏は財務省財政制度等審議会の会長。そのメンバーはここ。
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/meibo/meiboa.htm
またシンガポール経済開発庁国際諮問委員会はここ。
http://www.edb.gov.sg/edb/sg/en_uk/index/about_us/
international_advisory.html
そして、IBMの取締役会で新たな出会いがあるはず。
これでグローバルな西室人脈がいっそう拡がるわけです。
ジョアン・スペロ元国務省次官はトヨタの国際諮問委員会(IAB)のメンバーですから、奥田氏を通じてすでに知り合いかもしれません。
それにしてもCFRのメンバーが多いこと(笑)。
IBM Board of directors
http://www.ibm.com/investor/governance/board-of-directors.wss
それでは西室さんから人脈作りを学びましょう。
まずは自分が所属する組織のトップになること。
御山の大将になりがちな日本社会ですが、
向上心を忘れることなく他の組織との交流に務めること。
特に政府機関、それに企業の取締役会や国際諮問委員会、大学やシンクタンクの理事会などからお呼びがかかった場合は、進んで引き受けること。
取締役会のように定期的に開催される会合が人脈作りに最適。
実際に顔を合わせることが基本ですね。
ただし、所属組織を最優先にしないと当然反発もあります。
槙原稔氏のように社内から「アメリカ人」に「宇宙人」、さらには「エイリアン」などと揶揄されることもあるのでご注意を!(笑)
これであなたもきっと奥田氏や西室氏のように世界をちょっぴり動かせるグローバル・エリートになれるはず!!
私のようにのんびり楽しくにこだわる人は、
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を有効活用しながら、
研究や趣味の世界で人脈作りを楽しみましょう。
この時も直接「顔を合わせる」ことが基本ではないかと思います。
<関連サイト>
Taizo Nishimuro Elected to IBM Board of Directors
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/24762.wss
米IBM、社外取締役に西室・東証会長
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=AS1D30070%2030072008&landing=Next
米IBMが東証・西室会長を取締役会に、「アジア市場の知識に期待」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080731/311900/
西室泰三プロフィール
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/nisimuro.html
西室氏は東芝の取締役社長、取締役会長などを歴任した人物。
角川書店取締役や三井不動産アドバイザリー・コミッティ、カーライル・グループのカーライル・ジャパン・アドバイザリー・ボードのメンバーなども務めてきました。
東芝国際アドバイザー会議を設置したのもおそらく西室氏。
この会議は年2回の頻度で開催され、そのメンバーは世界的に著名なジョン・エイカーズ(元IBM会長)、ジレン・ハンマー(元ボルボ会長)、サミュエル・H・アーマコスト(バンク・オブ・アメリカ元会長)などがいました。この時からすでにIBMとの人脈的接点があったわけです。
サミュエル・H・アーマコストはマイケル・H・アーマコスト元駐日米国大使の実弟。兄弟揃って超エリートが集うボヘミアン・グローブの常連です。
マイケル・H・アーマコストは保険大手のアフラックや穀物メジャーのカーギルなどの取締役を歴任。秋山直紀の日米平和・文化交流協会の理事も務めていますね。
西室氏はアーマコスト兄弟とかなり親しいのではないでしょうか。
東京証券取引所グループの取締役会メンバーはここ。
すでに登場した奥田碩氏含め錚々たる方々が集まっています。
http://www.tse.or.jp/about/tse/governance/houkokusho.pdf
西室氏は財務省財政制度等審議会の会長。そのメンバーはここ。
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/meibo/meiboa.htm
またシンガポール経済開発庁国際諮問委員会はここ。
http://www.edb.gov.sg/edb/sg/en_uk/index/about_us/
international_advisory.html
そして、IBMの取締役会で新たな出会いがあるはず。
これでグローバルな西室人脈がいっそう拡がるわけです。
ジョアン・スペロ元国務省次官はトヨタの国際諮問委員会(IAB)のメンバーですから、奥田氏を通じてすでに知り合いかもしれません。
それにしてもCFRのメンバーが多いこと(笑)。
IBM Board of directors
http://www.ibm.com/investor/governance/board-of-directors.wss
それでは西室さんから人脈作りを学びましょう。
まずは自分が所属する組織のトップになること。
御山の大将になりがちな日本社会ですが、
向上心を忘れることなく他の組織との交流に務めること。
特に政府機関、それに企業の取締役会や国際諮問委員会、大学やシンクタンクの理事会などからお呼びがかかった場合は、進んで引き受けること。
取締役会のように定期的に開催される会合が人脈作りに最適。
実際に顔を合わせることが基本ですね。
ただし、所属組織を最優先にしないと当然反発もあります。
槙原稔氏のように社内から「アメリカ人」に「宇宙人」、さらには「エイリアン」などと揶揄されることもあるのでご注意を!(笑)
これであなたもきっと奥田氏や西室氏のように世界をちょっぴり動かせるグローバル・エリートになれるはず!!
私のようにのんびり楽しくにこだわる人は、
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を有効活用しながら、
研究や趣味の世界で人脈作りを楽しみましょう。
この時も直接「顔を合わせる」ことが基本ではないかと思います。
<関連サイト>
Taizo Nishimuro Elected to IBM Board of Directors
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/24762.wss
米IBM、社外取締役に西室・東証会長
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=AS1D30070%2030072008&landing=Next
米IBMが東証・西室会長を取締役会に、「アジア市場の知識に期待」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080731/311900/
西室泰三プロフィール
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/nisimuro.html
米欧石油メジャーはボロ儲け。ビッグ3は歴史的苦境。 ― 2008/08/02 08:59
ExxonMobil Record Earnings 1999-2007
ExxonMobil annual reports 2003(左)&2007(右)より
http://www.exxonmobil.com/corporate/files/news_pub_sar_2007.pdf
http://www.exxonmobil.com/corporate/files/corporate/
ExxonMobilAR2003.pdf
米エクソンモービルの第2・四半期決算は、原油高を追い風に純利益が116億8000万ドル(約1兆2600億円)になったと発表。
2007年第4・四半期にも米国企業史上最高益を記録していましたが、
これをさらに更新したわけです。
世界2位の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルの純利益も前年同期比33%増の115億5600万ドル、英BPも28%増でともに最高益を更新。
更新ラッシュが続く米欧石油メジャーは、
さぞかし笑いが止まらないようにもみえます。
しかし、エクソンやシェルの生産量は前年同期比で減少に転じており、
産油国が油田の国家管理を強める資源ナショナリズムが進む中、好調はいつまで続くのやら。
さてエクソンモービルの好調はいつから始まったのか。
上のグラフを見てもわかるように転機になったのは2003年。
この年3月にイラク戦争が始まったことを考えれば、
エクソンモービルの創業者一族であるロックフェラー家の陰謀だ!
そういう風に見られても仕方ないよね。
原油高の影響で明暗を分けているのが米自動車産業。
米ゼネラル・モーターズ(GM)の最終損失は、
前期の33億ドルから155億ドル(約1兆7000億円)に拡大。
フォード・モーターも87億ドルの大幅赤字。
米格付け会社S&Pはビッグ3の格付けをいずれも「投機的」とされるこれまでの「B」から、さらに1段階引き下げ「Bマイナス」に。
北米市場の大型車販売不振はトヨタや日産にも深刻な影響を及ぼし始めました。
ExxonMobil annual reports 2003(左)&2007(右)より
http://www.exxonmobil.com/corporate/files/news_pub_sar_2007.pdf
http://www.exxonmobil.com/corporate/files/corporate/
ExxonMobilAR2003.pdf
米エクソンモービルの第2・四半期決算は、原油高を追い風に純利益が116億8000万ドル(約1兆2600億円)になったと発表。
2007年第4・四半期にも米国企業史上最高益を記録していましたが、
これをさらに更新したわけです。
世界2位の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルの純利益も前年同期比33%増の115億5600万ドル、英BPも28%増でともに最高益を更新。
更新ラッシュが続く米欧石油メジャーは、
さぞかし笑いが止まらないようにもみえます。
しかし、エクソンやシェルの生産量は前年同期比で減少に転じており、
産油国が油田の国家管理を強める資源ナショナリズムが進む中、好調はいつまで続くのやら。
さてエクソンモービルの好調はいつから始まったのか。
上のグラフを見てもわかるように転機になったのは2003年。
この年3月にイラク戦争が始まったことを考えれば、
エクソンモービルの創業者一族であるロックフェラー家の陰謀だ!
そういう風に見られても仕方ないよね。
原油高の影響で明暗を分けているのが米自動車産業。
米ゼネラル・モーターズ(GM)の最終損失は、
前期の33億ドルから155億ドル(約1兆7000億円)に拡大。
フォード・モーターも87億ドルの大幅赤字。
米格付け会社S&Pはビッグ3の格付けをいずれも「投機的」とされるこれまでの「B」から、さらに1段階引き下げ「Bマイナス」に。
北米市場の大型車販売不振はトヨタや日産にも深刻な影響を及ぼし始めました。
スイスでも蘇る八百万の神々 ― 2008/08/02 21:00

面白い記事を見つけたので貼り付けておきますね。
スイスでは「教会よりも自然が霊的」 改革派週刊誌が調査
http://christiantoday.co.jp/main/international-news-1654.html
【ジュネーブ=ENI・CJC】スイスのプロテスタントの半分以上は、自然の方が、教会に行くよりも霊的な感動を受けると思っていることが分かった。ドイツ語圏の改革派教会が発行している週刊誌『レフォルミエルテ・プレッセ』の調査で判明した。
スイス人が霊性を求める時、自然の中で発見される平穏の方が教会の中で得られるものより重要であることの度合いが相当大きい、という。この調査を全国規模の『スイス放送』の電子版『スイスインフォ』が伝えた。
調査は、チューリッヒの調査機関『GfS』が行った。それによると、スイス市民の41%が自然に霊性を発見するとし、教会をあげる人はわずか16%だった。
カトリックでは約3分の1が霊性を求めて自然を訪ねると答えた。言語別ではフランス語を話す人よりもドイツ語を話す人にその傾向が強い。
スイスインフォによると『レフォルミエルテ・プレッセ』誌のマティアス・ベーニ編集長は「私たちは、霊性がここ数年間で良く耳にするようになったと思う。そして、それがスイスの伝統的な教会にどの程度結びついているか知りたかった」と言う。
スイス総人口750万のうちプロテスタントは35%、カトリックが42%を占めている。
ベーニ氏は霊性を「沈黙と神秘への一種の模索」と見なしており、人々は日常では見失ってしまった何かであると言う。
プロテスタント教会員の半数以上は自然に霊性を求め、カトリックでは3分の1超、他宗教の信者では4分の1未満になる。「プロテスタント教会は、どちらかと言うとカトリックより冷静で知的だとなると、この結果はそれほど驚くべきものでない」と、ベーニ氏。
カトリック教会が信者の霊的側面での願いに応える方法として巡礼を組織することに、ベーニ氏は注目する。これまで無視して来たプロテスタント教会でも現在“再発見”の動きがある。
霊性に関して自然の占める位置は、ドイツ語を話す人にとっては46%と、フランス語を話す人の25%と比べて、際だっている。スイス市民の約64%はドイツ語を話し、フランス語を話す人は20%超ということからも、スイス人の自然観とも言えそうだ。
ベーニ氏は、調査結果が社会の変革の結果だと言う。それを教会が止めることも出来ず、かと言って必要な対応も出来ない。
かつて教会は、人々霊的なものを求める時、たどりつく唯一の場所だったが、今では他に多彩な競争相手がいる。「霊性が現在ほとんど教会に結びついていないかに驚く一方で、宗教にまで個人主義が浸透していることに驚かされた。人々は自分の信仰を個人的に実践するようになり、霊性についてもそうなっているのだ」と、ベーニ氏は言う。
▼スイスインフォ記事
July 15, 2008 - 9:49 AM
Search for peace moves outside church walls
http://www.swissinfo.ch/eng/front/
Search_for_peace_moves_outside_church_walls.html?siteSect=105&sid=9331764&rss=true&ty=st
When the Swiss look for spirituality, the peace many find in nature is far more important than the inside of a church, a survey has revealed.
The magazine poll found clear differences between members of the Protestant Church and Roman Catholics and also between German and French speakers.
"We thought spirituality had become very popular in the last few years, and we wanted to know how strongly it was still connected to the traditional churches in Switzerland," says Matthias Böhni, the editor of the Reformierte Presse.
The weekly magazine is read mainly by professionals including pastors and social workers connected to the Protestant Church.
Böhni defines spirituality as "some kind of search for silence and for mysticism", and told swissinfo that it was perhaps something people missed in their everyday lives.
According to the survey, which was conducted by the gfs.zurich polling institute, 41 per cent of people in Switzerland found spirituality in nature, while only 16 per cent found it in church.
Over half of those belonging to the Protestant Church looked for spirituality in nature, in comparison with just over a third of Roman Catholics and just under a quarter of the followers of other religions.
Superficial spirituality
Nature as a place of spirituality was much more important for German speakers than it was for French speakers; 46 per cent of the former chose it, against only 25 per cent of the latter.
Twenty per cent of French speakers named lifestyle as the place where they sought spirituality, whereas this was the case with only three per cent of German speakers.
"Maybe the French speakers don't have a problem with the superficial kind of spirituality. You can go to a health spa, for example, and say: It's good for my soul, and you can also say: It's good for my outer shape."
"Maybe the Protestants in the German part think that's superficial, and the French speakers don't have this problem," Böhni said, adding that in the future German speakers might come round to the same way of thinking.
"Maybe things that appear superficial do have a kind of power," he suggested.
Church and society
The results reflected clear changes in society, which the churches cannot halt and which they must respond to, he said. Where once the churches were the only place people could turn toward in their spiritual search, now they are in competition with a range of other providers.
"On the one hand we were surprised how little spirituality is now associated with the church, but on the other hand, the results reflect individualism in religious matters as in others. People are practising their beliefs more and more in private and this applies to spirituality too."
The purpose of the poll was to inform the magazine's readers, not to tell them what to do. Nevertheless, there are certainly lessons for the churches to draw.
The poll showed the Catholics as having more spiritual awareness, which could be the result of a difference in emphasis between the two main churches.
"The Protestant Church is rather sober and intellectual, more so than the Catholics, so this isn't so surprising," Böhni pointed out.
One way in which the Roman Catholic Church responds to the spiritual longings of believers is in organising pilgrimages, something the Protestant Church has neglected but is now rediscovering.
The impulse for this comes mostly from the believers themselves, Böhni says. Pastors have to ask themselves why people are not coming to church as much as they used to. "One reason is perhaps that spirituality has been neglected."
European tradition
Given how the Swiss respond to nature, perhaps it is significant that some pilgrimage sites are to be found in places where nature is at its most magnificent and awesome, such as high in the mountains.
"People choose their own kind of spirituality," Böhni said. "Years ago we had the one and only truth, the Church, and now we are open. There are many ways in which you can believe. I don't think we only want one kind of belief."
Nevertheless, the churches should have a special role, he thinks.
"It would be better if the churches were more connected with spirituality. The churches should do something to inform people that spirituality has a tradition in Europe and that the churches are strongly involved in this tradition."
The survey also took in people who followed non-Christian religions and people with no religion at all.
Nearly a quarter of the respondents said they had no opinion about where spirituality could be found. "But that doesn't mean they don't have any experience in a spiritual sense," Böhni said.
Although people with no religion were more likely than believers to state that spirituality was of little or no importance to them, it plays an important role for more than a quarter of respondents.
In the case of people following non-Christian religions, 54 per cent regarded spirituality as an important part of their lives.
swissinfo, Julia Slater
スイスでは「教会よりも自然が霊的」 改革派週刊誌が調査
http://christiantoday.co.jp/main/international-news-1654.html
【ジュネーブ=ENI・CJC】スイスのプロテスタントの半分以上は、自然の方が、教会に行くよりも霊的な感動を受けると思っていることが分かった。ドイツ語圏の改革派教会が発行している週刊誌『レフォルミエルテ・プレッセ』の調査で判明した。
スイス人が霊性を求める時、自然の中で発見される平穏の方が教会の中で得られるものより重要であることの度合いが相当大きい、という。この調査を全国規模の『スイス放送』の電子版『スイスインフォ』が伝えた。
調査は、チューリッヒの調査機関『GfS』が行った。それによると、スイス市民の41%が自然に霊性を発見するとし、教会をあげる人はわずか16%だった。
カトリックでは約3分の1が霊性を求めて自然を訪ねると答えた。言語別ではフランス語を話す人よりもドイツ語を話す人にその傾向が強い。
スイスインフォによると『レフォルミエルテ・プレッセ』誌のマティアス・ベーニ編集長は「私たちは、霊性がここ数年間で良く耳にするようになったと思う。そして、それがスイスの伝統的な教会にどの程度結びついているか知りたかった」と言う。
スイス総人口750万のうちプロテスタントは35%、カトリックが42%を占めている。
ベーニ氏は霊性を「沈黙と神秘への一種の模索」と見なしており、人々は日常では見失ってしまった何かであると言う。
プロテスタント教会員の半数以上は自然に霊性を求め、カトリックでは3分の1超、他宗教の信者では4分の1未満になる。「プロテスタント教会は、どちらかと言うとカトリックより冷静で知的だとなると、この結果はそれほど驚くべきものでない」と、ベーニ氏。
カトリック教会が信者の霊的側面での願いに応える方法として巡礼を組織することに、ベーニ氏は注目する。これまで無視して来たプロテスタント教会でも現在“再発見”の動きがある。
霊性に関して自然の占める位置は、ドイツ語を話す人にとっては46%と、フランス語を話す人の25%と比べて、際だっている。スイス市民の約64%はドイツ語を話し、フランス語を話す人は20%超ということからも、スイス人の自然観とも言えそうだ。
ベーニ氏は、調査結果が社会の変革の結果だと言う。それを教会が止めることも出来ず、かと言って必要な対応も出来ない。
かつて教会は、人々霊的なものを求める時、たどりつく唯一の場所だったが、今では他に多彩な競争相手がいる。「霊性が現在ほとんど教会に結びついていないかに驚く一方で、宗教にまで個人主義が浸透していることに驚かされた。人々は自分の信仰を個人的に実践するようになり、霊性についてもそうなっているのだ」と、ベーニ氏は言う。
▼スイスインフォ記事
July 15, 2008 - 9:49 AM
Search for peace moves outside church walls
http://www.swissinfo.ch/eng/front/
Search_for_peace_moves_outside_church_walls.html?siteSect=105&sid=9331764&rss=true&ty=st
When the Swiss look for spirituality, the peace many find in nature is far more important than the inside of a church, a survey has revealed.
The magazine poll found clear differences between members of the Protestant Church and Roman Catholics and also between German and French speakers.
"We thought spirituality had become very popular in the last few years, and we wanted to know how strongly it was still connected to the traditional churches in Switzerland," says Matthias Böhni, the editor of the Reformierte Presse.
The weekly magazine is read mainly by professionals including pastors and social workers connected to the Protestant Church.
Böhni defines spirituality as "some kind of search for silence and for mysticism", and told swissinfo that it was perhaps something people missed in their everyday lives.
According to the survey, which was conducted by the gfs.zurich polling institute, 41 per cent of people in Switzerland found spirituality in nature, while only 16 per cent found it in church.
Over half of those belonging to the Protestant Church looked for spirituality in nature, in comparison with just over a third of Roman Catholics and just under a quarter of the followers of other religions.
Superficial spirituality
Nature as a place of spirituality was much more important for German speakers than it was for French speakers; 46 per cent of the former chose it, against only 25 per cent of the latter.
Twenty per cent of French speakers named lifestyle as the place where they sought spirituality, whereas this was the case with only three per cent of German speakers.
"Maybe the French speakers don't have a problem with the superficial kind of spirituality. You can go to a health spa, for example, and say: It's good for my soul, and you can also say: It's good for my outer shape."
"Maybe the Protestants in the German part think that's superficial, and the French speakers don't have this problem," Böhni said, adding that in the future German speakers might come round to the same way of thinking.
"Maybe things that appear superficial do have a kind of power," he suggested.
Church and society
The results reflected clear changes in society, which the churches cannot halt and which they must respond to, he said. Where once the churches were the only place people could turn toward in their spiritual search, now they are in competition with a range of other providers.
"On the one hand we were surprised how little spirituality is now associated with the church, but on the other hand, the results reflect individualism in religious matters as in others. People are practising their beliefs more and more in private and this applies to spirituality too."
The purpose of the poll was to inform the magazine's readers, not to tell them what to do. Nevertheless, there are certainly lessons for the churches to draw.
The poll showed the Catholics as having more spiritual awareness, which could be the result of a difference in emphasis between the two main churches.
"The Protestant Church is rather sober and intellectual, more so than the Catholics, so this isn't so surprising," Böhni pointed out.
One way in which the Roman Catholic Church responds to the spiritual longings of believers is in organising pilgrimages, something the Protestant Church has neglected but is now rediscovering.
The impulse for this comes mostly from the believers themselves, Böhni says. Pastors have to ask themselves why people are not coming to church as much as they used to. "One reason is perhaps that spirituality has been neglected."
European tradition
Given how the Swiss respond to nature, perhaps it is significant that some pilgrimage sites are to be found in places where nature is at its most magnificent and awesome, such as high in the mountains.
"People choose their own kind of spirituality," Böhni said. "Years ago we had the one and only truth, the Church, and now we are open. There are many ways in which you can believe. I don't think we only want one kind of belief."
Nevertheless, the churches should have a special role, he thinks.
"It would be better if the churches were more connected with spirituality. The churches should do something to inform people that spirituality has a tradition in Europe and that the churches are strongly involved in this tradition."
The survey also took in people who followed non-Christian religions and people with no religion at all.
Nearly a quarter of the respondents said they had no opinion about where spirituality could be found. "But that doesn't mean they don't have any experience in a spiritual sense," Böhni said.
Although people with no religion were more likely than believers to state that spirituality was of little or no importance to them, it plays an important role for more than a quarter of respondents.
In the case of people following non-Christian religions, 54 per cent regarded spirituality as an important part of their lives.
swissinfo, Julia Slater
「ニュースまでもがランキング依存」という時代 ― 2008/08/03 15:39
6月4日のブログ記事でランキング依存を紹介しました。
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2008/06/04/3561088
「売り上げランキング」をもとに本を選ぶ人が増加している。
これが出版不況の原因にもつながっている。
しかも、ランキング依存は出版業界に限らず、
あらゆる分野に広がっているのではないかと書きました。
普段ニュースサイトをご覧になっている方はピンときたはず。
なんとニュースまでもがランキング依存の対象。
ニュースサイト側も見事迎合してアクセスランキング中毒にまで発展。
ここに貼った某サイト内容を見てみましょう。
怖いのはこれってトップページなんですよね。
しかもランキングも実に種類が豊富!!!
まずは「エンタメニュースランキング」、
次に「記事ランキング」、
そして「ニュース瞬間風速ランキング」(なんじゃこりゃw)があって、
「カテゴリーランキング」へと続きます。
その右横には得体の知れない「言葉ランキング」もあったりします。
しかもですよ。
こんなにたくさんランキングがあってもその内容たるや、
エンタメ&お色気中心のスポーツ紙を見ているようです。
どう考えてもこれは行き過ぎではないかと(汗)
ランキング依存がランキング中毒を生み出して、
ランキング地獄に陥っている模様です。
報道する側のモラルはどこへやら…
なんとも恐ろしい時代になってきました。
こうやって誰もが付和雷同する時代に舞い戻るわけですね。
<主なランキングサイト>
日経
http://www.nikkei.co.jp/news/ranking/index.html
朝日
http://www.asahi.com/whatsnew/ranking/
産経
http://sankei.jp.msn.com/ranking/ranking.htm
毎日
http://mainichi.jp/ranking/
東京
http://www.tokyo-np.co.jp/ranking/
時事
http://www.jiji.com/
共同47NEWS
http://www.47news.jp/
読売(なし)
なお、新聞報道の劣化は米国でも始まっています。
興味のある方はかなり長いけどココを読んでみてね。
The Changing Newsroom
http://www.journalism.org/node/11961
「日の丸油田」を夢見た開拓魂は今何処? ― 2008/08/04 09:53

アラビア石油株式会社ホームページより
http://www.aoc.co.jp/his/ayumi02.html
「山師大いに結構、いまこの世に一番大事なのは山師の根性ではないか」
この言葉を残した山下太郎は、アラビア石油を創業し、海外石油開発に先鞭をつけた人物。戦争中に「油の一滴は血の一滴」を痛感したことが山下を突き動かした。
山下は「満州太郎」「アラビア太郎」「山師太郎」「政商」「黒幕」「昭和の天一坊」「バッタ屋」「一発屋」「大ボラ太郎」「怪物」などと揶揄された。
人脈のつなぎ止めには細心の配慮をしたことから希代の「プレゼント魔」とも言われる。この詳細は日本財団会長の「笹川陽平ブログ」に詳しい。
山下太郎とアラビア石油
http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/1200
この山下を支援したのが、拙著『隠された皇室人脈』で登場する財界総理こと石坂泰三。この石坂も最期の病床でカトリックの洗礼を受けていた。
アラビア石油設立に際し、会長に石坂が、社長に山下がそれぞれ就任する。
石坂と山下の二人は新渡戸稲造を通じてつながる。石坂は新渡戸校長のもとで一高を卒業。山下が学んだ札幌農学校の大先輩にあたるのが新渡戸である。
つまり、さらなる源流を探れば、札幌農学校の基礎を築いたクラーク博士の「少年よ!大志を抱け」とする開拓魂に行き着くのだ。
原油高に右往左往する今の日本にあって、開拓魂は忘れ去られたままになっている。
中東諸国で反米感情が高まる今が絶好のチャンスであることを、日本人は気付いていない。
<新渡戸稲造>
札幌農学校卒1882(明治15)年
一高校長1906(明治39)~1913(大正2)年
<石坂泰三>
一高独法科卒1907(明治40)年
在学中に内村鑑三の聖書研究会に参加。
一高同期に高柳賢三(憲法調査会会長)塚本虎二(無教会派伝道者)、芦田均(内閣総理大臣)、大屋敦(住友化学工業社長)などがいる。
<山下太郎>
札幌農学校卒1912(明治45)年
http://www.aoc.co.jp/his/ayumi02.html
「山師大いに結構、いまこの世に一番大事なのは山師の根性ではないか」
この言葉を残した山下太郎は、アラビア石油を創業し、海外石油開発に先鞭をつけた人物。戦争中に「油の一滴は血の一滴」を痛感したことが山下を突き動かした。
山下は「満州太郎」「アラビア太郎」「山師太郎」「政商」「黒幕」「昭和の天一坊」「バッタ屋」「一発屋」「大ボラ太郎」「怪物」などと揶揄された。
人脈のつなぎ止めには細心の配慮をしたことから希代の「プレゼント魔」とも言われる。この詳細は日本財団会長の「笹川陽平ブログ」に詳しい。
山下太郎とアラビア石油
http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/1200
この山下を支援したのが、拙著『隠された皇室人脈』で登場する財界総理こと石坂泰三。この石坂も最期の病床でカトリックの洗礼を受けていた。
アラビア石油設立に際し、会長に石坂が、社長に山下がそれぞれ就任する。
石坂と山下の二人は新渡戸稲造を通じてつながる。石坂は新渡戸校長のもとで一高を卒業。山下が学んだ札幌農学校の大先輩にあたるのが新渡戸である。
つまり、さらなる源流を探れば、札幌農学校の基礎を築いたクラーク博士の「少年よ!大志を抱け」とする開拓魂に行き着くのだ。
原油高に右往左往する今の日本にあって、開拓魂は忘れ去られたままになっている。
中東諸国で反米感情が高まる今が絶好のチャンスであることを、日本人は気付いていない。
<新渡戸稲造>
札幌農学校卒1882(明治15)年
一高校長1906(明治39)~1913(大正2)年
<石坂泰三>
一高独法科卒1907(明治40)年
在学中に内村鑑三の聖書研究会に参加。
一高同期に高柳賢三(憲法調査会会長)塚本虎二(無教会派伝道者)、芦田均(内閣総理大臣)、大屋敦(住友化学工業社長)などがいる。
<山下太郎>
札幌農学校卒1912(明治45)年
ビビる大捜査線 ホルムズ海峡を封鎖せよ!(1) ― 2008/08/05 01:41

http://www.defense-update.com/newscast/0407/analysis/analysis-120407.htm
「なんだったら、ホルムズ海峡を封鎖してもいいんだぜ。」
ついにイラン革命防衛隊のジャファリ司令官がまたしても究極の脅し文句を発しました。
「やれるもんなら、やってみろ」と言いたいところですが、気になるのがイスラエルの動き。
動かぬ大捜査線に痺れを切らせて、イスラエルは抜け駆けしようとしている。この情報をイランもつかんでいるのでしょう。
「レインボーブリッジ、封鎖できません!」なんて映画がありましたが、レインボーブリッジと比べてはいけませんよ。
ホルムズ海峡といえば原油輸送ルートの要。
しかも、このホルムズ海峡に最も依存しているのは日本です。
大捜査線の後方でビビる日本の姿が・・・
<関連記事>
Iran says able to close key oil route "easily"
http://www.reuters.com/articlePrint?articleId=USDAH43623520080804
FACTBOX: The Strait of Hormuz, Iran and the risk
http://www.reuters.com/articlePrint?articleId=USL424888220080804
イラン、ホルムズ海峡を「制限なく」容易に封鎖可能=革命防衛隊司令官
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33066020080804
ホルムズ海峡「簡単に封鎖できる」 イラン軍司令官
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080804AT2M0402204082008.html
インタビュー:対イラン攻撃なら湾岸地域の原油輸出が脅威に=イランOPEC理事
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-32736220080714
米イ角逐の舞台ホルムズ海峡 重要シーレーン
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080123/amr0801232217012-c.htm
石油供給:日本はアメリカ以上に危機的
http://wiredvision.jp/blog/gohara/200807/200807131052.html
「なんだったら、ホルムズ海峡を封鎖してもいいんだぜ。」
ついにイラン革命防衛隊のジャファリ司令官がまたしても究極の脅し文句を発しました。
「やれるもんなら、やってみろ」と言いたいところですが、気になるのがイスラエルの動き。
動かぬ大捜査線に痺れを切らせて、イスラエルは抜け駆けしようとしている。この情報をイランもつかんでいるのでしょう。
「レインボーブリッジ、封鎖できません!」なんて映画がありましたが、レインボーブリッジと比べてはいけませんよ。
ホルムズ海峡といえば原油輸送ルートの要。
しかも、このホルムズ海峡に最も依存しているのは日本です。
大捜査線の後方でビビる日本の姿が・・・
<関連記事>
Iran says able to close key oil route "easily"
http://www.reuters.com/articlePrint?articleId=USDAH43623520080804
FACTBOX: The Strait of Hormuz, Iran and the risk
http://www.reuters.com/articlePrint?articleId=USL424888220080804
イラン、ホルムズ海峡を「制限なく」容易に封鎖可能=革命防衛隊司令官
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33066020080804
ホルムズ海峡「簡単に封鎖できる」 イラン軍司令官
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080804AT2M0402204082008.html
インタビュー:対イラン攻撃なら湾岸地域の原油輸出が脅威に=イランOPEC理事
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-32736220080714
米イ角逐の舞台ホルムズ海峡 重要シーレーン
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080123/amr0801232217012-c.htm
石油供給:日本はアメリカ以上に危機的
http://wiredvision.jp/blog/gohara/200807/200807131052.html
ビビる大捜査線 ホルムズ海峡を封鎖せよ!(2) ― 2008/08/05 09:03
少し気になったので国会会議録検索システムを使って、ホルムズ海峡を調べてみました。シンプルに「ホルムズ海峡」で検索した結果が上です。
合計16件がヒットしたのですが、その詳細を見ていくとイランとの問題で言及しているのは平成19年4月25日に行われた参議院での「国際問題に関する調査会」のみ。
しかも発言者は参考人として招かれていた財団法人日本総合研究所会長兼株式会社三井物産戦略研究所所長の寺島実郎氏です。
つまり政治家さんたちはホルムズ海峡封鎖という最悪の事態をまったく議論していない。むしろ意識もしていないと判断するしかないですね。
寺島氏は慎重に言葉を選びながら「アメリカと利害を共有して中東問題にかかわるという選択肢を取るのか、アメリカともある種の適切な距離感を取りながら日本独自のスタンスで中東というものとかかわるのかというのを『世界』は注目しているだろう」と発言しています。
米国はことあるごとに「誰のために中東なりホルムズ海峡なりマラッカ海峡を守ってやっていると思っているのだ」と日本に迫ってきました。この現実も確かに直視する必要があります。
それでも、『世界』の中でもとりわけサウジアラビアやイランは極めて戦略的に日本と向き合ってきました。イラク戦争や現在のイラン問題から、おそらく両国は「日本は米国依存から脱却できない。脱却するつもりもない。」との認識を強めているのではないかと。もうすでに役立たずとの評価を下されているのかもしれません。これまでの両国との良好な関係さえ危ぶまれる事態につながる可能性すらあります。
三井関係者の間ではタブーとなっているIJPCの挫折にまで踏み込んだ寺島発言を下に引用しておきます。
<参議院 国際問題に関する調査会 3号 平成19年04月25日>
○参考人(寺島実郎君) 私、このイラン問題には大変深く、人生を左右されるぐらいかかわってきていまして、七九年のいわゆるイラン革命、ホメイニ革命が起こった後、私が長いことかかわってきた三井グループがイランで巨大な石油化学のプロジェクトを展開していて、これはもうカントリーリスクの典型的なプロジェクトとして、ハーバード・ビジネススクールでも革命と戦争に襲われたのろわれたようなプロジェクトというケーススタディーになっているわけですけれども、その関連でもってずっとイラン問題、ウオッチしてきていますけれども、一言で言うとこういうことだと思うんですね。
アメリカの中東における最も大切な同盟国であるサウジアラビアとイスラエルにとっても、アメリカが今イラクでやっていることというのは、ぎょっとなるような、腰が引けるような展開になってきたわけですね。
どういう意味かというと、アメリカが何とシーア派のイラクをつくろうとしているというか、サウジアラビアにしてみれば、イラン・イラク戦争のときにサダム・フセインを後ろから応援してまで向き合っていたイランが、つまりシーア派主導のイランが、限りなく影響力を高めていくイラクを何とアメリカがつくろうとしているというパラドックスに映るといいますか、したがって、今、アメリカとサウジアラビアの関係、もう非常に複雑になってきています。
二十二年間ワシントンでサウジアラビアの大使をしていたバンダラ王子というのが約十六、七か月前にアメリカから戻ったんですけれども、二十二年ぶりに。新たに赴任した大使がわずか十五か月で帰任するなんというようなことが起こって、つまりサウジにしてみれば、ペルシャ湾の北側に巨大なシーア派のゾーンをつくろうとしているアメリカみたいに見えると。
アメリカはつまり今何をやろうとしているかというと、限りなくイランの影響力を抑えながらシーア派主導のマリキ政権を支えていかなければいけないという複雑なゲームになっちゃっているわけですね。そうなると、イランの影響力を抑えるときの最大のポイントが、イランが国際社会に突き付けてきているのが北朝鮮と同じように核というカードなわけですけれども、この核というきばを抜く必要があると。そのためには、シンボリックにこの核施設を攻撃するというようなことさえ考えられるというのがおっしゃっている文脈の背景にあるストーリーなんですけれども。
気を付けなきゃいけないのは、七九年にイラン革命が起こって以来、テヘランのアメリカ大使館が占拠されていた事件というのを思い出されると思いますけれども、アメリカはイランとの正式な国交関係を一切持たずに今日まで来ています。そこから日本とイランの関係とアメリカとイランの関係の違いがあるわけですけれども、今日現在も日本はイランに堂道大使を始めとする正式の大使館をずっとこの間も配置し続け、国交を保ってきています。ビジネスの分野でもイランに対して張り出しています。
そういう流れの中で、事イランに関する情報についていえば、ワシントンでいろんな人と議論して感じますけれども、日本のイランに関する情報の厚みというのは大変なものなんですね。したがって、イランとアメリカとの関係の中で日本が果たし得るし、果たさなければいけない役割というのは大変にあるというふうに僕は思います。
そういう中で、正におっしゃったように、イランというものが核施設攻撃なんというものを受けるなんということの事態が起これば、僕も、おっしゃるとおり、蓋然性としては九割九分あってはならないし、ないシナリオだろうと思うのです。だけれども、アメリカのイランに対する、ペンタゴンのちょっと屈折した気持ちというのは、七九年の後に人質救出作戦に失敗して以来、驚くほどイランに対する憎悪と屈折した怒りみたいなものを共有していますから、冷静な判断ができるかどうかということは疑問な部分が残ります。
そういう意味で日本が果たす役割も大きいという意味なんですけれども、ペルシャ湾とかホルムズ海峡ということになってくると、日本の国民の多くはイラク問題は若干対岸の火事的な部分もあったわけですけれども、イランということになるとそういうわけにはいかないということで、俄然、中東に対する石油依存度の高さがペルシャ湾、ホルムズ海峡ということになると日本にとって大きくのし掛かってくると。したがって、このシナリオを避けるための努力、それから中東に新しい秩序を回復するための努力というのが大変求められると。
その文脈の中で安倍さんもこのゴールデンウイークに掛けて行かれるんだろうというふうに認識していますけれども、その際、一言だけ申し上げたいのは、アメリカと利害を共有して中東問題にかかわるという選択肢を取るのか、アメリカともある種の適切な距離感を取りながら日本独自のスタンスで中東というものとかかわるのかというのを僕は世界は注目しているだろうというふうに思います。アメリカとの関係も大事にしながら、中東に対して日本が蓄積してきた今までの良好な関係というものをどう生かすのかがかぎになるだろうというふうに思います。
<続報記事>
イランとEUが電話協議、結論出ず
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK822014520080804
新テロ特措法が期限切れ確実に 国際社会の信頼はどこに
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080729/stt0807292217007-n1.htm
この記事にある佐藤正久参院議員の「イランの暴発でホルムズ海峡が有事になったら原油輸送を誰が支援するのか」との発言は多少偏っていますね。暴発が怖いのはイスラエルの方ではないでしょうか。また海自の補給活動とホルムズ海峡有事の関係が不明です。
ビビる大捜査線 ホルムズ海峡を封鎖せよ!資料編 ― 2008/08/05 18:02
<Top 10 importers of crude oil through Hormuz>
(2006 figures)
★Japan -- Takes 26 percent of crude oil moving through the strait (shipments meet 85 percent of country's oil needs)
Republic of Korea -- 14 percent (meets 72 percent of oil needs)
United States -- 14 percent (meets 18 percent of oil needs)
India -- 12 percent (meets 65 percent of oil needs)
Egypt -- 8 percent (N.B. most transhipped to other countries)
China -- 8 percent (meets 34 percent of oil needs)
Singapore -- 7 percent
Taiwan -- 5 percent Thailand -- 3 percent
Netherlands -- 3 percent (Source: Lloyd's Marine Intelligence Unit)
<Oil exports passing through Hormuz>
(2006 figures)
Saudi Arabia -- 88 percent
Iran -- 90 percent
Iraq -- 98 percent
UAE -- 99 percent
Kuwait -- 100 percent
Qatar -- 100 percent
FACTBOX: Strait of Hormuz: economic effects of disruption
http://www.reuters.com/article/idUSL0715685920080107?sp=true
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